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2025年6月 新書発売日カレンダー

2025年6月に発売する新書の新作単行本108作品を発売日順に一覧にしました。

2日

消された外交官 宮川舩夫

消された外交官 宮川舩夫

ソ連軍「満洲侵攻」80年目の真実 一九四五(昭和二十)年八月の日本降伏直後、ソ連第一極東方面軍の前線司令部が置かれていた僻村ジャリコーヴォで、「日ソ停戦交渉」が行なわれた。その場で通訳を務めたのは、在満洲国ハルビン日本総領事・宮川舩夫。だが彼は、単なる通訳ではなかった──。 〈当初、秦総参謀長から停戦会談への同行要請を受けた宮川は、こう答えたとされている。 「外務省に入って以来、今日まで、ソ連関係一筋の務めについてきました。今、国家の重大事に軍使に同行することは外交官として当然、かつ最後の御奉公であります」 (瀬島龍三著『幾山河』) 文字どおり、これが外交官・宮川舩夫の「最後の御奉公」となってしまったのだった。〉 ノンキャリアのロシア語通訳官として任官した宮川は、歴代の駐ソ大使に重用され、「日ソ中立条約」の締結交渉を陰で支えるなど、外務省きってのロシア通として知られていた。その一方で、ウラジオストク総領事やハルビン総領事などを歴任し、対ソ情報収集の最前線に立つインテリジェンス・オフィサーとしても八面六臂の活躍をした外交官だった。 しかし、終戦後まもなく、宮川は外交官の不逮捕特権を蹂躙され、ソ連軍に拘束・収監される。そして、隠密裡にモスクワの監獄へと送られ、起訴されることもないまま獄死した。そうした経緯が明かされたのは、ソ連が崩壊した一九九一年暮れのことだった。 なぜソ連は真実を隠し続けたのか──。 ソ連軍の満洲侵攻から八十年、その舞台裏が初めて明かされる。 【編集担当からのおすすめ情報】 「外交官・宮川舩夫」と言われても、多くの日本人はその名を知らないと思います。私自身、著者の斎藤充功氏から初めて教えられた人物でした。これまで、専門書以外では、ほとんどその動静や経歴が語られてこなかったノンキャリアの外交官です。 斎藤氏は、陸軍中野学校初代校長で終戦時にハルビン特務機関長だった“日本のスパイ王”秋草俊の足跡をたどる過程で、ハルビン総領事・宮川舩夫の存在を知り、関心を持ったそうです。そして今回、本格的に取材を進め、遺族にたどりつきました。遺族の元には多くの資料が残されており、宮川舩夫という有能な外務官僚の素顔が浮き彫りになったのでした。 「日ソ中立条約」締結から破棄へと至る舞台裏、そして「日ソ戦争」の陰で起きていた外交官の奮闘と悲劇が、本書で初めて明らかにされます。ぜひ書店で手に取ってご覧ください。 プロローグ 屈辱の日ソ停戦交渉 第一章 ハルビン陥落│「不当逮捕」された日本人外交官 第二章 修験者の末裔│山形からロシアへの道程 第三章 外務省きってのロシア通│「勉強がなによりです」 第四章 日ソ中立条約という頂点│対ソ外交の最前線 第五章 鳴らし続けた警鐘│熾烈な情報戦から降伏に至るまで 第六章 四十二年ぶりの遺書│遅すぎた「名誉回復」と家族の物語 エピローグ ”獄中写真”が物語るもの あとがき│どうしてこのような 宮川舩夫 略年譜 主要参考文献 主要人名索引

価格: 1,210円

著者: 斎藤 充功

出版社: 小学館

シリーズ: 小学館新書

サイズ: 新書

歌舞伎町弁護士

歌舞伎町弁護士

夜の街のルール、私がご案内しましょう 欲望渦巻く新宿・歌舞伎町では、日々、多様な事件が起きている。 詐欺師集団に全財産を奪われた地主の息子 性風俗店で本番トラブルを起こした霞が関官僚 お腹の子供のDNA鑑定を求める風俗嬢 留置場に入れられたスカウトマン そして医学部中退の若きデリヘル社長 トラブルに遭った人も、ナイトビジネスの経営者も、窮地に陥った時の強い味方が「歌舞伎町弁護士」だ。 3000件以上の風俗トラブルを担当したのを始め、ナイトビジネスにまつわる依頼を数多く解決してきた弁護士が、「弁護士バッジ」越しに見る“日本一の歓楽街”の現在と未来ーー さらに風営法改正、悪質スカウト問題、風俗合法化議論まで徹底解説する。 【編集担当からのおすすめ情報】 煌びやかなシャンデリアの下で、積み上げられたシャンパングラスーー皆さんが抱く「歌舞伎町」のイメージは、そういったものでしょうか。 それとも、泥酔した人が倒れ込み、怒声が響くいざこざがあちこちで起きているーーといったところでしょうか。 どちらも、ごく一部の側面でしかありません。 著者は、日本でも珍しい「ナイトビジネス」分野を得意とし、3000件以上の風俗トラブルを担当したのを始め、数多くの夜の紛争を解決してきた『グラディアトル法律事務所』の代表弁護士です。 これまでに様々な「歌舞伎町のリアル」を目の当たりにし、そこに生きる人の人生に寄り添うと同時に、ナイトビジネスの経営者の手助けを顧問弁護士という立場から行ってきました。 その道の第一人者として、風俗トラブル・風営法・売春防止法などに関連する事件・法律問題の解説のため、『朝日新聞オンライン』[『NHK北海道』『ゴゴスマ』(CBC)『ABEMA TV』『週刊SPA!』といったメディアに多数出演。『じっくり聞いタロウ〜スター近況(秘)報告』(テレビ東京)に、風俗トラブル解決の専門家として出演したこともあります。 そんな著者が、自身の経験をもとに“日本一の歓楽街”のまた違った横顔をまとめました。 「弁護士バッジ」越しに夜の街がどう見えるのかーーそれは本書でしか読めません。 序章 第一章 可哀想な男たち 第二章 怖い女たち 第三章 DNA鑑定 第四章 あるスカウトマンの逮捕 第五章 若き風俗王の肖像 第六章 ナイトビジネス入門ーー「風営法」(2025年風営法改正)徹底解説 第七章 売春の終着点 終章 歌舞伎町の未来

