青色申告特別控除で税金はいくら減る?

対象は、青色申告の承認を受けた事業所得・不動産所得の人です。不動産所得だけで事業的規模でない人は最高10万円です。

減る税額 約131,300円

控除額 650,000円・所得税+復興 66,300円+住民税 65,000円

金額を0以上、100億円までの数で入れてください。

国税庁 No.2072・No.2070・措置法25条の2で計算(令和8年分・2026年10月4日確認)

目安。最終的な額は確定申告で決まります。

青色申告特別控除前の所得(事業+不動産)4,000,000円
青色申告特別控除(上限65万円・所得まで)−650,000円
控除後の所得(合計所得金額)3,350,000円
所得税の課税所得(控除なし→あり)2,960,000円→2,310,000円
所得税+復興特別所得税(202,600円→136,300円)−66,300円
住民税の所得割10%(357,000円→292,000円)−65,000円
減る税額の合計(目安)131,300円

控除前の所得は、青色申告決算書・収支内訳書の事業所得と不動産所得(規模を問わず)の合計で、青色申告特別控除を引く前の金額です。基礎控除は、控除を引いた後の合計所得金額で決まるので自動で入れています(令和8・9年分: 489万円以下104万円・655万円以下67万円・2,350万円以下62万円。住民税は43万円)。ほかの所得控除(社会保険料・iDeCo・生命保険料・扶養など)は合計を入れると、所得税と住民税で同じ額として計算します。国民健康保険料も下がることがあります(賦課限度額に達している人は変わりません)が、額は自治体ごとに違うのでここでは計算しません。

青色申告特別控除で税金が減るしくみ

青色申告特別控除は、青色申告の承認を受けた人が、不動産所得・事業所得の金額から最高65万円(令和9年分以後は75万円)を差し引ける制度です(租税特別措置法第25条の2、国税庁 No.2072)。税金は次の順に減ります。

  1. 控除額=控除の上限と、控除前の所得(事業所得+不動産所得)の小さいほう。所得が上限より少ない年は、所得の額までしか引けません
  2. 所得税は、控除後の所得から基礎控除などを引いた課税所得に、速算表の税率をかけて計算し、復興特別所得税(2.1%)を足します(令和9年分は復興特別所得税1.1%+防衛特別所得税1%で、合わせて2.1%)。控除のあり・なしで税額を比べた差が「減る税額」です
  3. 住民税の所得割(10%)も、控除後の所得をもとにするので同じように減ります

基礎控除(国税庁 No.1199)は合計所得金額で段が変わります。控除を引いた後の所得が489万円以下になると、基礎控除が67万円から104万円に上がるので、控除の効果が上乗せされて見えることがあります。

個人事業税の計算では、青色申告特別控除を引けません。所得に足し戻して計算します(個人事業税の計算)。

控除前の所得ごとの減る税額(早見表)

控除前の所得令和8年分 65万円令和8年分 10万円令和9年分 75万円
100万円57,000円10,000円57,000円
200万円98,200円15,100円113,300円
300万円98,700円15,600円113,800円
400万円131,300円20,200円151,600円
500万円273,300円30,500円294,600円
700万円208,000円30,500円238,400円
1,000万円256,400円43,700円289,900円

基礎控除以外の所得控除が0円の人の目安(所得税+復興特別所得税+住民税10%)。社会保険料などの所得控除があると、課税所得が小さくなるぶん減る額も小さくなります。

控除の種類と要件(令和8年分・令和9年分)

  • 令和8年分(2027年春の確定申告): 65万円は、複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添えて期限内に申告したうえで、e-Taxで送信するか、優良な電子帳簿で保存している場合。55万円は複式簿記・期限内の申告。それ以外の青色申告は10万円です(国税庁 No.2072)。現金主義の特例を選んでいる人は55万円・65万円を受けられません。
  • 令和9年分以後: 令和8年度税制改正で、複式簿記+e-Tax提出が65万円、そのうえ仕訳帳・総勘定元帳を優良な電子帳簿で保存すると75万円になります(特定電子計算機処理システムを使い、電子取引データを要件どおり保存する経路もあります。措置法第25条の2第5項第2号)。55万円の控除はなくなり、e-Taxで出さない場合は10万円の扱いです。令和8年3月31日に成立した改正です(財務省の大綱・国税庁のリーフレット)。
  • 10万円の控除: 令和9年分以後は、簡易簿記で記録し、前々年分の事業所得または事業的規模の不動産所得の収入が1,000万円を超える人は、10万円の控除も受けられなくなります。事業的規模でない不動産所得は、これまでどおり最高10万円です(国税庁のリーフレット)。

