角野未来デビュー盤『Appels』9/2発売、ボニス再評価へ
ベストカレンダー編集部
2026年7月18日 07:52
角野未来デビュー発売
開催日:9月2日
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忘れられた女性作曲家メル・ボニスに再び光を当てる一枚
ピアニスト角野未来(すみの・みらい)のデビュー・アルバムは、近代フランス音楽の巨匠ドビュッシー、ラヴェルに加えて、長く埋もれていた女性作曲家メル・ボニス(1858-1937)を柱に据えた選曲が特徴です。本作は、ベル・エポック期の音楽と文化を改めて読み解く意欲的なプログラムとなっています。
中心となるのは、ボニスのピアノ作品集としてまとめられた《伝説の女たち》で、文学・神話・聖書の登場人物を題材にした7曲から成ります。作曲家の時代背景や社会的制約を踏まえつつ、ボニス特有の和声感覚と繊細な描写が再評価される内容です。
《伝説の女たち》──構成と作品の特長
《伝説の女たち》は、作品の題名や内容から一貫したテーマ性が感じられますが、近年このタイトルが作曲家自身の命名ではなく出版社によるものであることが明らかになっています。それでも各曲には共通する美的志向と表現手法が認められ、アルバム全体の核を成しています。
楽曲は一曲ごとに個別の人物像を描写する形式で、ボニス独自の和声法と色彩的なピアニズムによって、多彩な女性像が音によって語られます。演奏に際しては物語性や音色の差異を丁寧に描き分けることが求められます。
- メル・ボニス(1858-1937)《伝説の女たち》収録順
- メリザンド 作品109
- デズデモーナ 作品101
- オフィーリア 作品165
- ヴィヴィアン 作品80
- ポイペー 作品30
- サロメ 作品100
- オンファレ 作品86
角野未来が立ち上げた新レーベル「Appels」と制作の背景
本作は、角野未来自身が立ち上げた新レーベル「Appels(アペール)」からの記念すべき第一弾リリースです。ラベル名のAppelsはフランス語で「呼びかけ」を意味し、過去に埋もれた作品や未知の音楽に対する“呼びかけ”としての役割を意図しています。
アルバム制作は2026年に行われ、録音は東京のSony Music Studios Studio 2で実施されました。録音日は2026年2月26日・27日、4月28日であり、スタジオ環境と演奏双方に配慮したセッションが行われています。クレジットには写真や録音に関する表記として©Kyutai Shimが記載されています。
録音・仕様・発売に関する詳細
録音情報とパッケージ仕様は以下の通りです。物理媒体はCDでの販売に重点が置かれており、音源の一部はCD限定となる点に注意が必要です。
- 録音
- 2026年2月26日・27日、4月28日/Sony Music Studios Studio 2(東京)
- フォーマット
- CD(品番:TPCM-00001)
- 価格
- 3,800円(税込)
- 発売日
- 2026年9月2日
- レーベル
- Appels(アペール)
収録曲と配列──ドビュッシー、ラヴェルとの響き合い
アルバムは前半にボニスの《伝説の女たち》、後半にドビュッシーとラヴェルの代表作を配する構成です。ボニスの繊細で物語性のあるピアニズムと、ドビュッシーやラヴェルの色彩的で幻想的な音世界が互いに響き合い、同時代の芸術的気分を立ち上げます。
特に最後に収められたドビュッシーの《月の光》は、本作のために収録されたCD限定トラックであり、配信予定はありません。物理盤を通して聴くことで得られる特別な体験として位置づけられています。
- メル・ボニス《伝説の女たち》(1〜7)
- 1 メリザンド 作品109
- 2 デズデモーナ 作品101
- 3 オフィーリア 作品165
- 4 ヴィヴィアン 作品80
- 5 ポイペー 作品30
- 6 サロメ 作品100
- 7 オンファレ 作品86
- クロード・ドビュッシー
- 8 喜びの島
- モーリス・ラヴェル
- 9 夜のガスパール 第1曲「オンディーヌ」
- 10 夜のガスパール 第2曲「絞首台」
- 11 夜のガスパール 第3曲「スカルボ」
- ドビュッシー(CD限定)
- 12 ベルガマスク組曲「月の光」 (CD限定トラック、配信なし)
ブックレットと解説・寄稿
CDブックレットには楽曲解説および寄稿が掲載され、演奏と作品理解を補助する構成になっています。執筆者はいずれも専門家であり、多角的な視点から楽曲と作曲家を読み解きます。
具体的には音楽学者の井上登喜子氏による楽曲解説と、文化史・ジェンダー研究者の吉原真里氏による寄稿が収められています。これによりメル・ボニスの生涯や当時の社会的背景、音楽的特徴について深まった理解が得られるよう配慮されています。
演奏者プロフィールと経歴、関連情報
角野未来は1998年千葉県生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、東京藝術大学を経て同大学院音楽研究科を修了しています。2023年秋よりフランスに拠点を移し、現在はリヨン国立高等音楽院マスター課程に在学中です。
受賞歴や主な活動歴としては、アンリ・コワルスキ国際ピアノコンクール第1位(フランス)、第21回東京音楽コンクール第3位などの入賞歴があり、2020年度公益財団法人青山音楽財団奨学生となっています。在学中に藝大クラヴィーア賞を受賞し、藝大フィルハーモニア管弦楽団と共演するなど多数の実績があります。
- コンクール・受賞
- アンリ・コワルスキ国際ピアノコンクール第1位(フランス)、第21回東京音楽コンクール第3位ほか
- 賞・栄典
- アカンサス音楽賞、同声会賞、藝大クラヴィーア賞(大学卒業時)
- 共演オーケストラ
- 東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、千葉交響楽団など
- 師事
- 金子勝子、有森博、吉田友昭、ジェローム・グランジョン 各氏に師事
詳しい活動情報や今後の公演予定は公式サイトで確認できます:https://www.mirai-sumino.com/
要点の整理と基本情報一覧
以下の表は、本記事で紹介したアルバム『Appels』に関する主要な情報を整理したものです。発売日、フォーマット、価格、収録曲、録音情報、ブックレット執筆者など、購入や研究、鑑賞の参考になりやすい項目を列挙しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アーティスト | 角野未来(ピアノ) |
| アルバム名 | Appels(アペール) |
| レーベル | Appels(新レーベル、角野未来による立ち上げ) |
| 品番 | TPCM-00001 |
| フォーマット | CD |
| 価格 | 3,800円(税込) |
| 発売日 | 2026年9月2日 |
| 録音日・場所 | 2026年2月26日・27日、4月28日/Sony Music Studios Studio 2(東京) |
| 収録(主な作曲家) | メル・ボニス(《伝説の女たち》)、クロード・ドビュッシー、モーリス・ラヴェル |
| CD限定トラック | ドビュッシー:ベルガマスク組曲「月の光」 — CD限定、配信予定なし |
| ブックレット寄稿 | 音楽学者・井上登喜子氏(楽曲解説)、文化史・ジェンダー研究者・吉原真里氏(寄稿) |
| 公式サイト | https://www.mirai-sumino.com/ |
| クレジット表記 | ©Kyutai Shim(クレジット表記あり) |
本作は、メル・ボニスの再評価を促すプログラムと、ドビュッシーやラヴェルとの対比によりベル・エポック期フランス音楽の多層的な魅力を提示します。録音は2026年に東京のスタジオで行われ、CD限定の音源を含む物理パッケージとして2026年9月2日に発売されます。詳しい情報や最新の活動は公式サイトで確認できます。