にしおかすみこ最終章『ポンコツ一家 最後の2年』発売会見ルポ

新刊発売会見

開催日:9月16日

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新刊発売会見
この本って何が書かれてるの?
にしおかすみこの連載をまとめた最終章で、認知症の母とダウン症の姉、酔っぱらいの父との“最後の2年”を事実に忠実に綴る一冊。母の逝去の記録や書き下ろしの番外編も収録し、ユーモアを交えて介護や家族の現実を伝えている。
今の家族はどうなってるの?
母は2025年11月に84歳で老衰で亡くなり、にしおかさんは現在一人暮らし。姉は施設に入所しており頻繁に行き来して関係を保っている。父は年金で実家で暮らし、姉の施設代などはにしおかさんが負担する方針だ。

にしおかすみこ、新刊発売と会見の一部始終

2026年9月16日に刊行された、にしおかすみこさんの新刊『ポンコツ一家 最後の2年』(講談社)。発売日にあわせて行われた記者会見と、同日開催された書店イベントの模様を中心に、同書の内容や家族の現状、刊行にまつわるエピソードを詳報する。プレスリリースは2026年9月18日18時に株式会社講談社から発表されている。写真撮影は村田克己氏が担当した。

会見は発売日当日に実施され、9月16日・17日にはAmazonの「闘病記」「介護」「高齢化社会」などのカテゴリーで1位を記録した。発売時点でシリーズ累計は2冊で77,000部を超えており、今回の3冊目を加えれば累計10万部が目前であるとしている。ここでは会見で語られた発言を含め、書籍の背景や家族の変化を整理する。

「姉と私は実家を出ました」認知症の母を亡くしたにしおかすみこ、最新刊『ポンコツ一家� 最後の2年』会見で語った「今」 画像 2

発売記念の場での挨拶と会見の雰囲気

にしおかさんは会見をいつもの「挨拶」で始めた。「あ~、にしおかあ~すみこだよっ 一発屋と文豪の二足の草鞋を履きたいと思ってるのは、どこのどいつだ~い? あたしだよっ」との自己紹介で会場の緊張がやわらいだという。撮影タイムでは、希望したすべてのメディアに向けて目線ありの「あ~っ」を繰り返し、その都度全力でポーズを取る様子が報じられた。

記者との囲み取材は終始和やかなやりとりになり、にしおかさんのユーモアと率直さが会見の中心となった。取材の問いに対しては、作品の制作過程や家族の状況、今後の希望などを具体的に語っている。

「姉と私は実家を出ました」認知症の母を亡くしたにしおかすみこ、最新刊『ポンコツ一家� 最後の2年』会見で語った「今」 画像 3

『ポンコツ一家 最後の2年』の内容と最終章としての位置付け

同シリーズは、にしおかさんが2020年のコロナ禍に実家に戻ってからの家族との暮らしを綴った連載をまとめたものだ。家族構成は認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱらいの父、そしてにしおかさん本人である。一作目『ポンコツ一家』、二作目『ポンコツ一家2年目』に続く本作は「最後の2年」と銘打たれ、書籍の帯には「最終章」と記されている。

にしおかさんは会見で、昨年11月に母が84歳で老衰により亡くなったことを明かしている。今回の書籍は、その亡くなった時のことと、母とともに4人で暮らした最後の2年間を中心に綴られている。番外編として書き下ろしのエピソードも1編収録されており、連載では掲載を見送った内容を、家族の背景を踏まえたうえで掲載したと説明している。

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書き方と表現に対する姿勢

にしおかさんは作品について「きれいごとは書かない」「盛らない」という方針を強調している。家族の会話や出来事は携帯のメモアプリに残した記録を基にしており、読者が誤解しないよう事実に忠実に書くことを心がけていると話した。連載は1年前の出来事を綴る形式であり、母が亡くなってからの文章は、書籍に収めたものとは表情や綴り方が異なると述べている。

番外編については父が多く登場する内容で、父の“らしさ”が前面に出ているとして、読者にとって読みごたえがあると説明されている。

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会見で語られた家族の現在と介護への向き合い方

にしおかさんは母の死後、葬儀を終えて早々に自分と姉は実家を出たと述べた。現在はにしおかさんが一人暮らし、姉は施設に入所しており、距離は近いため頻繁に行き来しながら関係を保っている。父は実家にひとりで暮らしており、元サラリーマンで年金があるため生活は続けられる見込みだと説明している。姉の施設代や生活費はにしおかさんが負担する方針である。

