食で考える働き方 ── オイシックスが品川女子学院で特別授業
ベストカレンダー編集部
2026年6月11日 14:48
品川女子学院特別授業
開催期間:5月15日〜6月2日
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食を軸に「生き方」と「働き方」をつなげる授業の狙い
オイシックス・ラ・大地株式会社が品川女子学院で実施した特別授業は、同社が推進する「“これからの食”学び場プロジェクト」の一環として、「食の選択肢が増えることは、生き方・働き方の選択肢が増えること」をテーマに行われました。授業は2026年5月15日から全3回で実施され、最終回は2026年6月2日に行われました。プレスリリースは2026年6月11日11時00分に公開されています。
授業実施の背景には、共働き世帯の増加とそれに伴う家事・育児と仕事の両立の課題があります。同社が実施した「食卓とキャリアに関する世代間意識調査」では、将来その当事者となる子世代の約72%が「家庭を持つことでキャリアに影響がある」と回答しており、親世代の48%との差異が示す認識のズレも明らかになっています。とりわけ「食事の準備」、中でも「献立を考えること」や「調理」が両立の大きな負担であることが示されました(調査結果の詳細は同社サイトに掲載)。
同社は「食の社会課題をビジネスの手法で解決する」というミッションを掲げ、食にまつわる課題を自分事として捉え、未来に向けてアクションを起こせる人を増やすことを目的に本プロジェクトを進めています。品川女子学院側は生徒が課題を発見し変化を起こす「チェンジエージェント」を育成する方針であり、両者の狙いが合致したことから特別授業の実現に至りました。
- 公式note
- https://note.com/oisixradaichi/n/n9a871162bfd6
- 世代間意識調査結果
- https://www.oisixradaichi.co.jp/news/posts/260512questionnaire/
授業の流れと生徒が得た具体的な学び
授業には中等部2年生から高等部2年生までの生徒20名が参加し、同社の社員3名が講師を務めました。3回にわたる授業は段階的に構成され、第1回で課題の発見、第2回で解決策の体験、第3回で将来の自分を見据えたサービス提案を行う流れです。
以下に第1回から第3回までの内容を順に整理します。生徒の発言やワークの様子、同社側の説明や提供した教材・商品についても具体的に取り上げます。
第1回 — 「食卓とキャリアのつながり」を知る
第1回は2026年5月15日に実施され、参加生徒は20名、講師はオイシックス・ラ・大地の社員3名でした。授業冒頭で講師が自身のキャリアやライフイベントを紹介し、多様な働き方・生き方があることを示しました。
その後、アイスブレイクとして同社が展開するアップサイクル原料を活用したお菓子を試食。クイズ形式で商品の背景にある社会課題を考えることで「おいしさ」と「社会課題の解決」を両立させるビジネスの視点に触れました。
- 調査紹介:子世代の72%が「家庭を持つことでキャリアに影響がある」と回答、親世代は48%だった点に生徒から驚きの声が上がった。
- ワーク:食卓に食事が並ぶまでの工程を分解し、それぞれの工程でのハードルを洗い出し、グループで議論。
生徒たちのグループ発表では「献立を考える」「買い出し」がハードルとして多く挙げられ、「献立を考える負担が減れば家族の心にゆとりが生まれる」「買い物の工程が不要になれば予定が立てやすくなる」といった具体的な変化まで考察しました。授業を通じて、食事準備は単なる家事ではなく家族との時間や暮らしの質に直結するテーマであることが共有されました。
第2回 — 働く大人の声と調理体験で学ぶ解決策
第2回は2026年5月22日に実施され、宿題として保護者など働く大人へのインタビューを行い、その結果を発表しました。多くの保護者が料理に対し「面倒」「憂鬱」と感じており、理由として「時間が足りない」「家族の好みがばらばら」といった具体的な事情が挙がりました。生徒たちは、仕事と家事が独立した課題ではなく複合的に負担を生むことを認識しました。
続いて体験調理として、同社のミールキットや冷凍惣菜を用いたワークを実施しました。用意されたのは「超ラクKit」(調理時間10分から作れる食材とレシピのセット)と「デリOisix」(レンジで温めるだけで5分で完成する惣菜)。
- グループで協力し調理を実施。15分ほどで完成。
- 完成後、誰のどの悩みを解決する商品かを考察。
