VIPO×CNCがMOU締結 日仏映像連携の狙い
ベストカレンダー編集部
2026年4月10日 19:17
日仏映像協力MOU
開催日:4月1日
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日仏が映像分野で新たな協力関係を構築—MOU調印の全容
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)とフランス国立映画映像センター(CNC)は、映画・映像分野における協力体制を強化するための基本合意書(MOU)を締結しました。本件は、エマニュエル・マクロン仏大統領とカトリーヌ・ペガール仏文化大臣の公式実務訪問に合わせて行われたもので、両国の文化・クリエイティブ産業の発展という共通の目標に基づいています。
調印式は2026年4月1日、会場は東京都港区の国立新美術館で実施され、両機関の代表者が署名を交わしました。調印式における写真には「左より ガエタン・ブリュエルCNC会長、松谷孝征VIPO理事長」とのキャプションが付されています。合わせて、別カットには「写真左より 松谷孝征VIPO理事長、カトリーヌ・ぺガール フランス文化大臣、ガエタン・ブリュエルCNC会長」とあることも報告されています。
調印の背景と意義
今回のMOUは、単なる形式的な協定に留まらず、実務面での人的交流、共同製作支援、政策面でのベストプラクティス共有などを具体的に掲げています。日本とフランスの双方が映像文化を重視する点を出発点とし、クリエイターの育成や業界の持続可能な発展を目指す相互補完的な取り組みを進める狙いがあります。
この協力は、5月のカンヌ国際映画祭における「マルシェ・ドゥ・フィルム(Marche du Film)」での具体化を皮切りに、6月のアヌシー国際アニメーション映画祭のMIFA(Marché international du film d’animation)へと継続的に展開される予定です。特に2026年のカンヌでは日本が「カントリーオブオナー(Country of Honour)」として迎えられることから、両国の連携は国際舞台での発信力を強める機会となります。
MOUに盛り込まれた具体的項目と実務的な仕組み
MOUの本文には、実際にどのような協力が進められるのかが明記されています。公共政策の分野から創作支援、人的資源の育成、共同製作のための企業・専門家マッチングまで、多岐にわたる項目が列挙されています。
以下に、MOUで示された主要な協力項目を整理します。
- 公共政策や創作支援に関するベストプラクティスの交換
- 映画や映像産業を支える制度設計、資金援助の枠組み、規制と促進策について情報共有し、政策面での協調を図ります。
- スキルやキャリアパスの開発
- 人材育成プログラムの共同実施、職能別トレーニング、キャリアパスの可視化を進めることで、長期的な人材基盤を強化します。
- 共同製作を促進するマッチング
- 専門家や企業の相互紹介・マッチングを通じて、日仏の共同プロジェクトや共同製作を具体化します。
- レジデンス、ワークショップ、メンターシップなどの共同イニシアチブ支援
- 創作の現場に近い形での交流を支援し、若手から中堅クリエイターまでの横断的なネットワーク形成を促進します。
これらの取り組みはいずれも、単発のイベントや対話に終わらせず、持続的なプログラムとして制度化していくことが想定されています。具体的な運営フレームやスケジュールは今後両機関で詰められる見込みです。
協力を支える実務的な仕組み
MOUは方向性を示す枠組みであり、実務の運用にあたっては両機関の担当部署や専門家が連携して具体的なプログラム設計、予算配分、スケジュール管理を行うことになります。専門家交流会や共同ワークショップはパイロット事業として先行実施され、その成果を踏まえて拡張されることが想定されています。
なお、本MOUには資金援助の仕組みそのものを新設する条項は含まれていませんが、既存の支援制度を活用した共同支援や、プロジェクトベースでの資金調達支援が行われる想定です。
国際映画祭での具体的な展開と関係者の発言
VIPOとCNCの協力関係は、まず2026年5月のカンヌ国際映画祭(Marche du Film)で具体化します。カンヌでは日本がCountry of Honourとして特別な扱いを受けるため、パビリオンや市場での日仏共同企画、ビジネスマッチングの場が設けられる予定です。
