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トライアンフ、Moto2へ新型エンジン発表—2027導入へ

Moto2向け新型エンジン

開催日:8月10日

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Moto2向け新型エンジン
新型エンジンって何が変わるの?
最高出力が約6%向上し、エンジン全体で約2kgの軽量化を実現。新設計のシリンダーヘッド、低慣性バルブトレイン、高流量ポートや燃焼室の改良でトルク幅と耐久性も向上します。
いつからMoto2で走るの?
新型エンジンは2027年シーズンからMoto2のグリッドへ導入予定。年内に非公開テスト、今後数か月以内にサーキットテスト開始とされ、詳細日程は追って発表されます。

トライアンフが描くMoto2™の新たな競争地図──2027年に向けた新型レーシングエンジンの全容

トライアンフ・モーターサイクルズジャパン株式会社は、2026年8月10日9時に発表されたプレスリリースを通じて、2027年シーズンからFIM Moto2™世界選手権に投入される新型レーシングエンジンの開発を公表しました。発表は英国シルバーストンでのイギリスGPを前に行われ、トライアンフとMotoGP™の協業における重要なマイルストーンとなります。

今回の新型エンジンは、2019年にトライアンフがMoto2™の独占エンジンサプライヤーに就任して以降行ってきた継続的な改良の集大成であり、従来比で最高出力を約6%向上させ、エンジン全体で2kgの軽量化を実現しています。発表文は技術的な方向性、サーキットテストの予定、シャシーメーカーへの影響、供給スケジュールなどを具体的に示しています。

トライアンフから、2027年のMoto2™へ投入する【新型レーシングエンジン発表】 画像 2

発表の背景と位置づけ

トライアンフは2019年からMoto2™世界選手権に対して独占的にエンジンを供給してきました。以来、Street Triple RSをベースにした765cc 3気筒エンジンを提供し、これまでに蓄積した総走行距離1,926,132kmという膨大なレースデータとライダーからのフィードバックを基に、ミドルクラスの技術進化を推進してきました。

今回の新型エンジン導入は、トライアンフとMotoGP™の協力関係を次の段階へ進めるものであり、ミドルクラスのレースをより接戦で魅力的にすることを狙いとしています。発表では新型エンジンのCADイメージも示され、サーキットテストは今後数か月以内に開始予定と明記されています。

トライアンフから、2027年のMoto2™へ投入する【新型レーシングエンジン発表】 画像 3

設計の要点:吸入、燃焼、軽量化を同時に追求

技術開発の中心となったのは、シリンダーへ取り込む空気流量の向上です。新設計のシリンダーヘッドと、全面的に再設計した低慣性バルブトレイン、高流量ポート、新しい燃焼室により、圧縮比を高めて回転域全体で豊かなトルクを得ることが狙いです。

これらの改良は単に最高出力の向上にとどまらず、レースで求められる幅広い回転域での扱いやすさと、耐久性の両立を目指して設計されています。発表では現段階で最高出力が約6%向上すると明示しており、排気量については変更が予定されているものの、詳細な数値は追って発表されるとされています。

内部構造の再設計と軽量化

新たな出力とトルクに対応するため、クランクケースや内部構成部品も再設計されました。主要部品を総合的に見直すことで、サーキット投入後でも最大限の信頼性を確保することを重視しています。

これらの設計見直しにより、エンジン全体で2kgの軽量化を達成しています。軽量化は車体の取り回しや加速、燃費に影響し、レースでの競争力向上に直結する要素です。

  • 吸入系:新設計シリンダーヘッド、高流量ポート
  • バルブトレイン:低慣性化で高回転対応
  • 燃焼室:新形状で高圧縮比を実現
  • 内部構成:クランクケースと主要部品の再設計で軽量化と信頼性向上

レース運用とシャシーへの影響、導入スケジュール

新型エンジンはトライアンフからMoto2™各チームへ順次提供され、年内のサーキットデビューに向けて非公開テストが継続されます。プレスリリースではサーキットテストが「今後数か月以内に開始予定」と明記されており、テストプログラムは性能・耐久性・信頼性を徹底検証するものになると説明されています。

エンジンの変更はシャシーメーカーへも設計面での影響を及ぼします。具体的にはエアインテークの配置やエンジンマウント位置が変わるため、各シャシーメーカーは2027年シーズンに向けて新しいシャシー開発が必要になります。トライアンフは過去12か月にわたりシャシーメーカーと連携し、開発に必要な情報を提供してきたとしています。

  1. サーキットテスト:今後数か月以内に開始予定
  2. 非公開テスト:年内のサーキットデビューに向け継続
  3. 供給開始:2027年シーズンよりMoto2™グリッドへ導入
  4. シャシー対応:エアインテーク配置・エンジンマウントの変更により各社シャシー開発が必要

