JAPAN TEA SHIZUOKAを発表 静岡茶の新戦略
ベストカレンダー編集部
2026年4月14日 20:57
静岡茶ブランド発表
開催日:4月14日
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発表当日の概要とプロジェクト始動の背景
静岡県・静岡茶ブランディングプロジェクト国内発表会PR事務局は、2026年4月14日18時35分に、静岡茶のブランドネームとロゴマーク、並びに今後のアクションプランを正式に公表した。発表は鈴木康友知事が行い、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が総合プロデューサーとして本プロジェクトに参画している点が併せて示された。プロジェクト自体は2025年7月に始動しており、茶業振興計画(2025〜2028年の4年計画)の一環として位置づけられている。
本取り組みは、静岡が国内を代表する茶産地であるという事実に基づき、「日本発のグローバルブランドとして静岡茶の価値を再定義する」ことを目的とする。プロジェクト名には歴史的要素と地域性を併せ持つネーミングが採用され、生産者・茶商・広範な茶業関係者が連携してブランド構築を進める体制が整えられている。
- 発表日時
- 2026年4月14日(火)18:35
- 発表者
- 鈴木康友知事
- プロジェクト始動
- 2025年7月(静岡茶ブランディングプロジェクト開始)
- プロデュース
- クリエイティブディレクター 佐藤可士和氏(総合プロデューサー)
静岡茶が直面する課題と数値で示される現状
本プロジェクトが打ち出された背景には、静岡茶を取り巻く明確な課題がある。生産基盤の縮小と担い手不足、世界的な抹茶需要の拡大に対する生産対応力不足、さらにブランドイメージの未成熟など、複合的な問題が確認されている。以下に主要な現状と数値を整理する。
統計や調査の数字は、課題の緊急性を示す。1965年から2025年にかけての茶栽培農家数、茶園面積、荒茶生産量の推移は、生産基盤の後退を明確に示している。これらの数値は農林業センサスや農林水産統計(農林水産省)を出典としている。
| 指標 | 年度 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 茶栽培農家数 | 1965 | 68,373戸 | 農林業センサス |
| 茶栽培農家数 | 2025 | 5,827戸 | 急激な減少 |
| 茶園面積 | 1985 | 23,000ha | 最大期の水準 |
| 茶園面積 | 2025 | 11,600ha | 縮小傾向が続く |
| 荒茶生産量順位 | 2024 | 鹿児島県に抜かれ2位 | 統計開始(1959年)以来初 |
| 輸出額(茶) | 2025 | 721億円 | 2024年の約2倍の水準 |
- 担い手不足・高齢化:生産者数は1965年の68,373戸から2025年には5,827戸へと大幅に減少している。
- 生産規模の縮小:茶園面積は1985年の23,000haから2025年には11,600haへと減少している。
- 生産順位の変化:荒茶生産量において、2024年に鹿児島県に抜かれ、静岡は初めて2位に後退した。
- 輸出需要の急増と供給不足:世界的な抹茶需要の拡大に対し、抹茶の原料となるてん茶の生産が静岡では少なく、供給体制が整っていない。
- 消費構造の変化:国内では生活様式の変化やペットボトル飲料の普及により、急須で淹れるリーフ茶の消費が減り、ティーバッグやペットボトル緑茶が増加している。
JAPAN TEA SHIZUOKA—ブランド名称、ロゴ、定義に込めた意図
今回決定したブランドネームは「JAPAN TEA SHIZUOKA」である。歴史的な輸出茶ラベルで用いられた「JAPAN TEA」という表現に、地域名「SHIZUOKA」を組み合わせることで、「静岡」「お茶」「日本」の三要素を同時に訴求する狙いがある。ネーミングは国内外での視認性と歴史的連続性を考慮している。
ブランドロゴのコンセプトは「現代の蘭字」。幕末から明治にかけて輸出茶のラベルとして使われた蘭字を現代的に再解釈し、富士山と茶畑をモチーフにしたデザインとオリジナルフォントで「JAPAN TEA SHIZUOKA」を表現する。視覚的には歴史性と現代性を両立させることを目指している。
蘭字とは
蘭字は幕末の開港以降、輸出用の茶箱に貼られたラベルとして発達した。錦絵師や浮世絵職人による多色刷りの図案が特徴で、富士山や桜といった日本を象徴するモチーフと「JAPAN TEA」の文字が組み合わされた。
当時の蘭字は海外に向けた広告的役割も果たし、日本のグラフィックデザインの先駆けとみなされている。今回のロゴはこの蘭字の視覚言語を現代に翻訳し、静岡茶の歴史と地理的特性を一つの象徴へとまとめ上げることを狙っている。
ブランド定義とコアバリュー
プロジェクトで定められたブランド定義は以下の通りである。「静岡県産一番茶100%使用 & 静岡県内仕上げ加工100%」。英語表記では 100% SHIZUOKA FIRST FLUSH & CRAFTED とされ、地域団体商標の定義に基づいた厳格な品質基準を掲げる。
この定義により、静岡産の一番茶としての品質と、県内での高度な仕上げ加工技術の両面を訴求する。目標は静岡茶のプレミアム価値を高め、生産者や茶商、関係者全体にブランド価値が波及する効果を生むことである。
- コアバリュー
