不動産を売ったときの税金はいくら?(譲渡所得税)
不動産を売ったときの税金の計算のしかた
土地・建物を売って利益(譲渡所得)が出たときの税金は、給与などと合算せず、ほかの所得と分けて計算します(国税庁 No.3202)。
- 譲渡所得の金額=売った金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除。特別控除は、マイホームを売ったときの3,000万円などの特例を使うときだけ引きます
- 課税譲渡所得金額は千円未満を切り捨てます
- 税額は、売った年の1月1日で所有期間が5年を超えるか(長期)、5年以下か(短期)で税率が変わります。復興特別所得税(所得税額の2.1%)は所得税と一緒に納めます
| 区分 | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 |
|---|---|---|---|
| 長期(5年超) | 15% | 所得税額×2.1%(令和9年分以後は復興1.1%+防衛1%) | 5% |
| 短期(5年以下) | 30% | 同上 | 9% |
| 10年超のマイホーム(6,000万円以下の部分) | 10% | 同上 | 4% |
長期はNo.3208、短期はNo.3211、軽減税率はNo.3305(6,000万円を超える部分は15%・5%)。国税庁の計算例では、課税長期譲渡所得金額が4,000万円なら所得税600万円・復興特別所得税12万6,000円・住民税200万円です。
譲渡所得ごとの税額(早見表)
| 譲渡所得(特別控除の前) | 長期・マイホーム以外 | 長期・3,000万円控除 | 短期・マイホーム以外 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 1,015,700円 | 0円 | 1,981,500円 |
| 1,000万円 | 2,031,500円 | 0円 | 3,963,000円 |
| 2,000万円 | 4,063,000円 | 0円 | 7,926,000円 |
| 3,000万円 | 6,094,500円 | 0円 | 11,889,000円 |
| 5,000万円 | 10,157,500円 | 4,063,000円 | 19,815,000円 |
| 8,000万円 | 16,252,000円 | 10,157,500円 | 31,704,000円 |
所得税・復興特別所得税・住民税の合計(令和8年分の目安)。3,000万円控除は所有期間の長短に関係なく使えますが、短期の列は控除なしで並べています。
所有期間は「売った年の1月1日」で数える
- 5年超か5年以下か: 売った日ではなく、売った年の1月1日で数えます(租税特別措置法第31条)。取得の日の翌日から数えるので、2026年に売る場合は2020年12月31日までに取得したものが5年超(長期)、2021年1月1日以後の取得は5年以下(短期)です
- 10年超: 軽減税率の特例は、売った年の1月1日で10年を超えていることが条件です(2026年に売る場合は2015年12月31日までに取得)。家屋と敷地の両方が10年を超えている必要があります(No.3305)
- 相続・贈与で取得した: 原則として、被相続人・贈与者が取得した日から数えます(No.3202)。このページでは、その取得した日を入れてください
マイホームを売ったときの特例
- 3,000万円の特別控除: 自分が住んでいる家屋、以前に住んでいた家屋(住まなくなって3年を経過する日の属する年の12月31日まで)などを売ったときは、譲渡所得から最高3,000万円を引けます。親子・夫婦など特別の関係がある人への売却、売った年・前年・前々年にマイホームの買換え・交換の特例を受けている場合、前年・前々年に同じ特例などを使っている場合、収用等の特別控除など他の特例を受けている場合は使えません(No.3302)
- 10年超所有の軽減税率: 売った年の1月1日で10年を超えるマイホームは、3,000万円を引いた後の課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の部分の所得税が10%に下がります(住民税4%)。3,000万円の特別控除と重ねて使えます(No.3305)
- 住宅ローン控除との関係: 3,000万円控除や軽減税率を使うと、新居に入居した年・前年・前々年に使った人、入居した年の翌年から3年目までに旧居を売って使う人は、新居で住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けられません(No.3302)
- どちらも確定申告が条件: 特例を使うと税額が0円になるときも、確定申告をして譲渡所得の内訳書などを出します
この計算に入れていないもの
