9月9日開幕、電気不要で放熱する空調パネル公開
ベストカレンダー編集部
2026年8月4日 13:06
I-TEX JAPAN出展
開催期間:9月9日〜9月11日
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電気を使わずに放熱する「空調機能性パネル」とは何か
ポルタパーク株式会社(本社:東京都練馬区、代表取締役:中村拓樹)は、10年にわたる熱工学の研究を結実させ、融点28℃の潜熱蓄冷材(PCM)と建材型ベイパーチャンバーパネルを一体化した新たな建材「空調機能性パネル」を開発したと発表しました。発表日時は2026年8月4日11時00分付のリリースで、同社はこの成果を展示会で初公開するとしています。
このパネルは、室内側から「蓄冷材層」「室内ベイパーチャンバー(蒸発器)」「高断熱層」「室外ベイパーチャンバー(凝縮器)」を一体化させた4層構造を採用しています。外気温が下がる夜間に水蒸気と水がパッシブに往来することで、室内の熱を外部へ移動・放出するしくみを実現した点が最大の特長です。
- 基本構成
- ・蓄冷材(PCM、融点28℃)/・室内ベイパーチャンバー(蒸発器)/・高断熱層/・室外ベイパーチャンバー(凝縮器)
- 動作原理
- 外気温が低下した際にパッシブな相変化と水蒸気移動で熱を屋外へ放出する面放熱方式。
- 開発背景
- 住宅・建築向けパッシブ技術を磨いたうえで、面放熱能力と高速熱拡散性をAIサーバー冷却へ横展開。
データセンター向け「自己放熱型コンテナ」の提案と技術的要点
ポルタパークは本パネルの大型化技術を用い、AIデータセンター(特にエッジ型・コンテナ型)向けに外部ポンプや冷却塔、チラーを不要にする「自己放熱型コンテナデータセンター」の事業展開を打ち出しました。サーバーラック内のCDU(冷媒分配装置)とコンテナ外皮の放熱パネルで完結する設計により、従来の外部冷却インフラを排除する点が特徴です。
この方式により、電力供給や建築確認といった設置上のボトルネックを回避したり、設置効率を飛躍的に高められることが示されています。以下に、同社が挙げる主な4つの特徴を整理します。
4つの主要な特徴
以下は、ポルタパークが示すエッジAI向け技術の核となるポイントです。それぞれについて、運用上の利点と技術的根拠が示されています。
- 外部冷却インフラの完全排除と設置効率の向上
ラック内CDUとコンテナ外皮のみで冷却を完結。外部ポンプ・チラー・冷却塔を必要としません。
これにより、従来は冷却設備が占有していた床面積を大幅に削減し、「駐車場1台分」のスペースで高いAI処理能力を配置可能としています。
- ファンレス静音設計と高効率(PUE 1.05以下)
コンテナの屋根面や側面から自然対流で放熱するファンレス設計を採用。住宅街やオフィス併設でも騒音問題を抑制します。
インフラ側の消費電力はCDUのわずかなポンプ電力(数百W)に削減され、理論的にPUE 1.05以下を実現可能としています(PUEはデータセンターの省エネ指標)。
- 高圧受電・建築確認が不要で導入を迅速化
装置全体の消費電力を約10kW程度に抑えることで高圧受電設備(キュービクル)を不要とし、電力系統接続の遅延リスクを回避します。
また、平置きの無人コンテナ型であるため建築基準法上の“建築物”に該当しないケースがあり、建築確認申請が不要となる点で設置リードタイムを短縮します。
- 大容量無線の直結で「工事ゼロ」の10Gbps級通信を提供
コンテナと需要家(オフィス等)間をWi‑Fi 7やミリ波P2Pで直結する方式を想定しており、光ファイバー敷設に伴う掘削や高額工事を不要にします。
この構成により、初期投資を抑えつつ使用料永年無料の10Gbps級通信を実現可能とされ、公共ネットワークを経由しないため機密データの露出リスクも抑制されます。
展示会出展内容と実証デモの具体的な見どころ
ポルタパークは、第一回国際熱エネルギー展(I-TEX JAPAN)において、トレーラーハウス型実証棟とデータセンター向け放熱性能デモの2点を実機展示します。会期と会場は以下の通りです。
- 展示会名
- 第一回[国際]熱エネルギー展 ― I-TEX JAPAN ―
- 会期
- 2026年9月9日(水)〜11日(金)
- 会場
- 幕張メッセ(小間番号:E30-22/8ホール)
展示の主な構成は以下の通りです。各展示は実際の放熱動作やパネルの現物確認を可能にする内容になっています。
- トレーラーハウス型実証棟(実物)
