簡易課税の消費税はいくら?みなし仕入率で納税額を計算

事業区分売上10%(円)売上8%(円)

対象: 簡易課税の届出を出した課税事業者(基準期間の課税売上高5,000万円以下)。

納める消費税 約264,200円

国税206,100円+地方消費税58,100円・みなし仕入率 第5種 50%

同じ売上で2割特例を使うと約105,600円で、簡易課税より158,600円少なくなります(2割特例は免税事業者からインボイス登録した人だけ・令和8年9月30日の属する課税期間まで。2割特例の計算)

売上は0以上、100億円までの数で入れてください(空欄は0円です)。

国税庁No.6505・No.6509・申告書の書き方で計算(令和8年4月1日現在・2026年10月4日確認)

目安。最終的な額は確定申告で決まります。

課税標準額(税抜・千円未満切捨て)10%分4,545,000円
課税標準額(税抜・千円未満切捨て)軽減8%分925,000円
売上に係る消費税額(国税 7.8%+6.24%)412,230円
控除対象仕入税額(消費税額×みなし仕入率)−206,115円
差引税額(国税・百円未満切捨て)206,100円
地方消費税(国税×22/78・百円未満切捨て)58,100円
納付税額(国税+地方消費税)264,200円

売上は請求書・領収書の金額を税率ごとに合計して入れます(税込か税抜かは「金額」で選びます)。2種類以上の事業を営むときは、事業区分のいちばん上で「2種類以上の事業」を選び、事業ごとに入れます。売上対価の返還等(値引き・返品)・貸倒れ・貸倒回収・中間納付は入っていません。

簡易課税の消費税の計算のしかた

簡易課税制度は、仕入れの消費税額を集計せず、売上に係る消費税額に事業区分ごとのみなし仕入率をかけた額を、仕入れに係る消費税額として売上税額から引く制度です(国税庁 No.6505)。

  1. 売上に係る消費税額=税込売上高を100/110(10%)・100/108(軽減8%)で割って千円未満を切り捨てた課税標準額に、7.8%・6.24%をかけたもの(税率ごとに計算・1円未満切捨て)
  2. 控除対象仕入税額=売上に係る消費税額×みなし仕入率(1円未満切捨て)
  3. 差引税額(国税)=売上税額−控除対象仕入税額(百円未満切捨て)。地方消費税=差引税額×22/78(百円未満切捨て)。国税と合わせた額がこのページの答えです(国税庁 申告書(簡易課税用)の書き方)

事業区分とみなし仕入率

事業区分みなし仕入率
第1種事業(卸売業)90%
第2種事業(小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る))80%
第3種事業(農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業)70%
第4種事業(第1種・第2種・第3種・第5種・第6種以外の事業。飲食店業など)60%
第5種事業(運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く))50%
第6種事業(不動産業)40%

事業区分は、原則として課税資産の譲渡等ごとに判定します。第3種は日本標準産業分類の大分類を基礎に判定し、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供は第4種になります(国税庁 No.6509)。事業区分の判断に迷うときは、税務署か税理士に確かめてください。

税込売上高ごとの納付税額(10%のみ・1種類の事業)

税込売上高第1種第2種第3種第4種第5種第6種
300万円27,100円54,400円81,700円108,900円136,200円163,500円
500万円45,300円90,800円136,200円181,700円227,100円272,600円
800万円72,600円145,300円218,000円290,700円363,500円436,200円
1,000万円90,800円181,700円272,600円363,500円454,400円545,300円
2,000万円181,700円363,500円545,300円727,100円908,900円1,090,700円
3,000万円272,600円545,300円818,000円1,090,700円1,363,500円1,636,200円

国税+地方消費税の合計。10%の売上だけで、値引き・貸倒れは入れていません。

2種類以上の事業を営むとき(加重平均と75%ルール)

事業区分が2種類以上あるときは、事業ごとの売上に係る消費税額を出し、それぞれのみなし仕入率をかけて合計する計算が基本(原則)です。ほかに、売上の75%以上を占める事業があれば使える特例があります(国税庁 No.6505)。

  • 原則(加重平均): 控除対象仕入税額=消費税額×Σ(事業別の消費税額×みなし仕入率)÷Σ(事業別の消費税額)。事業別の消費税額は、事業区分ごとの税込売上高に7.8/110(軽減8%は6.24/108)をかけて1円未満を切り捨てた額です。
  • 特例1(1種類で75%以上): 1種類の事業の課税売上高(税抜)が全体の75%以上なら、その事業のみなし仕入率を全体の売上に使えます。
  • 特例2(2種類で75%以上): 3種類以上の事業を営み、特定の2種類の売上の合計が全体の75%以上なら、その2種類のうち高い方の率を高い方の事業の売上に、低い方の率をそれ以外の売上に使えます。
  • 原則と特例のどれを使うかは選べますが、税率(10%・8%)ごとに別々の方法は選べません(国税庁の設例の注)。このページは、いちばん納める税額が少なくなる方法を答えにして、使える方法を全部表に出します。

国税庁の申告書の書き方の設例(第2種と第4種の2区分・税込30,708,000円)では、第2種の売上が全体の87.9%で75%以上のため、全体に第2種の80%を使う特例で控除対象仕入税額が1,439,680円となり、原則(1,389,985円)より多く引けます。このページの計算エンジンは、この設例の中間値と結果を再現するテストで確かめています。

