8月4日開幕|返還映画コレクション(4) 文化・ニュース・漫画篇
ベストカレンダー編集部
2026年7月10日 09:44
返還映画コレクション(4)
開催期間:8月4日〜9月6日
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記録映像群の再提示──返還映画コレクション(4)を開催
国立映画アーカイブは、2026年8月4日(火)から9月6日(日)まで、上映企画「返還映画コレクション(4)――文化・ニュース・漫画映画篇」を映像文化製作者連盟と共同で開催します。本特集は、1967年から1984年にかけてアメリカ議会図書館から段階的に日本へ返還された可燃性フィルム群(約1,400本のうち、文化映画・ニュース映画・漫画映画に該当する作品群)から選び出した作品を中心に編成された回顧特集です。
今回のプログラムは28プログラム・113作品で構成され、これまで個別企画で一部を上映してきた作品群をコレクションとしてまとめて提示する初めての機会となります。上映作品の中には、返還以降これまで上映の機会がほとんどなかった作品や、返還後初めて上映されると思われる作品も多く含まれています。
「返還映画」とは何か ─ 戦時期資料としての性格と帰還の経緯
「返還映画」とは、もともとアメリカ議会図書館が所蔵していた、戦前・戦中期に日本で製作された可燃性フィルム群のうち、日本へ返還された作品群を指します。これらのフィルムの多くは戦時期に米国内で日系人から接収されたものや、戦後に民間情報教育局(CIE)による制限の対象となった作品群を含みます。
1964年に一連の所蔵事実が明らかになり、日米双方による事前調査と折衝の結果、1967年11月8日に「交換協定文書」が調印されました。以後、1967年の第一次返還から1984年の第四次返還にかけて段階的に里帰りし、その後の整理・不燃化作業を経て、現在の国立映画アーカイブの基盤コレクションの一部となりました。
- 総数
- 可燃性フィルム群 約1,400本(うち日本へ返還されたものを「返還映画」と呼称)
- 返還開始
- 第一次返還:1967年(交換協定文書の調印:1967年11月8日)
- 返還完了(段階)
- 1984年までに第四次返還まで実施
- 現在の取り組み
- 収蔵時の経緯等の再調査と、収蔵時期の明確になったコレクションの順次(再)公開
特集の構成と見どころ ─ 多彩なテーマ編成で読み解く1930〜40年代
本特集は、1930年代から1940年代に製作された文化映画・ニュース映画・漫画映画を、地域性・歴史的事象・イデオロギーなどの観点からテーマ別に編成した28のプログラムで構成されています。多様な題材と撮影地を含むこれらの資料群は、そのまま時代の記録としての価値があり、並べて観ることにより映像表現の変遷や時代認識の変化が浮かび上がります。
特集の見どころとして、以下の点が挙げられます。まず、文化・ニュース・漫画映画が劇映画を上回る数で収められていたことから、記録性や宣伝・宣撫の役割を担っていた映像の実態を確認できます。次に、戦争期における映画の位置づけ、特にメディアとしての記述性・迫真性がどのように思想戦やプロパガンダに用いられたかを、具体的な作品を通じて検証できます。
戦争と映画の関係
満洲事変から日中戦争、太平洋戦争へと向かう時期、映画は軍事色を帯びた内容が増加しました。文化映画やニュース映画、アニメーションは思想形成の道具として利用されることが多く、産業側もプロパガンダ技法の洗練に寄与しました。
この観点から、特集では以下のような作品が紹介されます。『空の少年兵』『勝利の基礎—海軍兵學校の記録—』『マレー戦記 進撃の記録』など、軍事・訓練・戦地記録を扱った作品が含まれます。
上映機会の少ない作品群
返還以降、上映や放送、パッケージでの普及が限られていた作品を多く選定しています。これらは歴史的な価値がある一方で、現代では鑑賞機会が極めて限られているものです。
- 『國防全線八千粁』(1936)
- 『マレー沖海戰』(1943)
- 『心の武装』(1944)
- 『報道戦士』(1940)
- 『芸能戦線版』(1944)
上映プログラム一覧と関連講演 ― 28プログラム・113作品の内容
以下に、上映プログラム(28プログラム)のタイトルと、各プログラムの代表作品を列挙します。プログラム名の横には代表的な作品名を記載していますが、各プログラムは複数作品で構成されており、合計で113作品の上映を予定しています。
プログラム名および代表作品(表記はプレスリリースに準拠):
- 「日本」への眼差し:『日本瞥見』(1936)、『土に生きる』(1941)ほか
- 「領土」への眼差し―南と北:『海の民 沖縄島物語』(1942)ほか
- 「領土」への眼差し―朝鮮と台湾:『白茂線』(1941)ほか
- 「事変」の欺瞞(1):『曦光』(1938)、『上海戦記』(1939)ほか
- 「事変」の欺瞞(2):『支那事変後方記録 上海』(1938)ほか
- 満洲の虚実(1):『國防全線八千粁』(1936)ほか
- 満洲の虚実(2):『王道燦たり』(1942)ほか
- 満洲の虚実(3):『草原バルガ』(1936)、『娘々廟會』(1940)ほか
- 南方(1):『海の生命線 我が南洋群島[トーキー版]』(1932)ほか
- 南方(2):『赤道越えて』(1935)ほか
- マレー:『マレー戰記 進擊の記録』(1942)ほか
- ビルマ:『陸軍航空戰記 ビルマ篇』(1943)ほか
- 皇国史観:『皇道日本』(1939)ほか
- 非常時:『大号令』(1934)、『おいらの非常時』(1936)ほか