- SHIZUOKA:JAPAN’S LEADING TEA REGION(日本のリーディング茶産地)
- 評価要素
- 歴史・生産量・産地の多様性・技術力(深蒸しや煎茶開発)・関連産業の集積
静岡県内の多様な茶産地も明示され、地域性を明確にすることで、消費者や海外市場に対して産地の幅広さとバラエティを伝える構成になっている。
- 富士、富士宮、沼津、清水、両河内、浜松、静岡、本山、藤枝、島田
- 川根、金谷、牧之原、御前崎、菊川、掛川、御殿場、森、袋井、磐田
- 天竜、春野
実行計画(アクションプラン):具体的施策と展開予定
ブランドを浸透させるための初期アクションプランが発表された。施策は国内外に向けた広報・販売・体験の三方面をカバーし、段階的に認知度とブランド価値を高めることを目的としている。
以下に示す五つの主要施策は、ブランド形成に必要な情報発信基盤、物理的な接点、体験価値、海外への浸透をそれぞれ想定している。
- WEBサイト制作:JAPAN TEA SHIZUOKAプロジェクトの公式ウェブサイトを立ち上げ、ブランド情報、ブランド定義、各種コンテンツを英語・日本語等で発信する計画。
- 公式ノベルティ制作:オリジナルTシャツ、ミニ茶箱、はっぴ、エプロン等を制作し、国内外でのプロモーションツールとして活用する。
- オリジナル商品の販売:多様な静岡茶の味わいを伝えるティーバッグセット等のオリジナル商品の販売を検討中で、商品を通じて静岡茶のバリエーションを分かりやすく提供する。
- TEA TOURISM(ティーツーリズム):世界文化遺産「富士山」と茶畑の景観を活かした茶体験を企画し、現地での特別な体験を通じてプレミアムブランド価値を伝える。
- 海外でのPR発表会:学術的会合や商談会でのブランド発表を継続的に実施。開催予定には、米国カリフォルニア大学(UCデービス)でのコロキウム、ドイツや米国でのトレードショー等が含まれる。
アクション実施にあたり、公式ノベルティや商品は国内外での認知拡大を狙ったツールとして位置づけられている。TEA TOURISMは観光資源としての富士山と茶畑を組み合わせ、地域の景観と結びついた体験価値の提供を目指す。
関連情報は静岡県の担当課およびプロジェクト公式ページでも公表されている。参考URLは以下の通りである。
- 静岡県公式(お茶振興課): https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/introduction/soshiki///.html
- JAPAN TEA SHIZUOKA 公式ホームページ: https://japan-tea-shizuoka.com/
要点の整理(表形式)と記事の締めくくり
ここまで記載した内容を主要項目別に表で整理する。発表の日時、プロジェクト名、ブランド定義、ロゴコンセプト、主要な数値とアクションプランを一覧にまとめることで、情報を俯瞰できる構成とした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年4月14日 18:35(鈴木康友知事が発表) |
| プロジェクト開始 | 2025年7月(静岡茶ブランディングプロジェクト始動) |
| プロジェクト期間(関連計画) | 茶業振興計画 2025〜2028(4年計画)の一環 |
| ブランドネーム | JAPAN TEA SHIZUOKA |
| ブランドロゴ・コンセプト | 「現代の蘭字」—富士山と茶畑をモチーフにしたオリジナルフォントのデザイン |
| ブランド定義 | 静岡県産一番茶100%使用 & 静岡県内仕上げ加工100%(100% SHIZUOKA FIRST FLUSH & CRAFTED) |
| 主要な課題 | 生産者の高齢化・後継者不足、茶園面積と荒茶生産量の縮小、抹茶需要に対するてん茶供給不足、ブランド認知・プレミアムイメージ不足、国内需要の頭打ち |
| 主要数値 | 1965年:茶農家68,373戸 → 2025年:5,827戸。茶園面積 1985年23,000ha → 2025年11,600ha。2024年:荒茶生産量で鹿児島に抜かれ2位。2025年輸出額 721億円(2024年の約2倍) |
| アクションプラン | ①WEBサイト制作 ②公式ノベルティ制作(Tシャツ等) ③オリジナル商品の販売(ティーバッグセット等) ④TEA TOURISM(富士山と茶畑での茶体験) ⑤海外でのPR発表会(UCデービス等、国際的なトレードショー) |
| 参画者(主な役割) | 鈴木康友知事(発表)/佐藤可士和氏(総合プロデューサー、クリエイティブディレクション)/生産者・茶商・茶業関係者(共創) |
| 関連URL | 静岡県公式(お茶振興課): https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/introduction/soshiki///.html JAPAN TEA SHIZUOKA 公式: https://japan-tea-shizuoka.com/ |
発表された内容は、静岡県が持つ歴史的・地理的な強みと、現代の市場ニーズを結びつけることで、静岡茶のプレミアム化と国際展開を図るものとなっている。定義として掲げられた「静岡県産一番茶100%使用・静岡県内仕上げ加工100%」は品質基準を明確に示し、アクションプランは認知拡大と体験提供、販路の拡大を同時に進める構成である。情報の詳細は上記公式サイトおよび静岡県の担当窓口で確認できる。