新入社員調査:期待1位は「学びと成長」
ベストカレンダー編集部
2026年4月21日 14:29
入社直前意識調査
開催期間:1月20日〜3月4日
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新入社員の期待は「学びと成長」――給料以上に自己成長を重視する傾向
ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所が2026年1月20日から3月4日にかけて実施した「入社直前意識調査(これからの成長・キャリア編)」では、2026年に企業に入社する内定者266人を対象に、新入社員が入社直前に抱く期待やキャリア志向、準備状況、企業に求める支援について詳細に尋ねています。
調査の結果、入社に向けた期待のトップは「色々なことを学び成長できる」で65.5%。次いで「給料がもらえる」が59.9%、「社会の役に立てる」が44.0%となりました。金銭的な期待を持つ人も多い一方で、学びや成長を重視する割合が上回っている点が特徴的です。
- 色々なことを学び成長できる:65.5%
- 給料がもらえる:59.9%
- 社会の役に立てる:44.0%
この結果は、近年の若手人材に広がる「周囲と支え合いながら成長したい」といった価値観と整合します。過去調査でも「助ける人(周囲の気持ちに寄り添い、支援を惜しまない)」という理想の社会人像が上位に来ており、個人の成果だけでなく関係性の中で成長することを重視する傾向が続いています。
入社前の準備状況と将来のキャリア志向の実態
入社前に取り組んでいる具体的行動には偏りが見られ、約7割が実務に近い経験としてアルバイトを通じた「働く経験」を挙げています。生活習慣の改善や専門知識の学習も一定数が取り組んでおり、ほとんどの内定者が何らかの準備を行っていることが明らかになりました。
同時に、将来どのような役割を担いたいかについては明確な意思を持たない層が多く、「まだはっきりしておらず今後決めていきたい」と答えた割合が45.5%で最多となっており、適性や経験を通じて方向性を定めたいという姿勢がうかがえます。
社会人になるにあたって努力していること
調査で最も多かった回答は「アルバイトを通じ、働く経験をしている」で67.7%。次いで「早寝早起きなど、生活習慣の改善に取り組んでいる」が35.7%、「専門知識を学んでいる」が30.5%でした。逆に「特に何もしていない」は2.3%にとどまり、準備に取り組む者が大多数です。
具体的な順位は以下の通りです。これらは入社直前期における“実務適応力”と“自己管理能力”の両面での準備を示しています。
- アルバイト等での働く経験:67.7%
- 生活習慣の改善(早寝早起き等):35.7%
- 専門知識の学習:30.5%
- 特に何もしていない:2.3%
将来担いたい役割の意向
将来の役割については、選択肢ごとに分布が見られます。スペシャリスト志向(専門職)が27.1%、マネジメント志向(管理職)が18.0%、メンバーとして働きたいが5.3%、独立したいが1.9%でした。しかし、最も多いのは「今後決めていきたい」で45.5%にのぼります。
この結果は、即断的にキャリアを決めずにまずは経験を通じて適性を見極めたいという傾向を示しています。自由記述では「様々な経験を通じて自身の適性や方向性を見つけたい」という趣旨の回答が多かったことが報告されています。
企業に期待する支援と育成設計の実務的指針
キャリア形成において新入社員が企業に期待する支援では、「上司に相談できる機会」が42.9%で最多となりました。次いで「新たなスキル習得支援」が29.3%、「キャリアに関するセミナーや勉強会」が19.5%です。一方、企業に特に期待することはないとした回答は1.5%にとどまり、98%以上の新入社員が何らかの支援を期待している点が示されています。
この傾向からは、個人にキャリア形成を丸投げするのではなく、上司や組織が能動的に関与し、相談や学習の機会を提供することが求められていることが読み取れます。
企業に期待する支援の内訳
企業に求める支援の具体的な順位は以下のとおりです。上司との対話を重視する回答が最も多く、人的なサポートを期待する傾向が明確です。
- 上司に相談できる機会:42.9%
- 新たなスキル習得支援:29.3%
- キャリアに関するセミナーや勉強会:19.5%
- 会社に期待することはない:1.5%
この結果を受けて、調査報告では新入社員育成を設計するうえでのポイントを三つの観点から整理しています。以下ではその要点を実務的に整理します。
育成設計の三つの観点
① 「やるべきことをやり切る」ための支援設計:1年後のゴールを明確に設定し、半年ごと・3カ月ごとの中間ゴールを置くことで、MUST(やるべきこと)を可視化・具体化することが重要です。目的や意味づけを伝え、業務が成長にどう繋がるかを説明することで、業務に主体的に向き合わせます。
② 相談できる環境の設計:月次や隔週の1on1実施、相談テーマを整理した質問カード、同期のピアサポート制度、OJT担当向けの「相談の聴き方」研修など、組織として相談しやすい仕組みを作る必要があります。相談体制が整えば、新入社員は失敗や迷いを成長の機会として活用しやすくなります。
③ 成長や学びの見える化による内省支援:事前に目的や到達イメージを示し、業務後にはショートプレゼンや日報、振り返りワークを実施して学びをアウトプットさせることが有効です。段階的に任せる領域を広げるロードマップの提示や、対話型AIを用いた内省支援なども併用すると効果的です。重要なのは内省を本人任せにしないことです。
