小野不由美『幽冥の岸』7年ぶり新刊、命を問う全4編
ベストカレンダー編集部
2026年9月18日 11:50
『幽冥の岸』全国発売
開催日:9月17日
📅 カレンダーに追加:Google|iPhone/Outlook
7年ぶりの新刊『幽冥の岸』──刊行の背景と作品の位置づけ
2026年9月17日、株式会社新潮社より、小野不由美による「十二国記」シリーズの新刊文庫版『幽冥の岸 十二国記』が全国一斉発売(※一部地域を除く)となりました。シリーズ累計は1,400万部超に達しており、シリーズ誕生から35周年という節目の年に刊行された本作は、7年ぶりの新作という位置付けです。
本作は表題作を含む全4編を収録し、全編を通じて「命の意味」を問い続ける構成になっています。新潮文庫らしい判型での刊行、定価は750円+税、ISBNは978-4-10-124066-4。作品は既刊作と連なる世界観の中で描かれ、従来の読者にも新規読者にも届く仕立てです。
収録作品の趣旨とあらすじ(書籍紹介に基づく)
書籍の帯や紹介文では、本作が「表題作ほか命の意味を問う全4編」を収録していることが明記されています。全体を貫くテーマは「生きるとは何か」という普遍的な問いであり、登場人物たちの選択と交錯する運命を通して深く掘り下げられます。
具体的には、黄海に暮らす娘・琅燦(ろうさん)を描く「異邦の客」が収録されています。この短編では、戴国から訪れた男が妖獣狩りを生業とする民のたくましさを語り、琅燦にとってその語りが国や政(まつりごと)を示す標(しるべ)となる運命の邂逅(であい)が描かれます。
また、表題作「幽冥(ゆうめい)の岸」では、麒麟をめぐる規範と個人の罪/赦しがテーマ化されます。神獣たる麒麟は血の穢れを受けてはならないとされる一方で、泰麒(たいき)が義をもって人を殺めたという状況が生じます。泰麒にとって「生きる道」は許されないのかという問題に正面から向き合う物語です。
- 収録は全4編であること(うち「異邦の客」「幽冥の岸」は本文で具体的に解説)
- テーマは「命の意味」を問うこと、登場人物の運命と選択を描く点
新刊に合わせた関連コンテンツ:PV、電子書籍、一連の刊行記念企画
書籍の発売当日には新刊刊行を記念した新PVが公開されました。PVはナレーションを河合紗希子が担当し、制作は株式会社ビーワークスが手掛けています。PVは書籍と連動して作品の世界観を視覚的、音声的に伝える役割を果たします。
同時に、電子書籍版の配信も開始されています。本日付で「十二国記」シリーズの電子書籍が配信開始となり、〈第一弾〉として『魔性の子』から『風の万里 黎明の空(下)』までの7冊が配信されました。これにより、シリーズの入口がさらに拡がることになります。
PVと電子配信の詳細
新PVのナレーションは河合紗希子、制作は株式会社ビーワークスです。PVは発売日と同じタイミングで配信され、作品の雰囲気を短時間で伝える映像として公開されています。
電子書籍は〈第一弾〉として7冊が本日配信開始。配信対象は新潮文庫で刊行されている《完全版》ラインナップの一部に該当する範囲で、今後順次他タイトルも配信される可能性が示唆されています。配信開始の対象範囲は『魔性の子』から『風の万里 黎明の空(下)』までの7冊という表記が公式に示されています。
刊行記念イベントとメディア展開
刊行を記念した原画展や雑誌掲載も予定・実施されています。9月23日(水)から東京・丸善丸の内本店で開催される山田章博原画展では、新刊の装画・挿絵が初公開されます。会場ではミュージカル「十二国記 -月の影 影の海-」関連の特別展示や、フェリシモの限定コラボグッズの特別展示も行われます。
また雑誌媒体では、9月24日発売の「小説新潮」10月号にマンガ家こいしゆうかによる読書ルポマンガ「はじめての『十二国記』」が掲載されます。さらに、9月25日(金)発売の「芸術新潮」10月号には「十二国記」大特集が掲載され、シリーズをめぐる読み物が充実します。
- 山田章博原画展:2026年9月23日~(会場:丸善丸の内本店)
- 小説新潮(10月号):2026年9月24日発売、こいしゆうかの読書ルポマンガ掲載
