広野町スイーツ甲子園、最優秀賞決定 12月にお台場で販売へ
ベストカレンダー編集部
2026年10月14日 16:01
スイーツ販売イベント | 開催期間:12月4日〜12月6日
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広野町の特産品を生かしたレシピ、2部門の最優秀賞が決定
福島県広野町と産経新聞社が共催する「スイーツ甲子園 ふくしま広野町レシピチャレンジ」の最終審査が行われ、2部門の最優秀賞が決まりました。生菓子スイーツ部門は綾羽高校(滋賀県)2年の青田唯愛さん、焼き菓子スイーツ部門は葵高校(福島県)2年の新井芽さんが受賞しました。
このコンテストは、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興を応援し、広野町の特産品のおいしさや魅力を広く知ってもらうことを目的に開催されました。全国の高校生、大学生、専門学校生を対象に、町の特産品をテーマ食材にしたスイーツのアイデアレシピを募集。生菓子スイーツ部門には59作品、焼き菓子スイーツ部門には25作品が寄せられました。
審査を担当したのは、人気洋菓子店「EN VEDETTE(アンヴデット)」のオーナーシェフ、森大祐氏です。森氏は、広野町の魅力を伝えるという観点から、バナナが使われていることがひと目で分かる点を評価のポイントに挙げました。応募作品の中から、両部門それぞれの最優秀賞が選ばれています。
バナナの持ち味を引き出した受賞レシピ
生菓子部門は、米粉を使ったティラミス
生菓子スイーツ部門の最優秀賞は、綾羽高校(滋賀県)2年の青田唯愛さんによる「tiramisù alle banane」です。広野町産のバナナ「綺麗」を主役に、チョコレートとコーヒーのほろ苦さでバナナの甘味を引き立てる構成にしました。
胡桃の香ばしさで食感にアクセントを加え、キャラメルでコクを出し、隠し味の塩で甘味をさらに際立たせています。生地に米粉を使ってクリーミーさを出し、ヨーグルトの酸味も加えることで、最後まで食べ飽きないティラミスを目指しました。
青田さんは、ティラミスに「私を元気づけて」という意味があると知り、福島を元気にしたいとの思いから作品を考案したとコメント。「たくさんの人に食べてもらい、元気になってほしい」と、レシピに込めた願いを語っています。
焼き菓子部門は、手軽さも意識したバナナケーキ
焼き菓子スイーツ部門で選ばれたのは、葵高校(福島県)2年の新井芽さんの「こんがりバナナケーキ」です。表面がカラメル状になるよう、溶かしたバターに砂糖をまぶし、バナナは電子レンジで加熱して甘みを引き出しました。
誰でも手軽に作れるようにホットケーキミックスを使った点も特徴です。新井さんは、お母さんが小さいころから作ってくれたお菓子をヒントにレシピを考えたといいます。「少しでも広野町の復興の役に立ちたい」という思いを込め、自分の考えたレシピが商品になることへの期待もコメントしました。
審査員の森氏は、どの作品もおいしそうだったとしたうえで、広野町の魅力を伝えるには、バナナを使っていると見た目から分かることがポイントになったと説明しています。大会アドバイザーを務めたフランス菓子・料理研究家の大森由紀子氏は、地元食材を組み合わせる難しさに挑戦する応募者の意欲が伝わったと話し、多数の応募への感謝を示しました。
受賞者は商品開発や広野町のPRにも参加
最優秀賞の副賞には、審査員のパティシエと共同で広野町の特産品を使ったスイーツを開発する権利が含まれます。開発したスイーツは、東京都内で開かれるイベントなどで販売される予定です。受賞者は「ふくしま広野町PR大使」に就任し、福島県への視察旅行や都内イベントにも招待されます。
スイーツの販売イベント「魅力いっぱい!ふくしまフェスティバル」は、2026年12月4日(金)から6日(日)まで、東京都江東区のお台場青海地区特設会場で開催されます。「SAKANA&JAPAN FESTIVAL(魚ジャパンフェス)2026 in お台場」と同時開催です。もう一つの販売イベントは2027年2月19日(金)から23日(火・祝)まで、東京都渋谷区の代々木公園で行われ、「SAKANA&JAPAN FESTIVAL(魚ジャパンフェス)2026 in 代々木公園」と同時開催されます。
コンテストの応募資格は、2026年4月時点で高等学校(全日制・定時制・通信制高等学校、高等専門学校、専修学校高等課程)、大学・大学院、各種専門学校に在籍する生徒・学生。個人または同一学校に在籍する2人組で応募でき、「ふくしま広野町PR大使」として活動できることが条件でした。募集期間は2026年7月1日(水)から9月4日(金)17時までで、各部門から最優秀賞を1組(名)選出する内容です。
募集テーマは「広野町の魅力がいっぱい詰まったスイーツ」。生菓子部門は、パフェ、ショートケーキ、タルト、クレープ、パンケーキ、プリンアラモード、シュークリームなど、店やキッチンカーで販売できるスイーツが対象です。焼き菓子部門は、マドレーヌ、フィナンシェ、パウンドケーキ、マカロン、クッキー、パイ、バウムクーヘンなど、常温で土産品として販売できるスイーツが対象で、どちらか一方、または両部門への応募が可能でした。