調査の構成データ、ALL DIFFERENTの概要と調査出典
本調査の対象は、ALL DIFFERENTが提供する内定者向け研修の受講者(2026年4月入社予定)で、調査時期は2026年1月20日~3月4日、実施方法はWeb・マークシート記入式のアンケート、サンプル数は266人です。分析に際して読み取りエラーやブランクは欠損データとして除外されています。
以下に調査対象者の業種別および企業規模別の内訳を表で示します。数値は調査資料の通り記載しています。
| 業種 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 漁業 | 1人 | 0.4% |
| 建設業 | 10人 | 3.8% |
| 製造業 | 22人 | 8.3% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 4人 | 1.5% |
| 情報通信業 | 104人 | 39.1% |
| 運輸業・郵便業 | 7人 | 2.6% |
| 卸売業・小売業 | 13人 | 4.9% |
| 金融業・保険業 | 6人 | 2.3% |
| 不動産業・物品賃貸業 | 7人 | 2.6% |
| 学術研究・専門・技術サービス業 | 14人 | 5.3% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 1人 | 0.4% |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 3人 | 1.1% |
| 教育・学習支援業 | 1人 | 0.4% |
| 医療・福祉 | 2人 | 0.8% |
| 複合サービス事業 | 3人 | 1.1% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 20人 | 7.5% |
| その他 | 45人 | 16.9% |
| わからない | 3人 | 1.1% |
企業規模別内訳は以下のとおりです。
| 企業規模(従業員数) | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 1~50人 | 32人 | 12.0% |
| 51~100人 | 42人 | 15.8% |
| 101~300人 | 113人 | 42.5% |
| 301~1,000人 | 50人 | 18.8% |
| 1,001~5,000人 | 9人 | 3.4% |
| わからない | 20人 | 7.5% |
本調査を引用する際は、必ず【ラーニングイノベーション総合研究所「入社直前意識調査(これからの成長・キャリア編)」】と明記するよう求められています。調査資料はALL DIFFERENTの配布資料(https://www.all-different.co.jp/app/uploads/all/news_20260421.pdf)でも確認できます。
また、本調査を実施したALL DIFFERENT株式会社は組織開発・人材育成を手掛けるコンサルティング企業で、2006年にトーマツイノベーションとして事業を開始、2019年にラーニングエージェンシーとして独立、2024年に社名をALL DIFFERENTに変更しています。代表取締役社長は眞﨑大輔氏、本社は東京都千代田区有楽町に所在し、2025年4月1日時点の人員は328人です。
本調査の要点整理(表形式)
以下に本記事で触れた主要な調査結果と調査概要を表にまとめます。要点を一覧にしたうえで、記事全体の内容を簡潔に振り返ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | 入社直前意識調査(これからの成長・キャリア編) |
| 実施主体 | ALL DIFFERENT株式会社 / ラーニングイノベーション総合研究所 |
| 調査時期 | 2026年1月20日~3月4日 |
| 対象 | ALL DIFFERENTの内定者向け研修受講者(2026年4月入社予定) |
| サンプル数 | 266人 |
| 入社に向けた期待(上位3項目) | 色々なことを学び成長できる65.5%、給料がもらえる59.9%、社会の役に立てる44.0% |
| 入社前の努力(上位) | アルバイト等での働く経験67.7%、生活習慣改善35.7%、専門知識学習30.5% |
| 将来の役割志向 | 今後決めていきたい45.5%、スペシャリスト27.1%、管理職18.0% |
| 企業に期待する支援(上位) | 上司に相談できる機会42.9%、新たなスキル習得支援29.3%、セミナー・勉強会19.5% |
| 引用表記 | ラーニングイノベーション総合研究所「入社直前意識調査(これからの成長・キャリア編)」 |
| 関連資料 | https://www.all-different.co.jp/app/uploads/all/news_20260421.pdf |
本調査は、2026年入社予定の新入社員が入社直前に抱く期待や準備、企業に求める支援について定量的に示したものです。特に「成長・学び」を重視する傾向、実務経験を通じた準備の多さ、上司との対話や組織的支援を求める点が明確となっており、人事や育成担当者が新入社員育成の設計を行う際の示唆を与える内容と言えます。