荒川区が全10校に導入 闇バイト追体験授業
ベストカレンダー編集部
2026年7月7日 12:20
レイの失踪全校導入
開催期間:6月24日〜3月31日
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中学生を狙う“闇バイト”──現状と教育で備える意義
インターネットを通じた犯罪が低年齢化・巧妙化している現状において、若年層がSNSを経由して「闇バイト」に加担してしまう事例が社会問題化している。警察庁の統計を基に示された今回のプレスリリースでは、闇バイト関連の逮捕者の8割を10代・20代の若者が占めるという数値が示され、中には中学生が含まれるケースも報告されている。
加害側も被害側も、そもそも「高額報酬」「簡単な仕事」といった言葉に騙される構図が深刻である。調査では高校生の約8割がネット上の危険な求人情報を正しく判断できないとされ、手口の巧妙化により座学だけでは身に付かない実践的な判断力と回避スキルの養成が求められている。
若年層を標的にする手口の特徴
近年の闇バイトは、SNS上のメッセージや投稿、匿名掲示板などを通じて勧誘を行うことが多く、若者の孤立感や金銭的な不安を巧みに突く手口が増加している。勧誘では隠語や限定的な文脈が用いられ、外部からの判断だけでは危険性が分かりにくいのが特徴である。
このため、情報発信の仕方を見直す「狙われない力」、巧妙な誘いを見抜く「騙されない力」、一度関わると抜け出せなくなる仕組みを理解する「ハマらない力」を実践的に育む教育が不可欠である。
- データ: 闇バイト関連逮捕者の8割が10代・20代
- 教育の課題: 座学だけでは判断力が不十分
- 目的: 危険を「自分ごと」として捉える力の育成
荒川区とClassroom Adventureの連携──区内全中学校への全国初の導入
株式会社Classroom Adventure(代表取締役: 今井善太郎)と荒川区(区長: 滝口学)は、荒川区内すべての中学校に対して、闇バイト防止を目的とした追体験型情報リテラシー教育プログラム「レイの失踪」の提供を開始する。対象は区内の全10校で、自治体が主導して区内全校へ一斉導入する事例は全国で初めて
実施期間は2026年6月から今年度末までを予定しており、Classroom Adventureの講師が各校へ直接赴いてワークショップ形式で授業を行う。従来の座学的手法に加え、外部専門講師が直接生徒に語りかけることで、生徒の当事者意識を喚起し、実践的な気付きと回避スキルの定着を図る。
導入のスケジュールと実施形態
プログラムは2026年6月から順次実施され、年度末までに区内10校で実施を完了する計画である。開催日時や場所の詳細は、荒川区生活安全課への問い合わせを通じて案内される。
既に6月24日(水)には荒川区立第一中学校で最初の授業が開催された。授業の中では、リアルに再現されたSNS環境を用いた追体験型ワークショップが行われ、生徒が能動的に課題に取り組む構成となった。
- 実施主体
- 荒川区(区長: 滝口学)/株式会社Classroom Adventure(代表取締役: 今井善太郎)
- 対象
- 荒川区内全10中学校の生徒
- 実施期間
- 2026年6月から2026年度末まで(順次実施)
- 問い合わせ先
- 荒川区生活安全課(開催日時・場所の詳細は同課へ)
追体験型プログラム「レイの失踪」──構成と学習の狙い
「レイの失踪」は、失踪した友人「レイ」のSNSを探索しながら、闇バイトへの勧誘、個人情報の搾取、抜け出せなくなる過程を追体験するゲーミフィケーション型のネットリテラシープログラムである。リアルに再現されたSNS環境での謎解きを通じて、座学だけでは得られない深い気付きと具体的な回避スキルを育むことを目的としている。
プログラムは体験型のワークショップで進行し、生徒は自身の行動や判断がもたらす結果を疑似体験することで、危険認識を高める。単に情報を伝えるだけではなく、参加者が主体的に考え、友人や家族と共有する機会を生む設計になっている。
プログラムの3ステップ
プログラムで扱う学習項目は次の3点である。これらを体験的に学ぶことで、生徒の情報リテラシーと自己防衛力を高める。
- 狙われない: どのような投稿が犯罪グループの標的になるのかを理解し、自らの情報発信を見直す。
- 騙されない: 巧妙な勧誘手口や隠語を見抜くリテラシーを養う。
- ハマらない: 一度関わると抜け出せなくなる仕組みを理解し、自分や友人を守る方法を学ぶ。