価格: 1,056円

著者: 若林 翔

出版社: 小学館

シリーズ: 小学館新書

サイズ: 新書

女性議員は「変な女」なのか

女性議員は「変な女」なのか

男社会で働くすべての女性たちへ! 祖父が国会議員の野田聖子と 実家はうどん屋の辻元清美。 生まれも育ちも正反対なのに、 なぜか仲の良いふたり。 「家に帰っても冷蔵庫は空っぽ(涙)」(辻元) 「いい人がいたら紹介するから」(野田) などと、本音トークが炸裂! そんな彼女たちは、 約30年もの間、超男社会の国会の中で、 「女のくせに変な人」と指差されながら、 己の信念に従って、議員を続けてきた。 それゆえ、対談は、 郵政民営化選挙や連立政権での造反など 乗り越えてきた政局や 党派を超えた協力によって成立した NPO法や児童ポルノ禁止法……、 そして現在進行中の選択的夫婦別姓の裏側、 また、次世代の女性議員のために作った塾や 若い議員に寄せる期待にまで話はおよぶ。 セクハラ・パワハラ、 おひとり様の悲哀、 育児・介護に老後など、 働く女性に共通に降りかかる悩みについても 深くえぐってくる。 後半はジャーナリストの長野智子氏をファシリテーターに、 政治家や企業重役の 一定の定数を女性に振り分ける クオータ制についての鼎談。 どう働き、どう政治にコミットしていくかを 改めて考えさせる 元気あふれるふたりのかしまし対談。 【編集担当からのおすすめ情報】 政治の本ですが、 難しいことはそんなに書いてありません。 政治家だからといって特別な人ではなく、 同じようなことで悩んで、挫折して、 幸せを感じて仕事を続けていることが伝わります。 政治について考えてみたいという人の とっかかりとしても最適です。

価格: 1,210円

著者: 野田 聖子/辻元 清美

出版社: 小学館

シリーズ: 小学館新書

サイズ: 新書

近親性交

近親性交

それは愛なのか暴力か。家族神話に切り込む 2008年、筆者は日本初となる加害者家族の支援団体を立ち上げた。 24時間電話相談を受け付け、転居の相談や裁判への同行など、彼らに寄り添う活動を続けてきた筆者がこれまでに受けた相談は3000件以上に及ぶ。 対話を重ね、心を開いた加害者家族のなかには、ぽつりぽつりと「家族間性交」の経験を明かす人がいた。それも1人2人ではない。筆者はその事実にショックを受けた。 「私は父が好きだったんです。好きな人と愛し合うことがそんなにいけないことなのでしょうか」(第一章「父という権力」より) 「阿部先生、どうか驚かないで聞いて下さい……。母が出産しました。僕の子供です……」(第二章「母という暴力」より) 「この子は愛し合ってできた子なんで、誰に何を言われようと、この子のことだけは守り通したいと思っています」(第三章「長男という呪い」より) これほどの経験をしながら、なぜ当事者たちは頑なに沈黙を貫いてきたのか。筆者は、告発を封じてきたのは「性のタブー」や「加害者家族への差別」など、日本社会にはびこるさまざまな偏見ではないかと考えた。 声なき声をすくい上げ、「家族」の罪と罰についてつまびらかにする。 【編集担当からのおすすめ情報】 社会的弱者・少数者をすくい上げる活動を続け、これまで『息子が人を殺しました』(幻冬舎)や『高学歴難民』(講談社)などを執筆してきた筆者が今、届けたいと渾身の力を振り絞って綴った最新作です。 「近親性交」というタイトルにギョッとさせられるかもしれませんが、そうして目をつむってきたことが、令和になっても家族間における性交のみならず、家族間での犯罪がなくならない理由のひとつなのかもしれません。読んでいただければ、決して他人事ではないと思っていただけるはずです。まずは「知る」ことから始めませんか。

