交通事故の慰謝料はいくら?(自賠責の基準)

ケガ(傷害)の慰謝料を、自賠責保険の基準で計算します。任意保険・弁護士基準とは額が違います。

自賠責の慰謝料 約258,000円

対象60日(実治療日数×2の方が少ない)×4,300円

治療期間は1〜3,650日、通院と入院は0日以上で、合計が治療期間以内になるように入れてください。

国交省・金融庁の自賠責の支払基準・限度額と補償内容で計算(令和2年4月1日施行の基準・2026年10月4日確認)

目安。最終的な額は、自賠責保険の審査(保険会社・損害保険料率算出機構)が決めます。

この表の見方: 左が項目、右が入力から出した値です。「対象日数」の行が、慰謝料に数える日数です。

治療期間(初診から治療終了まで)90日
実治療日数×2(通院30日+入院0日)60日
対象日数(実治療日数×2の方が少ない)60日
1日あたり(令和2年4月1日以後の事故)4,300円
慰謝料(自賠責の基準)258,000円
傷害の限度額(治療費・休業損害なども含む)1,200,000円
限度額の残り(治療費・休業損害などに使える額)942,000円

治療期間は初診から治療が終わる(または症状固定の)日までの日数、実通院日数は実際に病院へ行った日数です。入院した日は「入院日数」に入れ、通院日数には入れません。

計算の仕方

慰謝料 = 対象日数 × 1日の額(対象日数 = 治療期間と、実治療日数の2倍のうち少ない方)

  • 1. 実治療日数は、実際に通院した日数に入院日数を足した日数です。入院した日は入院日数に入れ、通院日数には入れません。
  • 2. 実治療日数を2倍にして、治療期間と比べます。少ない方が対象日数です。同じ日数なら、その日数が対象日数です。実治療日数の2倍は一般的な目安で、実際の日数は保険会社の審査で決まります。
  • 3. 1日の額は、事故の日で変わります。令和2年4月1日以後の事故は4,300円、平成14年4月1日〜令和2年3月31日の事故は4,200円です。それより前の事故は計算しません。
  • 4. 慰謝料は、対象日数×1日の額です。
  • 5. 傷害の限度額は被害者1人につき120万円で、治療費・休業損害などを含む合計です。慰謝料がこの額を超えるときは、超えた分は自賠責からは支払われません。超えないときは、限度額の残りが治療費などに使える額です。

結果の読み方

結果の読み方
結果意味
対象日数(○○の方が少ない)慰謝料に数える日数です。かっこの中が、治療期間と実治療日数×2のどちらが少なかったかを表します。治療期間が短いと治療期間、通院が少ないと実治療日数×2になります。
慰謝料(自賠責の基準)対象日数×1日の額です。自賠責の基準だけの額で、休業損害や治療費は含みません。
限度額の残り・限度額を超える額傷害の限度額120万円から慰謝料を引いた残りが、治療費・休業損害などに使える額です。慰謝料が限度額を超えたときは「超える額」の行が出て、超えた分は自賠責からは支払われません。
この計算に入れていないもの休業損害(原則1日6,100円)と、被害者の過失が7割以上のときの2割の減額は、ここでは計算しません。
よくある間違い: 治療期間の日数をそのまま使う対象日数は、治療期間と実治療日数×2の少ない方です。治療期間が長くても、通院が少なければ実治療日数×2で数えます。
よくある間違い: 限度額は慰謝料の上限と思う120万円は、治療費・休業損害・慰謝料などの合計の限度です。治療費が多いと、慰謝料に回る分は少なくなります。

