映画『チルド』旋風:公開10日で2.5万動員、ファンタジア出品
ベストカレンダー編集部
2026年7月29日 18:34
『チルド』全国公開
開催日:7月17日
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東京の片隅のコンビニが描く88分──『チルド』の輪郭と公開後の動向
映画レーベルNOTHING NEWが初の実写長編として発表した岩崎裕介監督作『チルド』は、東京の片隅にあるコンビニエンスストア<エニーマート倉富町7丁目店>を舞台に小さな社会の歪みを起点に世界が終わりへ向かっていく様を描く、いわば“コンビニエンス・ホラー”と称される88分間の作品である。
主演は染谷将太、共演に唐田えりか、西村まさ彦、くるま(令和ロマン)、長島竜也らを迎え、2026年7月17日(金)よりテアトル新宿・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開が始まった。公開初日から各地で満席が続出し、公開から10日間で動員25,000人を突破するなど、短期間で確かな反響を得ている。
作品のジャンルと上映時間、公開日
本作はホラーとブラックユーモアを併せ持つ作品で、演出は会話劇を中軸とした静的で異物感のある手法が用いられている。上映時間は88分。公開日は2026年7月17日で、複数の劇場での同時公開が行われた。
レーベル側の発表は株式会社NOTHING NEWによるもので、プレスリリース発表日時は2026年7月29日17時55分となっている。
- 公開日:2026年7月17日(金)
- 上映時間:88分
- 動員:公開から10日間で25,000人突破
- 配給・企画:NOTHING NEW
ファンタジア国際映画祭──北米最大級の舞台で得た手応え
『チルド』は、2026年7月16日から8月2日までカナダ・モントリオールで開催された第30回Fantasia International Film Festival(ファンタジア国際映画祭)のCheval Noir Competition(長編コンペティション)部門に正式出品され、岩崎裕介監督が現地に登壇した。本映画祭は1996年創設の北米最大級のファンタスティック映画祭であり、ホラー、スリラー、ダークコメディ、アニメーション、SF、アジア映画などジャンル映画の最前線を紹介する場として国際的に高い評価を得ている。
今回は創設30周年の節目の年にあたり、映画祭側もアニバーサリー企画を多数展開していた。Cheval Noir Competition部門は長編ジャンル映画の最高賞を競う中心カテゴリーで、単に恐怖や娯楽性に留まらない、ジャンルの革新性や社会的テーマ性を重視する部門である。
モントリオールでの上映と会場の反応
現地時間2026年7月25日(土)に本作はAuditorium des diplômés de la SGWU(オディトリウム・デ・ディプロメ・ドゥ・ラ・エス・ジェ・ドゥーブリュ)で上映され、692席のチケットは完売した。入場者は世界各国から集まったジャンル映画ファンで、会場は開場前から長蛇の列ができるほどの注目を集めた。
上映中は驚きの歓声や笑い声が各所から聞こえ、終盤では観客がスクリーンに食い入るように集中した。エンドロール終了後には大きな拍手が湧き起こり、会場は700名近くに及ぶ満席で上映を終えた。
- 上映日時(現地)
- 2026年7月25日(土)午後6時50分〜
- 上映日時(日本時間)
- 2026年7月26日(日)午前7時50分〜
- 上映会場
- Auditorium des diplômés de la SGWU
- 席数
- 692席(完売)
舞台挨拶とQ&Aで語られた創作の裏側
上映後には脚本・監督の岩崎裕介が登壇し、観客とのQ&Aを行った。岩崎は舞台で「とても変な映画だと思うので、今回のQ&Aを通して自分の中の疑問を解消してほしいです」と語り、作品のユニークなトーンやモチーフについて率直に説明した。
当初はより直球のホラーを想定していたが、現場で働く人々のリアリティを追求するうちにブラックユーモアが強まったこと、劇中に登場する小道具やモチーフの多くが監督自身の経験や身近な実物から採られていることなどが語られた。
Q&Aでの主な問答とエピソード
ファンタジア側プログラミングディレクターのニコラ・アーカムボルト氏からは、岩崎監督の実家がコンビニを経営していた背景が脚本や演出にどう影響したかを問う質問が出た。岩崎は、劇中に登場する木刀について「実家のコンビニに実際にあったものを使用しています」と答え、子どもの頃に父親が泥棒対策として木刀を持っていたという実話を披露し、会場の笑いを誘った。
他にも「なぜブラックユーモアのトーンを選んだのか」「なぜサラダチキンを重要なモチーフにしたのか」といった観客からの多様な質問が飛び交った。岩崎はサラダチキンについて、仕事の合間にコンビニで「健康的」とされるサラダチキンを急いで食べる自身の感覚がディストピア的な印象につながり、それが映画制作の発端になったと説明した。