価格: 1,100円

著者: 阿部 恭子

出版社: 小学館

シリーズ: 小学館新書

サイズ: 新書

2025年6月2日には、岩波書店 などから7冊の新書が発売されます。

3日

絶対「謝らない人」

絶対「謝らない人」

いま、急増している「絶対謝らない人」たち・・・ 「謝ったら死ぬ病」を読み解く。 ネットで炎上を繰り返す懲りないインフルエンサー、 過ちを指摘されても決して非を認めない政治家、 責められても屁理屈をこねて「言い負かす」ことに執着する著名人、 自分の失態だけはなぜかスルーする職場の同僚、 謝罪すべきなのに常に上から目線でイラっとさせる知人、 ミスを指摘するとむきになって反論してくる部下・・・ なぜいま、「謝ることのできない日本人」が増えてきたのか 自分に明らかに非があり、 どう見ても謝罪すべき状況に立たされても、 絶対謝ろうとしない人たちをよく目にするようになった。 非を認めるどころか、 逆に相手を攻撃したり、屁理屈をこねたり、 取り合わなかったりすることで、 明確な謝罪だけはしないように立ち回ろうとする。 なぜある種の人たちは、そこまで謝罪を忌避し、 自己正当化にこだわるのか。 「絶対謝らない人」の いびつな心理を読み解く。 「謝らない人」は 「タフ」なのか、ただの「バカ」か? 第1章 何があっても「謝らない人」が増えてきた ・ミスを指摘されると謝るどころかキレる人 ・平気で見え透いた言い訳をする人 ・自分ではなく、いつもまわりのせいにする人 など 第2章 「謝らない人」の、いびつな心理に迫る ・「謝罪は敗北」と考える人の偏った心理 ・「謝らない人」は、じつは自信がない人 ・メタ認知が機能しないため被害者意識さえ抱く など 第3章 そもそも「謝罪」とは何か ・「謝罪」に必要な7つの要素 ・容易に謝る「日本人の謝罪」の肯定的な側面 ・「自己中心の文化」と「間柄の文化」の謝罪の違い など 第4章 ほんとうの謝罪ができない人の胡散臭さ ・じつは全然謝っていない謝罪会見の定番セリフ ・戦略としての「謝罪」をする無反省な人々 ・謝れば許さられるという甘えが生む「偽物の謝罪」 など 第5章 ウソ、屁理屈、論破自慢、「謝らない日本人」はなぜ増えた? ・謝罪した人をさらに攻撃する風潮の広まり ・「マウントを取られたくない」という心理傾向の人の急増 ・ネット上に攻撃的な人物がよくみられる理由 など 第6章 「謝らない人」とどうつき合うか ・硝子のプライドを必死に隠している人の攻撃性 ・親切心が「いちゃもん」と曲解されるリスク ・相手の心理メカニズムがわかればイライラもなくなる など

価格: 1,155円

著者: 榎本博明

出版社: 詩想社

シリーズ: 詩想社新書

サイズ: 新書

2025年6月3日には、祥伝社 などから6冊の新書が発売されます。

2025年6月4日には、青春出版社 などから2冊の新書が発売されます。

5日

2025年6月5日には、講談社 などから3冊の新書が発売されます。

6日

ニッポン珍供養

ニッポン珍供養

日本人はなぜ「万物」を弔うのか? 現在、人間の葬儀の簡素化が急速に進んでいる。一方で、犬や猫などのペットが手厚く葬られ、さらにはロボット、スマホなど命なきものが供養されている。この逆転現象は一体何なのか? 現役の僧侶でジャーナリストの著者が、日本各地を取材し、私たち日本人の不思議な「弔う姿」を見つめる。そこに浮かび上がってきたのは、弔う側と弔われる側との間の「ストーリー」だった。 *本書は『ペットと葬式 日本人の供養心をさぐる』(朝日新聞出版)を大幅に改変し、加筆したものです。 ーはじめにより(抜粋)- 供養の対象物は、無限に広がっている。よく知られたところだと、人形供養や針供養、筆供養など「モノ」の供養が伝統的に続けられている。人びとが愛着を持って大切に使ってきた道具に対する感謝のこころが、「供養する」という行為に昇華されたものであろう。 だが、それだけにとどまらない。モノの供養は、メガネ、財布、パソコン、スマホ、パチンコ、車、入れ歯、郵便物……果てしなく広がる。道路や橋、太陽、月の供養なんてものも存在する。「道路の供養」には首を傾げてしまうが具体的には、鎌倉街道や道玄坂の墓などが存在する。道路を供養する目的は、どこにあるのか。さらに、天体である太陽や月がどうして弔いの対象になるというのだろう。不可解極まりない。本書では、その謎を解き明かす。 ー目次よりー 第1章 奇妙なモノ供養 第2章 動物を供養する 第3章 魚を供養する 第4章 昆虫を供養する 第5章 草木の供養 【著者略歴】 鵜飼秀徳(うかい・ひでのり) 作家、ジャーナリスト、浄土宗僧侶。1974年、京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。成城大学文芸学部卒業。新聞記者・雑誌編集者を経て、2018年に独立。2021年、正覚寺住職(三十三世)。主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆、講演などを続ける。著書に『寺院消滅』(日経BP)、『仏教抹殺』『仏教の大東亜戦争』(ともに文春新書)、『絶滅する「墓」』(NHK出版新書)など多数。最新刊に『仏教の未来年表』(PHP新書)。大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。一般社団法人良いお寺研究会代表理事。