青色申告特別控除の落とし穴

  • 承認申請が要る: 青色申告の承認申請書は、原則としてその年の3月15日まで(新たに開業したときは業務を始めてから2か月以内)に税務署へ出します(国税庁 No.2070)。承認を受けていない年は、白色申告で青色申告特別控除は使えません。
  • 期限後は10万円: 55万円・65万円は申告期限内に出すことが要件です。
  • 赤字の年は引けない: 控除の対象は所得の金額までです。赤字の年は特別控除を引けませんが、青色申告なら赤字を3年間繰り越せます(国税庁 No.2070)。このページは所得が0円以上の人の計算です。
  • 不動産所得だけの人は事業的規模が条件: 事業所得がある人は、不動産所得も規模を問わず合計に入ります。不動産所得だけで、貸付けが事業的規模でない(業務的規模)人は最高10万円です。
  • 個人事業税は引けない: 青色申告特別控除は所得税・住民税の計算で引く控除で、個人事業税は引けません(個人事業税の計算)。

この計算に入れていないもの

  • 給与などほかの所得: 副業の人の給与所得などは入れていません。ほかの所得があると課税所得が大きくなり、減る額も大きくなります。
  • 住民税の細かい差: 所得割10%の目安です。均等割・非課税の判定・調整控除、所得税と住民税の所得控除の差(基礎控除以外)は入れていません。
  • 国民健康保険料: 自治体ごとの計算なので額は出しません。
  • 山林所得・青色事業専従者給与: 山林所得の10万円控除・専従者給与は入れていません。
  • 令和9年分の端数: 令和9年分は復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%をそれぞれ円未満切り捨てで計算しています(国税庁 No.2260)。

値は国税庁のタックスアンサー・リーフレット、財務省の大綱、e-Govの租税特別措置法・地方税法で確かめています。

青色申告特別控除のよくある質問

青色申告特別控除の65万円と55万円は何が違う?

令和8年分までは、複式簿記で記帳して貸借対照表・損益計算書を添えた申告書を期限内に出せば55万円です。それに加えて、e-Taxで確定申告書・決算書を送信するか、優良な電子帳簿(電子帳簿保存法)で保存すると65万円になります(国税庁 No.2072)。令和9年分以後は、55万円の要件にe-Taxでの提出が加わって65万円に引き上げられ、55万円の控除はなくなります(令和8年度税制改正の大綱)。

令和9年分から75万円になるのは本当?

令和8年3月31日に所得税法等の一部を改正する法律が成立し、令和9年分以後の所得税から、複式簿記・e-Tax提出に加えて、仕訳帳・総勘定元帳を一定の要件を満たす電磁的記録で保存している人(優良な電子帳簿)は75万円になります(財務省・国税庁の資料)。令和8年分(2027年春の確定申告)は65万円が最高です。このページは年分を選んで両方を計算できます。

不動産所得だけでも使える?

事業所得がある人は、不動産所得も(規模を問わず)事業所得と合計した金額が控除の限度です(国税庁 No.2072)。不動産所得だけの人は、貸付けが事業的規模なら最高65万円(令和9年分以後は75万円)まで使えます。事業的規模でない不動産所得は最高10万円です。

期限後に申告したら?

55万円・65万円の控除は、貸借対照表・損益計算書を添えた確定申告書を期限内(原則翌年3月15日)に出すことが要件です。期限後になると、10万円の控除になります(国税庁 No.2072)。

国民健康保険料も下がる?

青色申告特別控除を引いた後の所得が住民税や国民健康保険料の計算のもとになる自治体が多いので、保険料も下がることがあります(賦課限度額に達している人は変わりません)。保険料は自治体ごとに計算が違うため、このページでは額を出しません。

2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月4日)。出典: 国税庁 No.2072 青色申告特別控除 / 国税庁 No.2070 青色申告制度 / 国税庁 No.2260 所得税の税率 / 国税庁 No.1199 基礎控除 / 国税庁 令和9年分から青色申告特別控除はどう変わる?(令和8年4月) / 財務省 令和8年度税制改正の大綱(青色申告特別控除の見直し) / 財務省 ファイナンス 令和8年度税制改正(令和8年3月31日に所得税法等の一部を改正する法律が成立) / e-Gov 法令検索 租税特別措置法(第25条の2 青色申告特別控除) / e-Gov 法令検索 地方税法(第314条の2 住民税の基礎控除)