- 建物の減価償却: 取得費に入れる建物の額は、購入代金から所有期間中の減価償却費相当額を引いた額です。このページには入力欄がないので、減価償却費の計算で出した額を引いてから、取得費に入れてください
- ほかの特例: 相続した空き家の特例、事業用資産の買換え特例、マイホームの買換え特例・譲渡損失の特例(No.3370)、収用などの特別控除、法人の売却は計算しません
- 令和9年(2027年)分以後: 復興特別所得税が1.1%に下がり、防衛特別所得税(基準所得税額の1%)が加わります。合計は2.1%のままです。このページは売った日が2027年なら、復興1.1%と防衛1%に分けて計算します(国税庁 No.2260・財務省 令和8年度税制改正の大綱)。売った日は2025〜2027年のものだけ受け付けます。基準所得金額が3.3億円を超える人の特例も計算しません
- 住民税: 道府県民税と市町村民税を別々に百円未満切り捨てて足した目安です(地方税法附則第34条・第34条の3・第35条)。調整控除などは入れていません
不動産を売ったときの税金のよくある質問
不動産を売ったら確定申告は必要?
譲渡所得が出たときは、売った翌年の確定申告で申告して税金を納めます。マイホームの3,000万円特別控除や10年超所有の軽減税率は、確定申告をすることが適用の条件なので、控除で税額が0円になるときも申告が必要です(国税庁 No.3302・No.3305)。譲渡損が出て特例も使わないときは、納める税金はありません。
所有期間はどう数える? 5年超・10年超の判定は?
売った日ではなく、売った年の1月1日で数えます(租税特別措置法第31条)。取得の日の翌日から数えるので、売った年の1月1日に所有期間が5年を超えるのは、売った年の6年前の12月31日までに取得したものです(2026年に売るなら、2020年12月31日までに取得)。10年超は売った年の11年前の12月31日まで(2026年に売るなら2015年12月31日まで)。相続・贈与で取得したものは、原則として被相続人・贈与者が取得した日から数えます(国税庁 No.3202)。
取得費が分からないときはどうする?
売った金額の5%を取得費(概算取得費)にできます。実際の取得費が売った金額の5%より少ないときも同じです(国税庁 No.3258)。売った金額が3,000万円なら、概算取得費は150万円です。建物は、購入代金から所有期間中の減価償却費相当額を引いた額が取得費になります。
売って損が出たときはどうなる?
売った金額が取得費と譲渡費用の合計より少ないと譲渡損です。土地・建物の譲渡損は、原則として給与などほかの所得と損益通算できず、税金もかかりません(租税特別措置法第31条)。ただし、マイホームを買い換えた場合などの一定の要件を満たす譲渡損失は、損益通算・繰越控除の特例があります(国税庁 No.3370 など。このページは計算しません)。
この計算に入っていないものは?
法人の売却、事業用の買換え特例、相続した空き家の特例、マイホームの買換え特例などは計算しません。令和9年(2027年)分以後は、復興特別所得税が1.1%に下がり、防衛特別所得税(1%)が加わります(合計は2.1%のまま。国税庁 No.2260)。売った日が2025〜2027年のものを計算します。
2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月4日)。出典: 国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税) / 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算 / 国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算 / 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき / 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例(3,000万円の特別控除) / 国税庁 No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例 / 国税庁 No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき / 国税庁 No.2260 所得税の税率(令和9年1月1日以後は復興特別所得税 1.1%・防衛特別所得税) / 財務省 令和8年度税制改正の大綱(防衛特別所得税の創設・復興特別所得税 1.1%) / 国税庁 所得税基本通達 36-12(譲渡所得の収入すべき時期) / e-Gov 法令検索 租税特別措置法(第31条・第31条の4・第32条) / e-Gov 法令検索 地方税法(附則 土地建物等の譲渡所得の税率)