価格: 1,012円

著者: 鵜飼 秀徳

出版社: 集英社インターナショナル

サイズ: 新書

天気予報はなぜ当たるようになったのか

天気予報はなぜ当たるようになったのか

私たちの生活に欠かせない「天気予報」はどのように作られているのか? 気象の予測技術開発、国際協力業務、「線状降水帯」の情報発表などに取り組んできた 元気象庁長官の著者が、その舞台裏をわかりやすく解説する! 身近だけれど、実は知らないことだらけの「天気予報」のしくみがわかる! 2025年は、日本の気象業務のはじまりから150年の節目の年! 【内容紹介】 ○「天気予報」の精度は上がり続けている! そのワケは? ○「降水短時間予報」は、ふたつのいいとこ取りの技術を使っている ○正しく知る「警戒レベル」と「防災気象情報」の意味 ○手ごわい「線状降水帯」。予測の切り札は次の「ひまわり」 ○「天気に国境はない」。気象データは無料・無制約で国際交換 ○地球温暖化は本当かフェイクかと論じている場合ではない ○「AI予報」で天気予報はどうなる? など ──「はじめに」より(一部再編集して抜粋) 学生時代、たまたま気象のことに関心を持ち、いろいろ本を読んだりしていたところ、天気予報のために、世界各国の気象機関が、毎日決められた時間に観測気球を一斉に上げているということを知りました。 グローバル化が進むずっと前から、世界各国の気象機関の人たちは、皆で示し合わせて、温度計や気圧計をぶらさげた気球を、一斉に空に放って観測を行い、直ちにそのデータを皆で交換し合っていたのです。ほかの人にとっては、どうでもいいことかもしれませんが、私はこのことに妙に感激してしまったのです。(中略) この本では、気象や気象学そのものというよりも、よりよい予報を出すための工夫、発表する情報に込める思い、天気予報に欠かせない国際協力など、いわば天気予報の舞台裏を紹介したいと考えています。 そうした舞台裏を覗いた読者のみなさんが、気象情報を今までよりも少しだけぬくもりのあるメッセージとして受け取ってくださるようになればとても幸せです。 【著者プロフィール】 長谷川直之(はせがわ・なおゆき) 元気象庁長官。一般財団法人気象業務支援センター理事長。1960年、東京都生まれ。武蔵高等学校を経て、1983年、東京大学理学部地球物理学科を卒業。同年、気象庁入庁。2020年10月、気象庁の組織改編に伴い新設された「気象防災監」に就任。2021年1月、第27代気象庁長官に就任し、2023年1月まで務める。

価格: 1,012円

著者: 長谷川 直之

出版社: 集英社インターナショナル

サイズ: 新書

2025年6月6日には、集英社インターナショナル などから2冊の新書が発売されます。

7日

95%の宇宙

95%の宇宙

宇宙の「わからない」浪漫に、ワクワクが止まらない! いまだそのほとんどが解明されていない宇宙。私たちが思っているよりももっとたくさんの謎が存在していて、現時点でわかっていることは、たった5%だといいます。「わからない」からこそ、私たちは長い間、宇宙に魅了され続けているのでしょう。 世の物理学者たちは、そんな謎につつまれた宇宙と向き合い、解明しようと研究を重ねています。それでもなお、いまだに「わかっていない95%」の宇宙とは、一体なんなのでしょう? そこで本書では、現時点で解明されていない宇宙の謎を紹介。また、宇宙を語るにはずせない「素粒子」「量子力学」「時間」「量子重力」における謎についても紹介し、さらなる謎に潜っていきます。そして、謎に対してどのような仮説が出ているのか、その仮説の反証には何が挙げられているのか、この謎のポイントはどこかなどを、気鋭の物理学者が解説します。ぜひ一緒に、「95%の宇宙の謎」について考えてみてください。 謎が解明されたら新たな謎が生まれるーーこの宇宙の浪漫に、ワクワクが止まらなくなるはず! 宇宙が好きな人はもちろん、社会人だけでなく、物理学を学びはじめた学生でもわかる“宇宙一面白くてわかりやすい”宇宙入門書です! 序章 なぜ宇宙には謎が多いのか? 「迷宮」のような宇宙 〜謎の分類〜 謎を解き明かす「科学」とは何か 調べれば調べるほど、新たな謎が生まれる宇宙 変化してきた宇宙観 宇宙の謎を解くための武器 第1章 宇宙の「始まりと終焉」の謎 相対性理論から導かれる「宇宙の始 まり」の謎 宇宙マイクロ波背景放射に隠されていた情報 宇宙の始 まりは本当にビッグバンか? 宇宙に物質が存在する謎 宇宙には星や銀河だけしかないのか?「ダークマター」の謎 宇宙の将来はどうなる?「宇宙終焉」の謎 第2章 素粒子の「数」と宇宙の謎 物質を細かく分割した「素粒子」の存在 宇宙にはなぜ粒子ばかりあって反粒子はほとんどないのか? 「ニュートリノ」に残る謎 標準模型の「構造」の謎 第3章 量子力学の「観測」と宇宙の謎 量子力学とは何か? 二重スリット実験の不思議 量子力学における観測の謎 量子もつれの謎 量子力学は世界全体の理論なのか? 第4章 時間の「存在」と宇宙の謎 時間と空間から時空へ 「時間の矢」という謎 なぜ時間は1次元なのか? 時間は存在するのか? 第5章 量子重力における「マルチバース」と宇宙の謎 相対性理論と量子力学の謎 量子重力理論の候補「超弦理論」の謎 宇宙は数えきれないほどたくさん存在している!「マルチバース」の謎 「ブラックホールの量子力学」の謎 ブラックホールとエントロピーの謎