生徒からは「これだけで十分」「思ったより簡単」といった反応があり、講師からはKit Oisixが「忙しくても手づくりを諦めたくない」「時短したいが手抜きと思われたくない」といった顧客ニーズを背景に、品質と満足感を両立する“プレミアム時短”というコンセプトで開発されたことが説明されました。授業後の振り返りでは、Kitが家族の好みに合わせやすい点や、冷蔵庫の食材だけで献立を考える難しさの解消など、家事負担軽減の実感が示されました。
第3回 — 28歳の自分を想定した新サービス提案
最終回は2026年6月2日に実施され、これまでの学びを踏まえて「28歳の私たちが仕事も家庭も諦めずにワクワク働くために、どんな新しい食のサービス・仕組みがあったら嬉しいか」をテーマにグループワークと発表が行われました。
発表はプレゼンや劇など形式は自由で、保護者インタビューや調理体験で得た知見を基にさまざまな提案が示されました。具体的なアイデアは以下の通りです。
- AIが冷蔵庫の食材から献立を提案し、不足分はネットスーパーで自動注文するサービス
- 地域全体で食事を支える「食堂化サービス」――電子レンジで温めることすら負担になる状況に対応
- Oisixにおける家族構成に応じた分量設定機能や、お気に入り農家を登録する“推し活”機能
- 便利さが進む中で食事が単なる作業化することへの懸念から、食事を未来の自分を支える時間に変えるサービス提案
授業の締めくくりとして各自が「どのような28歳になっていたいか」をテーマに未来の自分へのメッセージを書きました。内容は「仕事も自分のことも充実させていたい」「困りごとを解決できる会社を設立したい」など多様で、自分らしい生き方を描く姿勢が共通して見られました。
企業側の取り組みと授業を通じた学びの意味
オイシックス・ラ・大地株式会社は本社を東京都品川区に置き、代表取締役社長は高島 宏平氏です。同社は「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」といった主要ブランドを通じて、安心・安全に配慮した農産物やミールキットなどの定期宅配サービスを提供しています。子会社には給食事業を手掛ける企業や移動スーパー「とくし丸」、米国でプラントベースのミールキットを展開するPurple Carrotなどがあります。
同社はサステナブルリテール(持続可能型小売業)としてSDGsに取り組み、受注予測を活用したサブスクリプションモデル、ふぞろい品の活用、ミールキットによる家庭での食品廃棄削減などを通じてフードロス削減を目指しています。授業はこうした企業のミッションを次世代に伝える場ともなり、参加した生徒たちの視点や提案は、企業側にとっても新しい発想や気づきの機会になりました。
授業の要点整理と事実のまとめ
以下の表は、本授業の主要な事実や日程、参加人数、テーマ、提供された教材・商品などを整理したものです。授業の流れと得られた学びを一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 授業名(プロジェクト) | “これからの食”学び場プロジェクト 特別授業 |
| 主催 | オイシックス・ラ・大地株式会社 |
| 実施校 | 品川女子学院(東京都品川区) |
| 対象 | 中等部2年~高等部2年 計20名 |
| 講師 | オイシックス・ラ・大地 社員3名 |
| 日程 | 2026年5月15日(金)、5月22日(金)、6月2日(火) |
| テーマ | 「食の選択肢が増えることは、生き方・働き方の選択肢が増えること」 |
| 体験教材・商品 | アップサイクル原料を使ったお菓子、超ラクKit、デリOisix、Kit Oisix |
| 調査データ | 「食卓とキャリアに関する世代間意識調査」:子世代72%、親世代48%が「家庭を持つことでキャリアに影響がある」と回答(詳細は同社サイト参照) |
| 主な学び | 食事の準備は家族時間・暮らしの質に影響する。ミールキット等のサービスは実用的な解決策であり、技術やビジネスの工夫によって選択肢を広げられる。 |
| 公式情報 | 公式note/関連リリース |
授業は、食に関する課題が個人や家庭の問題にとどまらず、働き方や社会の仕組みと直結していることを生徒が自らの言葉で捉える機会となりました。同時に、企業がビジネスを通じて課題解決に取り組む姿を示す場としても機能し、若い世代と企業の対話から得られる視点が双方の学びにつながることが確認されました。
以上が特別授業の事後レポートの内容整理です。授業の詳細や調査結果は前掲の関連リンクから確認できます。