村上春樹完全収録全集『WORKS』全16巻、1/27刊行開始
ベストカレンダー編集部
2026年9月1日 18:37
村上春樹個人全集刊行
開催日:1月27日
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新潮社130周年記念出版:村上春樹の全16巻・個人全集が始動
株式会社新潮社は2026年9月1日11時に、作家・村上春樹の個人全集『村上春樹WORKS』全16巻を刊行すると発表した。本全集は1979年のデビュー作『風の歌を聴け』から、2026年刊行の最新作『夏帆 The Tale of KAHO』に至る作品群を一望できる編成で、世界的に翻訳されてきた作品群(50以上の言語へ翻訳されている点も含む)をほぼ網羅する決定版として位置づけられている。
刊行は2027年1月から開始され、第1回配本は第8巻『1Q84(全)』を皮切りに、以後隔月で順次刊行される予定となっている。新潮社は本企画を創立130周年記念出版の一環として位置づけ、既刊・未収録作品を含む長年の文業を体系化する形での刊行を目的としている。
刊行の主なポイント
- 全16巻でほぼすべての小説と、著者自らが精選したノンフィクション、エッセイを収録。
- 『1Q84』や『ねじまき鳥クロニクル』など大規模作品も各1巻にまとめて収録(『1Q84』は約3400枚、『ねじまき鳥クロニクル』は約2200枚の規模)。
- 装幀は安西水丸氏の絵をあしらった筒函入りの豪華愛蔵本仕様。軽快さと堅牢さ、風格を兼ね備えた造本となる。
収録構成と刊行スケジュールの詳細
16巻の構成は長編小説を中心に短編、連作、ノンフィクション、エッセイ、最新作を含めた総覧になる。刊行順は全体の配本計画に基づき段階的に配布され、各巻には著者による『自作解題』と、文芸評論家・三宅香帆氏による連載『村上さんと走る』が月報として添えられる。
以下に各巻の配本順と刊行予定日、収録作品を具体的に示す(発表された配本回および刊行年月を含む)。
| 巻 | 配本回・刊行時期 | 収録作品(主なもの) |
|---|---|---|
| 第1巻 | 第2回配本、2027年3月刊行 | 長編小説Ⅰ:風の歌を聴け/1973年のピンボール/羊をめぐる冒険 |
| 第2巻 | 第3回配本、2027年5月刊行 | 長編小説Ⅱ:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド |
| 第3巻 | 第6回配本、2027年11月刊行 | 長編小説Ⅲ:ノルウェイの森 |
| 第4巻 | 第8回配本、2028年3月刊行 | 長編小説Ⅳ:ダンス・ダンス・ダンス |
| 第5巻 | 第12回配本、2028年11月刊行 | 長編小説Ⅴ:ねじまき鳥クロニクル(全)[第1部:泥棒かささぎ編、第2部:予言する鳥編、第3部:鳥刺し男編] |
| 第6巻 | 第10回配本、2028年7月刊行 | 長編小説Ⅵ:スプートニクの恋人/アフターダーク |
| 第7巻 | 第14回配本、2029年3月刊行 | 長編小説Ⅶ:海辺のカフカ |
| 第8巻 | 第1回配本、2027年1月刊行(先行) | 長編小説Ⅷ:1Q84(全)[BOOK1・BOOK2・BOOK3] |
| 第9巻 | 第5回配本、2027年9月刊行 | 長編小説Ⅸ:国境の南、太陽の西/色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 |
| 第10巻 | 第9回配本、2028年5月刊行 | 長編小説Ⅹ:騎士団長殺し(全)[第1部:顕れるイデア編、第2部:遷ろうメタファー編] |
| 第11巻 | 第15回配本、2029年5月刊行 | 長編小説XI:街とその不確かな壁 |
| 第12巻 | 第13回配本、2029年1月刊行 | 連作小説集:回転木馬のデッド・ヒート/神の子どもたちはみな踊る/東京奇譚集/女のいない男たち/一人称単数 |