日々の介護で疲れたときの対処法として、にしおかさんはこまめに息抜きを挟むこと、意味もなく都内で少し高めのランチ(お刺身を3500円までのラインで楽しむなど)をすること、短時間でもウォーキングして汗をかくこと、趣味のベジタブルカービング(野菜や果物をナイフで彫る)で無心になれる時間を持つことなどを挙げている。ベジタブルカービングはインスタグラムに作品を投稿することもあるが、最後はすべて食べると語り、健康面でも効果があったと述べた。

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介護に携わる人へのメッセージ

にしおかさんは「自分ファースト」を心がけることの重要性を説いた。自分が元気でいることが大切で、優しく誠実な人ほど家族を背負い込みがちだとし、少しずつでも勇気を出して他人に頼る、手放すことも必要だと述べている。外で笑ったり楽しい時間を過ごすことは家族を見捨てることではないという考えも示した。

具体的な実践例として、にしおかさん自身が福祉の方々に全面的に頼りながら姉との日常の質を高めている点も強調された。動物園や水族館に行くなど、母亡き後の時間を姉とともに過ごす機会を増やしているという。

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会見での私的な発言、今後の展望と書誌情報

会見ではユーモアを交えた私的な発言も多く、映画化の希望や印税の使い道、生活の細部についても語られた。映画化については三谷幸喜氏、宮藤官九郎氏、是枝監督の名を挙げ、三部作構想や監督ごとに起用したいといった希望を述べた。また、印税は生活費に充てるとし、特に五十肩のために高級な寝具や枕、姉と行く高級旅館で肩を癒したいと具体的に語っている。

会見では作品を支持してくれる書店員の声や読者の反応についても触れられ、「3冊目も大爆笑」「感動した」「私のバイブルです」といった反応が寄せられていることを紹介した。シリーズ全体を通しては「オール愚痴」であり、悩む人や疲れている人の箸休めになればよいという意図が繰り返し述べられた。

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会見でのエピソードと撮影の様子

書泉ブックタワーでのサイン会&トークイベント前の取材では、撮影タイムに希望者全員へ「あ~っ」のポーズをサービスする場面があり、その都度メディアが反応した。写真撮影は村田克己氏が担当し、会見中のにしおかさんの表情や仕草が多数の媒体により伝えられている。

また、服装についての質問では「清楚な感じにしてみました」と述べ、歴代の芸風と文化的な側面の両立を自認する発言もあった。映像化の際に自らの役を誰に演じてもらいたいかの質問には吉瀬美智子氏の名を挙げ、特定の決めごとにこだわる場面もあった。

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書誌情報と要点の整理

以下に本記事で取り上げた主要な情報を表形式で整理する。書影や購入先へのリンクは各販売サイトにて案内されているが、本稿では書誌情報と会見で明らかになった重要事項をまとめた。

項目 内容
書名 『ポンコツ一家 最後の2年』
著者 にしおかすみこ
出版社 講談社
発売日 2026年9月16日
仕様 四六判 256ページ
ISBN 978-4065446799
発売当日の動向 9月16日・17日にAmazonの複数カテゴリーで1位
シリーズ累計 2冊で77,000部超、3冊目を含めて累計10万部目前
写真提供 撮影/村田克己
プレスリリース発表日時 2026年9月18日 18:00(株式会社講談社)
購入案内 Amazon、楽天、セブンネットほか(各販売サイトを参照)

上の表は書誌データと発売時の主な事実関係を整理したものである。会見では母の逝去(2025年11月、84歳で老衰)や、姉を施設に入れ自身が生活費などを支えていく方針、母と過ごした最後の2年間を描いたこと、番外編の位置づけ、介護に向き合うための日々の工夫や息抜きの方法、将来的な映像化への希望など、多岐にわたる情報が伝えられた。

9月21日は世界アルツハイマーデー(日本では「認知症の日」)であり、にしおかさんは関連する事柄に関心を結びつけたいとの姿勢を示している。今回の書籍はユーモアを軸に家族の実情をありのままに伝える内容であり、介護に携わる読者にも思考の余地を与える一冊として位置づけられている。