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閉鎖温泉を再生、五島にHOTEL JIHONGAI誕生へ

荒川温泉再生プロジェクト

開催日:5月16日

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荒川温泉再生プロジェクト
いつ開業するの?
段階開業です。工事は2期に分けて進め、温泉施設は2026年秋に着工予定で段階的に整備し、温浴部分は2027年夏に先行開業、宿泊等を含む全面開業は2028年夏を目指しています。
誰が費用を出すの?
株式会社MTG代表の松下剛氏(五島市出身)が改装費用を全額負担して支援し、新会社「荒川温泉株式会社」を設立。桑田隆介氏が社長、設計は長坂常氏が担当します。

地域に根ざした荒川温泉の継承─閉鎖から再生へ

長崎県五島市玉之浦町で長年親しまれてきた「地域福祉センター荒川温泉」は、もともと廃業した旅館を市社会福祉協議会が引き継ぎ、2011年に開所した施設でした。しかし老朽化などを理由に今春運営を終了することが決まっていました。

この施設の存続を願う地域住民の強い要望を受け、五島市出身で株式会社MTG代表の松下剛氏が支援を決意しました。松下氏は老朽化に伴う改装費用などを全額負担して支援する意向を示し、地域の拠点を次世代につなぐという考えのもと、施設の引き継ぎと再生に関わることになりました。

再生のために設立された新会社は荒川温泉株式会社。地元で宿泊施設や飲食事業を展開する桑田隆介氏と松下氏が協力し、松下氏は新会社の代表取締役会長に、桑田氏は代表取締役社長に就任しました。プレスリリースは2026年5月16日 06時00分付で配信され、前日である5月15日にリニューアル計画の構想が発表されたと記されています。

長崎県五島列島福江島 閉鎖した「地域福祉センター荒川温泉」を公衆浴場「荒川温泉」とデザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI」にリニューアル 画像 2

「HOTEL JIHONGAI」──空海の言葉と五島の風景をつなぐデザイン

新たに生まれ変わる施設の宿泊棟は、温泉宿坊型デザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI(ジホンガイ)」という名称で展開されます。ホテル名は空海が残した言葉「辞本涯(じほんがい)」に由来し、東シナ海を望む立地と遣唐使や空海にまつわる五島の歴史をコンセプトに据えた施設づくりが行われます。

設計は建築家長坂常(ながさか じょう)氏が率いるスキーマ建築計画が担当します。長坂氏は1998年東京藝術大学卒業後スタジオを立ち上げ、家具から建築、まちづくりまで幅広いスケールで活動。代表作としては東京・清澄白河や京都・南禅寺参道の〈BLUE BOTTLE COFFEE〉、〈黄金湯〉、〈狛江湯〉、〈hotel jin〉などが挙げられ、国内外で評価を集めています。

長崎県五島列島福江島 閉鎖した「地域福祉センター荒川温泉」を公衆浴場「荒川温泉」とデザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI」にリニューアル 画像 3

設計の方向性と空間づくり

設計コンセプトは「引き算」「知の更新」「見えない開発」といった長坂氏の思想を取り込みつつ、既存環境の価値を見出すことにあります。ロビーは吹き抜けとし、緑と光が溢れる開放感を重視する設計が予定されています。建築的には周囲の風景や夕日を取り込むことを重視し、五島ならではの景観と歴史性を建物内に反映する意図が示されています。

以下は設計・デザインに関する主なポイントです。

  • ロビーを吹き抜けにして緑と光を取り込む開放的な設計
  • 東シナ海を望むテラスや夕日を楽しめる動線計画
  • 素材へのこだわり(五島産玄武岩など地域資源の活用)
  • 既存の建物を尊重しつつ、新しい価値観を見出すリノベーション手法
長崎県五島列島福江島 閉鎖した「地域福祉センター荒川温泉」を公衆浴場「荒川温泉」とデザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI」にリニューアル 画像 4

温浴・宿泊・共用施設の仕様と段階的開業スケジュール

リニューアル後の施設は温浴をはじめ宿泊、研修、飲食など多面的に機能する複合拠点として計画されています。温泉は地元資源である五島産玄武岩を使用した浴場を整備し、露天風呂、サウナ、岩盤浴を設置する計画です。

客室構成は主に2階に集約され、全体で約20室規模を予定。用途別にツイン、シングル、ドミトリーといった多様な客室タイプを用意し、VIPルームは専用バルコニーと緑に囲まれた専用風呂を備える設計です。VIPルームからは夕日が望めることが想定されています。