ワークショップはゲーミフィケーションの手法を用い、課題解決型の設計となっているため、生徒の能動的な参加を促す。専門知識を持つ講師が進行し、授業内での振り返りやディスカッションも組み込まれている。
Classroom Adventureの背景と全国展開に向けた展望
株式会社Classroom Adventureは慶應義塾大学の現役学生が立ち上げたEdTechスタートアップで、ミッションは「Make maenomeri(前のめりをつくる)」。ゲーミフィケーションを活用した学びに強みを持ち、誤情報・偽情報をテーマにした主力プログラム「レイのブログ」は世界14カ国以上で50,000人以上が体験している。
「レイの失踪」についても、東京都、兵庫県、鳥取県をはじめとする自治体や教育機関で導入が進んでおり、今回の荒川区との連携は公的自治体による全校導入という点で全国的に注目される事例となる。導入希望の教育機関や自治体向けのデモおよび説明会も実施している。
受賞歴と国際的な取り組み
Classroom Adventureは国内外での受賞歴と国際連携も保有している。代表的な受賞は以下の通りである。
- 朝日新聞社大学SDGs Action! Awards 2024 グランプリ
- 東京都主催 Tokyo Startup Gateway 2024 最優秀賞
- NIKKEI THE PITCH SOCIAL 2025 グランプリ
- Global EdTech Startup Awards 2025 R&D Innovation特別アワード
- Internet Media Awards 2026 ソーシャルアクション部門
- 国連World Summit Awards Learning & Education部門 受賞
さらに、UNESCOのネットワーク「Media and Information Literacy Alliance」に加入し、情報リテラシー教育の国際普及に貢献している点も強調される。2024年からはファクトチェックの技術を競う国際大会「Youth Verification Challenge(現 GenAsia Challenge)」を米Google社より引き継いで主催している。
公式サイト(プログラム詳細): https://www.classroom-adventure.com/ja/rays-gone
今回の取り組みの要点を整理
ここまでに示した荒川区とClassroom Adventureの連携内容、プログラムの性格、実施スケジュールや問い合わせ先など、本件で提示された情報を表形式で整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プログラム名 | レイの失踪(追体験型ネットリテラシープログラム) |
| 実施主体 | 株式会社Classroom Adventure(代表取締役: 今井善太郎) × 荒川区(区長: 滝口学) |
| 対象 | 荒川区内全10中学校の生徒 |
| 実施期間 | 2026年6月から2026年度末(順次実施) |
| 実施方式 | Classroom Adventureの講師が学校へ赴いて行うワークショップ形式(追体験型、ゲーミフィケーション活用) |
| 学習の3ステップ | 狙われない / 騙されない / ハマらない |
| 初回実施例 | 2026年6月24日 荒川区立第一中学校で開催 |
| 問い合わせ | 荒川区生活安全課(開催日時・場所の詳細は同課へ問い合わせ) |
| 関連URL | https://www.classroom-adventure.com/ja/rays-gone |
| Classroom Adventureの主な実績 | 「レイのブログ」世界14カ国以上で50,000人以上が体験。多自治体・教育機関での導入実績、各種受賞歴、UNESCOネットワーク参加等。 |
本件は、インターネットを介した犯罪が低年齢化する現状に対応する一連の教育施策の一つであり、自治体と民間の連携により、実践的な情報リテラシー教育を中学生の段階で提供する試みである。導入に関する問い合わせやデモの案内は「荒川区生活安全課」および上記公式サイトを通じて行われる。
荒川区長 滝口学のコメントとして、闇バイトが犯罪の罠であること、そして困ったときは一人で抱え込まず大人や関係機関に相談してほしいという趣旨のメッセージが発せられている。今回の全校導入は、若年層が抱えるリスクを教育で低減するための具体的な一歩と位置付けられる。