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Pendo導入で問い合わせ半減 PPIHの移行術

Pendoで問い合わせ半減

開催日:1月1日

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Pendoで問い合わせ半減
Pendoってどうして問い合わせが減ったの?
Pendoは画面上にノーコードで案内を出せるガイドと行動解析を組み合わせたツール。現場で直感的に使える100以上のガイドを設置し、事前に「前捌き」で迷いを潰したため問い合わせが半減しました。
導入はいつからで現場はいつ使い始めたの?
Pendoの本格導入は2025年2月決定、第一段階リリースは2025年10月に100個以上のガイドを公開。ディスカウントストア業態では2026年1月から全商品部門で新システム運用を開始しています。

PPIHが直面した“店舗スタッフが使う”基幹システム移行の現実

東京都渋谷区に本社を置く株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)は、「ドン・キホーテ」をはじめとする総合ディスカウントストア等を国内外で700店舗以上展開しています。店舗スタッフを含む約5万人の従業員が日常的に利用する発注業務や在庫管理を担う基幹システムの移行は、現場の業務に直結する大規模プロジェクトです。

前回の基幹システム移行時には、サポート窓口への問い合わせが月間約400件から約2,000件前後へと急増した経験がありました。忙しい現場のスタッフはマニュアルやeラーニングを視聴する余裕がないため、従来の支援手段では限界があることも課題として浮かび上がりました。こうした背景から、問い合わせの発生自体を抑えるUI/UX設計を可能にするツールの導入が検討されました。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、Pendoの導入で基幹システム移行時の問い合わせを半減 画像 2

移行規模と想定される影響

今回の移行対象は、店舗の発注や在庫管理を担う基幹システムで、影響範囲は以下のとおりです。

  • 対象ユーザー:約5万人(店舗スタッフを含む)
  • 対象店舗:グループで国内外700店舗以上
  • 注力領域:発注業務、在庫管理など店舗オペレーションの核となる機能

移行に伴う問い合わせの増加は、現場の店舗運営とサポート窓口双方に大きな負荷をかけるため、事前の設計と運用方法の検討が重要でした。

Pendo導入の決め手と現場での“前捌き”戦略

PPIHは2025年2月にPendoの本格導入を決定しました。選定の理由は、単なるガイド表示機能だけでなく、ユーザー行動の可視化と分析機能の強さにありました。情報システム部 基盤運用課責任者の小林氏は、行動分析に基づくガイド設置とその改善サイクルを回すことを狙いとして、Pendoを採用したと説明しています。

マニュアルやeラーニングは視聴されないという現場の事情を踏まえ、導入チームは「問い合わせが発生する前に対応する」考え方、すなわち“前捌き”を軸に進めました。技術者に限定されないノーコードでのガイド作成が可能な点も、現場メンバーが主体的に取り組むための前提条件として重要でした。

採用からリリースまでの取り組み

Pendo導入後、プロジェクトチームはPendoのガイドや分析機能を活用しながら設計と試行錯誤を繰り返しました。IT専門のメンバーだけでなく現場に近い担当者もガイド作成に関わり、直感的に操作が理解できるデザインを追求しました。

具体的には、2025年10月の第一段階リリースまでに100個以上のガイドを作成し、マスコットキャラクター「ドンペン」を登場させるなど店舗で親しまれているポップ文化を取り入れたガイド表現により、忙しい店舗スタッフでも直感的に操作を理解できる工夫を施しました。

導入開始
2025年2月(Pendo本格導入決定)
第一段階リリース
2025年10月(100個以上のガイドを作成)
ディスカウントストア業態での新システム稼働
2026年1月(全商品部門で発注業務を開始)

導入効果の可視化:問い合わせ半減と現場のデータ活用

新システム稼働後、実際の問い合わせ件数は想定の半分に抑えられました。最初の週に発生した問い合わせは約150〜200件で、過去の移行時に見られた急増を回避した形となっています。問い合わせ量が抑えられたことで、ITサポート窓口は落ち着いた対応を維持でき、現場の混乱を回避しました。

ガイドの利用状況を分析すると、ユーザー1人あたり平均2〜3回のクリックが確認され、実際にガイドが活用されていることが裏付けられました。ユーザーからのクレームは1件も発生していない点も、現場運用の安定を示す数値です。

