BGB2025:注目ブランドとランキング総覧
ベストカレンダー編集部
2025年10月15日 17:25
BGB2025発表
開催日:10月15日
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世界のブランド価値が示す変化 ― Best Global Brands 2025 の全体像
インターブランドが2025年10月15日に発表した「Best Global Brands 2025(BGB 2025)」は、2000年のランキング開始以来26回目の公表となるグローバルなブランド価値ランキングです。本リリースはニューヨーク発で、インターブランドおよびインターブランドジャパンの発表資料に基づいています。発表文では、BGBにランクインしたブランドの合計ブランド価値が3.6兆ドルに達し、前年の3.4兆ドルから4.4%の増加となったことが示されています。また、報告書では「市場の課題に適応するブランド」の価値が1,500億ドルとなり、前年比で4.4%増加したとの表記もあります。
本ランキングは、グローバルに事業展開するブランドを対象に、ブランドの金銭的価値を算出して順位付けするもので、ISO 10668 に準拠した手法を基盤としています。調査にはオムニコム・グループが開発したAIソフトウェア「オムニAI」が導入され、調査範囲と精度が向上したと報告されています。BGBの詳細やランキング表、レポートは以下の公式ページで公開されています。
- BGBサイト: https://interbrand.com/best-global-brands/
- BGB ランキング表: https://interbrand.com/best-global-brands/global
- BGB レポートダウンロード: https://interbrand.com/best-global-brands/global-2025-report-download
発表の背景と調査の特徴
インターブランドは1974年の創業以来、ブランド価値評価の分野で長年の実績を持つ企業です。今回のレポートは、財務分析、購買意思決定におけるブランドの役割分析、ブランド強度分析という3つの主要分析を統合してブランド価値を算出しています。ブランド強度分析は、インターブランドが定義する10の要素に基づき、業界内外での相対比較を行うことで、ブランドの持続可能性や将来の需要を評価します。
また、レポートではESG(環境・社会・ガバナンス)活動の役割をブランド評価に統合している点が示されており、顧客体験だけでなく誠実な行動や社会的価値の提供がブランド価値の重要な構成要素として扱われています。オムニAIの導入により、調査のカバレッジと精度は6倍に向上したと報告されており、データ収集と解析の信頼性が高められています。
上位ブランドと注目の躍進ブランドの動向
ランキングのTop 3は昨年と変わらず、1位がApple、2位がMicrosoft、3位がAmazonとなりました。こうしたトップブランドは引き続き強固な財務基盤と顧客への影響力を持ち、ブランド価値の上位を維持しています。
一方で、デジタル技術とAIの台頭により急成長を遂げたブランド群も顕著です。特にNVIDIAはBGB史上最大の伸びを記録し、15位でブランド価値は432億ドル(+116%)に達しました。メディア・エンターテインメント分野でもInstagram(8位、+27%)が初めてトップ10入りを果たし、YouTube(13位、+61%)、Netflix(28位、+42%)などが大幅に順位を上げています。
注目ブランドの具体的な動き
NVIDIAの急成長はAIとデータセンター関連の需要拡大を背景にしています。インターブランド ブランドエコノミクス部門のグレッグ・シルバーマンは、卓越した製品マーケティングとエコシステムの支配力が成長を牽引したと指摘しています。一方で、長期的にはブランドストーリーテリングへの投資が必要だとされ、持続的成長のための警鐘も示されています。
メディア領域では、InstagramのEC展開やYouTubeのクリエイター経済への機能拡張、Netflixのゲームやスポーツ・ライブイベントへの進出がそれぞれ成長を支えています。これらのブランドは単に利用規模を拡大しただけでなく、収益化の新たな仕組みを確立することでブランド価値を高めています。
新規ランクインブランドと業界別動向
2025年は過去最多となる12の新規ランクインが記録されました。新規ランクインブランドは以下の通りです。
- BlackRock(31位)
- Booking.com(32位)
- Qualcomm(39位)
- GE Aerospace(44位)
- UNIQLO(47位)
- Schneider Electric(65位)
- Monster(70位)
- Nasdaq(85位)
- BYD(90位)
- Shopify(99位)
加えて、NVIDIA、Instagram、YouTube、Uber、Netflix、Nintendoといったブランドが順位を上げています。一方で、業界によっては逆風もみられ、自動車業界ではTeslaが競争激化で35%下落して25位に後退しましたが、Toyotaは2%成長し6位を維持し、自動車ブランドとして22年連続で最高位を保っています。
業界別の特徴とラグジュアリー、リテールの動き
メディア・エンターテインメント、テクノロジー、自動車、ラグジュアリー、小売りといった主要業界で明暗が分かれています。デジタルメディアは最も成長が大きく、エンターテインメント領域でのプラットフォーム化が価値向上に寄与しました。テクノロジー分野はAIやデータセンター需要の影響を大きく受けています。
