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『シャープさんフラットさん』東京で開幕、KERA×マギー舞台

シャープさん東京公演

開催期間:6月19日〜7月5日

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シャープさん東京公演
いつどこで上演されるの?
東京は紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで2026年6月19日〜7月5日上演。続いて名古屋が7月11〜12日、大阪が7月18〜19日に巡演します。
チケットはどうやって買えばいいの?
チケットぴあ/ローソン/イープラスや紀伊國屋の窓口・オンラインで販売。各回の当日引換券は開演3時間前まで、当日券は開演1時間前に劇場窓口で。

サナトリウムを舞台に描かれる“笑い”と痛み──導入の設計と舞台装置

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)の半自伝的戯曲『シャープさんフラットさん』が、KERA自身が選んだ戯曲を異なる演出家が再構築する連続上演シリーズ「KERA CROSS」の第七弾として、マギー演出で新たに上演される。初日は2026年6月19日(金)に開幕し、取材・文は田中里津子が務めた。

物語の舞台は1990年代初頭、バブル崩壊期の地方にあるサナトリウム。舞台装置は高さを生かした凝った構成で、談話室兼レクリエーションルームを中心に、階段を上がるとガラス張りの小さなサンルーム、玄関や各居室へ繋がる吹き抜けの廊下が見える。ソファや公衆電話、フリードリンクコーナーなど生活感のある小道具が用意され、導入は出演者が順に“ト書き”をリレーする形で進む。セットに被せられた布が徐々に取り払われ、空間が露わになる過程はプロローグの演出意図を端的に示す。

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 2

場面構成と導入の効果

プロローグでのリレー的な語りは、観客にサナトリウムの機能とそこに暮らす人々の関係性を断片的に提示する役割を果たす。序盤の静かな導入から、布が取り払われセットが見える瞬間へと移行することで、本編への入り込みを自然に促す構成になっている。

登場人物たちの居場所や関係が徐々に明かされていく仕掛けは、変化する空間と人物の心理を同時に可視化し、観客の注意を舞台の細部へと向けさせる。

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 3

人物相関と配役が織りなす群像劇の密度

主人公は辻煙(ツジ ケムリ:ペンネーム)、本名は田中正明。柄本時生が演じるその人物は、小学生の頃に見たバスター・キートンの映画の影響から“笑い”を生業とする道へ進んだが、劇団を抜け出して責任から逃れるようにサナトリウムへ入居する。舞台上では、ケムリの内面や過去が回想や幻想を通じて表出し、観客は彼の“笑い”への執着と、その追求がもたらす痛みを追体験する。

ほかの入居者や職員も各々に複雑な背景を抱える:元芸人の研々(マキタスポーツ)と精神を病む妻・春奈(安達祐実)は夫婦揃って入居中、音波(堀部圭亮)は娘・小骨(小野晴子)との確執を抱えつつも娘が来ただけで喜びを見せる。職員の南(トリンドル玲奈)、砂川(白石優愛)、熊林(土屋翔)も個性が強く描かれる。そこへ元相方の“コンコン”こと赤坂(松永玲子)、付き人の不二山(岩男海史)、劇団員の小柱(森準人)や恋人の美果(高梨臨)が絡み、人間関係のバランスが崩れていく。

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 4

配役と演技のポイント

  • 柄本時生(辻煙/田中正明):狂気と繊細さが紙一重の危うさを伴う熱演。ケムリの執拗な“笑い”追求が演技の中心に据えられている。
  • 高梨臨(美果):劇団でヒロインを務める女優としての誇りと恋人への複雑な感情を丁寧に表現。
  • 安達祐実(春奈/ケムリの母):二役のギャップを活かし、ピュアな愛情と毒性を切り替える演技で存在感を示す。
  • 松永玲子、マキタスポーツ、堀部圭亮:作品の“笑い”へのこだわりを深める重要な存在として舞台に厚みを与える。

その他、森準人、岩男海史、白石優愛、土屋翔、小野晴子ら若手もクセの強いキャラクターを魅力的に演じており、先輩達との化学反応が今後の上演を通じてどのように変化するかが注目される。

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 5

マギーの演出とKERAのテーマ意識

マギーは2008年のナイロン100℃上演版に出演していた経験をもつことから、作品への理解が深いとされる。本作におけるマギーの演出は、KERAが描く“笑い”の執着を丁寧に掘り下げつつ、風刺やブラックユーモア、ポップな可愛らしさを同居させるバランスが特徴だ。