チームのマインドセット変化とデータドリブン化

Pendo導入から約1年で、チームは受動的なサポート対応から能動的な改善提案へと変化しました。自ら必要なガイドを企画・作成し、行動データを基に改善を繰り返す習慣が根付きました。問い合わせが発生する前に潰す“前捌き”の考え方が組織内に定着しています。

小林氏は、ユーザー行動データを活用して本当に必要な機能を見極める文化を目指しており、2027年に予定されている総合スーパー(GMS)業態への展開でもPendo活用に期待を寄せています。データに基づく判断と現場主体の改善サイクルが、今後の機能開発や運用改善に反映される見込みです。

  • 初動の問い合わせ(最初の週):約150〜200件(想定の半分)
  • 前回移行時の増加例:月間約400件→約2,000件前後
  • ガイド活用状況:ユーザー当たり平均2〜3クリック
  • クレーム件数:0件

Pendoの機能概要とPPIHでの活用可能性

Pendoはソフトウェア体験管理プラットフォームとして、強力な使用状況アナリティクスとアプリ内ガイダンス、ユーザーフィードバック機能を組み合わせた製品です。ノーコードで利用できることから、技術者以外のチームでも導入・運用できる点が特長です。

具体的な機能としては、以下の要素が挙げられます。

機能 説明
使用状況アナリティクス ユーザーの行動を可視化し、問題が発生している箇所を特定する
アプリ内ガイダンス(ガイド) 画面上に直接表示される操作案内をノーコードで作成・配信
ユーザーフィードバック 利用者の声を収集し、製品改善や運用改善に活かす

Pendoは本社を米国ノースカロライナ州ローリーに置き、日本法人としてPendo.io Japan株式会社を2020年11月1日に設立しています。グローバルで蓄積された行動データは35兆件に上るとされ、Pendoの分析基盤は大規模なデータに基づく洞察を提供します。

PPIHでの導入事例の詳細は、Pendoの事例ページで確認できます(https://www.pendo.io/ja-jp/customers/ppih/)。また、Pendo日本語サイトの製品情報はhttps://jp.pendo.io/about を参照してください。

企業と担当者のコメント

情報システム部 基盤運用課 責任者の小林氏は、導入の狙いと成果について次のように述べています。PPIHは顧客最優先主義を掲げているが、まずは店舗スタッフのITにおける「困った」を解消し、お客様に向き合う時間を増やすことが重要だと説明しました。

小林氏はさらに、Pendoのコンセプト自体の優位性だけでなく、成果を出すためには「何を実現したいのか」をチーム内で明確にぶれずに持ち続けることが不可欠だと指摘しています。ツールと現場の双方が噛み合って初めて、混乱を抑えた移行が可能になったという見解です。

本記事の要点整理

以下の表に、本事例の主要な情報をまとめます。導入時期、対象範囲、制作したガイド数など主要な数値やリンクを網羅しています。

項目 内容
発表日 2026年4月8日 10時00分(Pendo.io Japan株式会社 発表)
導入企業 株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)
導入先の概要 「ドン・キホーテ」などを含むグループで国内外700店舗以上、店舗スタッフを含む約5万人が使用する基幹システムの移行
Pendo導入決定 2025年2月(本格導入決定)
第一段階リリース 2025年10月(100個以上のガイドを作成)
DS業態での新システム開始 2026年1月(全商品部門で発注業務を開始)
成果(問い合わせ件数) 最初の週の問い合わせ:約150〜200件(想定の半分)/クレーム数:0件
過去の移行時の比較 過去:月間約400件→約2,000件前後に増加した実績あり
ガイド作成数 100個以上(第一段階リリースまで)
関係者名 Pendo.io Japan株式会社(カントリーマネージャー:花尾 和成)/PPIH 代表取締役社長CEO:森屋 秀樹/情報システム部 基盤運用課 責任者:小林氏
参照リンク 事例ページ:https://www.pendo.io/ja-jp/customers/ppih/ / Pendo日本紹介:https://jp.pendo.io/about / Pendo導入事例:https://jp.pendo.io/customers/

本事例は、現場の事情を踏まえたガイド設計と、行動データに基づく改善サイクルの確立により、大規模システム移行時の問い合わせ抑制という具体的な成果を示しています。導入ツールの選定基準、現場を巻き込んだ運用体制、データを活用した組織の変化といった要素が、今後の類似プロジェクトの設計指針として参考になる事例です。