門脇康平監督『我々は宇宙人』5/12カンヌ上映
ベストカレンダー編集部
2026年4月15日 09:57
カンヌ監督週間選出
開催期間:5月12日〜5月23日
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門脇康平が描く、写実と記憶のあいだ──『我々は宇宙人』の映像世界
映画レーベルNOTHING NEWによる初のオリジナル長編アニメーション作品『我々は宇宙人』は、企画・脚本・監督を務める門脇康平(1996年生まれ、東京藝術大学出身)の映像表現が色濃く反映された作品である。本作は写実的な美しさと物語上の必然性を両立させる演出を特徴とし、キャラクターの動きや背景美術の細部に至るまで緻密な設計が施されている。
門脇監督はこれまで舞台映像やCMディレクションを経てアニメーション作家として活動してきた。YOASOBI『優しい彗星』などに関わった経験もあり、既存手法にとらわれない柔軟な発想で未体験の映像表現を追求している。また本作では、子ども特有の身体性を描くために、キャラクターに近いイメージの子役をオーディションで選び、実写でのプレヴィズ撮影をほぼ全カットで行うという入念な手間をかけている。
<監督 門脇康平 コメント>
この度、カンヌ国際映画祭・監督週間に選出いただき、世界中の方々に作品をご覧いただく機会をいただけたことを、大変光栄に思っております。『我々は宇宙人』は、誰もが知っている普遍的な喜びや悲しみ、痛みといった感情を、非常に個人的な思い入れを込めたキャラクターとストーリーによって描いた作品です。本作のキャラクターたちが世界の皆さまにどのように受け止めていただけるのか、楽しみにしておりますし、多くの方の心に届く作品になると信じています。
二人の主人公と声のキャスティング──坂東龍汰、岡山天音らが紡ぐ声の関係性
本作は内気でどこにでもいる普通の青年「翼」と、人気者で特別な存在「暁太郎」という二人の少年の友情と成長を描く。声の主要キャストには、翼を坂東龍汰、暁太郎を岡山天音が務めることが発表された。坂東はTBS系『ライオンの隠れ家』や映画『爆弾』で評価を得ており、日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞歴がある。岡山はNHK夜ドラ『ひらやすみ』や『キングダム』シリーズなど多彩な出演歴を持ち、2026年2月には第50回エランドール賞を受賞している。
大人の二人に加え、翼と暁太郎の幼少期を演じる声優として、オーディションで選ばれた槙木悠人(翼幼少期)・中込佑玖(暁太郎幼少期)が参加する。若手の瑞々しい演技と、演出側による実写プレヴィズ撮影を踏まえた声の演出が、キャラクターの身体性と感情表現に深みを与えることが期待される。
<坂東龍汰 コメント>
映画『我々は宇宙人』で、翼の声を担当させていただきました。脚本を初めて読んだときに、必ず多くの人の心を動かす映画になると確信し、門脇監督をはじめスタッフの皆さんが持つ尋常ではない熱量に触れ、僕も全力で応えねばという気持ちになりました。収録では、暁太郎役の岡山天音さんが隣で、まるで湯気が立ち上るような迫力のある声を放たれていて、毎秒身体が痺れるような感覚でした。そして、カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出されたことも、心から嬉しく思います。日本にとどまらず、世界中の方々に広く届く作品になることを祈っています。
<岡山天音 コメント>
最初に本編の映像を観させていただいた時、その美しく歪んだ世界に吸い込まれました。門脇監督とのやり取りの中でも、今作が監督自身の血が色濃く混ざった作品である事を改めて知り、大人になった暁太郎の声を担わせていただく中で、必死で暁太郎の輪郭を編もうとしたことを覚えています。同時に、共演の坂東龍汰さんが体現する翼の光と影に、真隣で触れていた時間が、暁太郎としても、自分自身としても、とても感じ入る特別な時間でした。カンヌ国際映画祭の監督週間で上映される事も含め、多くの方に、主人公2人の小さくて大きな物語が届く事を願っております。
幼少期キャストと演出手法