空調機能性パネルを全面に配置したトレーラーハウス型実証棟を出展。電気を一切使わずに室内の熱を外部へ放出するシステムを実物で確認できます。
この実証棟は公益財団法人東京都中小企業振興公社の助成事業「広域ものづくりネットワーク 形成支援事業」により建造されたものと明記されています。
- 建材型ベイパーチャンバーの放熱性能リアルタイム可視化デモ
AIサーバーの排水を想定した「60℃の恒温槽」を用意し、放熱パネルを接続して実証します。外部ポンプやファンを一切使用せず、自然対流のみで放熱される熱量をリアルタイム表示するデモを行います。
デモは外部冷却機器を用いない運用の実効性を示すものであり、来場者は放熱パフォーマンスを視覚的に確認できます。
展示に関する注記
出展情報や来場登録へのリンクはリリースで案内されています。展示されるトレーラーハウス型実証棟は助成事業により建造された旨の注記(*2)が付されています。また、建材型の「世界初」表示は同社調査に基づく旨の注記(*1)があります。
出典・問い合わせ先として、同社の公式サイト(https://porta-park.com)が示されています。展示のブース番号はE30-22(8ホール)です。
用途想定、導入メリットと事業展開の方向性
ポルタパークは、住宅やオフィス向けのパッシブ技術として蓄積したノウハウを、AI時代の熱管理課題に適用することで、分散型のエッジAIインフラを提案しています。導入効果と想定されるユースケースを整理します。
分散型コンテナを需要家至近に配備することで、巨大データセンター集中型の電力や通信インフラへの負担を低減し、「AI計算の地産地消」を志向しています。これは都市部と地方の双方に影響を与える取り組みと位置づけられます。
- 次世代クリエイティブ拠点:閑静な住宅街やオフィス併設の拠点に配置し、AIコンテンツ制作環境をローカルに提供。
- スマートシティ/自動運転基盤:地域に一定間隔で配備し、防犯カメラや車載・ウェアラブルの大量データをリアルタイム処理するMECグリッドを構築。
- 遊休地活用モデル:駐車場1台分の遊休地を活用することで、土地オーナーに新たな収益機会を提供するリース/シェアリングモデルを目指す。
また、設置に際しては高圧受電や建築確認が不要とされる場合がある点、CDUの消費電力を数百Wのポンプに抑え、全体消費電力を約10kWに収める設計により、電力系統の接続遅延リスクを低減できる点が導入メリットとして強調されています。
技術・展示の要点整理(表形式)
以下は本記事で取り上げた主要項目を整理した表です。出展情報、技術仕様、導入上のポイントを一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表者 | ポルタパーク株式会社(本社:東京都練馬区、代表取締役:中村拓樹) |
| リリース日時 | 2026年8月4日 11時00分 |
| 製品名/技術 | 空調機能性パネル(建材型ベイパーチャンバーパネル一体化) |
| 構造 | 4層構造:蓄冷材層(PCM 融点28℃)/室内ベイパーチャンバー(蒸発器)/高断熱層/室外ベイパーチャンバー(凝縮器) |
| 動作原理 | 外気温が低下した夜間に水蒸気・水のパッシブ往来で室内熱を外部へ放出(面放熱) |
| エッジDC向けの4大特徴 | ①外部冷却インフラ不要 ②ファンレス静音+PUE 1.05以下目標 ③高圧受電・建築確認不要の可能性 ④Wi‑Fi7/ミリ波で工事ゼロの10Gbps級接続 |
| 消費電力等 | 全体で概ね10kW程度に抑制。CDUのポンプ消費は数百W程度を想定。 |
| 展示会 | 第一回国際熱エネルギー展(I-TEX JAPAN) 2026/9/9〜9/11 幕張メッセ 小間:E30-22(8ホール) |
| 展示内容 | ①トレーラーハウス型実証棟(空調機能性パネル実装) ②建材型ベイパーチャンバー放熱性能の60℃恒温槽によるリアルタイム可視化デモ |
| 注記 | *1:世界初は同社調べ。*2:実証棟は東京都中小企業振興公社の助成事業で建造。 |
| 問い合わせ先 | ポルタパーク株式会社 公開URL:https://porta-park.com |
本記事では、ポルタパークの発表内容を整理して伝えました。蓄冷材と建材型ベイパーチャンバーを組み合わせた空調機能性パネルと、それを用いた外部冷却装置を不要とする自己放熱型コンテナは、設置効率、運用コスト、設置要件の観点で従来方式との差分が明確に示されています。展示会(I-TEX JAPAN、2026年9月9日〜11日、幕張メッセ・E30-22)では実物とリアルタイムデモが確認できる予定です。