TIFFCOM 2026で映画の国際共同製作を議論、欧州TTBと連携
ベストカレンダー編集部
2026年10月21日 16:02
TIFFCOM特別セッション | 開催日:10月30日
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日本と欧州をつなぐ映画製作プログラムがTIFFCOMで始動
日本発の映画クリエイターを国際共同製作の舞台へ送り出すアクセラレータープログラム「ATMOVIE GLOBAL TRACK」は、ヨーロッパを拠点にアジアとの共同製作を推進する「Ties That Bind(以下、TTB)」とのオフィシャルコラボレーションを実施します。株式会社アットムービーが主催し、文化芸術活動基盤強化基金(Japan Creator Support Fund)の助成を受ける同プログラムが、欧州とアジアの映画人材をつなぐTTBと連携する取り組みです。
コラボレーションでは、ATMOVIE GLOBAL TRACKのフェローを対象とした実践型ワークショップと、東京国際映画祭併設のコンテンツマーケット「TIFFCOM 2026」での一般向けオープンセッションを行います。ワークショップは2026年10月27日(火)から28日(水)まで、オープンセッションは10月30日(金)10時30分から12時までの予定です。
背景にあるのは、国際共同製作を進めるうえで資金や表現の可能性が広がる一方、異文化間の信頼関係づくりや母語以外での意思疎通に難しさを感じるクリエイターもいるという課題です。両プログラムの知見を生かし、映画企画を世界へ届けるための考え方と、国境を越えた創作パートナーシップの築き方を共有します。
プロデューサーと監督の協働を考えるオープンセッション
10月30日のセッションでは、アジアとヨーロッパの国際共同製作事例をもとに、映画プロデューサーと監督がどのように協働し、世界基準の映画製作をプロジェクトとして発展させるのかを掘り下げます。テーマは「クリエイティブ・パートナーシップの築き方」。TIFFCOM 2026のマーケットバッジを持つ人であれば参加・聴講できます。
- 日時:2026年10月30日(金)10:30〜12:00(予定)
- 会場:東京国際映画祭併設マーケット「TIFFCOM 2026」会場内 カンファレンスB(5F)
- 登壇者:水野詠子、オ・ヒジョン(Heejung Oh)、クリストフ・ブランシェ(Christophe Bruncher)、森谷雄
- パネルキュレーター:関口海音
- 参加条件:TIFFCOM 2026のマーケットバッジを持つ人
ローデッド・フィルムズ代表の水野詠子は、『十年 Ten Years Japan』(製作総指揮:是枝裕和監督)、黒沢清監督『旅のおわり世界のはじまり』、早川千絵監督『PLAN 75』などをプロデュースしました。『PLAN 75』は2022年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、早川監督がカメラドール・スペシャル・メンションを受賞。米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品にも選ばれています。最新作は早川監督の『ルノワール』で、2025年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出。石川慶監督のポーランド・日本合作映画、平柳敦子監督の日本・フィリピン合作映画なども進行中で、ATMOVIE GLOBAL TRACKのサポートプロデューサーを務めます。
オ・ヒジョンは韓国で育ち、ソウルとアムステルダムを拠点に活動するプロデューサーです。2017年にSeesaw Picturesを設立し、サンダンス、ベルリン、ロカルノ、IDFA、ロッテルダム、釜山などの映画祭で評価された作品を手がけてきました。フィクションとドキュメンタリー、ジャンルや形式、文化の境界を越えてプロデュースし、「プロデュースすること自体がクリエイティブな行為」と考えています。EAVEおよびEurodocの修了生で、IDFA Bertha Fund、Purin Pictures Fundなどの選考委員、EAVEのRacial Equity Advisory Groupおよび#DocSafe initiativeのメンバーでもあります。
フランスの製作会社Ici et Là Productionsの創設者であるクリストフ・ブランシェは、2013年の同社設立以来、プロデューサーとして活動。ジェーン・フォンダのフランス映画界復帰作『ALL TOGETHER』や『MR. STEIN GOES ONLINE』などの社会派コメディを手がけ、その後は女性監督によるアートハウス映画の共同製作を多数担当しました。早川千絵監督『RENOIR』を共同製作し、2026年にはムリエル・ダンブール監督『TRULY NAKED』とカミラ・アンディニ監督『FOUR SEASONS IN JAVA』も共同製作。いずれも各映画祭に出品されています。ラ・フェミス卒業、中国語(北京語)に堪能で、TTBのヘッド・オブ・スタディを務めます。
ATMOVIE GLOBAL TRACK主宰の森谷雄は株式会社アットムービー代表取締役。「ザ・クイズショウ」「深夜食堂」などのドラマをプロデュースし、映画『ミッドナイトスワン』では第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む9部門を受賞、ウディネ・ファーイースト映画祭ではゴールデンマルベリー賞を受賞しました。堤幸彦監督の『THE KILLER GOLDFISH』はロンドン、ポルトなど世界12カ所の国際映画祭に選ばれています。パネルキュレーターの関口海音は、上智大学卒業後、New York Film Academyのワークショップに参加し、東京藝術大学大学院で映画専攻プロデュース領域を学びました。卒業制作『向こうの家』は、ええじゃないかとよはし映画祭でグランプリを獲得。『37セカンズ』『レンタルファミリー』『Modern Love Tokyo』にアシスタントプロデューサーとして携わり、2025年には『逆火』をプロデュースしています。
