日立、市に次世代研究拠点『調和の丘』新設 12月着工予定
ベストカレンダー編集部
2026年5月28日 11:48
調和の丘研究拠点新設
開催期間:12月1日〜3月31日
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日立が示す「調和の丘」—ハーモナイズドソサエティ実現に向けた研究拠点の設置
株式会社日立製作所は、2026年5月27日13時に発表したプレスリリースにおいて、茨城県日立市の大甕(おおみか)地区に次世代型社会インフラ研究の中核拠点として「調和の丘」を新設する計画を公表しました。新拠点は2030年に完成を予定しており、環境・幸福・経済成長が調和した持続可能な社会、すなわちハーモナイズドソサエティの実現を目標に据えています。
発表では、Lumada 3.0とその先を見据えた成長戦略の加速、地域社会との協創(共創)によるSociety 5.0の実証推進、そして研究で得られた成果を迅速に社会実装へつなげることが明示されています。プレスリリース本文には、研究の重点テーマ、施設の設計・規模、着工・完成予定時期、地域連携や国内外パートナーとの協創体制など、具体的な計画が詳細に示されています。
発表の背景と位置付け
発表文は、脱炭素化や資源制約、AI活用に伴う電力需要増加など社会インフラを取り巻く課題の複雑化を背景に、単一分野での解決が困難になっている現状を指摘しています。日立はこれまで社会インフラのアセット開発やシステムインテグレーションから、Lumadaを中心としたデジタルソリューションへと研究開発の役割を進化させており、調和の丘はその次の段階として、社会システム全体を対象にした研究・実証拠点として整備されます。
大甕地区は日立の創業以来100年以上にわたり研究開発の拠点として機能してきた場所であり、実環境に近い形での検証が可能な設備と知見を有しています。調和の丘はこうした既存資源を生かしつつ、研究から実証、成果発信、人材育成までを一体的に推進する施設として位置づけられています。
- 発表日: 2026年5月27日 13:00
- 発表者: 株式会社日立製作所
- 設置場所: 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号(研究開発グループ茨城サイト 大甕地区内)
研究の中核領域—コンバージェンス研究、エネルギーNEXUS、IWIM
調和の丘では、複数分野が互いに影響し合う社会システム全体を見据え、設計・制御・運用を分野横断で一体的に高度化する研究と実証を行います。研究は社会課題を起点に、エネルギー、モビリティ、製造など複数分野の技術を組み合わせるコンバージェンス研究を中核に据えています。
具体的な代表テーマとしては、電力・熱・CO₂・データを統合して扱う「エネルギーNEXUS」や、フィジカル世界の現象を理解・予測し計画・制御まで一体で扱うフィジカルAI統合モデルである「Integrated World Infrastructure Model (IWIM)」の発展が挙げられています。これらにより、設備単体の効率化を超えた全体最適を目指します。
- 協調制御
- 複数の設備やシステムを連携させ、相互の影響を踏まえて全体最適を目指す制御技術。
- エネルギーNEXUS
- 電力・熱・CO₂・データを横断的に統合し、複数主体が関わるエネルギー社会システムの全体最適と意思決定を支援する研究・実証テーマ。
- IWIM
- 日立が蓄積した社会インフラのナレッジとAI技術を統合し、フィジカル世界の現象を理解・予測し、計画・制御まで扱うフィジカルAI統合モデル。
エネルギーNEXUSの研究・実証では、電力や熱、CO₂を一体で捉えた地域のエネルギー運用の高度化を目指します。地域内での再生可能エネルギーの最適利用や企業の脱炭素化支援につなげることが想定されており、日立市と連動する「次世代未来都市の実現に向けた共創プロジェクト」(日立ニュースリリース: 2023年12月21日)との協働も明記されています。
研究の実装と価値創出の流れ
調和の丘は、研究・実証の成果を迅速に社会へ発信し、それを基に新たな事業を創出して持続的な成長を実現することを目標にしています。研究テーマの発掘から実証、成果の可視化、人材育成までを一体的に進めるオープンエコシステムの構築が計画されています。
また、京都哲学研究所(Kyoto Institute of Philosophy)の知見を取り入れ、市民生活における価値観の創生と共有も研究・実証の一環として位置づけられています。技術面だけでなく、価値観・哲学面も含めた社会システムの変革を念頭に置いた取り組みです。
