日本とASEANの映画プログラマー15人が東京・広島で交流

日ASEAN映画交流研修 | 開催期間:10月23日〜10月31日

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日ASEAN映画交流研修
Open Draftの第一フェーズはいつ、どこで開催される?
2026年10月23日(金)から10月31日(土)まで開催されます。東京近郊と広島が会場で、10月27日(火)・28日(水)は広島、その他の日程は東京で実施されます。
参加するのはどんな人たち?
ASEAN8か国から10名、日本から5名の計15名です。映画プログラマーや映画祭の担当者、配給・宣伝、映画会社、地域の自主上映など、上映に携わる若手専門家が参加します。

東京と広島で、映画を届ける専門家が出会う

国際交流基金(JF)は、若手映画プログラマーらが参加する「Open Draft – 日ASEAN映画プログラマー交流事業」の第一フェーズを、2026年10月23日(金)から10月31日(土)まで開催します。日本とASEAN諸国で、映画の上映企画や上映作品の選定を担う専門家が集まり、上映企画を議論し、映画館や上映施設を訪ねながら、それぞれの現場で培った経験や課題を共有する9日間です。

参加するのは、ASEAN8か国から10名、日本から5名の計15名。東京近郊を中心にプログラムを行い、10月27日(火)と28日(水)は広島で実施します。会場・訪問先には国際交流基金本部、シアター・イメージフォーラム、ユーロスペース、八丁座、広島市映像文化ライブラリー、シネマ尾道などが含まれます。都内のミニシアターと広島の上映施設を訪ねることで、地域に根差した多様な上映環境を現場で学ぶ構成です。

本事業は、JFが2024年に始めた映画人材の育成・交流事業で、今回が3回目。映画監督やプロデューサーといった製作側への支援に比べ、上映側への支援が伸び悩むという構造的な偏りや、アジアで映画プログラマーを体系的に育成する機会が限られているという課題に応えることを目指します。作品と観客をつなぐ役割を担う上映専門家が、国境を越えて知識やノウハウを交換する機会となります。

企画を練り、上映の現場と運営を学ぶ

第一フェーズでは、ASEANからの参加者が帰国後に自国で実施する、日本映画などを含む上映プログラム案を発表し、参加者やメンターと議論します。日本側の参加者も、ASEAN諸国で上映したい日本映画などについてプレゼンテーションを行います。企画を発表して意見を交わすだけでなく、上映の準備や配給との交渉を含む実務を学ぶ機会が用意されています。

講義では、映画のプログラミング、上映事業の計画の立て方や準備の進め方、配給との交渉方法、日本映画史などを扱います。また、東京国際映画祭の視察や映画関係者とのネットワーキングも実施。東京ではシアター・イメージフォーラム、ユーロスペースなどを、広島では八丁座、広島市映像文化ライブラリー、シネマ尾道などを訪問・視察します。上映施設の運営や地域との関わりを知り、企画を実際の上映へつなげる視点を得るプログラムです。

アドバイザーは土田環(山形国際ドキュメンタリー映画祭・早稲田大学)。メンターには土田環のほか、若井真木子(山形国際ドキュメンタリー映画祭)、山下宏洋(イメージフォーラム・フェスティバル ディレクター)、Jay Rosas(Ngilngig Asian Fantastic Film Festival 映画プログラマー/フィリピン)、Sung Moon(全州国際映画祭 映画プログラマー/韓国)が参加します。

ASEANからの参加者は、Sothun Vong(Legend Cinema エグゼクティブ・ディレクター/カンボジア)、Gregorius Godfried Junus(KDM CINEMA 映画プログラマー/インドネシア)、Petrus Damiami Sitepu(UMN Animation & Film Festival(UCIFEST) – Universitas Multimedia Nusantara/インドネシア)、Manivone Liosakoun(Blue Chair Film Festival ゼネラルマネージャー/ラオス)、Mohd Sazni Bin Ahmad Salehudin(Malaysia International Film Festival (MIFFest) プログラム・マネージャー/マレーシア)です。

さらに、Jason Tan Liwag(QCinema International Film Festival 短編映画部門プログラム責任者/フィリピン)、Jael Maureen Macaraig Mendoza(University of the Philippines Film Institute 助教/フィリピン)、Nay Wunn Ni(Akhat Alat Film Initiative 創設者/ミャンマー)、Thu Nhat Anh Tran(KONIMA – An independent youth film programming collective 創設者/クリエイティブ・ディレクター/キュレーター/ベトナム)、Athipan Simmakam(Thai Film Archive 映画プログラマー/タイ)も参加します。