簡易課税が使える人・使い方

  • 使える人: 「消費税簡易課税制度選択届出書」を出した課税事業者で、基準期間(個人事業者は前々年、法人は原則として前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下の課税期間です。令和6年10月1日以後は、恒久的施設を持たない国外事業者は使えません(国税庁 No.6505)。
  • 届出: 使いたい課税期間の初日の前日までに、納税地の税務署長に出します。
  • 2割特例との比較: 2割特例は売上税額の80%を仕入税額とみなすので、みなし仕入率80%と同じです。第1種(90%)は簡易課税が、第3種〜第6種は2割特例が少なくなります。条件・期間・同じ売上での比較は2割特例の計算で見られます。

この計算に入れていないもの

  • 売上対価の返還等・貸倒れ・貸倒回収・中間納付: 値引き・返品、貸倒れ、貸倒れた売上の回収、中間納付があると、実際の納付額がこの計算とずれます。
  • 事業ごとに区分していない売上: 2種類以上の事業を営み、課税売上げを事業ごとに区分していない部分があるときは、その部分に区分していない事業のうち一番低いみなし仕入率が使われます(No.6505)。このページには入っていません。
  • 飲食料品の税率引下げ: 令和9年4月1日から2年間の飲食料品の消費税率の引下げに合わせた簡易課税の計算方法の特例は、反映していません(国税庁の特設サイトを確かめてください)。
  • 税抜で入れたとき: 事業別の消費税額(原則の加重平均の重み)は、税抜の額に7.8%(6.24%)をかけて1円未満を切り捨てた額で出しています。

値は国税庁のタックスアンサー No.6505・No.6509、申告書(簡易課税用)の書き方(設例・付表4-3・付表5-3)で確かめています(消費税法)。

簡易課税のよくある質問

簡易課税は誰でも使える?

消費税簡易課税制度選択届出書を出した課税事業者で、基準期間(個人は前々年、法人は原則として前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下の課税期間に使えます。届出は、使いたい課税期間の初日の前日まで(国税庁 No.6505)。令和6年10月1日以後は、恒久的施設を持たない国外事業者は使えません。

みなし仕入率とは?

実際の仕入れの消費税額を集計する代わりに、売上に係る消費税額に事業区分ごとの率(第1種90%・第2種80%・第3種70%・第4種60%・第5種50%・第6種40%)をかけた額を、仕入れに係る消費税額とみなして引く仕組みです。納める消費税は、売上税額×(1−みなし仕入率)に近い額になります(国税庁 No.6505)。

自分の事業は第何種?

事業区分は、原則として課税資産の譲渡等ごとに判定します。卸売業は第1種、小売業・飲食料品の農林漁業は第2種、製造業・建設業・飲食料品以外の農林漁業などは第3種、飲食店業などは第4種、運輸通信業・金融保険業・サービス業は第5種、不動産業は第6種です(国税庁 No.6509)。迷うときは、税務署か税理士に確かめてください。

2種類以上の事業をしているときは?

事業ごとの売上税額にそれぞれのみなし仕入率をかけて合計する計算(原則)が基本です。このページは、事業ごとの売上を入れると、事業別の消費税額で重みづけした加重平均で控除額を出します。さらに、1種類の事業の売上が全体の75%以上なら、その事業のみなし仕入率を全体に使える特例があり、3種類以上の事業のうち2種類の売上が全体の75%以上なら、率の高い方の事業の売上にはその率、残りには低い方の率を使える特例があります(国税庁 No.6505)。このページは、使える計算の中で納める税額がいちばん少なくなる方法を答えにし、全部の方法を表に出します。

税込で入れる?税抜で入れる?

どちらでも入れられます。国税庁の付表の計算は、税込の売上高から割り戻して課税標準額を出す方法(割戻し計算)です。税込で入れると、税込÷1.1(軽減8%は÷1.08)の1円未満を切り捨てたうえで、千円未満を切り捨てて課税標準額にします。税抜で入れると、その額の千円未満を切り捨てて課税標準額にします。

2割特例と簡易課税はどちらが得?

2割特例は売上税額の80%を仕入税額とみなす(みなし仕入率80%と同じ)ので、みなし仕入率が80%より高い第1種は簡易課税が少なく、第2種は同額、第3種〜第6種は2割特例のほうが少なくなります。ただし2割特例は、免税事業者からインボイス発行事業者になった人が令和8年9月30日までの日の属する課税期間に使える特例です。同じ売上での比較は、このページの答えの下と、2割特例のページに出ます(国税庁 2割特例特設ページ)。

端数処理は?

売上に係る消費税額は、税抜の額の千円未満を切り捨てた課税標準額に7.8%(軽減税率は6.24%)をかけて、1円未満を切り捨てます。控除対象仕入税額は消費税額×みなし仕入率の1円未満を切り捨て、差引税額(国税)は百円未満を切り捨て、地方消費税は国税の差引税額×22/78の百円未満を切り捨てます(国税庁「申告書(簡易課税用)の書き方」)。税率ごとに別々に計算します。

2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月4日)。出典: 国税庁 No.6505 簡易課税制度 / 国税庁 No.6509 簡易課税制度の事業区分 / 国税庁 消費税及び地方消費税の申告書(簡易課税用)の書き方(設例・付表4-3・付表5-3) / 国税庁 2割特例 特設ページ / e-Gov 法令検索 消費税法(第37条)