文献検索の過程を記録する「Renotori」日本語ベータ公開

日本語ベータ公開 | 開催日:9月30日

カレンダーに追加:Google|iPhone/Outlook

日本語ベータ公開
Renotoriでは何を記録できる?
使用した検索語、取得された文献候補、人によるResearch Questionとの関連性判断、探索の順序や履歴を記録できます。検索候補と、利用者が関連すると判断した候補は別の情報として扱われます。
無料で使える?検索対象は?
日本語パブリックベータは当面無料で、アカウント登録も不要です。現在の検索対象はCrossrefのみ。1回の調査につき最大5ラウンド、最大25検索まで利用できます。

文献検索の道筋を、判断とともに記録する

Signal Yield Advisoryは2026年9月30日、研究探索支援サービス「Renotori(レノトリ)」の日本語パブリックベータを公開しました。Renotoriは、先行研究調査で使った検索語や取得した文献候補、その候補がResearch Question(RQ)に関連するかどうかについての利用者自身の判断、そして次に行った検索を記録するサービスです。検索結果の一覧を得るだけでなく、研究者がどのような順序で調査を進めたかを、後からたどれる形に残すことを目指しています。

サービスの名称上の位置づけは「Research Exploration & Provenance Platform」。掲げるメッセージは「文献検索を、仕組み化する。」です。Research Questionを起点に、検索語、文献候補、人による関連性判断、次の検索へと進む過程を、探索履歴として整理します。重視するのは検索結果そのものに加え、検索の前後を含めたTraceability(追跡可能性)とProvenance(来歴)です。

先行研究調査では、検索語を変えながら候補を確認し、さらに検索する作業が繰り返されます。最終的な文献リストだけでは、どのRQから始め、何を検索し、取得した候補のうち何を関連すると判断したのか、その後どのように探索したのかが伝わらない場合があります。こうした経緯が個人のメモや記憶に分散すると、後から調査方法を説明しにくくなることもあります。Renotoriは、調査の成果だけでなく、その成果に至る探索の過程を記録するために開発されました。

文献検索を、仕組み化する。研究探索の過程を記録・追跡する「Renotori」、日本語パブリックベータを公開 画像 2

検索結果と研究者の判断を分けて保存

Renotoriでは、検索によって取得された文献候補と、利用者がRQに関連すると判断した候補を別の情報として扱います。「検索で見つかったこと」と「研究上の関連があると判断したこと」を混同せず、それぞれを記録する設計です。文献候補がRQに関連するかどうかを決めるのは利用者であり、サービスが研究者の判断を置き換えるものではありません。

一連の探索は、検索、候補の確認、関連性判断、次の検索というラウンド単位で進行します。使用した検索語、取得候補、人の判断、次の検索へ移る流れを記録するため、時間が経過した後にも探索の順序や経緯を確認しやすくします。Renotoriが扱う内容と、研究者が判断する内容は次のように分けられています。

  • Renotoriが記録するもの:使用した検索語、取得された文献候補、人によるRQ関連性判断、探索の順序・履歴。
  • ユーザーが判断すること:調査が十分かどうか、Research Gapと言えるかどうか、研究テーマの新規性、研究上の主張。
文献検索を、仕組み化する。研究探索の過程を記録・追跡する「Renotori」、日本語パブリックベータを公開 画像 3

できることと、サービスが証明しないこと

Research Gap(リサーチギャップ)は、既存研究で十分に明らかになっていない問い、領域、論点を指します。「文献が存在しない領域」だけを意味する言葉ではありません。RenotoriはResearch Gapそのものを自動で発見、判定、証明するサービスではなく、Research Gapを検討するまでの探索過程を記録・整理する支援を担います。

このため、探索履歴が保存されることと、調査や研究上の結論が正しいと証明されることは別です。Renotoriは文献の不存在、文献検索の網羅性、研究テーマの新規性、Research Gapの存在、研究上の主張の正しさを証明しません。判断の主体は研究者です。記録によって探索の道筋を振り返りやすくする一方で、調査が十分か、得られた結果をどう解釈するかは利用者が担います。

日本語パブリックベータの利用条件

日本語パブリックベータは、アカウント登録なしで利用でき、当面の間は無料です。検索対象として現在利用できるのはCrossrefのみで、J-STAGEはPublic Beta未搭載、CiNiiも未搭載です。調査を進める際の利用上限は、1回の調査(run)あたり最大5ラウンド、最大25検索。同一ブラウザから開始できるラウンドは、日本時間(JST)の暦日あたり最大5回です。

提供元は、実際の利用状況やフィードバックを踏まえて正式版に向けた検証・改善を進めるため、ベータ期間中は無料で提供します。正式版の料金体系は今後検討するとしています。利用時には入力内容や探索履歴がサービス上に保存され、実際の検索語・検索要求はCrossrefへ送信されます。そのため、機密情報や外部サービスへ送信できない未公開情報を入力しないよう案内されています。詳細はRenotoriのLPに掲載されているPrivacy / Operationsで確認できます。

利用を想定するのは、研究者、大学院生、R&D担当者、AI/Data Scienceエンジニア、技術調査・先行研究調査を行う専門職です。研究の初期段階や技術調査において、RQを起点にどのように探索したかを記録しておきたい人を対象としています。公開ベータを通じて利用状況やフィードバックを確認し、研究探索支援機能を検証する方針です。今後の機能拡張については、外部データソースの利用条件や検証結果を踏まえて進めるとしています。

開発の背景とサービスの確認先

開発の出発点には、検索結果だけでは「なぜその検索語を使ったか」「どの文献を見て次に何を調べたか」が残りにくいという課題がありました。Signal Yield Advisory代表の松田幸一氏は、不動産鑑定士で、日本人工知能学会(JSAI)の正会員です。不動産鑑定・コンサルティングなどの実務を通じて、長年にわたり判例、文献、先行研究を探索してきました。また、書籍10冊の執筆を含め、「調べる・整理する・書く」という実務を継続しています。

そうした経験から、調査の結果だけでなく、検索語を選んだ理由や、文献を確認した後に次の調査へどう進んだかを記録する必要性を感じ、Renotoriの開発につながりました。今回公開された日本語パブリックベータでは、探索の過程を記録する機能を、登録不要・当面無料で試せます。サービスの案内と利用先は https://renotori.vercel.app/ です。

事業者はSignal Yield Advisory、代表者は松田幸一氏です。所在地は〒106-0032 東京都港区六本木3丁目16番12号 KSビル3F。問い合わせ先はsignalyield@gmail.comです。公開情報に記載された事業者情報とサービスURLを、以下に整理しました。

項目 内容
サービス Renotori(レノトリ)日本語パブリックベータ
公開日 2026年9月30日
利用条件 当面無料、アカウント登録不要
検索対象 Crossrefのみ。J-STAGEはPublic Beta未搭載、CiNiiは未搭載
利用上限 1回の調査あたり最大5ラウンド・最大25検索。同一ブラウザで開始できるラウンドはJSTの暦日あたり最大5回
サービスURL https://renotori.vercel.app/
事業者・代表者 Signal Yield Advisory・松田幸一
所在地 〒106-0032 東京都港区六本木3丁目16番12号 KSビル3F
問い合わせ先 signalyield@gmail.com

文献候補の取得と研究者自身の関連性判断を区別し、探索の順序まで残す点がRenotoriの特徴です。調査の記録を後から振り返りたい研究者や技術調査の担当者にとって、検索過程を整理するための選択肢となりそうです。

PRAmazonアソシエイトのリンクです