小諸市、上下水道一体の官民連携を2027年4月開始
ベストカレンダー編集部
2026年10月28日 07:42
上下水道官民連携事業 | 開催期間:4月1日〜3月31日
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小諸市で上下水道を一体運営する官民連携が始動
水ing株式会社のグループ会社、水ingAM株式会社が出資する公民共同企業体の株式会社水みらい小諸は、2026年10月27日、小諸市と「小諸市上下水道一体 水の官民連携業務」に関する基本協定を締結しました。同日、小諸市役所で調印式も行われています。水みらい小諸の社長は東郷友裕氏、本社は長野県小諸市です。
協定に基づく事業は2027年4月1日から2037年3月31日までの10年間。水道、下水道、農業集落排水の各事業を対象に、施設の維持管理から更新までを一体的にマネジメントする「管理・更新一体マネジメント方式(レベル3.5)」を導入します。上下水道を一体化し、さらに施設の更新実施まで扱う官民連携として、全国初の取り組みと発表されています。
調印式には小諸市長の小泉俊博氏と、水みらい小諸代表取締役社長の東郷友裕氏が出席しました。今回の協定は、これまで水道事業を中心に進めてきた連携の対象を、下水道と農業集落排水に広げるものです。小諸市と水みらい小諸は、双方が培ってきた知見やノウハウ、各自の強みを生かし、持続可能な事業運営とサービス水準の維持・向上を目指します。
施設の更新区分と事業の対象
事業開始時点では、施設によって「更新実施型」と「更新支援型」を分けて適用します。下水道処理施設は2027年4月1日から更新実施型となり、管路を含む上水道施設と下水道管路は更新支援型で開始します。後者は2029年4月から更新実施型へ移行する予定です。
協定の対象は水道事業、下水道事業、農業集落排水事業です。対象施設には、水道の取水・導水・送水・配水施設と、第一止水までを含む水道管路全体が含まれます。下水道は処理場・ポンプ場に加え、公共マスまでの汚水管路とマンホールポンプ場すべてが対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 協定名称 | 小諸市上下水道一体 水の官民連携業務基本協定 |
| 締結日 | 2026年10月27日 |
| 事業期間 | 2027年4月1日~2037年3月31日(10年間) |
| 事業方式 | 管理・更新一体マネジメント方式(レベル3.5) |
| 対象事業 | 水道事業、下水道事業、農業集落排水事業 |
| 協定金額 | 総額21,500,061,000円(税込) |
協定金額の内訳は、上水道が12,201,312,000円(税込)、下水道が8,273,939,000円(税込)、農業集落排水が1,024,810,000円(税込)です。三つの事業を一つの協定のもとで扱い、維持管理と更新の計画・実施を連携させる枠組みです。
窓口の一元化や共同調達で効率化を図る
上下水道の業務、資機材の調達、工事を一体的に進めることで、事業運営の効率化と利用者の利便性向上を図ります。具体的な効果として、窓口や申請手続きの一元化による利用者と地元工事店の負担軽減、水道・下水道工事の同時施工による交通規制時間の短縮、資機材の共同調達や業務共通化による工数・コスト削減を挙げています。
これらは、別々に行われてきた上下水道の業務や工事を連携させることで、手続きや施工の重複を抑える考え方です。市民や地元工事店に関わる窓口・申請の扱いをまとめることに加え、同じ地域で関連する工事を同時に実施することで、交通規制に伴う時間の短縮を目指します。資機材を共同で調達し、共通する業務をまとめることも、運営の効率化につなげます。
背景には、国内の上下水道事業に共通する、人口減少に伴う料金収入の減少、施設の老朽化、技術職員の不足、技術継承の課題があります。小諸市は将来にわたって持続可能な水道サービスを提供するため、2018年に公民共同企業体の水みらい小諸を設立。2019年10月から水道事業で官民連携を進めてきました。今回、その対象を下水道と農業集落排水にも広げます。
災害時の対応力と地域の技術継承も強化
事業では、平時だけでなく災害時も地域の水インフラを支える体制づくりを進めます。災害対応では初動から復旧までの迅速化を図り、市民生活への影響を抑えることを目指します。技術面では、経験者から若手への技術継承や官民の人材交流を進め、地元人材の採用・育成にも取り組みます。また、市内企業の活用を通じ、地域で水インフラを支える体制を整える方針です。
調印式当日には、災害時に安全な水を供給できる100t/日級の可搬式浄水装置「ORsistem®(オアシステム)-100」が展示されました。装置の前で記念撮影も行われ、災害対応力を高める取り組みを象徴する場となりました。同装置は、すでに配備されている給水車などとあわせ、災害対応体制をさらに強化する目的で、2026年度中に小諸市内の災害備蓄センターへ配備される予定です。
水みらい小諸の東郷友裕代表取締役社長は、2018年の設立以来、小諸市と将来ビジョンを共有して官民連携に取り組んできたと説明しています。今回の協定によって水道だけでなく下水道と農業集落排水まで範囲を広げ、管理と更新を一体で行う新たな段階に進むこと、市民生活を支える上下水道を担う責任を重く受け止めていることを述べました。また、官民が協力する本事業を、持続可能な運営と新たな価値創造の面で全国のモデルにしたいとの考えを示しています。
同社は、可搬式浄水装置の配備や日々の訓練を通じ、非常時にも市民の暮らしを守ることを重要な使命としています。今後はグループの技術力と全国ネットワークを活用し、事業運営に取り組むとしています。
水ing(すいんぐ)は、「生命の源である『水』を通じていつまでも社会に貢献し続ける『ing』」を経営理念に掲げる水処理事業会社です。浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、し尿処理場、民間施設など、水処理施設の設計・建設から運営、維持管理までを手掛け、運転・維持管理の拠点は国内約300か所にあります。「水の先をつくれ。」をブランドメッセージとし、安全安心な水環境の提供を通じて暮らしと街の未来を支えています。2026年からインフロニアグループの一員となり、グループ各社との連携で社会インフラを一気通貫で支える総合力を高め、価値創出に取り組んでいます。
| 要点 | 内容 |
|---|---|
| 取り組み | 上下水道一体の水の官民連携(レベル3.5・更新実施型) |
| 開始・期間 | 2027年4月1日開始、2037年3月31日までの10年間 |
| 更新区分 | 下水道処理施設は2027年4月1日から更新実施型。上水道施設と下水道管路は更新支援型で始まり、2029年4月から更新実施型へ移行予定 |
| 災害対応 | 100t/日級可搬式浄水装置を2026年度中に小諸市内の災害備蓄センターへ配備予定 |
| 協定総額 | 21,500,061,000円(税込) |
小諸市の取り組みは、水道に限られていた官民連携を下水道・農業集落排水へ広げ、施設管理、更新、災害対応、人材育成を一体で進める枠組みです。全国初とされる更新実施型の上下水道連携が、10年間の事業期間を通じて地域の水インフラをどう支えるかが注目されます。
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