オープンセッションの詳細は、https://tiffcom.jp/conference/2026-ttbで案内されています。
フェロー向けワークショップとコラボの背景
フェロー向けの「ATMOVIE GLOBAL TRACK – TTBワークショップ」は、2026年10月27日(火)から28日(水)まで開催予定です。オープンセッションにも登壇するオ・ヒジョンとクリストフ・ブランシェが講師となり、ATMOVIE GLOBAL TRACKのフェローを対象に実践的なワークショップを行います。開催協力は株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスで、URLはhttps://www.imagica-ems.co.jpです。
両プログラムの連携は、ATMOVIE GLOBAL TRACKのフェローが講義を通じて磨いてきたオリジナル映画企画を、国際共同製作へ発展させることを後押しするものです。国際共同製作には資金力や創造性の幅を広げる可能性がある一方、異文化間での信頼関係の構築や、母語以外でのコミュニケーションが課題になることがあります。欧州とアジアの共同製作を推進してきたTTBは、グローバルな映画製作に必要なマインドセットと、クリエイティブ・パートナーシップを築く力を育む点に強みを持っています。
今回はフェロー限定の学びにとどめず、TIFFCOMで業界関係者が聴講できるセッションも実施し、知見を広く共有します。両プログラムは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州(FVG)オーディオビジュアル基金の運営責任者でTTB創設メンバーでもある支援機関代表、Alessandro Gropplero(アレッサンドロ・グロップレロ)の協力によって実現しました。同氏はプログラム全体のキュレーターも務めています。
TTBは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州オーディオビジュアル基金、EAVE、ウディネ・ファーイースト映画祭が設立・運営する、ヨーロッパとアジアの映画プロデューサーを対象とした先駆的なワークショップです。プロデューサーや専門家を両地域から結び、プロジェクト開発、資金調達戦略、共同製作の機会、アジアとヨーロッパを結ぶ国際ネットワークづくりを支援しています。公式サイトはhttps://www.tiesthatbind.eu/です。
ATMOVIE GLOBAL TRACKの育成内容と運営会社
2026年にスタートしたATMOVIE GLOBAL TRACKは、日本から国際共同製作に挑む次世代の映画クリエイターのためのアクセラレータープログラムです。フェローは、国内外で映画製作に長年携わるプロによる実践的な講義やメンタリングを通じて、オリジナル企画を磨きます。選抜されたフェローはプログラムを代表して国際映画祭などに参加し、企画のピッチ(プレゼンテーション)を行い、国際共同製作につながる機会の獲得を目指します。
2026年5月にはカンヌ国際映画祭の日本パビリオンで、10月には釜山国際映画祭の期間中に、フェローが登壇するピッチイベント「JAPAN PITCH」を開催しました。プログラムは、文化庁の補助金によって独立行政法人日本芸術文化振興会に設置された「文化芸術活動基盤強化基金(Japan Creator Support Fund)」の「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」の助成を受けて実施されています。公式ホームページはhttps://global-track.net/jaです。
主催する株式会社アットムービーは、テレビドラマ、映画、配信映像、舞台演劇の企画・制作・プロデュースなどを手がけるエンタテインメントカンパニーです。「映像=MOVIE」を「起点=@」に起こり得ることをプロデュースし、「IMAGINE」「REALIZE」「ENTERTAIN」をモットーに、イメージしたことを現実にしながら、エンタテインメントを通じた感動の共有を目指しています。
会社名は株式会社アットムービー、所在地は東京都渋谷区神泉町5-2 塩入小路2ビル4F、代表者は代表取締役 森谷 雄、設立は2000年11月です。事業内容はテレビドラマおよび劇場映画、配信映像、舞台演劇等の企画・制作・プロデュース等。会社URLはhttps://atmovie.sakura.ne.jp/atwp/です。
今回の連携は、フェローの企画開発と、国際共同製作を担う人々の交流を同時に進める構成です。開催日や対象、会場、参加条件を整理すると次の通りです。
| プログラム | 日時 | 会場・対象 | 内容 |
|---|---|---|---|
| ATMOVIE GLOBAL TRACK – TTBワークショップ | 2026年10月27日(火)〜28日(水)予定 | ATMOVIE GLOBAL TRACKフェロー | オ・ヒジョン、クリストフ・ブランシェが講師を務める実践型ワークショップ。株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスが開催協力。 |
| ATMOVIE GLOBAL TRACK × TTB オープンセッション | 2026年10月30日(金)10:30〜12:00予定 | TIFFCOM 2026会場内 カンファレンスB(5F)。マーケットバッジ所持者 | アジア・欧州の共同製作事例をもとに、クリエイティブ・パートナーシップを考える。 |
映画の国際共同製作を支える企画開発やパートナーシップについて、フェロー向けの実践と業界に開かれた対話の両面から学べる機会となります。
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