Dスタ発:学部生がUE5で制作したショーリール公開

バーチャルプロダクション授業

開催期間:6月1日〜7月31日

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バーチャルプロダクション授業
屋外ロケなしでどれだけリアルに撮れてるの?
LEDウォールにUE5で作った背景をレンダリングしてインカメラで合成。カメラトラッキングや照明調整で山・雨・宇宙・夕景を自然に再現し、学生が2か月で仕上げたショーリールです。
これは学生だけで作ったの?どんな技術を使ってるの?
学部生チームが主体で制作し、教授や技術スタッフが指導。Unreal Engine 5、HTC MARSトラッキング、Brompton制御、AbsenのLEDパネルに加えAIによる背景や衣装加工も活用しています。

屋外ロケを使わずに表現したショーリール──Dスタで何を試したのか

デジタルハリウッド大学(DHU)は、2026年6月から約2か月間にわたり、バーチャルプロダクション環境を用いた実践授業「Virtual Production: Find Your Voice」を実施し、学部生チームが屋外ロケを行わずに制作した初のショーリールを公開しました。授業は2026年9月17日付のリリースで報告されています。

本作で注目すべきは、山、雨、宇宙、夕景といった多彩な環境をすべてUnreal Engine 5(UE5)で制作し、LEDウォールと組み合わせて実写と3DCGをその場で融合させた点です。学生たちは照明や撮影方法の検証を繰り返し、テストを重ねて完成にこぎつけました。

「屋外ロケなしで、どこまで撮れる?」バーチャルプロダクションを活用した��実践授業でショーリールを制作 画像 2

授業の位置づけと期間

本授業は、クリストファー ハンス エカート教授(クリエイティブディレクター/VFXスーパーバイザー)が担当し、2026年6月から2か月間にわたって行われました。短期間の集中授業ながら、制作工程の各段階を学生が実際に体験するカリキュラムです。

授業は英語で行われましたが、テクノロジーの支援を受けて学生は内容を理解し、新技術への適応を進めました。結果として、いくつかのプロジェクトはほぼインカメラで仕上がり、AIを用いて背景や衣装の加工を行った事例もあります。

「屋外ロケなしで、どこまで撮れる?」バーチャルプロダクションを活用した��実践授業でショーリールを制作 画像 3

Dスタ(Digital Hollywood Virtual Studio)の設備と技術構成

デジタルハリウッド大学のキャンパス内に設置された「Digital Hollywood Virtual Studio(通称:Dスタ)」は、LEDパネル、照明設備、撮影機材、Unreal Engineなどを統合し、バーチャルプロダクションを実践するための制作・教育環境です。学生が実際に触れて試すことができる環境として設計されています。

以下にDスタの主要設備と使用システムを整理します。これらは本作の制作に直接使用された要素です。

  • LEDウォール:W6.5m×H2.5m、ピクセルピッチ1.9mm(Absen「PL1.9 Pro V10」)
  • 映像入出力・制御システム:Brompton Technology「Tessera SX40」
  • カメラトラッキングシステム:HTC「MARS」
  • リアルタイム背景制作:Unreal Engine 5(UE5)により山、雨、宇宙、夕景などを制作
「屋外ロケなしで、どこまで撮れる?」バーチャルプロダクションを活用した��実践授業でショーリールを制作 画像 4

現場での制作フロー

制作は、企画・演出・3DCG背景制作・撮影・合成という一連のワークフローで進行しました。学生は各工程に携わり、バーチャル背景と実写の関係、カメラ位置や動きに伴う見え方の差、照明とLEDウォールの色調整など、バーチャルプロダクション特有の課題を体験しました。

具体的には、UE5のアセットを活用して背景の主要要素(山、宇宙、夕景など)を構築し、雨などの近景表現も室内から見える形でUE5上に制作しました。その後、LEDウォール上にレンダリングされた背景を用い、実写撮影を行いながらインカメラでの融合を試みました。

授業の成果と学生の役割、スタッフ構成

本作のショーリール制作は、デジタルハリウッド大学の学部生が主導しました。学生らはDスタの照明や撮影方法を検証し、自らの試行錯誤を通じて最終的な映像を完成させています。授業は制作技術だけでなく、異なる専門性を持つメンバーとの協働プロセスも重視しました。