施設計画と地域・国際連携の体制
「調和の丘」はシンボリックな新研究棟を中心に据え、分野や組織を越えた協創を促す場を提供します。新研究棟はかつて日立市が直面した環境課題を解決した日立鉱山の「大煙突」をモチーフにしたデザインが採用される予定で、研究成果や将来ビジョンを共有するための空間を設ける計画です。
建築計画の概要(予定)は以下のとおりです。着工は2027年12月、完成は2030年3月を見込み、構造は鉄骨造(一部RC造)、建築面積約900坪、延べ面積約2800坪、低層部3階、タワー部7階となっています。
| 項目 | 内容(予定) |
|---|---|
| 場所 | 日立製作所 研究開発グループ 茨城サイト 大甕地区内(茨城県日立市大みか町七丁目1番1号) |
| 構造・規模 | 鉄骨造(一部RC造)、建築面積:約900坪、延べ面積:約2800坪 |
| 階層 | 低層部:3階、タワー部:7階 |
| 着工時期 | 2027年12月 |
| 完成時期 | 2030年3月 |
調和の丘は地域企業、大学、研究機関と連携したオープンエコシステムを形成します。既存の連携実績として、国立大学法人 東京大学(日立東大ラボ)、国立大学法人 京都大学(日立京大ラボ)、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)との共同研究ラボ、英国Imperial College Londonとの共同研究などが挙げられており、これらを基盤に国際的な共同研究、人材交流、政策提言などを強化する方針が示されています。
また、調和の丘の題字は書家の武田双雲氏による揮毫とされ、施設の象徴性を意識した表現が採用されます。研究棟内には研究者、事業部門、自治体、パートナー企業、アカデミアなど多様なステークホルダーが集い、成果を体感しながら共同で開発を進める空間が計画されています。
事業的意義と主要データの整理
日立は調和の丘を通じて、Lumada 3.0およびその先の成長を支えるデジタライズドアセット・サービスを創生し、持続可能な成長を目指すと明記しています。研究拠点を強化することで、実証で得られたナレッジを迅速に事業へと結び付け、地域へ価値還元すると同時にグローバル展開を図る方針です。
日立についての基礎データもプレスリリース内に含まれています。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しい情報は公式サイト(https://www.hitachi.co.jp/)が案内されています。
| 整理項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 調和の丘(次世代型社会インフラ研究拠点) |
| 設置場所 | 茨城県日立市 大甕地区(日立製作所 茨城サイト) |
| 目的 | ハーモナイズドソサエティ実現に向けた分野横断の研究・実証、成果の社会実装と事業化、地域価値創出 |
| 主要研究テーマ | コンバージェンス研究、エネルギーNEXUS、IWIM(フィジカルAI統合モデル)、協調制御 |
| 建築計画(予定) | 着工:2027年12月、完成:2030年3月、建築面積:約900坪、延べ面積:約2800坪、構造:鉄骨造(一部RC造) |
| 連携機関・パートナー | 東京大学、京都大学、産総研、Imperial College London、京都哲学研究所 ほか |
| 発表日 | 2026年5月27日 13:00(株式会社日立製作所 プレスリリース) |
| 問い合わせ | 日立製作所 研究開発グループ 問い合わせフォーム: https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/hqrd/news/jp/form.jsp |
以上の表は、本記事で取り上げたプレスリリースの主要事項を整理したものです。調和の丘は、地域の既存資源や国内外の研究ネットワークを生かし、技術面と価値観の両面から社会システムを捉え直す場として計画されています。研究と実証を通じて得られた知見は、Lumadaを核としたデジタルサービスの高度化や地域社会のエネルギー運用最適化、脱炭素化支援など具体的な価値創出につながることが想定されています。
本件に関する詳細や資料のダウンロードは、日立の公式サイト(https://www.hitachi.co.jp/)およびプレスリリース素材の提供ページで案内されています。発表内容には、調和の丘の新研究棟イメージ図などの画像ファイルも含まれており、取材や参照に利用可能とされています。