長崎県五島列島福江島 閉鎖した「地域福祉センター荒川温泉」を公衆浴場「荒川温泉」とデザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI」にリニューアル 画像 5

共用施設と利用形態

温浴以外にも以下の設備が整備される予定です。都市圏からの企業研修などを想定し、宿泊だけでなく各種利用に対応できる構成です。

  • 研修室
  • ジム
  • カフェスペース
  • 夕日を望むテラス

特に温浴利用は、工期中はいったん閉鎖されますが、リニューアル後も従来通り温浴のみの利用が可能となる計画です。女性浴室については、現在の面積の倍以上を目指して拡張する計画が示されています。

長崎県五島列島福江島 閉鎖した「地域福祉センター荒川温泉」を公衆浴場「荒川温泉」とデザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI」にリニューアル 画像 6

工期と段階的な開業スケジュール

工事は2期に分けて実施されます。温泉施設については2026年秋に着工し、2027年夏の開業を目指します。宿泊を含む宿泊棟やその他の施設は続く第2期工事で整備され、2028年夏に全面開業する予定です。

工期と開業スケジュールの要点は次の通りです。

  1. 温泉施設着工:2026年秋
  2. 温泉施設開業:2027年夏(段階開業)
  3. 宿泊施設等完成・全面開業:2028年夏
長崎県五島列島福江島 閉鎖した「地域福祉センター荒川温泉」を公衆浴場「荒川温泉」とデザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI」にリニューアル 画像 7

歴史性・地域連携・運営体制と関係者のコメント

五島列島福江島は遣唐使の日本最後の寄港地として多くの史跡を抱え、空海(弘法大師)が滞在し、日本で最初の真言密教の講釈を行ったと伝えられる西の高野山・大寶寺をはじめ、空海にまつわる伝説やゆかりの地が点在します。島内には五島八十八ヵ所札所巡りもあり、空海の軌跡に出会える場所が残っています。

地域の伝統行事としては空海の命日に行われる伝統的なお祭り「お大師様」が受け継がれており、今年は空海生誕1250周年にあたることが資料に明記されています。こうした歴史的・文化的要素を背景に、施設は単なる宿泊・浴場の提供に留まらず地域資源と結びついた滞在体験を目指しています。

運営会社
荒川温泉株式会社(新設)
代表者
代表取締役会長:松下剛(株式会社MTG代表、五島市出身)
代表取締役社長:桑田隆介(地元で宿泊・飲食事業を展開)
設計
スキーマ建築計画(長坂常氏)

松下氏はコメントとして、「五島は西の高野山と言われ、空海の聖地。そんな空海の軌跡や伝説が五島にはたくさん残っている。今年は空海生誕1250周年。ベンチャーのパイオニアでもある空海の精神を体験でき、地域や県外の方々が憩える活性化の拠点にしたい」と述べています。

また、プロジェクトは地元資源の活用と地域の文化的背景を重視しており、温浴施設の素材には五島産玄武岩を採用するなど地域産業との連携も図られています。

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計画の要点まとめと参考情報

以下の

項目 内容
発表日 2026年5月16日(プレスリリース配信)※構想発表は5月15日
引き継ぎ元の経緯 廃業した旅館を市社会福祉協議会が2011年に引き継ぎ「地域福祉センター荒川温泉」として運営。老朽化により今春運営終了予定だった。
引き継ぎ・支援者 松下剛(株式会社MTG代表、五島市出身)—改装費用を全額負担して支援
新会社 荒川温泉株式会社(代表取締役会長:松下剛、代表取締役社長:桑田隆介)
施設名称 荒川温泉(公衆浴場)および温泉宿坊型デザイナーズホテル「HOTEL JIHONGAI(ジホンガイ)」
設計 スキーマ建築計画(長坂常氏)
主な施設 露天風呂、サウナ、岩盤浴(五島産玄武岩使用)、研修室、ジム、カフェ、夕日が望めるテラス、全20室規模(VIPルーム有)
開業スケジュール 温泉施設:2026年秋着工、2027年夏開業予定。宿泊施設等:2028年夏完成・全面開業予定。
関連リンク 荒川温泉 Instagram

この記事では、地域の強い要望を受けて地元出身の実業家が改装費用を負担し、新たな運営会社を設立して進められる荒川温泉の再生プロジェクトについて、設計や施設構成、スケジュール、歴史的背景までを整理しました。プロジェクトは地域資源を活用し、歴史文化と結びつけた滞在体験を目指す構想であり、段階的に温浴から開業し、最終的には宿泊を含めた全面開業を予定しています。