ユースが緊急声明:猛暑の健康被害と対策提言
ベストカレンダー編集部
2026年8月19日 09:40
猛暑対策ユース声明
開催日:8月7日
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猛暑の現状とユースによる緊急声明の発表背景
特定非営利活動法人 日本医療政策機構(HGPI)が事務局支援を行った形で、医療・公衆衛生を学ぶユース3団体が2026年8月7日に「猛暑から命と未来を守る、ユースからの緊急声明―誰も取り残さない気候変動対策を求めて―」を発表しました。プレスリリースは2026年8月19日09時00分に公表されており、本件は国内外で深刻化する猛暑の健康影響を受けた緊急の呼びかけです。
声明は、2026年7月20日から26日までのわずか1週間の間に、全国で18,591人が熱中症により救急搬送されたことを主要な事実として提示しています。このうち、初診時に死亡が確認された人は45人、重症者は713人に上り、猛暑が現実の健康被害として顕在化していることを示しています。欧州においても2026年夏の熱波で、7月中旬までに5か国だけで約1万人の超過死亡が報告されている点を踏まえ、国内外の猛暑が同時に健康危機を引き起こしていると指摘されています。
誰が声明を出したのか
発起団体は次の3団体です。アジア医学生連絡協議会日本支部(AMSA Japan)、国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan)、日本国際保健医療学会学生部会(jagh-s)。事務局はHGPI(Health and Global Policy Institute)で、同機構が声明の発表を支援しています。声明には個人19名、団体5件の賛同が2026年8月18日時点で集まっており、賛同受付は2026年9月30日まで行われています。
声明では、猛暑の影響は単なる個々人の「注意喚起」で済む問題ではなく、学校・労働・医療提供体制・学びの場など、社会全体の仕組みとしての対応が必要であると位置づけています。特に若年世代は、すでに猛暑の影響を受けている当事者であると同時に、将来の医療や公衆衛生の担い手であるため、現状を放置できないという観点から声を上げています。
声明が示す3つの主要提言——教育・適応・脱炭素
声明は気候危機への対応を「中長期的な環境保護施策」に留めず、命と健康、学び、労働、保健医療体制を守るための最優先の社会課題として位置づけることを求め、下記の3つの提言を掲げています。以下は各提言の要点と具体的な要望です。
3つの提言は、教育の実質化と現場連動、社会制度としての適応策の整備、及び脱炭素社会への移行とその負担の公平化に関する内容で構成されています。
1. 次世代人材への「プラネタリーヘルス教育」の実質化と現場連動
声明はプラネタリーヘルス、ワンヘルス、気候変動と健康に関する教育を制度上明記するだけでなく、実践可能な形で教育現場および医療・福祉現場に実装することを求めています。医学・歯学・薬学・看護学のモデル・コア・カリキュラムへの位置づけは進むものの、現場での行動につながる教育体制が不十分である点を問題視しています。
具体的な要望には、指導できる教員の養成、教材整備、実践的演習の拡充、学びと医療・福祉現場の連動、卒前教育から生涯教育まで計画的に人材育成を行うことが含まれます。声明は、教育の実装が将来の医療提供や地域支援の質に直結すると主張しています。
2. 社会全体で命を守る適応策の制度化
熱中症対策を個人の注意や現場の裁量だけに委ねない仕組み作りを求めています。具体策として、学校・スポーツ施設への空調整備、暑さ指数(WBGT)に基づく活動基準、地域の脆弱性評価と早期警戒システム、および医療・福祉機関が地域の支援につなぐ気候適応型の「社会的処方」の導入が挙げられています。
また、これらの対策を全国で継続的に実施するための安定的な財源の確保も強く求められています。設備面・運営面・経済面で制約がある学校や地方の施設が十分な対策を講じられない現状を踏まえ、国や地方自治体による制度的支援の必要性が強調されています。
3. 温室効果ガス排出の大幅削減と誰一人取り残さない脱炭素社会への移行
気候危機のさらなる深刻化を防ぐため、温室効果ガスの大幅かつ速やかな削減を求めています。保健医療・福祉分野における脱炭素化(グリーンヘルスケア)も重要と位置づけられ、エネルギー消費や排出削減を明確な目標として掲げることを提案しています。
