旭化成の極細セルロース、花王『エスト』に採用 9月発売
ベストカレンダー編集部
2026年7月7日 13:20
高機能セルロース素材開発
開催日:9月1日
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繊維技術を土台に生まれた高機能セルロースマイクロファイバーの全容
2026年7月7日午前11時、旭化成株式会社は、繊維事業で培った紡糸・加工技術を応用して開発した高機能セルロースマイクロファイバー(以下、本素材)について発表しました。本素材は、再生セルロース繊維のブランドであるベンベルグ®の技術を基盤に開発され、平均繊維径1μmという細く均一な繊維から成る粉末状の素材です。
発表には、当社の製品ページ(https://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/ak-cmf/)や、電子顕微鏡画像、プレスリリース素材のダウンロード情報が付随しています。発表元の企業情報として、旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎)が明記されています。
開発に至る背景と技術の系譜
旭化成は90年以上にわたり再生セルロース繊維『ベンベルグ®』の製造で培った技術を基盤に、セルロースの新用途展開を進めてきました。化粧品分野では極細繊維を活用した処方提案が求められており、花王株式会社は化粧品製剤に配合可能な新たな繊維素材の検討を行っていました。
このニーズを受け、両社が評価・検討を行う過程で繊維長の最適化を実施し、本素材が完成しました。試験段階を通じて得られた微細構造の確認には電子顕微鏡を用い、旭化成が提供する素材と一般的なセルロースマイクロファイバーとの比較画像も公開されています。
- 発表日
- 2026年7月7日 11:00
- 発表者
- 旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎)
- 技術的基盤
- 再生セルロース繊維『ベンベルグ®』および連続長繊維不織布『ベンリーゼ®』の紡糸・加工技術
素材の機能詳細:膜形成・分散性・生分解性の三軸
本素材は化粧品用途を意識して設計されており、塗布時に均一な繊維がネットワーク状の膜を形成する点が大きな特長です。肌上での皮膜形成や、皮膜の隙間に配合成分を保持するという機能が期待されます。膜形成に関する観察は電子顕微鏡画像により裏付けられています。
さらに、液体中での優れた分散性を有し、水以外の液体にも馴染みやすいという性質から、化粧品処方における配合成分の分離・凝集の抑制にも寄与することが想定されます。これにより均一な製剤安定性を保ちながら、目的の皮膜形成機能を発現できます。
ネットワーク状膜の形成と分散性の裏付け
本素材を配合した液体を塗布すると、繊維が互いに絡み合ってネットワーク状の膜を形成します。膜は微細な孔を持ち、そこに有効成分を保持することで長時間にわたる成分の留置や徐放的な効果が期待されます。
分散性については、粉末として提供される本素材が水系だけでなく油性を含む液体系にも均一に分散する性質が確認されています。これにより、乳化系や油剤を伴う処方にも組み込みやすい素材です。
- 膜形成:塗布により均一なネットワーク膜を形成し、皮膜上での成分保持を可能にする。
- 分散性:水以外の液体にも馴染みやすく、配合成分の分離・凝集を抑制。
環境性と原料特性
近年のマイクロプラスチック問題に関連して、環境負荷低減は重要な要素です。本素材はセルロース由来であり、マイクロプラスチックに該当しない素材として位置づけられます。さらに、一定条件下で迅速な海洋生分解性を示すことが第三者機関評価により確認されています。
海洋生分解性の評価は、国際規格ASTM D6691の試験手法に基づき第三者機関で実施されています。これにより、素材の環境側面に関する客観的な評価結果が得られています。
- 生分解性の評価基準
- ASTM D6691(海水中での生分解性評価)に基づき第三者機関で評価
- 原料
- 植物由来のコットンリンター(綿の種子の産毛)を原料とする再生セルロース
- 提供形態
- 界面活性剤や防腐剤などを含まない粉末
花王のスキンケア製品への採用と共同検討の経緯
本素材は、花王株式会社が2026年9月に発売を予定しているスキンケア製品『エスト ジェノリュクス クリーム』への機能性素材として採用が決定しました。採用にあたっては、花王側が求める化粧品処方上の取り扱いや、使用感・機能性に関する評価と相互の検討を通じて、繊維長などの最適化を行った結果です。
採用後のスケジュールとしては、花王の製品発売予定が2026年9月であり、それに合わせた量産・供給体制の整備および品質管理が進められています。旭化成は自身の繊維製造ノウハウを基に、化粧品分野の要求に応える供給を目指します。
採用に至る技術的ポイント
繊維の平均径は1μmと極めて細く、均一性が高いことが製剤への適合性を高める決め手となりました。花王側との評価により、化粧品製剤中での分散性、膜形成性、処方の安定性などが確認され、製品採用へと至っています。
また、原料がコットンリンター由来の再生セルロースである点は、肌に接触する用途(化粧品・フェイスマスク・肌着等)で使われてきた素材であることから、安全性の観点でも評価がなされています。
関係者のコメントと補足情報
ベンベルグ事業部長である大田幹夫氏は、本素材について次のように述べています。
「本素材は、長い歴史を持つ再生セルロース繊維『ベンベルグ®』や連続長繊維不織布『ベンリーゼ®』の技術を応用した新たな高機能素材です。化粧品をはじめとするさまざまな分野でお客さまに新たな価値を提供し、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献していけるものと期待しています。当社は今後も、セルロース素材の新たな可能性を追求し、多様な産業分野における価値創出を目指してまいります」
公開資料には、旭化成による電子顕微鏡画像(当社のセルロースマイクロファイバーの画像と一般的な画像の比較)や、プレスリリース素材のダウンロード情報が含まれています。関連リンクは製品ページ(https://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/ak-cmf/)で確認できます。
- 採用先
- 花王株式会社のスキンケア製品『エスト ジェノリュクス クリーム』
- 発売予定
- 2026年9月
- 参考画像
- 電子顕微鏡画像(当社提供および一般的なセルロースマイクロファイバーの比較)
要点の整理と主要データ一覧
以下の表は、本記事で紹介した情報を項目ごとに整理したものです。素材の基本情報、機能性、採用製品や評価手法といった重要な点を一覧化しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表企業 | 旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎) |
| 発表日時 | 2026年7月7日 11:00 |
| 素材名(説明的) | 高機能セルロースマイクロファイバー(ベンベルグ®技術を応用) |
| 平均繊維径 | 1μm |
| 主な機能 | ネットワーク状の皮膜形成、液体中での均一分散、迅速な海洋生分解性 |
| 原料 | 植物由来のコットンリンター(綿の種子の産毛) |
| 提供形態 | 界面活性剤や防腐剤などを含まない粉末 |
| 環境評価 | ASTM D6691に基づく海洋生分解性を第三者機関で評価 |
| 採用先製品 | 花王『エスト ジェノリュクス クリーム』 |
| 採用・発売スケジュール | 採用決定、花王製品発売予定:2026年9月 |
| 関連技術・ブランド | ベンベルグ®、ベンリーゼ®(連続長繊維不織布) |
| 関連リンク | https://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/ak-cmf/ |
本記事では、旭化成が発表した高機能セルロースマイクロファイバーの開発背景、機能性の詳細、花王製品への採用とその評価・提供形態までを整理しました。付随する技術的根拠や公表資料、関連リンクはすべて公開情報に基づいていますので、より詳細を確認する場合は上記の製品ページやプレスリリース素材のダウンロードページを参照してください。