日本の次世代専門家と、三段階でつくる交流

日本からは、異なる立場で映画上映を支える5名が参加します。重松恵梨子(ひとてまシネマ)は地域に根ざした上映の場づくりと鑑賞機会の創出を推進。早坂苑子(東風 映画配給・宣伝)は、主に政治、司法、福祉など社会問題をテーマとするドキュメンタリーの配給・宣伝に携わります。

竹内羽香(株式会社KADOKAWA)は大手映画会社でコンテンツ展開や映画ビジネスを推進し、西田悠人(ぴあフィルムフェスティバル)は新人監督の発見・紹介に取り組みます。吉川諒(CineRuelle 主宰)は国内外の優れた独立系映画の発掘と上映企画を展開。それぞれの現場で蓄積した知見や課題意識を持ち寄り、アジアで日本映画の上映機会を広げることや、日本国内で東南アジア映画を紹介することにつながる、相互的なパートナーシップを目指します。

「Open Draft」は研修だけで完結するのではなく、学びを実践へつなぐ三つのフェーズで構成されています。第一フェーズは東京・広島での研修、第二フェーズはASEAN参加者が帰国後に自国で日本映画などの上映イベントを企画・運営する段階です。第三フェーズでは、日本の参加者が東南アジア映画を取り入れた上映会と事業報告会を日本国内で企画・実施します。参加者が交流を続けながらスキルとネットワークを定着させ、多様な上映の実現を目指す仕組みです。

事業は、JFが進める日本とASEANの次世代交流・人材育成の包括的プロジェクト「次世代共創パートナーシップ-文化のWA2.0-」の一環です。JFは「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ。」をミッションとする独立行政法人で、文化芸術交流、日本語教育、日本研究・国際対話を通じて国際交流を推進しています。映像分野では、世界各地での日本映画上映や、日本映画等映像配信プラットフォーム「JFF Theater」によるオンライン配信、上映を支える専門人材の育成とネットワーク形成に取り組んでいます。

過去の開催で生まれたつながりを次の上映へ

過去2回の開催では、日・ASEANの若手映画プログラマーの自律的な成長や、持続的なネットワーク形成につながる成果があり、国内外の専門家や参加者から評価を受けています。参加者からは、国内外の関係者と映画や上映企画についての考え方、知識、経験を共有できたこと、メンターの考えに触れたことが今後のキャリアに影響すると感じたことが語られています。

前ジャカルタ芸術評議会の映画委員会代表で映画プログラマーのスガール・ナディア氏は、本事業が文化交流や若手育成に加え、インドネシアで多様な日本映画を紹介する可能性を広げ、国境を越えたネットワークが継続的な協働の基盤になっていると評価しています。また、山下宏洋氏は、インドネシア・バンドゥンでの現地上映を振り返り、上映者と観客が一体となって場をつくる経験を紹介。映画が消費物にとどまらず、コミュニケーションのための集団経験になり得ることや、環境の違いに応じて工夫し、有機的なつながりを生む手法が日本の次世代上映者にも参考になるとの見方を示しました。

交流から生まれた企画の例として、2026年4月に早稲田松竹で実施された特集上映「世界をひらくまなざし~アノーチャ・スウィチャーゴーンポンとパヤル・カパーリヤー~」があります。プログラム参加者である上田氏が、交流事業を通じて見えてきた、日本とASEAN諸国におけるインディペンデント映画や実験映画の若年層観客による受容の違いに着目して考案し、多くの映画ファンの注目を集めました。特集上映公式紹介ページは https://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1853 、活動の詳細は https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/media/asean/ で確認できます。

今回の第一フェーズは、研修で得た知見を各国での上映実践や次の交流へ結びつける取り組みです。日程や開催地、事業の構成を整理すると次の通りです。

項目 内容
事業名 Open Draft – 日ASEAN映画プログラマー交流事業
第一フェーズ 2026年10月23日(金)~10月31日(土)
開催地 東京近郊、広島。10月27日(火)・28日(水)は広島、その他の日程は東京
参加者 ASEAN8か国から10名、日本から5名の計15名
主催 国際交流基金
三つの段階 東京・広島での研修/ASEAN各国での日本映画等の上映/日本国内での東南アジア映画上映と報告会
関連ページ https://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1853
https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/media/asean/

上映を企画し、作品と観客をつなぐ専門家同士の交流が、各地域の映画文化や上映機会にどのような広がりをもたらすのか。東京と広島での研修を起点に、帰国後の上映や日本国内での紹介へ続く三段階の動きが注目されます。

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