同時に、脱炭素化に伴う費用や負担が地方・中小の医療機関や福祉施設、そこで働く職員に偏らないよう、状況に応じた財政的・技術的支援を整備し、地域間・施設間の格差を広げない仕組みを整えることが要望されています。患者や職員の健康、療養・就労環境の質、災害時のサービス継続性を同時に高める観点での取組みが求められます。
若者の視点と発起団体・賛同者の声
声明を発起したAMSA Japan、IFMSA-Japan、jagh-sのメンバーは、猛暑が日常や学びに与える影響を現場で実感している若者です。若者は当事者であると同時に将来の医療・公衆衛生の担い手であることから、現状のままでは将来に大きなツケが残るとして緊急に対策を求めています。
発起団体からは個別にコメントが寄せられています。声明文中の発言を要旨で紹介しますが、発言者と所属は次の通りです。AMSA Japanの平田竜都は、気候危機を「現在の健康危機」として捉え、具体的適応策の法制化や現場で実践できる教育の完全実装を求めています。IFMSA-Japanの複数メンバーは、学生主体でプラネタリーヘルス教育の普及や実践を行ってきた背景を述べ、誰も取り残さない抜本的対策の必要性を訴えています。jagh-sのメンバーは、若年世代が体感する暑さの増加と、学生として持続可能な未来への責務を強調しています。
- 発起団体
- AMSA Japan、IFMSA-Japan、jagh-s
- 事務局
- 特定非営利活動法人 日本医療政策機構(HGPI)
- 賛同状況(2026年8月18日時点)
- 個人19名、団体5件(賛同は2026年9月30日まで受付)
声明作成にあたっては、HGPIプラネタリーヘルスプロジェクトのアドバイザリーボード有識者から助言を受けており、同趣旨に賛同を表明したアドバイザリーボードの方々の氏名も公表されています。公表された賛同者には、中野夕香里(日本看護協会)、近藤尚己(京都大学教授)、櫻井勇介(一般社団法人日本ゼロカーボン・ウェルフェア協議会)らが含まれます。
具体的な活動と情報の受け皿
IFMSA-Japanでは公衆衛生委員会(SCOPH)を通じてプラネタリーヘルス教育を推進しており、勉強会や調理イベント、講演会などを通じて「自分ごと化」を促す活動を行っています。AMSA Japanは国内外のネットワークを活かし、災害医療などの教育発信を継続してきた経緯があります。jagh-sは国際保健に関心を持つ学生のプラットフォームとして地域格差のない情報提供や経験機会の提供に取り組んでいます。
声明や賛同申し込み、詳しい資料はHGPIの関連ページ(https://hgpi.org/lecture/ph-20260807.html)で公開されています。声明文と関連情報の公開により、社会実装に向けた議論を広げることを目的としています。
要点整理と本文のまとめ
以下の表は、本声明の主要な事実と提言、関係団体、賛同状況などを整理したものです。表の後に、本文で述べたポイントを短くまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレス公表日 | 2026年8月19日 09:00(HGPIによる事務局支援) |
| 声明発表日 | 2026年8月7日(ユース3団体による共同声明) |
| 発起団体 | AMSA Japan、IFMSA-Japan、jagh-s |
| 主要事実 | 2026年7月20日〜26日:全国で18,591人が熱中症で救急搬送。初診時死亡45人、重症713人。 |
| 国際状況 | 欧州の熱波で5か国だけで約1万人の超過死亡(2026年夏、7月中旬時点報告) |
| 主要提言 |
|
| 賛同状況 | 個人19名、団体5件(2026年8月18日時点)、賛同受付は2026年9月30日まで |
| 連絡先・詳細 | HGPI関連ページ:https://hgpi.org/lecture/ph-20260807.html |
本文の要点を改めて整理すると、猛暑は既に多くの救急搬送と死亡・重症をもたらしており、気候危機は将来の課題ではなく現在の健康危機として現れている点が強調されています。声明は教育、制度、脱炭素の三方向から具体的な政策・支援を提示し、ユース・学生の立場から実効的な社会変革を政府と社会に求めています。
本稿では発表された声明の内容を網羅的に整理しました。声明文や賛同に関する詳細、賛同フォームはHGPIの公開ページで確認できます(https://hgpi.org/lecture/ph-20260807.html)。