高額介護サービス費でいくら戻る?
高額介護サービス費の計算のしかた
介護サービスの1か月の利用者負担(1〜3割)が上限を超えると、超えた分が「高額介護サービス費」として戻ります(介護保険法施行令第22条の2の2)。上限は所得区分で決まり、同じ世帯の利用者の負担を合計して見ます。
- 世帯の上限を引く: 世帯の負担の合計−上限=上限を超えた額(世帯)
- 本人の分に按分する: 超えた額×(本人の負担÷世帯の負担の合計)が本人に戻る額です。1人世帯なら超えた額がそのまま戻ります
- 低所得の人は個人の上限もみる: 世帯全員が住民税非課税で年金等が82.65万円以下の人(と老齢福祉年金の受給者)は、本人の負担−15,000円も計算し、按分した額より大きければその額が戻ります。生活保護を受けている人は本人の負担−15,000円です
例(江東区の案内): 1か月の利用者負担が32,000円のとき、住民税非課税で年金等が82.65万円を超える世帯(上限24,600円)は32,000−24,600=7,400円が戻り、課税世帯(上限44,400円)は戻りません。
高額介護サービス費の上限額(1か月)
| 所得区分 | 世帯の上限 | 個人の上限 |
|---|---|---|
| 生活保護を受けている | −円 | 15,000円 |
| 世帯全員が非課税で年金等82.65万円以下(老齢福祉年金も) | 24,600円 | 15,000円 |
| 世帯全員が住民税非課税(年金等82.65万円超) | 24,600円 | − |
| 住民税課税・課税所得380万円未満 | 44,400円 | − |
| 課税所得380万〜690万円未満 | 93,000円 | − |
| 課税所得690万円以上 | 140,100円 | − |
令和8年8月以降の利用分。年金等の基準は令和8年7月までは80.9万円で、8月から82.65万円(介護保険最新情報 Vol.1516)。区分の表は名古屋市の案内とも合わせています。
戻る額の早見表(1人世帯)
| 1か月の負担 | 課税所得380万円未満 | 世帯全員非課税 | 380万〜690万円未満 | 690万円以上 |
|---|---|---|---|---|
| 30,000円 | 0円 | 5,400円 | 0円 | 0円 |
| 50,000円 | 5,600円 | 25,400円 | 0円 | 0円 |
| 60,000円 | 15,600円 | 35,400円 | 0円 | 0円 |
| 80,000円 | 35,600円 | 55,400円 | 0円 | 0円 |
| 100,000円 | 55,600円 | 75,400円 | 7,000円 | 0円 |
| 150,000円 | 105,600円 | 125,400円 | 57,000円 | 9,900円 |
世帯全員非課税は年金等が82.65万円を超える場合(以下の人は本人の負担−15,000円との大きい方)。2人以上の世帯は負担を合計してから上限を引き、本人の割合で分けます。
対象にならないもの・入れていないもの
- 対象外の費用: 福祉用具購入・住宅改修にかかる負担、施設の居住費(短期入所は滞在費)と食費、理美容代などの日常生活の実費、配食サービスの負担(名古屋市の案内)。支給限度額を超えて全額自己負担になった分も、利用者負担(1〜3割)ではないので入りません。
- 医療費との合算: 医療と介護の自己負担を年間で合算する「高額医療合算介護サービス費」は別の制度で、このページには入れていません(同施行令第22条の3)。
- 年間上限: 平成29年8月から令和2年7月までは、1割負担だけの世帯に年間446,400円の上限もありましたが、令和2年7月31日で終わっています(同施行令附則)。
- 令和8年7月までの利用分: 年金等の基準が80.9万円でした。このページは令和8年8月以降の利用分で計算しています。
- 入れていない調整: 19歳未満の扶養者がいる世帯主の所得の調整(同施行令第22条の2の2第5項)と、要保護者の読み替えは入れていません。端数は市区町村の計算に従います。
値は e-Gov の介護保険法施行令と厚生労働省の通知で確かめています。
高額介護サービス費のよくある質問
高額介護サービス費は自動で戻る?
申請が必要です。多くの市区町村では、対象になりそうな人にサービス利用の2か月後ごろに申請書を送り、初回に申請して口座を登録すれば、以後は上限を超えた月に自動で振り込む運用です(名古屋市の案内の例)。案内の時期・方法は市区町村で違うので、届かないときは窓口(介護保険課)に確かめてください。
上限は世帯で数える?個人で数える?
原則は世帯です。同じ世帯の介護サービス利用者全員の1か月の利用者負担を合計し、世帯の上限を超えた額を、それぞれの負担の割合(按分)で分けて戻します(介護保険法施行令第22条の2の2第2項)。世帯全員が住民税非課税で、公的年金等の収入と、年金所得を除いた合計所得の合計が82.65万円以下の人(と老齢福祉年金の受給者)は、世帯の上限24,600円とは別に、個人の上限15,000円でも見ます。生活保護を受けている人は個人の上限15,000円です。
所得区分はだれの所得で決まる?
課税世帯の区分(140,100円・93,000円・44,400円)は、世帯内の65歳以上(第1号被保険者)のうち最も課税所得が高い人で決まります(名古屋市の案内の注)。非課税世帯かどうかは世帯主と世帯全員の住民税で、個人の上限15,000円は本人の年金等で見ます。1〜7月の利用分は前年度の課税で判定します。課税所得は収入ではなく、住民税の課税証明書などの「課税所得額」の欄にある、控除を引いた後の額です。
福祉用具の購入や住宅改修は含めてよい?
含めません。福祉用具購入・住宅改修にかかる負担、施設の居住費(短期入所は滞在費)と食費、理美容代などの日常生活の実費、配食サービスの負担は対象外です(名古屋市の案内)。支給限度額を超えて全額自己負担になった分も、ふつうは入りません(詳しくは市区町村へ)。
令和8年8月から何が変わった?
上限額は変わっていません。低所得(世帯全員が住民税非課税)の区分を分ける年金収入等の基準が、80.9万円から82.65万円に上がりました(令和8年8月1日施行・介護保険最新情報Vol.1516)。
医療費もあるときは?
介護と医療の自己負担を年間で合算して上限を超えた分を戻す「高額医療合算介護サービス費」は別の制度です(同施行令第22条の3)。このページの計算には入れていません。
2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月4日)。出典: e-Gov 法令検索 介護保険法施行令(第22条の2の2 高額介護サービス費・第22条の3) / 厚生労働省 介護保険最新情報 Vol.1516(令和8年6月25日・基準額 80.9万円→82.65万円) / 名古屋市 高額介護(介護予防)サービス費(対象外の費用・区分表) / 江東区 高額介護(介護予防)サービス費の支給(計算例)