以下に本プロジェクトに関わった主なスタッフと役割を列挙します。

Cast
Mihiro Hoshi, Kei Itou, Ryou Takano, Yuhi Suzuki, Marian Waddell
Director / Virtual Production / Special Effects / Cinematographer
Masaru Hanyu
Virtual Production Engineer / LED Operator
Kota Suzuki
Digital Artist
Hayato Nishio
Research And Development
Takehiro Shimura
1st Assistant Camera
Haruto Umino
Camera Operator / Key Grip
Rumi Suzuki
Special Thanks
Tomoyuki Sugiyama
Producer
Koa Sato, Makishi Yoshino
Executive Producer
Noboru Oki
Production
Digital Hollywood, TORCH VISION STUDIOS

学生の制作プロセスには、AIを活用して背景を生成したり、撮影後に衣装を変更するなどの手法が取り入れられ、バーチャルプロダクションとAIの組み合わせが制作の幅を広げる例として示されました。

クリストファー ハンス エカート教授からの所感

エカート教授は、授業がチャレンジングである一方で楽しく、学生たちにとっても報われる体験だったと述べています。短期間ながら限られた時間を有効に活用し、学生は新技術の習得に意欲的に取り組み、成果を出したと評価しています。

教授はまた、バーチャルプロダクションとAIを組み合わせた制作が業界の方向性と合致しつつある点を指摘し、学生たちが今回の経験を通じて更なる挑戦や実験を続けられる自信を得たことを強調しました。

教育的意義と大学の立場、関連情報

本授業は、2026年9月から開講予定の新規科目「バーチャルプロダクション」開始に先駆けて行われた先行授業の位置づけです。学生は技術的な習得のみならず、異分野の協働により一つの映像表現を完成させるための制作プロセスを経験しました。

デジタルハリウッド大学については、2005年4月に文部科学省認可の株式会社立大学として設立され、現在は東京・御茶ノ水に所在しています。学部はデジタルコミュニケーション学部(4年制)とデジタルコンテンツ研究科(専門職大学院)を擁し、2026年4月には藤井直敬氏が二代目学長に就任しています。

大学は、映像、3DCG、VFX、AIなどを横断する教育を提供し、産業界で活躍する教員を中心に実務と理論を架橋する人材育成を進めています。大学の公式サイトは以下です。

https://www.dhw.ac.jp

公開映像と研究・教育への活用

学生が制作したショーリールの映像はYouTubeで公開されています(公開先のURLはリリースにて告知)。大学は本作で得られた知見を今後の授業や研究、産学連携、共同研究に活用する方針を示しています。

バーチャルプロダクション環境での実践は、制作現場の変化に対応した新しい表現手法を探るための重要な教育資源であり、複数の学問領域をつなぐ実践の場として位置づけられています。

記事の要点一覧
項目 内容
授業名 Virtual Production: Find Your Voice(2026年6月〜約2か月)
担当教員 クリストファー ハンス エカート教授(Creative Director / VFX Supervisor)
制作環境 Digital Hollywood Virtual Studio(Dスタ)、LEDウォール、照明、Unreal Engine 5、カメラトラッキングなど
主要設備 LEDウォール W6.5m×H2.5m(Absen PL1.9 Pro V10)、Brompton Tessera SX40、HTC MARS
作品の特徴 屋外ロケなし。山・雨・宇宙・夕景など背景をすべてUE5で制作し、実写と3DCGをその場で融合
参加者 デジタルハリウッド大学の学部生を中心に制作。スタッフは学生とプロが連携
公開先 YouTube(リリース内のリンク)
今後の活用 教育・研究、産学連携、共同研究でのバーチャルプロダクション活用を推進

今回の授業と制作は、限られた時間の中で新しい技術を実践的に学ぶ取り組みとして整理されます。バーチャルプロダクションとAIの組み合わせは、映像制作の手法や表現の可能性に直接的な影響を与えつつあり、教育現場での実践が次の制作や研究の基盤となることが期待されます。