門脇監督は子ども特有の身体性を忠実に描写するため、キャラクターのイメージに合った子役をオーディションで選定し、実写でのプレヴィズ(プリビジュアライゼーション)をほぼ全カットで実施する手法を採用している。これによりアニメーションの動きに生理的な説得力が生まれ、登場人物の微細な仕草や感情の揺らぎが画面に反映される。
幼少期のキャストは以下の通りである。
- 翼(幼少期):槙木悠人
- 暁太郎(幼少期):中込佑玖
カンヌ国際映画祭 監督週間選出の背景と国際的評価の可能性
『我々は宇宙人』は第79回カンヌ国際映画祭(開催期間:2026年5月12日〜23日)の監督週間(Quinzaine des Cinéastes)に正式出品された。監督週間は新鋭や独創的な作家を紹介する重要な部門であり、これまでに大島渚や黒沢清といった監督の作品が上映されてきた。2026年のカンヌ国際映画祭では、コンペティション部門の審査委員長をパク・チャヌクが務めることでも注目されている。
監督週間のアーティスティックディレクター、ジュリアン・レジは本作について「異なる社会的背景を持つ二人の少年たちの成長と友情の物語であり、印象的なビジュアルスタイルと、断片的な記憶をたどる語り口が作品の真骨頂だ」と評している。レジのコメントは、本作が単に映像的な美しさに留まらず、記憶や個人史の塗り替えといったテーマを繊細に扱っている点を評価したものである。
国際映画祭での上映は作品の受容を多様な文化圏に広げる機会となる。NOTHING NEWは2022年の設立以来、日本の新鋭作家とともに作品を製作し、国内外の映画祭へ向けて発表してきた。実写長編『チルド』(監督:岩崎裕介)はベルリン国際映画祭で国際批評家連盟(FIPRESCI)賞を受賞しており、本作の監督週間選出は同レーベルの継続的な国際的評価の一端を示している。
作品情報、クレジット、関連情報の整理とまとめ
以下に本作のストーリーと主要クレジット、公開予定などを整理する。物語は平成の日本の田舎町を舞台に、内気な少年・翼と人気者の暁太郎が出会い、友情を育むなかで日常が歪み、取り返しのつかない事件へと向かう構造を持つ。作品は感情の普遍性を個人的な視点で描くことを旨としている。
主要クレジット・公開情報は次の通りである。公式サイトとコピーライト表記および制作協力の情報も含め、関心のある読者が確認しやすいように整理した。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 我々は宇宙人(英題:We are Aliens) |
| 公開日 | 2026年劇場公開(予定) |
| 企画・脚本・監督 | 門脇康平 |
| キャスト(声の出演) | 坂東龍汰、岡山天音、槙木悠人(翼幼少期)、中込佑玖(暁太郎幼少期) |
| 音楽 | Yaffle |
| 企画・製作・制作 | NOTHING NEW |
| 協力 | MIYU PRODUCTIONS |
| コピーライト | © NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS |
| 公式サイト | https://nothingnew.film/wearealiens/ |
音楽担当のYaffleは藤井風や米津玄師らの楽曲プロデュースで知られる新世代の音楽家であり、作品に「人間の美しさと醜さ」を含めたサウンドを提供する。Yaffleのコメントには「隠してる胸の奥を槍でぐりぐりつき回されるような映画です」とあり、視聴後に議論が深まるような作りであることを示唆している。
NOTHING NEWは2022年設立の映画レーベルで、才能の芽が潰されない環境を目指して制作を行っている。2026年公開待機作として『沢田美由紀のガマランドにお邪魔します』(監督:西井紘輝、4月24日公開予定)や、ベルリン国際映画祭でFIPRESCI賞を受賞した実写長編『チルド』(監督:岩崎裕介、7月17日公開予定)などが控えており、『我々は宇宙人』は同年の注目作の一つとして位置づけられている。
この記事ではプレスリリースに記載された情報をもとに、本作の制作背景、キャスト、音楽、国際映画祭での評価につながる要点を整理した。作品の公開は2026年を予定しており、公式サイト(上記)で最新情報が案内されている。