戯曲自体にはシリアスで胸を締めつける事実や出来事が含まれているが、マギーはそれらを直接的に押し出すだけでなく、笑いの仕掛けを散りばめることで観客に逡巡する余地を与える。KERAの台詞や人物のやり取りは、そこに応える形で観客に問いを投げかける。

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 6

作品が提示する問い

“笑い”を追求するとは何か
極めるほどに痛みや苦しみが伴うという矛盾を登場人物の生き方を通して示す。
創作と自己破壊の関係
仕事や表現にのめりこむことで自己や家族、周囲の関係が削られていく過程を描写する。
理解し合うことの可能性と限界
わかり合いたいという欲求と、わかり合えないほうが幸福かもしれないという葛藤が併存する。

これらの問いがKERAの原作とマギーの演出の交差点で立ち上がり、出演者たちの表現によって具体化される。

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 7

公演情報、チケット詳細と要点の整理

KERA CROSS 第七弾『シャープさんフラットさん』の公演スケジュール、会場、チケット取扱いなどの情報は以下の通り。東京公演は紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで2026年6月19日(金)から7月5日(日)まで上演される。その後、名古屋、大阪での巡演が予定されている。

チケットの購入や当日券、当日引換券の取り扱いについては複数のプレイガイドと劇場窓口が案内されている。各回の当日券は開演1時間前より劇場内受付にて販売され、当日引換券は各回開演3時間前まで指定サイトで販売される点は注意が必要だ。最新情報は主催者の公式ページと公式Xを確認することが推奨されている。

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 8

主な公演日程と会場

  • 東京公演:2026年6月19日(金)〜7月5日(日) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
  • 名古屋公演:2026年7月11日(土)13:00・18:00/7月12日(日)13:00 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
  • 大阪公演:2026年7月18日(土)12:00・17:00/7月19日(日)12:00 サンケイホールブリーゼ

チケット取扱サイトとコードは次の通りで、購入ページのURLも公開されている。

取扱サイト URL コード
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/sharp-flat/ Pコード:540-984
ローソン https://l-tike.com/keracross_7/ Lコード:35132
イープラス https://eplus.jp/keracross-7/
キノチケットカウンター(店頭) 新宿駅東口・紀伊國屋書店新宿本店1F インフォメーションカウンター内 店頭販売 10:00〜18:30(東京公演のみ)
キノチケオンライン https://store.kinokuniya.co.jp/ticket/

当日引換券は各回開演3時間前まで上記ぴあサイトで取り扱い、当日券は毎公演の開演1時間前より劇場受付で販売される。なお、当日券購入の詳細や販売状況は株式会社キューブの公演ページおよびKERA CROSS公式X(旧Twitter)で随時案内される。

主催者が案内する公演情報ページはこちら: https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/keracross_7

KERA CROSS第七弾「シャープさんフラットさん」東京公演開幕! 画像 9

公演概要の整理表

以下に本記事で触れた主要情報を表形式で整理する。要点を一目で確認できる形式としてまとめた。

項目 内容
シリーズ KERA CROSS(第七弾)
作品名 『シャープさんフラットさん』
ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出 マギー
主な出演者 柄本時生、高梨臨、安達祐実、田中俊介、トリンドル玲奈、森準人、岩男海史、白石優愛、土屋翔、小野晴子、松永玲子、マキタスポーツ、堀部圭亮
東京公演 2026年6月19日〜7月5日 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
名古屋公演 2026年7月11日(13:00・18:00)/7月12日(13:00) Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
大阪公演 2026年7月18日(12:00・17:00)/7月19日(12:00) サンケイホールブリーゼ
チケット取扱 チケットぴあ(P:540-984)、ローソン(L:35132)、イープラス、キノチケットカウンター、キノチケオンライン
当日引換券 各回開演3時間前までチケットぴあサイトで販売
当日券 毎公演開演1時間前より劇場受付で販売(販売状況は公式情報で要確認)
公演情報 https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/keracross_7
取材・文 田中里津子
プレスリリース発表 株式会社キューブ 2026年6月20日 18:04

本作は、KERAが描く“笑い”をめぐる業と矛盾を、マギーの演出と多彩なキャスト陣が具体化している。登場人物の関係性、舞台装置の活用、演出の意図と演者の表現が重なり合うことで、観客は笑いと痛みが同居する独特の群像劇を目撃することになる。