HP製PCにプリバンドル、Rakuten AI提供開始
ベストカレンダー編集部
2026年7月29日 15:57
Rakuten AI 提供開始
開催日:7月29日
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HP製PCにプリバンドルされた「Rakuten AI for Desktop」が日本国内で提供開始(2026年7月29日発表)
楽天グループ株式会社は2026年7月29日14時06分、株式会社日本HPと協業し、HP製PC向けに「Rakuten AI for Desktop」の提供を日本国内で開始したと発表しました。今回の提供により、楽天の日本語に最適化された大規模言語モデル(LLM)をオンデバイスで動作させることで、オフライン環境での利用、強固なプライバシー保護、高い処理性能とコスト効率を実現します。
本取り組みは2025年11月に両社が発表した協業に基づくもので、HPのハードウェアと楽天のAI・エコシステムを統合する形で提供されます。発表ではオンデバイスとクラウドを切り替えられるハイブリッドAIを軸に、企業向けとコンシューマー向けの提供スケジュールも明らかにされています。
ハイブリッドAIとしての設計思想と提供形態
「Rakuten AI for Desktop」は、用途や環境に応じてオンデバイスモードとクラウドモードを切り替えられる設計が特徴です。オンデバイスではHP製PCに内蔵されたAI演算能力を活用し、クラウドに接続できない環境でも低遅延かつプライバシーに配慮したAI体験を実現します。
一方でクラウドモードでは、楽天が用意する専門AIエージェントや「楽天エコシステム」内の70を超える各種サービスと連携し、より複雑なタスクや外部サービス連携を必要とする機能を利用できます。クラウド依存を必要最小限に抑えつつ、必要に応じてクラウドの機能を利用する、という柔軟な使い分けが可能です。
提供形態とプリバンドルについて
本ソフトウェアは従来のプリインストールソフトとは異なり、日本国内のHP製PCに対してプリバンドル(出荷時に同梱)されます。ユーザーは購入後、アプリケーションを有効化するだけで利用を開始できます。ただし、プリバンドル提供は日本国内のHP製PC限定です。
対象PCは一般的なWindows PCが中心で、ゲーミングPC、シンクライアント、一部のワークステーションは対象外となる点が注記されています(注1)。提供開始は法人向けが2026年7月29日、コンシューマー向けは2026年10月以降を予定しています。
オンデバイスとクラウド、それぞれの機能と利用シーン
両モードで利用可能な基本的な便利ツールは共通しており、文章作成支援、翻訳、AI要約といった日常的な作業での効率化に重点が置かれています。オンデバイスではこれらをオフラインで低遅延に実行し、クラウドでは検索や画像・動画生成、ボイスメモ、コーディング支援など拡張機能を利用できます。
仕事のワークフローを効率化するために、UI面もデスクトップに溶け込む設計です。AIチャットウィンドウ、フローティングアイコン、コンテキストアクションバー等により、コピー&ペーストやタブ切り替えを最小化する狙いがあります。
主な機能一覧(利用可能なモードを含む)
以下は発表資料に基づく、オンデバイスおよびクラウドでの主な機能一覧です。表のとおり、クラウドモードのみで利用できる機能がある点に注意してください。
| 機能カテゴリ | 機能 | 利用可能モード | 概要 |
|---|---|---|---|
| 便利ツール | 文章を書く | オンデバイス / クラウド | メールやメッセージなど文章作成・編集を支援 |
| 便利ツール | 翻訳 | オンデバイス / クラウド | 意味やトーンを維持した多言語翻訳 |
| 便利ツール | AI要約 | オンデバイス / クラウド | 長文を短く分かりやすく要約 |
| 便利ツール(クラウドのみ) | 検索 / 画像・動画生成 / ボイスメモ / コーディング支援 / 問題解決 | クラウドのみ | 外部情報検索や生成系機能、音声入力整理、プログラミング支援等 |
Rakuten AIのエージェント群
「Rakuten AI for Desktop」は、楽天のエコシステムを活用した多様なエージェントを一つのチャット画面から利用できます。買い物、旅行予約、モバイルサービス、ポイント確認など日常のタスクを支援するエージェントが含まれます。
- 楽天市場:商品検索やレコメンド
- 楽天トラベル:宿泊検索・提案・予約支援
- 楽天ミュージック:楽曲検索・おすすめ
- 楽天モバイル:案内や契約前サポート
