遠野市立博物館で「占いと呪い」展、呪符や人相占い資料を公開
ベストカレンダー編集部
2026年10月22日 13:28
占いと呪い展 | 開催期間:11月1日〜1月11日
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遠野の民俗に息づく「占い」と「まじない」を資料でたどる
遠野市立博物館は、2026年11月1日(日)から2027年1月11日(月・祝)まで、令和8年度秋季企画展「占いと呪い(うらないとまじない)」を開催します。岩手県内の占いや呪いに関する資料を中心に公開し、人々が「見えないもの」に寄せてきた願いや祈りを、歴史や暮らしとの関わりから紹介する企画です。
科学技術が発展した現代にも、未来や運命に思いを馳せ、目に見えないものに惹かれる心のありようはあります。本展では、柳田國男の『遠野物語』に描かれた遠野の民俗世界と、古くから人々の生活に深く根付いてきた占いやまじないの文化を結びつけ、多様な側面をひもときます。常設展示とあわせて見ることで、遠野の暮らしや文化への理解を深められる構成です。
展示資料には、遠野市立博物館所蔵の「人相占い解説書」や「呪符」などが含まれます。占いは、その年の作柄や天候、運勢などをあらかじめ知ろうとする営みとして遠野でも行われてきました。資料を通して、先人たちが何を知ろうとし、どのような願いを託してきたのかを考える機会になります。
未来を知ろうとする占い、願いに働きかけるまじない
企画展では、言葉の意味や文化的な背景にも目を向けます。「占い」の「うら」は、表に対する語で、裏側に隠された意味、とりわけ未来に関することを知ろうとする行為だとされています。遠野では、年の作柄や天候、運勢を事前に知るために、さまざまな占いが行われてきました。
一方、「呪術」は神や精霊などの超自然的・神秘的な力に働きかけ、願いをかなえようとすることを指し、「まじない」「魔術」とも呼ばれます。人相占い解説書や呪符といった資料から、それぞれの営みが人々の生活の中でどのように受け止められてきたのかをたどります。
担当学芸員は、未来を知りたい、願いをかなえたいという人々の切なる祈りに着目し、見えない力を信じた先人の心の形を資料から読み解くと紹介しています。科学が発達した現代だからこそ関心を集める「見えないもの」の世界を、遠野の歴史と民俗に根差した展示を通して見つめます。
会期中には、学芸員による展示解説会も予定されています。開催日時は11月20日(金)、12月25日(金)、1月8日(木)の各日午後1時30分から午後2時までで、予約は不要です。展示資料や企画の背景を知る機会として、会場で展示とあわせて参加できます。
博物館の常設展示と、遠野に伝わる祈りの場所
遠野市立博物館では、企画展に加え、『遠野物語』を軸に遠野の人々の暮らしや文化を映像・展示で紹介しています。大画面のマルチスクリーンシアター「遠野物語の世界」では物語の世界を映像で表現。遠野の地形図にプロジェクションマッピングで物語を投影する地形ジオラマスクリーンや、里の暮らしを全長7メートルのジオラマで再現した「くらしの四季ジオラマ」もあります。
休館日は月曜日と月末日です。ただし、11月2日と祝日は開館します。資料特別整理日は11月24日から27日まで、年末年始の休館期間は12月28日から1月4日までです。企画展の開催期間とあわせ、訪問日を考える際に確認しておきたい日程です。
関連スポットの卯子酉(うねとり)神社は、JR釜石線遠野駅から約2キロ、愛宕山の下にあります。縁結びの神様として知られ、かつて境内にあった淵には片葉の芦が生えていたと伝えられています。芦に恋の願いを書いた紙を結びつけると男女の縁が結ばれるという伝説は、『遠野物語拾遺』第35話に記されています。
現在は、社前の赤い布に利き手ではない方の手で願いを書き、同じ手だけで結ぶと願いがかなうと伝えられています。片手で木の枝に結びつけられれば男女の縁が結ばれるという信仰にも、「結ぶ」という行為に呪術的な意味を見いだしてきた文化が表れています。お礼参りに訪れる人もいると紹介されています。
伝承園では、東北地方を中心に家の神、養蚕の神、目の神として信仰されてきた「オシラサマ」に触れられます。桑の木などで作られた二体一対のご神体に新しい布「オセンダク」を着せ、豊作や家内安全を願う風習が伝わっています。園内の「御蚕神(オシラ)堂」には1,000体のオシラサマが展示され、願い事を布に書いて着せ、お祈りすると願いがかなうと言われています。
