猛暑対策の実証:東武ストアと飲料7社が売場改善
ベストカレンダー編集部
2026年7月23日 13:42
東武ストア 飲料共同研究
開催期間:3月1日〜10月31日
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猛暑と熱中症を背景に設定された共同研究の狙い
2026年7月23日12時、公益財団法人 流通経済研究所は、株式会社東武ストアと飲料メーカー7社との共同研究プロジェクト開始状況を公表した。プレスリリースによれば、本プロジェクトは2026年3月から東武ストアの一部店舗で実施されており、目的は「年々上がる気温に対応した売場をつくり、お客様の健康と満足を守る」ことにある。
背景には気候変動に伴う猛暑日の増加と、それに起因する熱中症患者数の増加という社会課題がある。気象庁のデータでは東京の猛暑日(最高気温35℃以上)が長期的に増加し、2025年には東京で年間猛暑日が23日となり観測史上最多を更新した。総務省消防庁の統計では、2024年5〜9月における熱中症による救急搬送人員が97,578人に達し、過去最多を記録している。
問題意識とプロジェクトの核心
共同研究の出発点は「熱中症患者が年々増えている現実に対して、小売業・メーカー・研究機関でできることはないか」という問いである。猛暑日には特定飲料カテゴリーで欠品や品揃え不足が発生し、必要な時に必要な飲料が届かないという需要の取りこぼしが生じると指摘している。
この課題に対し、飲料メーカーの製品知見、東武ストアの店頭運営ノウハウ、流通経済研究所の分析能力を結集し、気温変化を先読みして売場・在庫・販促を切り替える「気温先読み型 飲料売場の参考モデル」を検討する点がプロジェクトの核心である。得られた知見は各社が自社の方針や商圏に応じて採否・修正できる形で整理される予定だ。
実施体制と参画企業 — 取り組みの“誰が”
本プロジェクトは、東武ストア、飲料メーカー7社、公益財団法人 流通経済研究所の三者連携によって運営される。参画メーカーは50音順でアサヒ飲料、味の素AGF、伊藤園、大塚製薬、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリーフーズの7社である。
プロジェクト名は「東武ストア 飲料売場共同研究プロジェクト」。実施期間は2026年3月から2026年10月までの予定で、対象店舗は蒲生店、新田店、草加谷塚店の3店舗で実証実験を行っている。
組織と連携方式
各参画者は役割を分担している。流通経済研究所はID-POSデータ分析や調査研究を通じたデータ解析と知見の集約を担当し、東武ストアは店頭での実務運営と売場変更の実施を担当する。飲料メーカー各社は商品知見と需要特性に関する助言を行う。
参画体制の詳細は以下の通りである。実施体制の透明性を保ちつつ、実証結果の共有時には個社別製品データが他社へ直接開示されないよう、集計・匿名化または個別共有等の方法で取り扱うと明示されている。
- 実施体制:株式会社東武ストア / 飲料メーカー7社 / 公益財団法人 流通経済研究所
- 参画飲料メーカー(50音順):アサヒ飲料株式会社、味の素AGF株式会社、株式会社伊藤園、大塚製薬株式会社、キリンビバレッジ株式会社、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社、サントリーフーズ株式会社
店頭で実施した具体的な取組と検証テーマ
2026年3月中旬と5月上旬に対象店舗で飲料売場の変更が実施された。具体的には中容量帯の売場確立、売れ筋商品のフェイス確保、水・茶・スポーツ飲料等の展開強化、夏場に需要構成が変化する商品群の売場見直しなどが行われ、変更前後の販売動向を比較して検証している。
取組は売場構成の調整だけでなく、在庫配置や販促の切替え、需要の取りこぼし抑制に向けた運用面の留意点整理にも及ぶ。これらは「気温先読み」による切替方法の検討と、運用上の現場負荷や連携プロセスの明確化を含む。
主な検証テーマ
プロジェクトが掲げる主な検証テーマは以下の通りである。各テーマについて売場変更前後の販売データや店頭状況を基に比較・分析を行う。
- 気温変化に応じた飲料需要の把握と、店頭での需要取りこぼしの抑制
- 中容量帯、水、茶、スポーツ飲料、無糖炭酸等の売場展開による販売動向の確認