パートナーシップとレースへの波及効果

トライアンフは過去8シーズンにわたり積極的なアップデートを実施し、ギアボックスを含む改良で歴代最速ラップや決勝最速ラップを含むおよそ100件近い記録更新に貢献してきました。Moto2™は次世代のMotoGP™ライダーを育成する重要な場であり、765ccエンジンで経験を積んだ多くのライダーがMotoGP™へ進出しています。

MotoGP™側からの評価も高く、発表に含まれるコメントでは、トライアンフの進化と改善の姿勢がMoto2™の魅力向上に直結するとの認識が示されています。

トライアンフの事業概要とレーシングの歩み

トライアンフ・モーターサイクルズは1902年創業で、2022年にモーターサイクル製造120周年を迎えました。ヒンクレー(英国レスターシャー州)を拠点に本物志向のデザインとパフォーマンスを追求するブランドとして知られています。

直近の会計年度FY25(2024年7月~2025年6月)では世界68か国、約950店舗の販売ネットワークを通じて過去最高の141,683台を販売しました。従業員は世界で約3,000人、英国とタイに製造拠点を持ち、ブラジルとインドにはCKD工場を有しています。

製品ラインアップ(一部抜粋)
モダンクラシック、ロードスター、アドベンチャーを中心に、TRシリーズ(400cc帯)からRocket 3(2,500cc)まで幅広い排気量を展開。
代表的モデル:Bonnevilleシリーズ、Trident 660/800、Daytona 660、Street Triple 765 RS/RX、Speed Triple 1200 RS/RX、Tigerシリーズなど。
電動モデル
2025年10月に発表したTriumph TXPシリーズ(OSET技術活用)で、3歳から楽しめる4モデルを展開。
モータースポーツ活動
1908年のマン島TT勝利以降、幅広いカテゴリーで実績。2019年以降はMoto2™の独占エンジンサプライヤーを務め、初年度に最高速300km/h超を達成するなど記録を更新。Dornaとの契約は2023年に再延長され、2025年から2029年まで継続。

トライアンフは2026年にPTR Triumph Factory RacingとともにWorld Supersport Championshipへ参戦するほか、Daytona 660で新設のSportbike World Championshipにも参戦予定です。さらにスーパークロス、モトクロス、エンデューロでの活動も継続し、近年は主要大会での勝利やタイトル獲得を報告しています。

関係者のコメント

スティーブ・サージェント(トライアンフ・モーターサイクルズ チーフ・プロダクト・オフィサー)は、今回の発表をトライアンフとMotoGP™のパートナーシップにおける大きな前進と位置づけ、厳格なテストプログラムで性能・耐久性・信頼性を検証したこと、吸入空気量増加や高圧縮比、トルク向上に手応えを得ていることを述べています。

アルフォンソ・カルトゥーホ(MotoGP™ スポーティングディレクター)は、トライアンフの進化がMoto2™世界選手権にとって大きな一歩であると評価し、新しいエンジンがサーキットでどのように発揮されるかを期待する旨のコメントを発表しています。

要点の整理(本稿で触れた内容の早見表)

以下の表は本記事で取り上げた主要事項を整理したものです。発表日、技術的ポイント、導入時期、トライアンフの事業概要などの項目をまとめています。

項目 内容
発表日 2026年8月10日 09時00分(トライアンフ・モーターサイクルズジャパン発表)
発表場所 英国シルバーストン(イギリスGPを前に公表)
代表 トライアンフ・モーターサイクルズジャパン 代表取締役社長 大貫 陽介
新型エンジンの基本 2027年シーズンからMoto2™に投入予定。最高出力を約6%向上、エンジン全体で2kg軽量化。排気量は変更予定(詳細は後日発表)。
設計上の重点 シリンダーヘッドの新設計、低慣性バルブトレイン、高流量ポート、新燃焼室により吸入空気量と圧縮比を向上。内部構成の再設計で耐久性と軽量化を両立。
テスト・導入スケジュール サーキットテストは今後数か月以内に開始予定。非公開テストを年内継続し、2027年シーズンに正式導入。
シャシーへの影響 エアインテーク配置とエンジンマウント位置が変わるため、シャシーメーカーは新設計が必要。トライアンフは過去12か月にわたり情報提供済み。
これまでのMoto2™実績 2019年から独占供給。累積走行データ1,926,132km。過去8シーズンで約100件に近い最速ラップ記録更新。
トライアンフ事業概要(抜粋) 創業1902年。FY25で141,683台販売、世界68か国約950店舗。従業員約3,000人、英国・タイに製造拠点、ブラジル・インドにCKD工場。
問い合わせ先 トライアンフコール:TEL 03-6809-5233 / ウェブサイト https://www.triumphmotorcycles.jp/

以上はトライアンフが発表した新型レーシングエンジンに関するプレスリリースの全情報を整理した記事です。技術面の詳細な数値や追加情報はトライアンフとMotoGP™からの今後の発表で補完される見込みであり、開発スケジュールに沿って非公開テストやチーム提供、シャシーメーカーの対応が進むことが示されています。