10月12日開催、アーサーの論文で学ぶ市場予測と限定合理性
ベストカレンダー編集部
2026年10月11日 15:45
論文読書会 | 開催日:10月12日
カレンダーに追加:Google|iPhone/Outlook
人々の予測が市場を動かす仕組みを、代表論文から考える
AIマネー大学株式会社は、サンタフェ研究所(Santa Fe Institute)外部教授のW・ブライアン・アーサー氏による論文「Inductive Reasoning and Bounded Rationality(帰納的推論と限定合理性)」を読むオンライン読書会を、2026年10月12日に開催します。講師は、同社のコンサルタント兼学長を務める山中裕氏です。開催はZoomオンラインウェビナー形式で、参加費は無料、事前登録制。開催時間は「12時開始ノーベル経済学賞発表まで」と案内されています。
読書会は「2026年ノーベル経済学賞候補 論文読書会 クラリベイト引用栄誉賞編」の第13回として実施されます。投資家や経営者に加え、経営企画、マーケティング、需要予測の担当者、金融機関のアナリストやトレーダー、行動経済学・複雑系科学に関心のある人、経済学・経営学を学ぶ学生や大学院生が対象です。
「完全に合理的な人間」という前提を問い直す
アーサー氏が1994年に『American Economic Review』で発表したこの論文は、経済学で長く前提とされてきた「人間は完全に論理的な演繹的推論を行う」という見方を問い直します。問題が複雑で、状況の定義もあいまいなとき、人は複数の仮説や単純な「心のモデル」を持ち、もっともよく当たる仮説を手掛かりに行動する。そして、外れ続ける仮説を捨て、新しい仮説に置き換えていく。論文は、こうした帰納的な推論を人間の判断のあり方として論じています。
議論を具体化する題材は、米国ニューメキシコ州サンタフェに実在するバー「El Farol」です。モデルでは100人が毎週、バーへ行くかどうかを決めます。来店者が多ければ混雑し、少なければ空いているという状況で、それぞれの参加者は予測方法を選び、過去の成績をもとに使う方法を入れ替えます。
「全員が同じ予測をすると外れる」エルファロルのモデル
このモデルの核心は、全員が同じ予測をすれば、その予測は必ず外れるという構造です。全員が「今週は空いている」と考えて出掛けるとバーは混み、全員が「混む」と考えて家にいればバーは空きます。他人の予測と行動が自分の結果を左右するため、全員にとって唯一の合理的な予測を原理的に定められません。
シミュレーションでは、参加者が異なる予測方法を使い、成績のよい方法を選び直します。そのため個々の予測は入れ替わり続けますが、全体の来店者数は収容人数の近辺に落ち着きます。異なる主体が学習する過程から秩序が自己組織化されるという見方は、参加者の予想が価格を動かし、その価格がまた予想を変える株式市場の循環を考える手掛かりになります。
読書会では、人間の判断は本当に合理的なのか、他人の予測に依存する状況で予測はどこまで可能なのか、異なる予測方法を使う多数の主体からなぜ安定したパターンが生まれるのかを論点として取り上げます。さらに、「仮説を持ち、検証し、入れ替える」という姿勢を、相場観や需給予測、競合の動きを読む経営判断にどう生かせるかについても議論します。
論文の入手先と参加方法
対象論文は『American Economic Review』第84巻第2号(1994年5月号、Papers and Proceedings)、406~411ページに掲載されています。英語原文はJSTORで入手でき、著者の公式ページではPDFが無料公開されています。事前に読むことが推奨されていますが、当日は山中氏が要旨を日本語で解説するため、未読でも参加できます。
- 論文(JSTOR):https://www.jstor.org/stable/2117868
- 著者公式ページ掲載PDF:https://sites.santafe.edu/~wbarthur/Papers/El_Farol.pdf
- 参加申込先:aimoneyuniversity@aimu.info
- 申込時の件名:「『Inductive Reasoning and Bounded Rationality』論文読書会参加希望」
- 主催:AIマネー大学株式会社
アーサー氏は、カリフォルニア大学バークレー校でオペレーションズ・リサーチの博士号を取得し、1983年から1996年までスタンフォード大学のモリソン記念経済学・人口学教授を務めました。1988年にはサンタフェ研究所で最初の経済学研究プログラムを指揮し、複雑系経済学の発展を主導。収穫逓増と経路依存の研究で知られ、1990年にシュンペーター賞、2008年に初代ラグランジュ複雑性科学賞を受賞し、計量経済学会のフェローにも選ばれています。2019年には、収穫逓増やネットワーク効果が経済システムにもたらす帰結の研究によりクラリベイト引用栄誉賞に選出され、2026年ノーベル経済学賞の候補として注目されています。現在はサンタフェ研究所外部教授、SRIインターナショナル客員研究員です。