価格: 1,045円

著者: 野村泰紀

出版社: SBクリエイティブ

シリーズ: SB新書

サイズ: 新書

専門医がやっている「がん」にならない50の習慣

専門医がやっている「がん」にならない50の習慣

「2人に1人はがんになる」時代の必読書 これまでの常識をくつがえす最新知識と、医学的エビデンスに基づいた、誰でも今日から実践できる食・運動習慣。 「がんにならないためには、今から何をすればいいのだろう?」 本書は、そんな不安と疑問を抱いている多くの人に向けて、 がん予防の正しい行動を、最新の医学的エビデンスから解説していく一冊です。 がんの専門医、研修者である著者が、数多くの論文から信用できる情報を抽出。 食事・運動・睡眠などに関する正しい知識を身につければ、「2人に1人はかかる」病気であるがんを予防するために、日頃から何に気をつければいいのかが分かります。 はじめに 1章 最新医学が証明! がんを寄せ付けない驚きの食習慣 ・卵を1日2個以上食べると、がん死亡リスクが3・2倍 ・毎日80g以上の赤肉を食べる女性は、大腸がんリスクが48%増 ・減量中に炭水化物をぬいてはいけない ・肝臓がんリスクが2倍になる「高AGE」の料理に要注意 ・アブラナ科野菜を週に105g食べると、がん死亡リスクが16%減 ・きのこの摂取量が多いほどがん全体のリスク減 ・「シュガーレス」「糖質オフ」の罠 ・コーヒーは好きなだけ飲んでよい  含む22項目 2章 運動嫌いでもできる! 本当に正しい、体の動かし方と休息の取り方 ・1日7時間座ると、乳がん、膵臓がん、肺がんのリスク増 ・筋トレは週に30分がベスト ・9時間以上の睡眠で乳がん、子宮体がんリスクが22%増 ・歯周病があると、膵臓がんリスクが74%増、死亡率が2・3倍 ・夫がたばこを吸う女性は、肺がんリスクが34%増 ・ピロリ菌除去すると、胃がんリスクが40〜50%増  含む13項目 3章 がんにまつわる素朴な疑問 ・がん家系って本当にあるの? ・花粉症の人はがんになりやすい? ・笑うことががん予防になるって本当? ・便秘の人はがんになりやすい? ・がんになりやすい血液型はある? ・電磁波を浴びるとがんになる?  含む15項目 おわりに

価格: 1,045円

著者: 佐藤典宏

出版社: SBクリエイティブ

シリーズ: SB新書

サイズ: 新書

2025年6月7日には、SBクリエイティブ などから3冊の新書が発売されます。

2025年6月9日には、中央公論新社 などから2冊の新書が発売されます。

10日

天才作戦家マンシュタイン 「ドイツ国防軍最高の頭脳」--その限界

天才作戦家マンシュタイン 「ドイツ国防軍最高の頭脳」--その限界

ウクライナの戦野に立ち、作戦で第二次世界大戦を変えた知将。 ・参謀では、フランスを早期降伏に追い込んだ作戦計画を立案。 ・軍団長では、装甲部隊運用の名手であるグデーリアン将軍をも顔色なからしめるような機動戦を展開。 ・軍司令官では、クリミア・黒海の大要塞セヴァストポリを陥落せしめた。 ・軍集団司令官では、圧倒的なソ連軍を相手にみごとな防御戦を進め、ときには主力を殲滅した。 戦略・作戦・戦術。戦争の三階層において、上位次元の劣勢を下位からくつがえすことはほぼ不可能だが、マンシュタインはそれを果たした。 彼はドイツ国防軍最高の頭脳と称され、連合軍からも恐れられた。だが、その栄光には陰影がつきまとっている。ナチの戦争犯罪を黙認したのではないか、と。 ロンメル、グデーリアン同様、日本では独ソ戦「英雄」の研究は遅れていた。天才の全貌を描く、最新学説による一級の評伝! ■スターリングラードの廃墟で耐え忍ぶ兵士は「守り抜け、マンシュタインが助け出してくれる」とのスローガンを唱えた ■戦争犯罪人とされた訴因の半数以上はクリミアで起きた事件 【目次】 序章 裁かれた元帥 第一章 マンシュタイン像の変遷ーーテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼ 第二章 サラブレッド 第三章 第一次世界大戦から国防軍編入まで 第四章 ライヒスヴェーア時代 第五章 ヒトラー独裁下の参謀将校 第六章 作戦課長から参謀次長へ 第七章 立ちこめる戦雲 第八章 「白号」作戦の光と影 第九章 作戦次元で戦略的不利を相殺する 第一〇章 作戦次元の手腕ーー軍団長時代 第一一章 大要塞に挑む 第一二章 敗中勝機を識る 第一三章 「城塞」成らず 第一四章 南方軍集団の落日 第一五章 残光 終章 天才作戦家の限界 あとがき 主要参考文献