- 防空思想:『護れ大空』(1933)、『爆風と彈片』(1944)ほか
- 防諜思想:『武器なき敵』(1940)、『心の武装』(1944)ほか
- 保健衛生思想:『花柳病』(1932)、『榮養國策』(1938)ほか
- 女性たちの姿:『わたし達はこんなに働いてゐる』(1945)ほか
- 子どもたちの姿:『空の少年兵』(1941)ほか
- 戦争と動物:『無言の戰士』(1938)、『軍犬物語』(1939)ほか
- 訓練する身体:『勝利の基礎 ─海軍兵學校の記録─』(1942)ほか
- メディアの役割:『電波に聽く』(1935)、『報道戦士』(1940)ほか
- 労働と生産:『勝利への生産』(1942)ほか
- 科学とイデオロギー:『姿なき姿』(1935)ほか
- 芸能の歓び:『鏡獅子』(1936)、『芸能戦線版』(1944)ほか
- 時局下に響く歌:『黄浦江 戰友の歌』(1939)ほか
- 漫画映画選集:『桃太郎の海鷲』(1942)ほか
- 戦後への道のり:『日本の悲劇』(1946)ほか
関連講演・解説プログラム
上映作品をより深く理解するため、上映後の解説や講演が予定されています。国立公文書館アジア歴史資料センター(アジ歴)の協力により、アジ歴が公開する歴史資料と上映作品を紐づけた解説も行われます。
- 8月9日(日)15:00 回「漫画映画選集」上映後:佐野明子氏(同志社大学文化情報学部准教授)による講演
- 8月11日(火)15:00 回「「事変」の欺瞞(1)」上映後:井上寿一氏(アジア歴史資料センター長、学習院大学教授)による講演
- 8月15日(土)12:00 回「メディアの役割」上映後:佐藤卓己氏(上智大学文学部新聞学科教授)による講演
開催情報・アクセス・問い合わせ
開催概要は以下のとおりです。会期中は月曜休館で、会場は国立映画アーカイブの小ホール(地下1階)です。主催は国立映画アーカイブと映像文化製作者連盟、協力は国立公文書館アジア歴史資料センターです。
詳細なスケジュールや各回の上映作品、チケット情報については公式サイトおよび配布資料(チラシ)をご確認ください。問い合わせ先としてハローダイヤルの番号が案内されています。
- 企画名
- 返還映画コレクション(4)――文化・ニュース・漫画映画篇(英題:Repatriated Film Collection [Part 4]: Cultural Films, Newsreels, and Animations)
- 会期
- 2026年8月4日(火)-9月6日(日)※月曜休館
- 会場
- 国立映画アーカイブ 小ホール[地下1階]
- 主催
- 国立映画アーカイブ、映像文化製作者連盟
- 協力
- 国立公文書館アジア歴史資料センター(アジ歴)
- HP
- https://www.nfaj.go.jp/film-program/repatriated_film4_202607
- 問合せ
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)
- チケット
- 詳細はチラシまたはHPをご確認ください
利用上の留意点
上映作品は可燃性フィルム由来の資料であるため、保存状態や作品の性格に応じた取り扱いがなされています。プログラムの内容や時間は変更となる場合があるため、来場前に公式サイトで最新情報の確認が推奨されます。
上映に際しては、各回の趣旨説明や講演等を通じて作品とその時代背景を補足する構成が設けられており、上映後の関連解説を活用することで作品理解を深めることができます。
記事のまとめ(要点整理)
以下の表は、本記事で触れた主要情報を整理したものです。会期・会場・主催・協力・プログラム規模・代表的な上映作品・関連解説の予定などを確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企画名 | 返還映画コレクション(4)――文化・ニュース・漫画映画篇(英題あり) |
| 会期 | 2026年8月4日(火)-9月6日(日) ※月曜休館 |
| 会場 | 国立映画アーカイブ 小ホール[地下1階] |
| 主催 | 国立映画アーカイブ、映像文化製作者連盟 |
| 協力 | 国立公文書館アジア歴史資料センター(アジ歴) |
| プログラム規模 | 28プログラム、113作品(文化映画・ニュース映画・漫画映画から構成) |
| 代表的な上映作品(抜粋) | 『土に生きる』『赤道越えて』『マー坊の少年航空兵』『空の少年兵』『勝利の基礎—海軍兵學校の記録—』『マレー戦記 進撃の記録』『國防全線八千粁』『マレー沖海戰』『心の武装』『報道戦士』『芸能戦線版』『桃太郎の海鷲』『日本の悲劇』など |
| 関連講演 | 8月9日 15:00(佐野明子 氏)、8月11日 15:00(井上寿一 氏)、8月15日 12:00(佐藤卓己 氏)各回の上映後に実施 |
| 問合せ・HP | 問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)/HP:https://www.nfaj.go.jp/film-program/repatriated_film4_202607 |
この上映企画は、返還された可燃性フィルム群のうち文化・ニュース・漫画映画に焦点をあて、当時の社会情勢やメディアのあり方を映像資料として提示するものです。プログラム全体を通じて、1930〜40年代の日本における映像表現とその社会的役割について、資料としての価値を確認できるように構成されています。上映作品や開催情報に関する最新の詳細は公式サイトおよび配布資料を参照してください。