テーマ食材はバナナ、みかん、みかんジュース、米、米粉、日本酒、塩。これらのうち1つ以上を使った、未発表のオリジナルレシピが条件です。審査では、テーマ食材の魅力を生かすアイデア、魅力を伝えるビジュアル、食材の組み合わせのアイデアなどが見られました。
気候と地域の営みが育む広野町の食材
福島県の太平洋側に位置する広野町は、一年を通じて温暖な気候に恵まれ、バナナやみかんなどの果物、お米の栽培が盛んな地域です。今回のレシピチャレンジでは、町の農産物や加工品をスイーツの材料として生かし、食を通じて地域の魅力を伝えることが目指されました。
無農薬バナナ「綺麗」は、広野町が100%出資する広野町振興公社が、東日本大震災からの復興のシンボルとして栽培に挑戦したものです。苗に氷河期を疑似体験させる「凍結解凍覚醒法」という特殊な技術で栽培に成功しました。名称は「朝陽に輝く水平線がとても綺麗なみかんの丘のある町のバナナ」をもとに一般公募で決定。厳しい環境を乗り越えて実ったバナナは、糖度が高く、クリーミーで濃厚な味わいが特徴です。
町内には、冬の平均気温が10度を超える温暖な気候を生かして多くのみかんの木が植えられています。町役場近くの「みかんの丘」は町のシンボルで、収穫されたみかんはみかんジュースにも加工されます。ジュースは甘さと酸味のバランスがよく、濃厚でありながら飲みやすい仕上がりです。
特別栽培コシヒカリ「ひろの米」は、広野町の農業者が未来への希望を託して育てた特産品です。農薬や化学肥料の成分を抑えて栽培するため手間がかかりますが、炊き上がりのツヤと香りがよく、コシヒカリ本来の旨味と粘りがしっかりしています。純米酒「奥州日の出の松」は、広野町産コシヒカリを原料米に使用。精白歩合70%、日本酒度+2~+4、酸度1.5~1.7、アルコール度15度のやや辛口で、すっきりした味わいの中に米の甘味があります。
「はるかなる太平洋からの恵みの塩 智と華」は、海水を100%原料にした塩です。1999年に塩づくりが自由化された際、吉田鉄工所の吉田会長が子どものころの記憶を頼りに製造したことをきっかけに、2005年から販売用の塩づくりを始めました。吉田会長手作りの平釜で海水を煮詰め、乾燥させて仕上げています。
審査員の森大祐氏は、ロイスダールやグランドハイアット東京で修業し、渡仏後はM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)の称号を持つ「ローラン・デュシェーヌ」や「モワザン」でシェフ・パティシエとして勤務しました。帰国後、2016年10月に東京・清澄白河で「EN VEDETTE(アンヴデット)」を開業。2019年11月に渋谷店、2024年3月に東京ミッドタウンに「EN VEDETTE Luxe」をオープンしています。シャルルプルースト一般味覚審査優勝、ディジョンアントルメ&ピエスモンテ部門優勝、The World Trophy of Pastry Ice Cream and Chocolate銅メダルなど、国内外で受賞歴があります。
大会アドバイザーの大森由紀子氏は、フランスで製菓と料理を修業し、メディアを通じてフランス菓子とその背景を日本に紹介してきました。「パティスリー」という言葉やフランス地方菓子のジャンルを広め、東京と京都でフランス菓子・料理教室を主宰。近著は、2025年5月出版の「マリー・アントワネットのお菓子」。フランス共和国・農事功労章シュバリエ勲章を受勲しています。
大会の概要と受賞内容、販売イベントの日程を整理すると次の通りです。広野町の食材を使ったアイデアが、受賞者による商品開発やイベント販売へとつながる取り組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会名 | スイーツ甲子園 ふくしま広野町レシピチャレンジ |
| 共催 | 広野町、産経新聞社 |
| 生菓子部門 最優秀賞 | 綾羽高校(滋賀県)2年 青田唯愛さん「tiramisù alle banane」 |
| 焼き菓子部門 最優秀賞 | 葵高校(福島県)2年 新井芽さん「こんがりバナナケーキ」 |
| 副賞など | パティシエとの商品開発、ふくしま広野町PR大使任命、広野町視察旅行、都内イベントへの招待2回 |
| お台場の販売イベント | 2026年12月4日(金)~6日(日)/東京都江東区・お台場青海地区特設会場 |
| 代々木公園の販売イベント | 2027年2月19日(金)~23日(火・祝)/東京都渋谷区・代々木公園 |
バナナをはじめとする広野町の食材が、学生の発想とプロのパティシエとの商品開発を通じて、どのようなスイーツに形を変えるのか。受賞レシピの背景とあわせて、今後のイベントでの販売にも注目が集まりそうです。
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