価格: 1,320円

著者: 大木 毅

出版社: KADOKAWA

シリーズ: 角川新書

サイズ: 新書

2025年6月10日には、KADOKAWA などから8冊の新書が発売されます。

11日

運を引き寄せる成功の極意

運を引き寄せる成功の極意

これは、異形のビジネス書である! 運とツキを自在に操る 「勝負の鬼」が明かす 56の勝ち抜く技術 ●無敗の男が語る「勝負の向こう側にあるもの」 先行きが不安、不透明な時代には、 人間が本来持っているものや「感覚」の重要性が問われているのではないか、 という危機意識が本書の根幹。 感覚を研ぎ澄まし、麻雀の道を切り拓いてきた著者は、 「運と勘を支配する」ことで生き抜いてきた。 そうやってたどり着いた「本当の強さ」について、 本書で初めて語る。 インタビュアーは、著者が稀代の勝負師として認める、羽生善治氏。 勝負師が勝負師に尋ねることで、 著者から独特の感覚値をこれまでにない言葉で引き出す。 ●「運」「身体」「感覚」「勝負」「生き方」 〜5つのキーワードからひも解く、強く柔らかい生き方〜 勝負師として著者が残した数々の伝説は、 「ツキ」や「運」を超えて(第1章) 「身体」を柔らかく使い(第2章) 「感覚」を研ぎ澄まし(第3章) 「勝負」を超えた面白さに身を置いたことで(第4章) 強い「生き方」を手に入れた(第5章) 本書は、この5つのキーワードをもとに、 「運を動かし、いかにコントロールをするか」 「緊急事態でも瞬時に対応できる身体の使い方」 「感覚をいかに研ぎ澄ますか」 「勝負の雌雄を決するもの」 「勝つことよりも、強さを目指せ」 「勝負を超えた向こう側に見えるもの」 「柔らかく生きる」など、 ビジネスの現場に活かせるヒントが満載です。 本書は、2011年に刊行された「運を超えた本当の強さ」(日本実業出版社)に 加筆修正を加え新書化したものです。

価格: 1,100円

著者: 桜井 章一

出版社: ポプラ社

シリーズ: ポプラ新書 275

サイズ: 新書

2025年6月11日には、KADOKAWA などから19冊の新書が発売されます。

13日

領主に恋した醜いあひるの子

領主に恋した醜いあひるの子

家政婦の娘はシンデレラになれない。 たとえ、王子様の子を宿しても。 貧しい家族の窮地を救うため、ポピーは夢をあきらめて、 母の奉公先の領主館で家政婦として働いていた。 だがある日、金目当てに母が領主館の醜聞を売り、 激怒した主のガエタノから、即刻立ち退きを命じられる。 ポピーは初恋の彼に許しを請うが、取りつく島もなかった。 すると翌日、ガエタノに呼び出され奇妙な要求を突きつけられる。 「きみの家族を救う代わりに、ぼくの偽の花嫁になるんだ」 そんな……。でも、これは期限付き。長くは続かない。 ポピーはやむにやまれずうなずくが、新婚初夜に純潔を捧げ……。 言わずと知れたハーレクイン・ロマンスの最重鎮リン・グレアムの作品をお贈りします。さえない容姿が原因で、御曹司ガエタノに淡い初恋の想いを打ち砕かれた過去を持つポピー。いま、美しく成長した醜いあひるの子を前にし、求婚してきたガエタノの思惑は……。

価格: 730円

著者: リン・グレアム/山本翔子

出版社: ハーパーコリンズ・ジャパン

シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊 ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊 PB411

