映画『洗浄』がシッチェスで世界初上映、宮原拓也監督が語る水ホラー
ベストカレンダー編集部
2026年10月15日 16:30
ワールドプレミア上映 | 開催日:10月14日
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「水」を恐怖の源に据えた長編『洗浄』
映画レーベル「NOTHING NEW」が手がける実写長編映画『洗浄』が、第59回シッチェス・カタロニア国際映画祭のパノラマ部門に正式出品され、現地時間2026年10月14日にワールドプレミア上映を迎えました。長編デビュー作となる本作を届けるため、宮原拓也監督も現地に登壇。上映では観客から拍手が起こり、世界各地から集まったジャンル映画ファンの熱気に包まれたといいます。
本作は、人間にとって欠かせない「水」を題材に、日常のすぐそばに潜む恐怖を描くサスペンス・ホラーです。湖畔のリゾートに招かれたカップルが、宿に伝わる水を軸としたサービスを受け、滞在するうちにその裏側にあるものへ気づいていく物語。くつろぎのためのおもてなしが、逃れがたい恐怖へ変わっていくという設定が作品の核になっています。
『洗浄』は、NOTHING NEWの長編第3弾です。同レーベルからは、ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞を受賞した『チルド』、第79回カンヌ国際映画祭監督週間およびアヌシー国際アニメーション映画祭2026に選出された『我々は宇宙人』が発表されています。『洗浄』はその後に続く作品として、ジャンル映画の聖地として知られるシッチェスで世界初披露されました。
宮原拓也監督が語った「水」の着想
脚本・編集・監督を務める宮原拓也氏は、本作で長編映画監督としてデビューしました。これまで「オールナイトニッポン55周年記念公演『あの夜を覚えてる』」でACC TOKYO CREATIVITY AWARDSグランプリを受賞。2024年には短編映画『洗浄』がクレルモン=フェラン国際短編映画祭に日本人で唯一ノミネートされるなど、国内外で注目を集めてきました。
主演は入江甚儀さんと田中真琴さん。TRPGシナリオ『カタシロ』で知られるディズム氏が、映画脚本に初めて脚本協力として参加しています。宮原監督の脚本・編集・演出に、出演者と脚本協力者の力が加わり、「水」をめぐる異色のホラー作品が形づくられました。
宮原監督は登壇時、カタルーニャ語と英語で挨拶しました。挨拶では、映画の出発点となった問いを「私たちにとって、最も恐ろしいものは何だろう?」と紹介。その答えとして水に思い至ったと話しています。誰もが生きるために水を必要とする一方で、命は水に支配され、そこから逃れられないとも考えたことが、作品の発想につながったといいます。
さらに監督は、そのアイデアに現代の日本の若者が社会に抱く無力感や、現実から逃れようとする傾向を重ね、現代のある種の神話のような物語を作ろうとしたと説明しました。映画祭への感謝に加え、作品を映画として実現したキャストやスタッフ、上映に訪れた観客にも謝意を伝え、観客に映画を楽しんでほしいと呼びかけています。
シッチェスの劇場を包んだ上映前後の熱気
第59回シッチェス・カタロニア国際映画祭は、SF、ホラー、ファンタジーなどのジャンル映画に特化した映画祭です。2026年10月8日から18日まで、スペインのシッチェスで開催されました。世界中からジャンル映画や映画ファンが集まる祭典であり、パノラマ部門では独自の表現や新たな技法を用いた作品、新人監督の作品など、その年に注目される多様な作品が紹介されます。前年には、日本から矢口史靖監督の『ドールハウス』や藤井亮監督の『大長編 タローマン 万博大爆発』が選出されました。
『洗浄』の上映会場は、シッチェスエリアで最も歴史ある映画館「Cinema Prado」。上映前には、作品をいち早く観ようとする観客が劇場入口に長い列をつくり、宮原監督がサインを求められる場面もありました。監督の登壇を経て上映が始まると、物語の進行とともに会場には緊張感が漂い、ある場面では観客から大きな拍手が起こったと報告されています。
上映終了後には温かな拍手が劇場を包み、外では多くの観客が宮原監督を囲んでサインを求めました。監督は、ファンタスティック映画祭ならではの熱気と温かい反応に勇気づけられたと語っています。作品の内容だけでなく、会場での観客との交流も、長編デビュー作を世界の観客に届ける場面を彩りました。
映画祭での上映情報は次の通りです。
- 映画祭:第59回シッチェス・カタロニア国際映画祭
- 開催期間:2026年10月8日(木)〜10月18日(日)
- 上映日時:2026年10月14日(水)19:00〜(現地時間)
- 会場:Cinema Prado
- 上映部門:パノラマ部門
- 登壇:宮原拓也監督
『洗浄』の物語と作品情報、日本公開予定
物語の舞台は湖畔のリゾートです。招かれた一組のカップルは、豪華なおもてなしを受け、宿に長く伝わる「水」を軸にしたサービスによってリラックスします。しかし、滞在が続くにつれて恋人は変貌。主人公たちは、おもてなしの背後に隠された水の正体に気づきはじめます。安心できるはずのバカンスが、予測のつかない恐怖へと転じる展開が描かれます。
本作の英題は『WASH AWAY』で、上映時間は77分です。制作プロダクションはACROBAT FILM、ディープサイド。企画・製作・配給はNOTHING NEWが担当し、コピーライト表記は「© NOTHING NEW, PARADOX」です。日本では2027年春に全国公開予定とされています。
映画レーベルNOTHING NEWは、「才能が潰されない世の中」を目指して2022年に設立されました。2026年には、岩崎裕介監督の実写長編『チルド』が7月17日に公開され、門脇康平監督によるオリジナル長編アニメーション『我々は宇宙人』が9月25日に公開されています。『洗浄』は同レーベルが送り出す実写長編の第3弾として、映画祭での世界初披露を経て日本公開へ進みます。
NOTHING NEWの公式発信先として、Instagramは https://www.instagram.com/NOTHINGNEW_FILM/ 、X(旧Twitter)は https://x.com/NOTHINGNEW_FILM/ 、公式LINEは @nothingnew と案内されています。作品のクレジットや公開予定を含めた情報を整理すると、次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名・英題 | 『洗浄』/『WASH AWAY』 |
| 出演 | 入江甚儀、田中真琴 |
| 脚本・編集・監督 | 宮原拓也 |
| 脚本協力 | ディズム |
| 制作プロダクション | ACROBAT FILM、ディープサイド |
| 企画・製作・配給 | NOTHING NEW |
| 上映時間 | 77分 |
| 日本公開 | 2027年春 全国公開予定 |
| コピーライト | © NOTHING NEW, PARADOX |
「水」という身近な存在を、逃れられない恐怖へと読み替えた『洗浄』。シッチェスでのワールドプレミア上映では、観客の拍手や上映後の交流が生まれ、作品が世界のジャンル映画ファンに初めて届きました。日本では2027年春の全国公開が予定されており、湖畔のリゾートを舞台にした異色のサスペンス・ホラーとして注目されます。
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