- メーカーと小売業の連携による、各社が独自に採否・修正を判断できる猛暑対応型売場の参考モデルの整理
- 「気温先読み」に基づく売場・在庫・販促切替の考え方と運用上の留意点の整理
検証では、需要が急増するタイミングでの欠品抑制や、売場の柔軟な切替えが消費者行動に与える影響も評価対象としている。売場構成を変えることでどのカテゴリーがどの程度伸長または減衰するか、具体的な商品のフェイス数や配置が来店者の選択にどう関与するかを観察している。
進捗、データ管理、今後のスケジュールと連絡先
実証期間は2026年3月から10月まで。2026年10月までに集められた販売動向データを分析し、気温先読み型 飲料売場の参考モデルについて、有効性と適用上の条件を検証する予定である。
実証結果の共有にあたっては、参画メーカー間での個社別データの直接開示を避けるため、集計・匿名化または個別共有等の適切な方法で取り扱うことが明示されている。これにより競合情報の流出を防ぎつつ、共同研究としての知見共有を図る。
今後の予定と連絡先
今後は10月までの実証データをもとに分析を行い、参考モデルの有効性や適用条件を整理する。得られた知見は各社・各小売業が自社の事情に応じて採否・修正できる形で提供される計画である。
本件に関する問い合わせ先は流通経済研究所 内「東武ストア様 飲料売場共同研究プロジェクト 事務局」。連絡先の詳細は以下のとおりである。
- 窓口
- 公益財団法人 流通経済研究所 東武ストア様 飲料売場共同研究プロジェクト 事務局
- 住所
- 〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21
- TEL
- 03-5213-4532
- URL
- https://www.dei.or.jp/
また、プレスリリースは出典として気象庁の「過去の気象データ検索」「気候変動ポータル」、および総務省消防庁の「熱中症情報」を参照していることが明記されている。図表として【図1】〜【図3】が示されているが、本文ではこれらの図を用いた長期的な猛暑日推移や熱中症搬送者数の推移、プロジェクト全体像の把握が示唆されている。
以下に、本記事で示したプロジェクトの主要事項を整理した表を示す。ポイントを一覧化することで、実施概要と検証テーマ、参画体制、スケジュール、連絡先等が一目で確認できる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | 東武ストア 飲料売場共同研究プロジェクト |
| 発表日時 | 2026年7月23日 12:00 |
| 実施期間 | 2026年3月 ~ 2026年10月(実証期間) |
| 対象店舗 | 蒲生店、新田店、草加谷塚店 |
| 実施体制 | 株式会社東武ストア / 飲料メーカー7社 / 公益財団法人 流通経済研究所 |
| 参画飲料メーカー | アサヒ飲料、味の素AGF、伊藤園、大塚製薬、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリーフーズ(50音順) |
| 主要目的 | 気温変化を先読みした売場・在庫・販促の切替による、飲料需要の取りこぼし抑制とお客様の健康・満足の確保 |
| 主な検証テーマ | ①気温変化に応じた需要把握と取りこぼし抑制 ②中容量帯・水・茶・スポーツ飲料等の売場展開効果 ③猛暑対応型売場の参考モデル整理 ④運用上の留意点整理 |
| データ取扱い | 販売データは集計・匿名化または個別共有等の方法で取り扱い、個社別データの直接開示を回避 |
| 問い合わせ | 公益財団法人 流通経済研究所(〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21)TEL:03-5213-4532 URL:https://www.dei.or.jp/ |
| 出典 | 気象庁「過去の気象データ検索」「気候変動ポータル」/総務省消防庁「熱中症情報」 |
本稿ではプレスリリースの内容を踏まえ、猛暑と熱中症の増加という社会的背景から、本プロジェクトの目的、参加組織、実施内容、検証テーマ、データ管理とスケジュールまでを整理して掲載した。実証結果は2026年10月以降の分析で明らかになる見込みであり、その成果は各社・各小売業が自社条件に合わせて採用・修正できる形で整理される予定である。