明日香村×星野リゾート、協定で飛鳥の景観守る
ベストカレンダー編集部
2026年8月12日 07:49
包括連携協定締結
開催日:8月11日
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世界遺産登録を迎えた明日香村と新たな包括連携協定の意義
2026年8月11日16時20分、星野リゾートと奈良県明日香村は「持続可能な地域社会形成に向けた包括的連携協定書」を締結した。締結式には明日香村長・森川裕一氏と星野リゾート代表の赤羽亮祐が出席しており、両者の10年にわたる連携を基盤に、新たな協働フェーズへと移行することが確認された。
本協定は、2016年の「企業立地に関するパートナーシップ協定」、2019年の「地域活性化包括連携協定」に続くものであり、2027年の「星のや飛鳥」開業を見据えつつ、世界遺産登録された『飛鳥・藤原の宮都』としての価値を未来へ伝えていく体制づくりを目的としている。
協定の目的と背景
協定の中心には歴史的風土・景観・伝統文化の保全が据えられている。明日香村は日本の原風景を残す地域であり、古墳群や寺院、古代の都の痕跡が多数あるため、観光振興と保存の両立が重要な課題となる。
この協定は、保存と活用を両立させるための具体的な連携を進めるものであり、受入環境の整備、村内周遊を促す仕組みづくり、人と地域が年間を通じて循環する持続可能な観光の実現を目指す。
明日香村の歴史的価値と保全制度—「明日香法」などの制度的背景
明日香村は推古天皇や聖徳太子、蘇我馬子、斉明天皇、天武天皇、持統天皇といった古代の人物が活躍した場所であり、日本の中央集権国家成立の過程を物語る史跡が集中している。
代表的な史跡としては石舞台古墳、キトラ古墳、高松塚古墳、飛鳥寺などが挙げられる。これらは国内外の学術的・文化的関心も高く、適切な保全対策が求められている。
明日香村の保全に関する法制度
地域の景観を守るため、通称「明日香法」と呼ばれる特別措置法により、行政区域内全域が歴史的風土特別保存地区に指定されている点が特徴的である。国内で唯一のケースとして、地域全体を守るための制度的な枠組みが整備されている。
この制度的背景を踏まえ、協定では地域固有の景観や伝統を損なわない形での施設計画や観光コンテンツの創出、環境整備を進めることが明記されている。
星野リゾートと明日香村の10年—活動内容と情報発信計画
星野リゾートは「旅を楽しくする」をテーマに、国内外で81施設(国内76、海外5)を運営する宿泊運営事業者である。代表的ブランドは星のや、界、リゾナーレ、OMO、BEB、LUCYの6つであり、各ブランドは土地の風土や文化を取り入れた滞在を提供する。
明日香村との関わりは2016年に始まり、2019年には更に包括的な連携に発展した。今回の協定締結は10年の歩みを踏まえた上での深化であり、連携の内容や人材交流、地域貢献の取り組みを広く伝えるために特設サイトで詳細を発信する計画が示されている。
特設サイトでの発信予定(全10回)
特設サイトでは以下のような連載を通じて、過去の取り組みと今後の展望を詳述する予定である。既に公開予定の項目には次が含まれる。
- なぜ今、『飛鳥・藤原の宮都』が世界遺産に?明日香村長に聞く「日本の首都」の原点
- 森川村長、星野リゾートと明日香村を語る。この地を選んだ星野リゾートの感性。
- 地域とともに歩む―明日香村と星野リゾートの人材交流【前編】
- 地域とともに歩む―明日香村と星野リゾートの人材交流【後編】
- 奈良の観光課題と星のや飛鳥が果たす地域貢献について
上記は全10回のうちの前半のラインアップであり、残り回についても順次公開される予定である。
「星のや飛鳥」計画の概要と立地・建築構成
「星のや飛鳥」は2027年開業を予定しており、明日香村西部の谷あいに位置する計画地に建設される。周辺は牽牛子塚古墳、真弓鑵子塚古墳、マルコ山古墳、岩屋山古墳といった歴史資源に恵まれている。