続いて、2026年6月に開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭のMIFAでも協力プログラムが展開されることが示されています。アニメーション分野は日本にとって戦略的重要性が高く、CNCとの連携はプロダクション間の協力や国際流通の強化に資する点が期待されます。
ガエタン・ブリュエルCNC会長のコメント
調印に際して、ガエタン・ブリュエルCNC会長は次のように述べています。
「映画の歴史においても日本とフランスは本当に深い共通の絆で結ばれています。それは、まず第一に、作家主義的な映画を日本もフランスも非常に重要視しているということ。第二に、映画というものが日常にも根ざしているということです。
しかし、これからの時代はそれだけではなく、さらなる”挑戦”をしていくことが必要だと感じています。
そのために、仏日の協力関係をいっそう緊密にし、様々な設計をしていく必要があります。
日本にはCNCのような団体はありませんが、現状ではVIPOが我々と同等の団体だと考えており、1年前に私が就任して以来、VIPOとの関係を強化しています。
映画のみならず、映像全体においても共同プロジェクトの準備を進めているところです。」
このコメントは、文化的な共通性を確認すると同時に、これからの協力が単なる形式的連携に留まらない意図を示しています。CNC会長はVIPOを相互に協力しうるパートナーと認識しており、共同プロジェクトや制度設計まで見据えた発言を行っています。
CNCの役割、問い合わせ先、要点の整理
CNC(Centre national du cinéma et de l’image animée)はフランス文化省の傘下にある公的機関で、映画、映像、テレビ、ゲーム産業の振興、資金援助、規制を包括的に担っています。映画の企画・制作・上映・普及に至るまで強力な支援体制を持ち、「映画文化の自国保護と共助システム」を構築・運用している点が特徴です。
今回のMOUにより、CNCの制度的ノウハウや支援スキームの知見が日本側と共有されることになります。これにより、日本側では政策設計やクリエイティブ支援の参考になる実務知見の取得が期待されます。
- 発表元
- 特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
- 発表日時
- 2026年4月10日 16時00分
- 調印日・場所
- 2026年4月1日 国立新美術館(東京都港区)
- 主要関係者
- VIPO 理事長:松谷孝征、CNC 会長:ガエタン・ブリュエル、フランス文化大臣:カトリーヌ・ペガール(写真に登場)
問い合わせ先はVIPO広報課で、E-mailはPR@vipo.or.jpです。公式のリリース詳細や関連情報はVIPOのニュースページ(https://www.vipo.or.jp/news/56415/)で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 協定の主体 | VIPO(映像産業振興機構)とCNC(フランス国立映画映像センター) |
| 調印日/発表日 | 調印:2026年4月1日(国立新美術館)/発表:2026年4月10日 16:00 |
| 主要内容 | 公共政策・創作支援のベストプラクティス交換、スキル・キャリア開発、共同製作のマッチング、レジデンス・ワークショップ・メンターシップ支援など |
| 国際イベントでの展開 | 2026年5月 カンヌ国際映画祭(Marche du Film)/2026年6月 アヌシー国際アニメーション映画祭(MIFA) |
| 関係者コメント | ガエタン・ブリュエルCNC会長が日仏の歴史的絆と今後の挑戦、VIPOとの関係強化を言及 |
| 問い合わせ | VIPO 広報課 E-mail:PR@vipo.or.jp/詳細:https://www.vipo.or.jp/news/56415/ |
以上が本調印とMOUの主要点の整理です。今回の合意は日仏両国の制度的・実務的連携を深める枠組みを示しており、国際的なイベントを通じた具体化や、人的交流・共同製作を通じた実務面での成果が期待されます。今後は両機関による詳細な運用設計が進められ、パイロット事業や協力プロジェクトの具体化が行われる見通しです。