- 芸術新潮(10月号):2026年9月25日発売、大特集掲載
「十二国記」シリーズの概要と読みどころ、著者紹介
「十二国記」は1991年刊行の小野不由美によるシリーズで、日本ファンタジー界に大きな影響を与えた代表作です。虚海に隔てられた異世界を舞台に、12の国々とそこに仕える麒麟、王たちの物語が織りなす大河的な構成を持ちます。物語は深い人間ドラマと倫理的な問いを含み、読者に「生きる意味」と「信じる強さ」を問いかけます。
シリーズはNHKでのアニメ化(2002~2003年)でも広く知られ、近年は2025年12月に上演されたミュージカル(主演:柚香光)も大きな話題となりました。新潮文庫版では2012年以降、全巻が《完全版》として順次刊行され、絵師・山田章博による描き下ろしカバー装画・挿絵が全巻に採用されています。
読む順と入門の薦め
シリーズは時間軸や登場人物が広範に渡るため、どこから読み始めるか迷う読者もいます。新潮社は『魔性の子』を原点として位置付け、ここから物語世界に入ることを推奨しています。書評家・朝宮運河による「十二国記の歩き方」などの解説を参考にしつつ、興味のある国や人物から入る方法もあります。
新潮文庫の《完全版》は全10点15冊という版型でまとめられており、巻を追うごとに世界観と背景が補強されていきます。山田章博の装画・挿絵が視覚面でも世界を補完している点も特徴です。
著者プロフィール(要旨)
- 著者
- 小野不由美(おの・ふゆみ)
- 出身・経歴
- 大分県中津市生まれ。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に在籍。1988年に作家デビュー。
- 主要な受賞歴
- 2013年:「残穢」で山本周五郎賞受賞。2020年:「十二国記」シリーズで吉川英治文庫賞受賞。
- 主な著作
- 「十二国記」シリーズ(代表作)、「屍鬼」「ゴーストハント」シリーズ、「黒祠の島」「鬼談百景」他。
小野不由美の作品はジャンルを横断して高い評価を受けており、長年にわたり多くの読者を引きつけています。本作『幽冥の岸』はその蓄積の上に立つ新作として位置づけられます。
刊行データと要点整理
ここまでに示した情報を改めて整理し、読者が一目で把握できる形にまとめます。書誌データ、発売日、価格、電子配信、関連イベント、PVの情報など、リリースに含まれる主要項目を網羅しています。
以下の表は本記事で触れた主要情報を一覧化したものです。刊行物としての基本情報と、同時に展開される関連企画やメディア露出をひとまとまりに整理しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 幽冥の岸 十二国記 |
| 著者 | 小野不由美 |
| 発売日 | 2026年9月17日(木) 全国一斉発売(※一部地域を除く) |
| 造本 | 新潮文庫 |
| 定価 | 750円+税 |
| ISBN | 978-4-10-124066-4 |
| 累計発行部数(シリーズ) | 累計1,400万部超 |
| シリーズ周年 | 35周年(シリーズ誕生からの節目) |
| PV | 新PV公開(ナレーション:河合紗希子、制作:株式会社ビーワークス) |
| 電子書籍配信 | 〈第一弾〉として『魔性の子』~『風の万里 黎明の空(下)』までの7冊が本日配信開始 |
| 刊行記念展示 | 山田章博原画展:2026年9月23日~(丸善丸の内本店。装画・挿絵初公開、ミュージカル関連展示、フェリシモ限定グッズ展示) |
| 雑誌掲載 | 小説新潮(10月号、2026年9月24日発売)にこいしゆうかの読書ルポマンガ掲載。芸術新潮(10月号、2026年9月25日発売)に大特集。 |
| 公式URL | https://www.shinchosha.co.jp/book/124066/ |
上の表は本記事で取り上げた刊行情報と周辺企画を一括して示しています。作品自体は表題作を含む全4編で構成され、物語は「生きること」の意味をめぐる問いを中心に展開します。刊行に合わせたPV公開、電子書籍配信、原画展や雑誌掲載といった多角的な展開が同時に行われ、既存読者と新規読者双方に届く仕掛けが用意されています。