- 楽天PointClub:ポイント残高確認やFAQ支援
- 楽天GORA:ゴルフ場検索等
また、コミュニティー系エージェントとして、アニメ・マンガのトークパートナーや英語コーチ、料理レシピ提案、健康・トレーニング支援、占いなど、趣味や学習に寄与するエージェント群も用意されています。
技術的背景:Rakuten AI 7B と最適化手法
「Rakuten AI 7B」は70億パラメータの日本語基盤モデルで、フランスのMistral AIが公開したオープンLLM「Mistral-7B-v0.1」をベースに継続学習を行って開発されました。学習には楽天が構築したマルチノードGPUクラスタを利用しており、大規模かつ複雑なデータセットを用いた学習を高速かつ拡張性の高い環境で実施しています。
HP AI PC向けに提供される特別版では、継続学習、ファインチューニング、量子化(Quantization)を行いモデルの最適化を実施。さらに日本語向けに設計された拡張形態素解析器を採用することで、一つのトークンで従来より多くの日本語文字を表現でき、学習および推論の処理効率を高めています(注4、注5)。
両社のコメント
楽天のGroup Chief AI & Data Officer(CAIDO)ティン・ツァイは、オンデバイスでのAI稼働によりローカルコンテキストを活用し、個々人に合わせた支援が可能になる点を強調しました。開発チームがアプリケーション・モデル・ハードウェアの統合に取り組み、堅牢なAI体験を提供するための技術的課題を克服したと述べています。
日本HP代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹は、AIが日常の仕事や生活に自然に溶け込むための安心で安全なAI体験を提供する点を重視しているとコメントしました。オンデバイスAIとクラウドAIを組み合わせ、AI PCが未来の働き方(Future of Work)を支える基盤になると述べています。
利用開始手順と注意点、要約表
利用開始はタスクバーやスタートメニューの「Rakuten AI」アイコンから公式サイトを開き、案内に沿ってアプリケーションをダウンロード、起動します。デバイスがオンデバイスモードに対応しているか確認後、設定からオンデバイスモードをインストールして利用できます。詳細は公式サイト(https://ai.rakuten.co.jp/offers/hp)を参照してください。
以下に本文で触れた主要情報を表に整理します。提供開始日、対象、主な機能、技術的特徴、留意事項をまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年7月29日 14時06分(楽天グループ発表) |
| 提供開始 | 法人向け:2026年7月29日 / コンシューマー向け:2026年10月以降予定 |
| 対象デバイス | 日本国内のHP製Windows PC(ゲーミングPC、シンクライアント、一部ワークステーション除く)(注1) |
| 提供形態 | 日本国内のHP製PCへプリバンドル(購入後に有効化して利用開始) |
| 主要機能 | オンデバイス:文章作成、翻訳、要約等 / クラウド:検索、画像・動画生成、ボイスメモ、コーディング支援等 |
| AIモデル | Rakuten AI 7B(70億パラメータ)→ Mistral-7B-v0.1 を継続学習して開発。HP向けは量子化・ファインチューニング済 |
| 技術的特徴 | 日本語に最適化した拡張形態素解析器の採用、ローカル実行によるプライバシー確保と低遅延化 |
| 公式情報 | 公式サイト: https://ai.rakuten.co.jp/offers/hp |
| 備考 | 画像はイメージ。提供内容は予告なく変更される場合あり。注記(注1〜注5)あり |
上表は本発表で示された主要点を整理したものです。オンデバイスで稼働する日本語最適化モデルの搭載、HPとのプリバンドル提供、法人向け先行提供といった特徴が確認できます。利用にあたっては対象機種や機能の利用可能モード、提供スケジュールを公式案内で確認することが推奨されます。
- 注記
- (注1)対象PCモデルは、ゲーミングPC、シンクライアント、一部のワークステーションを除くHP製Windows PC。
- (注2)本発表は2025年11月に発表された両社の協業に基づく提供。
- (注3)利用可能な機能はオンライン(クラウド)とオフライン(オンデバイス)で異なる。
- (注4)Mistral-7B-v0.1に関する詳細はMistral AIの公開情報を参照。
- (注5)形態素解析器はトークン化の方式で、日本語処理の効率化に寄与。