高額療養費の自己負担の上限額は?(所得区分・医療費から)
高額療養費の自己負担の上限額の見方
高額療養費は、ひと月(1日〜末日)に払った医療費の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分があとから払い戻される制度です。上限額は、年齢と所得区分で決まります。このページは、厚生労働省保険局「高額療養費制度の概要」の令和8年8月〜令和9年7月診療分の額で計算します(令和8年8月診療分から施行済みであることを2026年10月2日に確かめました)。
70歳未満の区分ア〜オは、健康保険では標準報酬月額、国民健康保険では旧ただし書き所得で決まります(このページは標準報酬月額と年収の目安で書いています。国民健康保険・後期高齢者医療の方は、お住まいの市区町村や広域連合の区分の基準を見てください)。区分ア〜ウは「基礎額+(医療費−しきい値)×1%」、区分エ・オは定額です。70歳以上は、現役並みⅠ〜Ⅲが同じ式、一般・低所得は外来(個人ごと)と世帯ごとの定額です。
入院時の食事代・差額ベッド代・先進医療の技術料などは、高額療養費の対象外です。入れる医療費は、保険がきく医療費の10割分(総額)です。このページは目安で、最終的な上限額と払い戻しの額は、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険・後期高齢者医療広域連合など)が決めます。マイナ保険証や限度額適用認定証を使うと、窓口の支払いを上限額までにできる場合があります。確かめるのは、加入している保険者です。
限度額適用認定証は必要?窓口の支払いを上限額までにするしくみ
限度額適用認定証は、入院や手術などで医療費が高額になるとき、医療機関の窓口で払う額を自己負担限度額までに抑えるための証明書です。マイナ保険証を使う場合は、オンライン資格確認で限度額の情報が医療機関に伝わるため、申請は要りません。認定証が要るのは、オンライン資格確認を導入していない医療機関にかかる場合や、マイナンバーの登録をしていない場合で、窓口で払う前に加入先へ申請します(協会けんぽの案内)。
被保険者が低所得の区分(区分オなど)のときは、マイナ保険証を使っても、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請が要ります。認定証の有効期間は、申請を受け付けた月の1日から最長1年で、令和8年8月以降に交付される認定証は最長でも令和9年7月31日までです。認定証などを使わなかった場合は、いったん窓口で払い、あとから払い戻しを申請します。上の払い戻しの目安は、どちらの場合も同じ計算です。
高額療養費のよくある質問
高額療養費の自己負担限度額の式は?
区分ウ(標準報酬月額28万〜50万円・年収の目安は約370万〜約770万円)の70歳未満なら、上限額=85,800円+(医療費−286,000円)×1%です。厚生労働省の例では、医療費100万円なら85,800円+(1,000,000円−286,000円)×1%=92,940円、200万円なら102,940円、300万円なら112,940円です。区分ごとの基礎額としきい値は、上の早見表に出しています。区分エ・オや70歳以上の一般・低所得の区分は、医療費に関係なく決まった額です。
令和8年8月から何が変わった?
厚生労働省の資料では、令和8年8月診療分から月単位の上限額が引き上げられ、新たに年単位の上限(年間上限)ができました。多数回該当の額は据え置きです。見直し前の70歳未満の額は、区分ア252,600円+(医療費−842,000円)×1%、区分イ167,400円+(医療費−558,000円)×1%、区分ウ80,100円+(医療費−267,000円)×1%、区分エ57,600円、区分オ35,400円でした。このページは見直し後の令和8年8月〜令和9年7月診療分の額で、2026年10月2日時点で施行済みであることを、厚生労働省の資料で確かめました。
令和9年8月からは?
同じ厚生労働省の資料に、令和9年8月診療分から所得区分がさらに細かくなり、上限額が変わることが載っています(例: 区分アが3つに分かれ、最も高い区分は342,000円+(医療費−1,140,000円)×1%)。令和9年8月以降の診療は、このページの額と違います。このページは令和8年8月〜令和9年7月診療分の額です。
多数回該当とは?
協会けんぽでは、療養を受けた月以前の1年間に、3か月以上高額療養費の支給を受けた場合、4か月目から上限額が下がる「多数回該当」になると説明しています。このページでは、「今月は多数回該当(4回目以降)」にチェックを入れると、その額で計算します。年収が低い区分(区分オなど)は多数回該当の額も低く、70歳以上の外来(個人ごと)には多数回該当はありません。なお、加入している保険者が変わると、数え直しになることがあります。
入院時の食事代や差額ベッド代は対象になる?
なりません。協会けんぽでは、保険外併用療養費の差額部分、入院時食事療養費・入院時生活療養費の自己負担額は、高額療養費の対象にならないと説明しています。このページの医療費は、保険がきく医療費の10割分(総額)を入れてください。食事代・差額ベッド代・先進医療の技術料などは含めません。
70歳未満は何を合算できる?
協会けんぽでは、70歳未満の方は、1つの医療機関(入院と外来、医科と歯科は別)の自己負担額が21,000円以上のものだけ合算できると説明しています。ひと月に複数の医療機関にかかった場合の合算や、同じ保険に入っている家族との世帯合算は、加入している保険者で確かめてください。70歳以上の合算のしかたも、保険者の案内を見てください。
70歳以上の「外来(個人ごと)」と「世帯ごと」の違いは?
70歳以上の一般・低所得の方は、外来だけの上限額(個人ごと)と、外来と入院を合わせた上限額(世帯ごと)が別にあります。現役並みⅠ〜Ⅲは、外来も世帯も同じ式です。このページでは「外来のみ(個人ごと)」か「外来と入院を合わせる(世帯ごと)」かを選んで計算します。
払い戻しの目安はどう出している?
払い戻しの目安は、窓口で払った額(医療費×窓口負担の割合)から、上限額を引いた額です(引いた結果がマイナスなら0円)。実際は、医療機関の窓口で上限額までの支払いにとどめる仕組み(限度額適用認定証・マイナ保険証)を使うか、あとで保険者に払い戻しを申請するかで、お金の動きが違います。このページの計算は目安で、実際の払い戻しの額は、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険・後期高齢者医療広域連合など)が決めます。
1円未満の端数はどうなる?
このページでは、「(医療費−しきい値)×1%」の1円未満を切り捨てて計算しています。端数の扱いは保険者の計算によって、1円ほど違うことがあります。
2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月2日)。出典: 厚生労働省保険局「高額療養費制度の概要」(患者負担割合及び高額療養費自己負担限度額 令和8年8月〜令和9年7月・令和9年8月〜・見直し前) / 全国健康保険協会(協会けんぽ)「高額療養費」 / 全国健康保険協会(協会けんぽ)「限度額適用認定証」