サイズ: 新書

2025年6月13日には、朝日新聞出版 などから14冊の新書が発売されます。

2025年6月16日には、交通新聞社 などから1冊の新書が発売されます。

17日

2025年6月17日には、集英社 などから6冊の新書が発売されます。

18日

2025年6月18日には、星海社 などから15冊の新書が発売されます。

19日

「書くこと」の哲学 ことばの再履修

「書くこと」の哲学 ことばの再履修

読み終えると、なぜか「書ける自分」に変わっている! 37年間、書くことで生きてきた著者が明かす、技術よりも大事な思考と実践。 書くことは考えることーーあなたはなぜ「書けない」のか? 千葉雅也氏、推薦! 「より自由に書くための基礎理論がここにある。  僕も何度も読み返すことになるだろう。  何かを書こうとするすべての人にお薦めする」 <本書の内容> 第一部 「書けなさ」から脱出するためのマインドセット/マインドハック 第一講 日本語を「外国語」として学びなおすこと 第二講 「ことばにできないもの」はどこにあるのか? 第三講 書いてはならない? 第四講 上手な文章、下手な文章 第五講 ことばの多様性 第六講 ロジックとレトリック 第七講 話し言葉と書き言葉 第八講 反射神経について 第九講 スローライティング 第十講 ことばと思考 第二部 書き終えるまで 第十一講 書き始めるまえに 第十二講 書き始めるために 第十三講 書き進めるために 第十四講 書き続けるために 第十五講 書き終えるために 第十六講 書き終えたあとに 補講一 人称について 補講二 外国語について 「書くこと」の倫理について──あとがきを兼ねた補講三

価格: 1,210円

著者: 佐々木 敦

出版社: 講談社

シリーズ: 講談社現代新書

サイズ: 新書

となりの陰謀論

となりの陰謀論

トランプは「闇の政府」と戦っている!? オバマもバイデンもすでに処刑された!? 陰謀論はどこで生まれるのか? そして、なぜ信じてしまうのか? 現代世界を蝕む病の正体を、気鋭のメディア研究者が明かす! 「陰謀論を生み出し増殖させるのは、人間の中にある「この世界をシンプルに把握したい」という欲望と、何か大事なものが「奪われる」という感覚です。これらの欲望や感覚は一部特定の人間だけが持つというよりは、社会状況に応じて誰の中にも芽生えてくるものだからです。  本書を通じて、陰謀論が誰にでも関わりのある身近な問題であり、それゆえ現代社会の抱える根源的な諸課題と深いところで繫がっていることへと思いを馳せてもらえるのであれば、筆者としては望外の喜びです。  陰謀論は非常識な「彼ら/彼女ら」の問題ではなく、現代を生きる「われわれ」自身の問題であることに気づくことが、「陰謀論が支配する社会」という最悪のシナリオを回避するための肝心な一歩だと思います。」  --「はじめに」より 【本書の内容】 ・「パラレルワールド化」する世界 ・陰謀論は「他者の邪悪さを描き出す物語」 ・トランプとヒトラーの手法の共通点 ・陰謀論を拡散する「意外な犯人」 ・秘密結社「フリーメイソン」と陰謀論 ・アメリカの「不正選挙陰謀論」はなぜ拡散したか? ・自尊心を支える「陰謀論的思考」 ・アメリカの病を映し出す「あるベストセラー」 ・日本に忍び寄る「陰謀論政治」のあやうさ ・「陰謀論による支配」を回避するために     ……ほか

価格: 990円

著者: 烏谷 昌幸

出版社: 講談社

シリーズ: 講談社現代新書

サイズ: 新書

2025年6月19日には、講談社 などから3冊の新書が発売されます。

20日

戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない

戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない

ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナ・ガザへの非人道的な攻撃。目まぐるしく国際情勢が変化するなか、この二つの戦争に向き合い、プーチンとネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)。日本人として初めてそのトップに就任した著者は、ほどなくしてプーチンから逆指名手配を受けることにもなった。さらにはトランプ大統領の大統領令による経済制裁を受けるなど、世界規模の戦争犯罪に向き合ってきた国際刑事裁判所はいま、存続の危機に立たされている。 第二次世界大戦後にホロコーストに向き合ったニュルンベルク裁判、日本の戦争責任を裁いた東京裁判。二つの軍事法廷裁判にルーツをもち、曲がりなりにも平和を希求する国際秩序の礎であり続けてきた国際刑事裁判所とはいかなる機関なのか。二つの戦争という異例の事態にどう向き合ったのか。「世界の警察」アメリカが過去のものになりつつある戦後国際秩序の行方とはーー。 「世界で起きていることは、やがて日本でも起きること」。「力による支配」がむき出しになりつつある今こそ「法の支配」による安全保障が必要だ。 「ウクライナ戦争の勃発で完全に覚醒した」と語る赤根さんが、その奮闘を通じて未来への責任を語りかける。 プロローグ プーチンから指名手配を受けた日 1章 二つの戦争の狭間で 国際刑事裁判所が戦争に対峙する 2章 国際刑事裁判所とは 戦後80年を前に 3章 私はこんなふうに歩いてきた  4章 国際刑事裁判所と世界の未来ーー戦後秩序はどこへ行く?