講師・山中裕氏と関連情報
講師の山中裕氏は1976年、東京都文京区生まれ。ADHDや難読症に苦しみながら独自の学習法を開発し、東京大学経済学部を総代で卒業、コロンビア大学大学院で金融工学の修士号を取得し、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)にも留学しました。保谷硝子(現HOYA株式会社)創業者のひとり、山中茂氏の孫で、投資家として活動しています。テクノロジーへの理解と銘柄研究を背景に、2010年代初頭にNVIDIAに着目したほか、ブロードコム、TSMC、モンスター・ビバレッジ、ノボノルディスクなどに早期に投資したと紹介されています。
国内では株主提案の実務を牽引し、2010年にHOYAへ創業家株主として15議案を提出。役員報酬の個別開示、社外取締役のみの経営会議設置、株主提案の説明文字数拡大などのガバナンス改革を求めました。複数議案で議決権行使助言会社などから賛成推奨を受け、役員報酬の個別開示には45パーセント強の賛成があったとしています。2011年にはハーバード大学法科大学院で講演し、その後もみずほFG、MUFG、りそなHDなどで40%台の支持を集める株主提案を実施。ハイアス・アンド・カンパニー(現くふう住まいコンサルティング)の損害賠償請求事件では、株主補助参加人として参画し、2025年に勝訴判決を得たとしています。
山中氏は現在、徳島県美馬市の株式会社河野メリクロンの筆頭株主としてスマート農業に注力。ジョージアのトビリシでは農業・病院・学校経営を展開し、代理出産などを含む医療サービスも手がけています。投資ブラザーズ合同会社共同代表社員、少数株ドットコム株式会社共同創業者兼会長を務め、世界の上場企業1,000社超、非上場企業200社超の株主と紹介されています。座右の銘は故・柴田保光投手の「チャンピオンに立ち向かって勝つことがプロの目標のひとつ」。30年来の日本ハムファイターズファンでもあります。
関連する解説記事は、アーサー氏の業績とクラリベイト引用栄誉賞での位置づけを扱う「W・ブライアン・アーサー(W. Brian Arthur)とは何を変えた経済学者か――収穫逓増と経路依存が市場を決める」です。関連資料として、2026年ノーベル経済学賞予想に関するクラリベイト引用栄誉賞のnoteマガジンも案内されています。
- 解説記事:https://note.com/syousuukabu_koho/n/nf30db978db22
- W. Brian Arthur公式プロフィール(サンタフェ研究所):https://sites.santafe.edu/~wbarthur/
- クラリベイト引用栄誉賞公式サイト:https://clarivate.com/citation-laureates/
- ノーベル経済学賞公式サイト:https://www.nobelprize.org/prizes/economic-sciences/
- AIマネー大学株式会社:https://money-university.jp/
- 男女産み分けドットコム:https://danjo-umiwake.com
- CapitalJusticeLab:https://capital-justice-lab.com/
- 本件問い合わせ先:AIマネー大学株式会社 広報担当窓口 aimoneyuniversity@aimu.info
開催情報を確認
論文の理論的な議論を、投資判断や経営戦略における予測と学習の問題につなげる読書会です。無料の事前登録制で、開催日は2026年10月12日。参加を希望する場合は、指定の件名を付けて申込先へメールを送る形式です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| テーマ | 「Inductive Reasoning and Bounded Rationality」論文読書会 |
| シリーズ | 2026年ノーベル経済学賞候補 論文読書会 クラリベイト引用栄誉賞編 第13回 |
| 開催日・形式 | 2026年10月12日/Zoomオンラインウェビナー |
| 開催時間 | 12時開始ノーベル経済学賞発表まで |
| 講師・主催 | 山中裕氏/AIマネー大学株式会社 |
| 参加費・申込 | 無料・事前登録制。aimoneyuniversity@aimu.info 宛てに指定件名で申し込み |
| 対象 | 投資家、経営者、経営企画・マーケティング・需要予測担当者、金融機関のアナリストやトレーダー、行動経済学・複雑系科学に関心のある人、学生・大学院生 |
人々の予測が互いに影響する市場をどう読み解くか。アーサー氏の論文を軸に、限定合理性や学習、価格形成を幅広い立場から考える機会となります。
PRAmazonアソシエイトのリンクです