施設は村のまちなみ風景を踏襲した低層の分棟型客室を展開し、飛鳥時代に伝わった瓦屋根を意匠に取り入れる設計が予定されている。敷地中央には棚田を想起させる庭を配し、古代の風土と現代の滞在体験を重ね合わせる構成となる。
施設のコンセプトと周辺資源の活用
「星のや」ブランドのコンセプトは「その瞬間の特等席へ。」であり、土地の歴史や季節に合わせた体験を提供する。星のや飛鳥では、飛鳥時代の宮都があったエリアという文脈を踏まえ、当該地域の歴史や景観に思いを馳せる滞在プログラムが予定されている。
敷地の立地を活かし、村内の史跡を巡る周遊ルートづくりや受入環境の向上、地域と連携した文化プログラムの実施など、観光と保存を両立させる取り組みが連携協定の一部として掲げられている。
星野リゾートの事業規模と関連情報
星野リゾートは長野県軽井沢町に本社を置き、2026年に創業112周年を迎える企業である。運営施設数は国内外合わせて81施設(国内76、海外5)となっている。
また、2026年には日本初の旧監獄を活用した国の重要文化財「星のや奈良監獄」が開業予定であり、同社の歴史資産の利活用に関する知見は今回の明日香での計画にも反映される見込みである。ブランド詳細は 星野リゾート 星のや ブランドページ にて確認できる。
協定が目指す具体的施策と情報整理
協定では、以下のような具体的施策が想定されている。これらは保存と観光振興を両立するための共同作業となる。
- 歴史的風土・景観・伝統文化の保全に関する共同施策の検討
- 独自の滞在型コンテンツ(地域資源を活かした体験プログラム)の開発
- 国内外向けの受入環境整備および案内・周遊ルートの整備
- 年間を通じて人が行き交う持続可能な観光の仕組みづくり
- 人材交流や地域コミュニティとの連携による人材育成・雇用創出
また、プレスリリース素材として使用できる画像ファイルのダウンロードが可能であることも明記されており、広報面での情報提供も整備されている。
用語説明(簡潔なDL・補足)
- 明日香法
- 明日香村の全域を歴史的風土特別保存地区に指定するための特別措置法の通称。地域全体を保存対象とする珍しい制度である。
- 星のや
- 星野リゾートが展開するブランドの一つ。土地の風土・歴史・文化を織り込んだ滞在を提供することを特徴とする。
本記事の要点まとめ
以下の表は、本記事で取り上げた協定の主要項目、計画時期、関係者、施設情報などを整理したものである。協定の趣旨、星のや飛鳥の立地・設計コンセプト、過去の協定経緯、特設サイトの発信計画などを網羅している。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 協定名称 | 持続可能な地域社会形成に向けた包括的連携協定書 |
| 締結日・時刻 | 2026年8月11日 16:20 |
| 締結者(出席者) | 明日香村長 森川裕一/星野リゾート 赤羽亮祐(締結式出席) |
| 既往の連携 | 2016年:企業立地に関するパートナーシップ協定、2019年:地域活性化包括連携協定 |
| 目的 | 歴史的風土・景観・伝統文化の保全と、地域共生型の持続可能な観光価値創造 |
| 星のや飛鳥 開業予定 | 2027年(明日香村西部の谷あいに立地、低層分棟型、庭に棚田を想起させる設計) |
| 周辺歴史資源 | 牽牛子塚古墳、真弓鑵子塚古墳、マルコ山古墳、岩屋山古墳、石舞台古墳、キトラ古墳、高松塚古墳、飛鳥寺 など |
| 星野リゾート概要 | 本社:長野県軽井沢町/運営施設数:81(国内76、海外5)/2026年に創業112周年 |
| 情報発信 | 「明日香村と星野リゾートの10年の歩み」特設サイト(全10回を予定)およびプレスリリース素材の画像ダウンロード提供 |
以上は本プレスリリースに基づく情報の整理である。協定を通じて、明日香村の歴史的風土の保全と、地域に根差した受入体制の整備が両者で進められることが示されている。