一方でリテール業界は全体として逆風にさらされており、IKEAは-9%、H&Mは-13%のブランド価値減少が報告されています。そんな中でUNIQLOは177億ドルのブランド価値で47位に初めてランクインしました。UNIQLOのランクインは、日本ブランドとして自動車や電気以外の業界での初のランクインという点でも注目されます。
自動車業界の変化とラグジュアリーブランドの分化
自動車業界はEVを中心とした変革の中でブランド価値が大きく揺れています。Toyotaは6位を維持し堅調さを示した一方、Mercedes-Benz(10位)やBMW(14位)はトップ20内を維持しつつもブランド価値が10〜15%下落しました。BYDは90位で初めてランキング入りし、Teslaの競争相手として存在感を示しています。
ラグジュアリーブランドでは明暗が分かれ、Hermèsは21位で+18%と成長した一方、Louis Vuittonは12位で-5%、Chanelは24位で-8%と下落しています。Gucciは69位で-35%となりTop50から脱落しました。価格上昇や消費者セグメントの変化が影響している点が指摘されています。
評価手法、選定基準、インターブランドについて
インターブランドのブランド価値評価は3つの分析で構成されています。1) 財務分析、2) ブランドの役割分析(RBI: Role of Brand Index)、3) ブランド強度分析です。これらはISO 10668に準拠した手法であり、ブランドが企業にもたらす経済的影響を多面的に測定します。
ブランドの役割分析は購買意思決定におけるブランドの寄与を定量化するもので、RBIは市場調査、ベンチマーク比較、専門家パネルのいずれかの手法で導出されます。ブランド強度分析は10の要素に基づき、将来の需要と利益を生む力を評価します。
Best Global Brandsの選定基準
ランキングの対象となるためには、以下の基準を満たす必要があります。
- 公開データの充足
- ブランドの財務実績に関する十分な公開データが存在すること。
- グローバル収益
- 収益の相当部分が本国以外で生み出されていること。
- グローバルな存在感
- 世界的な認知度と新興市場への浸透があること。
- 長期的エコノミックプロフィット
- ブランドの資本コストを上回るリターンが期待されること。
- ブランド強度スコア
- ブランド強度スコアが50以上であること。
これらの要件により一部の有名ブランドがランキング対象から除外されることがある点も明記されています。インターブランドは手法とフレームワークを定期的に見直し、世界の変化に適応した評価を行うことを強調しています。
重要事項の整理と結論
以下の表は、本記事で紹介した主な情報を整理したものです。発表日、主要な数値、注目ブランドや新規ランクインブランド、評価手法などをまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表者 | インターブランド(Best Global Brands 2025) / インターブランドジャパン |
| 発表日 | 2025年10月15日(ニューヨーク発) |
| ランクインブランドの総ブランド価値 | 3.6兆ドル(前年比 +4.4%) |
| 市場適応ブランドの価値 | 1,500億ドル(前年比 +4.4%) |
| Top 3 | 1位 Apple / 2位 Microsoft / 3位 Amazon |
| 目立つ上昇 | NVIDIA(15位、+116%、432億ドル)、YouTube(13位、+61%)、Netflix(28位、+42%)、Instagram(8位、+27%) 等 |
| 新規ランクイン(主なもの) | BlackRock(31)、Booking.com(32)、Qualcomm(39)、GE Aerospace(44)、UNIQLO(47)、Schneider Electric(65)、Monster(70)、Nasdaq(85)、BYD(90)、Shopify(99) |
| 日本ブランドの状況 | Toyota 6位(+2%)/UNIQLO 初ランクイン47位(177億ドル) |
| 評価手法 | 財務分析、ブランドの役割分析(RBI)、ブランド強度分析(ISO 10668 準拠) |
| レポートや関連リンク | https://interbrand.com/best-global-brands/ , https://interbrand.com/best-global-brands/global , https://interbrand.com/best-global-brands/global-2025-report-download , インターブランドジャパン: https://www.interbrandjapan.com |
インターブランドの報告は、デジタル化とAIの進展がブランド競争における勝者を再形成していること、業界横断的なイノベーションや文化的関連性の構築、長期的なブランド投資の重要性を繰り返し示しています。今回のランキングは、伝統的強みだけに依存するブランドが成長の課題に直面する一方で、変化に適応し収益化の新たな軸を作ったブランドが評価を伸ばしたことを端的に示す結果となっています。
本記事はインターブランド及びインターブランドジャパンが公表したプレスリリースの内容を基に作成しました。詳細は上記の公式リンクおよびインターブランドジャパンの各種SNS(LinkedIn, Facebook, Instagram)をご参照ください。