価格: 1,045円

著者: 赤根 智子

出版社: 文藝春秋

シリーズ: 文春新書

サイズ: 新書

会社は社員を二度殺す 日本の過労死

会社は社員を二度殺す 日本の過労死

2014年に過労死防止法が制定され、「働き方改革」が叫ばれるなかでも後を絶たない日本の過労死。しかもそれは一部のブラック企業のみならず、電通、三菱電機、東芝、NHKといった有名大企業内でも繰り返し起き、まったく同じ部署で二度目が発生したケースも存在する。 「働き方改革」が労働強化と自己責任化を迫り、AI/テクノロジーの伸展が過労うつや自死を加速させる逆説。労災の賠償金が企業内でコスト化され、その減額を争う訴訟では「命の値段」の差別化が進むディストピア的風潮も生んでいる。そのほか近年急増している「発達障害いじめ」や「ハラスメントうつ」事案など、過労死のすそ野は多様化の様相を呈する。 そして不幸にして過労死に至ったケースでも、その門前には遺族が労災申請しなければ、「何も起こっていないのと同じ」という“親告罪”的ハードルが立ちはだかる。残業が月100時間を超えていた証拠があっても、会社を告発する痛切な遺書が残されていようとも、労基署がみずから調査にやって来ることはない。また、たとえ申請が通って労災を認められても、会社を民事で訴えて勝たない限り会社がペナルティを受けることもない。しかもその法廷では賠償額を極小化したい会社側により、徹底的に故人の過失や脆弱性が挙げつらわれ、同僚への箝口令、証拠隠しは勿論、失恋や家庭内の問題といった個人的理由をでっち上げるなど、遺族のメンタルまで破壊される地獄が待つ。 会社のために働き命を落とした故人に対し、豹変した会社が遺族におこなう故人への徹底的な侮辱と攻撃。ベストセラー『ブラック企業』以降の著作で企業の「使い潰し」労務管理を告発してきた著者が、過労死遺族からしばしば聞いてきた「私の夫は二度殺されました」という言葉。その言葉が意味する非情な実態を、多くの過労死事例とその後の訴訟経過をあわせルポする。

価格: 1,155円

著者: 今野 晴貴

出版社: 文藝春秋

シリーズ: 文春新書

サイズ: 新書

引きこもり・不登校からの逆転

引きこもり・不登校からの逆転

本来なら学校に行っているはずのわが子が毎日家にいる。その姿を見る親や家族は、これほどつらく悲しく、無念なことはないと言う。学校も、そこにいるはずの子どもがいない、寂しく残念なことだと嘆く。子どもの数は減りながら、不登校は全国あまねく、男女の別なく、親の職業にも関係なく、発生比率を高めて増え続けている。現在、地域で差はあるが、小学生は25人に1人、中学生は10人に1人が不登校のようだ。 また、教室でなく別室に登校する子どもたち、フリースクール等に通う子どもたちを加えれば、その数はさらに増す。高校生は休学や退学、進路変更のことがあるので正確な数の把握は困難であるが、不登校の子どもたちの多くが進む通信制単位制高校の卒業率が、ごく少数の高校を除いて、3割程度と言われているので、学校不参加の子どもたちは膨大な数にのぼる。加えて社会的引き籠もりの人たちの数を入れると、この問題はこの上なく深刻である。  学校は、子どもが人に成るために必修の学びと生活の場であり、就学し、願う学歴を取得するところである。わが国の学校教育は一律の就学を制度としている。そのおかげで私たち日本人は、等しく教育を受ける機会を得て、生きるために必要な知識や技能を習得する。また、人と時間を共有して、より好ましい人間性を身につけ、その人らしい意味ある人生を全うする契機を得る。学校は価値ある人生を創造する貴重な学びの場である。  不登校問題は一日も早い解決が必要である。再登校や再就学が実現したときの子どもたちの安堵とうれしい表情は、実に爽やかで美しい。周囲の喜びも一入である。幸せが訪れる。私たち日本人は、この問題の発生を抑止し、子どもたちの再登校と再就学を具現するために、この問題を他人事にすることなく、愛と知恵、感性、行動力を結集して問題解決を図り、幸福感をともにする必要がある。  かなり長い年月、いくつかの心理職の資格を得て、市井の片隅で、新生児から大学生までの子どもたち、親や家族、そして教師などの教育相談(カウンセリング)に携わってきた。子どもたちが抱えるあらゆる問題に関わってきたが、昨今、特に多いのは不登校問題の相談依頼である。 不登校問題に関する教育相談のねらいは再登校と再就学の実現である。それは、この問題の本質と個々の事例の問題の所在を正しく理解し、手だてを工夫し、手順に従い、知恵と感性をはたらかせれば、再登校と再就学はほぼ実現する。この書では、心理療法を学び、また数多くの臨床事例から習得した不登校問題の解決のための考え方や具体的な方策を明らかにする。 また、これまでの教育相談で、子どもたち、親や家族、教師等からたくさんのことを学んだ。それらを基に、不登校を生まない子育てや学校教育のあり方、社会一般の人たちへの関与の願いなどの提言を行う。行政当局への要望等も付した。

価格: 1,210円

著者: 海野 和夫

出版社: 文藝春秋

シリーズ: 文春新書

サイズ: 新書

2025年6月20日には、中央公論新社 などから16冊の新書が発売されます。

2025年6月24日には、岩波書店 などから1冊の新書が発売されます。