伝承園は、遠野の民話の世界を体感できる施設です。国の重要文化財である曲り家「旧菊池家住宅」、千体のオシラサマを祀る御蚕神堂のほか、『遠野物語』の話者・佐々木喜善に関する資料を展示しています。語り部による昔話を聞けるほか、郷土料理や名物「カッパ焼き」を味わえる「おしら亭」もあります。
秋の伝承園と妖怪フェスティバルも開催
伝承園では「遠野伝承園 秋物語 ~食欲の秋・読書の秋~」を開催。本文では開催期間を2026年10月10日(土)から11月29日(日)までと案内する一方、開催日欄には10月10日(土)から11月30日(月)までと記載されています。食堂「おしら亭」では、佐野農園の遠野産肉厚しいたけのほか、舞茸、さつまいも、かぼちゃなどを使った「秋の味覚 きのこ野菜天丼」が登場します。
伝承園名物の「カッパ焼き」には秋限定のかぼちゃ味が加わり、温かい「ホット梅シロップ」も楽しめます。園内の催事場には、『遠野物語』や遠野を舞台にした作品を集めた「遠野本ライブラリー」を設置。曲り家の旧菊池家住宅では、棒を引いて今日の自分にぴったりの妖怪を占う「遠野妖怪性格占い」も行われます。妖怪フェスティバル期間中は、コスプレで来園した人の入園無料企画も実施されます。
遠野市内では「遠野まちなか妖怪FESTIVAL2026」も、2026年10月3日(土)から11月30日(月)まで開催されます。会場は遠野市中心部。なぞ解き、ライトアップ、お菓子巡り、公開収録、コスプレイベント、妖怪談話会など、妖怪の世界を楽しめる企画がそろいます。一部企画は終了しています。
秋の催しに関する問い合わせ先は、伝承園がTEL:0198-62-8655、妖怪フェスティバルが遠野なんかやってみよう会事務局(㈱遠野テレビ)TEL:0198-63-1711です。展示とあわせて市内の関連スポットや催しを巡ることで、『遠野物語』に描かれた民俗世界を異なる角度から知ることができます。
開催情報と関連リンク
遠野市観光情報サイト「遠野時間」では、遠野市の観光スポット、モデルコース、宿泊、食や土産の情報のほか、季節の情報を発信しています。株式会社遠野ふるさと商社と一般社団法人遠野市観光協会が共同運営しています。企画展の詳細ページは https://tonojikan.jp/event/261101-tono-municipal-museum/ です。
秋物語の詳細は https://tonojikan.jp/event/denshoen-autumn-event/、妖怪フェスティバルの詳細は https://tonojikan.jp/event/yokai-festival/ で案内されています。遠野時間のトップページは https://tonojikan.jp/ です。
観光マネジメントボード遠野は、持続可能な観光まちづくりに向け、観光・文化・産業振興を推進する現場の事業者らによって令和5年に構成された協議会です。事務局は株式会社遠野ふるさと商社(登録DMO)が担い、官民連携の協議会として「遠野市観光推進基本構想」および「遠野市観光基本計画」に基づく観光施策の意思決定や、参加組織間の情報共有を行っています。
企画展の開催概要と、記事で紹介した関連情報を以下にまとめます。占い・まじないの資料展示を中心に、常設展示や遠野の伝承、秋の催しまで、遠野の民俗文化に触れる手がかりが広がっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企画展 | 令和8年度秋季企画展「占いと呪い(うらないとまじない)」 |
| 会場 | 遠野市立博物館(岩手県遠野市) |
| 会期 | 2026年11月1日(日)~2027年1月11日(月・祝) |
| 主な資料・内容 | 岩手県内の占いや呪いに関する資料、人相占い解説書、呪符など |
| 学芸員展示解説会 | 11月20日(金)、12月25日(金)、1月8日(木)午後1時30分~2時、予約不要 |
| 関連スポット | 卯子酉神社、伝承園 |
| 関連情報 | 遠野時間 https://tonojikan.jp/ |
資料に残る占いや呪符、地域に受け継がれる願掛け、遠野の物語をたどる展示を通じて、「見えないもの」と人々の暮らしの結びつきを知ることができる企画です。
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