| 第13巻 | 第7回配本、2028年1月刊行 | (ほぼ)全短編小説:中国行きのスロウ・ボート、カンガルー日和、螢・納屋を焼く・その他、パン屋再襲撃、TVピープル、ほか単行本未収録作も収録 |
| 第14巻 | 第11回配本、2028年9月刊行 | ノンフィクション:アンダーグラウンド/約束された場所で underground2 |
| 第15巻 | 第4回配本、2027年7月刊行 | エッセイ:走ることについて語るときに僕の語ること、職業としての小説家、猫を棄てる 父親について語るとき、自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)、「壁と卵」──エルサレム賞・受賞のあいさつ |
| 第16巻 | 第16回配本、2029年7月刊行 | 最新作:夏帆 The Tale of KAHO ほか |
各巻ごとに著者の『自作解題』が収録され、執筆当時の振り返りを自らの言葉で読むことができる点も本全集の大きな特色である。加えて、三宅香帆氏による全作品を読みなおす連載が月報として付され、解題と評論が相互に補完し合う設計となっている。
特典・限定版と入手方法
刊行に伴い複数の特典が用意されている。第1回配本から第5回配本までの5冊をすべて購入した読者への特典として、ブックレット『村上春樹自選 単行本未収録エッセイ集』(約100ページ予定)が無料で進呈される。応募方法の詳細は第1回配本『1Q84(全)』に挟み込まれるハガキで案内される。
また、新潮ショップ限定の有償特典付き全巻セットも数量限定で販売される。特典は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』のために著者が描いた〈壁に囲まれた街〉の手描き地図の美麗な複製画に、著者直筆のサインを一枚ずつ入れたものとなる。上記ブックレットについては、応募しなかった場合でも準備が整い次第、順次届けられる旨が明記されている。詳しい販売方法や追加の条件などは、9月25日(金)に改めて発表される予定である。
- 無料特典:第1回〜第5回配本の5冊を購入でブックレット進呈(応募は第1回配本の挟み込みハガキを参照)。
- 新潮ショップ限定(有償・数量限定):直筆サイン入り『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』手描き地図複製画付・全巻セット。
- ブックレットは応募なしでも、準備が整い次第発送される旨の案内あり(詳細は9月25日発表)。
著者の言葉と推薦のことば
著者・村上春樹によるメッセージが本発表に添えられている。村上氏は、自身が二十九歳で初めて小説らしきものを書いたこと、以降ほぼ休みなく小説を書き続けてきたこと、そして作品と自分自身の変化について思索する一文を寄せている。全文は以下の通りである。
「なにしろ歳月こそが」 村上春樹
二十九歳のときに生まれて初めて小説(らしきもの)を書き、それが文芸誌の新人賞をとるまで、自分が小説家になるなんてまったく考えもしなかった。しかし受賞の知らせを受けたその時点から、「僕は小説家なのだ」と確信するようになった。性格がただ厚かましいだけなのか、それともそこで僕は「本来の自分を見いだした」ことになるのか、どちらかは今でも判別しがたい。
しかしともあれ、それから半世紀近く、ほぼ休みなく小説を書き続けてきた。書きたいときに書く、書きたくないときは書かない、というのが小説家としての僕の一貫した方針だった。原則として注文は受けない。そのようにいわば気の向くまま、勝手にこつこつ書き上げてきた作品が、全集という改まったかたちになった。積み上げるとけっこうな高さになる。
最初の頃のものと、あとになってからのもの、年を経るにつれて作品の中身も文体もずいぶん変化を遂げている。そしてそれに合わせて、僕自身ももちろん変化を遂げた。いや、それともその逆なのか。僕の変化に合わせて作品もそれなりの変化を遂げたのか? いずれにせよ、できるだけ長くこれらの作品が人々の手に実際に取られ、読み継がれていくといいなと思う。なにしろ歳月こそが、作品の値打ちを判定するものなのだから。」