本来15分と定められていたQ&Aは30分を超える盛り上がりを見せ、最後は盛大な拍手の中で締めくくられた。
制作・キャスト・受賞歴など作品と制作会社の詳細
監督兼脚本の岩崎裕介は1993年生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業後、2017年に東北新社に入社。2019年にディレクターデビューを果たし、CM制作を含む商業ベースでの作家活動を行ってきた。63rd ACC CREATIVITY AWARDS フィルム部門で監督を務めたCMがグランプリを受賞するなど評価を得ている。
岩崎は会話劇を中心とした静的で異物感のある演出が持ち味で、2024年には初の脚本・監督ホラー作品『VOID』を発表。本作はロッテルダム国際映画祭、サンフランシスコ国際映画祭ほか多数の映画祭で入選を果たしている。
主なクレジットと入選映画祭
- 出演:染谷将太、唐田えりか、西村まさ彦、くるま、長島竜也
- 監督・脚本:岩崎裕介
- プロデューサー:林健太郎、下條友里、井上淳
- 企画・プロデュース:NOTHING NEW
- 制作プロダクション:東北新社
- 配給:NOTHING NEW
『チルド』の入選歴は以下の通りである。
- ベルリン国際映画祭(ドイツ)/フォーラム部門 正式出品・国際映画批評家連盟賞受賞
- 台北・金馬ファンタスティック映画祭(台湾)/正式出品
- 全州映画祭(韓国)/ミッドナイトシネマ部門 正式出品
- ファンタジア国際映画祭(カナダ)/Cheval Noir Competition部門 正式出品
NOTHING NEWの紹介と今後の作品
NOTHING NEWは「才能が潰されない世の中を目指して」2022年に設立された映画レーベルである。同社は2026年に実写長編『チルド』を公開したほか、オリジナル長編アニメーション『我々は宇宙人』(監督:門脇康平)がカンヌ国際映画祭監督週間に選出され、2026年9月25日公開を予定している。
レーベルおよびスタジオのオンラインアカウントは次の通りである。
- NOTHING NEW Instagram: https://www.instagram.com/NOTHINGNEW_FILM/
- NOTHING NEW X(旧Twitter): https://x.com/NOTHINGNEW_FILM/
- スタジオ公式X: https://x.com/NN_animation
- 公式LINE: @nothingnew
今回の記事の要点まとめ
以下の表に本記事で触れた主要項目を整理する。公開日、映画祭出品情報、上映日時、主要キャストと制作陣、岩崎監督に関するプロフィールやQ&Aでの主な発言などを一目で確認できるようにまとめた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 『チルド』(英題:AnyMart) |
| ジャンル・上映時間 | コンビニエンス・ホラー、88分 |
| 公開日(日本) | 2026年7月17日(金) |
| 配給・企画 | NOTHING NEW |
| 初動動員 | 公開から10日間で25,000人突破 |
| ファンタジア上映 | 第30回Fantasia International Film Festival(Cheval Noir Competition部門) 上映日(現地):2026年7月25日(土)午後6時50分〜 上映会場:Auditorium des diplômés de la SGWU チケット:692席完売 |
| 舞台挨拶・Q&A | 岩崎裕介監督が登壇。Q&Aは予定の15分を超え30分以上に及ぶ。木刀の実話やサラダチキンを巡る発言などが話題に。 |
| 監督プロフィール | 岩崎裕介(1993年生まれ)。慶應義塾大学文学部卒。2017年東北新社入社、2019年ディレクターデビュー。CMで63rd ACCグランプリ受賞。2024年『VOID』発表。 |
| 主要出演 | 染谷将太、唐田えりか、西村まさ彦、くるま(令和ロマン)、長島竜也 |
| 入選映画祭(主なもの) | ベルリン国際映画祭(フォーラム・国際映画批評家連盟賞受賞)、台北・金馬ファンタスティック、全州映画祭、ファンタジア国際映画祭 |
| NOTHING NEWについて | 2022年設立の映画レーベル。『チルド』のほか、門脇康平監督作『我々は宇宙人』(カンヌ監督週間選出、2026年9月25日公開予定)を控える。 |
本稿では、作品の内容や公開日、国内外での反応、ファンタジア国際映画祭での上映の詳細、Q&Aで語られた制作背景、監督と制作会社のプロフィールに至るまで、プレスリリースの情報を網羅的に整理した。