また、本全集に寄せられた推薦のことばとして、川上未映子、濱口竜介、荒木飛呂彦、俵万智ら各界のクリエイターからのコメントが掲載される。ここでは一部の推薦文を原文どおりに掲げる。
- 川上未映子(作家)
- 井戸の底に、深い森に、ひとりの部屋に、風に季節に、村上春樹の文章は、見えないもの、名づけられないものを映してきた。その言葉にふれるたび、世界は輪郭を変え、わたしたちは何度でも、見知らぬ懐かしい風景へと降りていく。ここにあるのは物語だけが辿り着くことのできる夢であり、本当であり、それは遥かな時間をかけて紡がれ届けられた、まったくの贈り物なのだ。
- 濱口竜介(映画監督)
- 『ドライブ・マイ・カー』脚本執筆は不思議な体験で、3つの短編を結び合わせるうちに、思いがけずより一層深い「村上春樹的世界」と出会った。「物語」というものの底知れなさを知る体験だった。この全集を読む者は誰しも、底なしの海に潜ることになる。
- 荒木飛呂彦(漫画家)
- 改めて、文字や文章を書く事の作業って凄いなぁと思う。リズム良く気持ち良いねェと思って読んでいると、いつの間にか『現実のリアリティとファンタジー』が同時にやって来ている。お互いに対極であるはずのモノが一緒に文章の中に。文字は奇妙な世界を進んで行く「スタンド」って訳だ。創作の全体像を見渡せる「村上春樹WORKS」は本当に嬉しい。
- 俵万智(歌人)
- 村上春樹は、ずっと事件で、ずっと日常だった。私自身も、装飾的でないのに魅力的な日本語(どうしたら、こんなことができるかは未だに謎)に、惹かれ続けてきた一人だ。元祖、考察されがちな人。それでも、考察されつくせない人。ヲタクにもミーハーにも愛される人。『村上春樹WORKS』はまた事件となり、日常となっていくだろう。
主要データの整理と参考リンク
本文で触れた重要事項を表形式で整理する。刊行スケジュール、特典、造本・価格・ISBNなど、販売・参照に必要な基本情報を一覧にまとめている。
下表は本稿で取り上げた要点をわかりやすく整理したものである。詳細や最新の情報は新潮社の特設ページで確認できる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年9月1日 11時(株式会社新潮社の発表) |
| 刊行開始 | 2027年1月(第1回配本は第8巻『1Q84(全)』、発売日:2027年1月27日) |
| 冊数 | 全16巻 |
| 収録範囲 | デビュー作『風の歌を聴け』(1979)〜『夏帆 The Tale of KAHO』(2026)までの小説、精選ノンフィクション、エッセイ等 |
| 造本 | A5判/角背/小口折り/箔押し/筒函入り、安西水丸氏の絵をあしらう豪華愛蔵仕様 |
| 特典(無償) | 第1回〜第5回配本の5冊購入でブックレット『村上春樹自選 単行本未収録エッセイ集』(約100ページ)を進呈(応募方法は第1回配本のハガキ参照)。ブックレットは応募がなくとも準備が整い次第発送される案内あり。 |
| 特典(有償・限定) | 新潮ショップ限定・数量限定で直筆サイン入り『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』手描き地図複製画付全巻セットを販売 |
| 収録特記事項 | 各巻に著者による『自作解題』、月報に三宅香帆氏による連載『村上さんと走る』を収録 |
| 第8巻(第1回配本)書誌 | 『村上春樹WORKS第8巻 1Q84(全)』 著:村上春樹 発売日:2027年1月27日 造本:A5判/角背/小口折り/箔押し/筒函入り 定価:18,700円(税込) ISBN:978-4-10-647208-4 |
| 特設ページ | https://www.shinchosha.co.jp/special/hm_works/ |
以上が本全集刊行に関する主な情報の整理である。刊行スケジュールや特典の詳細、販売方法の最終的な案内は新潮社から順次発表されるため、最新版の告知は特設ページで確認することが推奨される。