目安です。最終的な額は、自賠責保険の審査が決めます。

計算例

計算例
入力計算結果
治療期間60日・通院40日・入院0日・令和2年4月1日以後の事故左の入力で、実治療日数は通院40日+入院0日で40日、2倍で80日です。治療期間60日と比べて少ない方の治療期間の60日が対象日数です。60日×4,300円で258,000円です。傷害の限度額120万円との差は942,000円で、治療費・休業損害などに使える額です自賠責の慰謝料は258,000円
治療期間120日・通院20日・入院5日・令和2年4月1日以後の事故左の入力で、実治療日数は通院20日+入院5日で25日、2倍で50日です。治療期間120日と比べて少ない方の実治療日数×2の50日が対象日数です。50日×4,300円で215,000円です。傷害の限度額120万円との差は985,000円で、治療費・休業損害などに使える額です自賠責の慰謝料は215,000円

自賠責の慰謝料の計算のしかた

自賠責保険のケガ(傷害)の慰謝料は、1日につき4,300円です。令和2年4月1日以後に発生した事故に適用される基準で、平成14年4月1日〜令和2年3月31日の事故は4,200円です(国土交通省・金融庁の支払基準・原告示)。平成14年4月1日より前の事故は計算しません。

  1. 実治療日数=実際に通院した日数+入院日数
  2. 対象日数=治療期間と、実治療日数の2倍のうち少ない方
  3. 慰謝料=対象日数×4,300円

告示の本文は、対象日数を「傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内」とだけ書いています。「実治療日数の2倍」は自賠責で一般的に使われる目安で、実際の日数は保険会社の審査で決まります。

この面は自賠責の基準だけを計算します。慰謝料には、自賠責の基準のほか、任意保険会社の基準・弁護士(裁判)基準があり、額が違います(一般に自賠責の基準より高い水準です)。ほかの基準の額は、ここでは出していません。

自賠責の慰謝料の早見表

この表の見方: 1行が1つの例です。左の治療期間と実通院日数のとき、右の対象日数と慰謝料になります。
治療期間実通院日数対象日数慰謝料
30日10日20日86,000円
60日20日40日172,000円
90日30日60日258,000円
90日45日90日387,000円
120日40日80日344,000円
180日60日120日516,000円
180日90日180日774,000円

入院なし・令和2年4月1日以後の事故(1日4,300円)の場合。入院日数があるときは上の計算に入れてください。

この計算に入れていないもの・注意

  • 傷害の限度額は120万円: 治療費・通院交通費・休業損害・慰謝料などの合計が被害者1人につき120万円までです(国土交通省)。慰謝料だけの上限ではありません。
  • 過失の減額: 自賠責が減額するのは、被害者の過失が7割以上の重大な過失のときだけです(傷害は2割減額。7割未満は減額なし)。この計算は減額を入れていません。損害額が20万円未満ならその額、減額して20万円以下になるときは20万円とする定めもあります(支払基準 第6の1)。
  • 人身の損害だけ: 自賠責は人身(ケガ・死亡)の損害だけが対象で、車や持ち物などの物損は対象外です。
  • 休業損害: 原則1日6,100円(収入の減少を立証すれば19,000円まで)で、慰謝料とは別に請求します。この計算には入っていません。
  • 後遺障害・死亡: 後遺障害の慰謝料や死亡の慰謝料は、別の定めです。ここでは計算しません。
  • 弁護士(裁判)基準の表は載せません。任意保険の基準・弁護士基準の額を知りたいときは、保険会社や弁護士に確かめてください。

額や過失割合で迷うときは、日本弁護士連合会の法律相談や、法テラスに相談できます。この計算は目安で、法的な助言ではありません。

交通事故の慰謝料のよくある質問

自賠責の慰謝料は1日いくら?

ケガ(傷害)の慰謝料は1日につき4,300円です。令和2年4月1日以後に発生した事故に適用される基準で、平成14年4月1日〜令和2年3月31日の事故は4,200円です(国土交通省・金融庁の支払基準と原告示)。平成14年4月1日より前の事故は計算しません。対象になる日数は、治療期間の範囲内で、傷害の態様や実際に治療した日数などを勘案して決まります。

対象日数はどう数える?

目安は、治療期間(初診から治療終了までの日数)と、実治療日数(実際に通院した日数に入院日数を足したもの)の2倍のうち、少ない方です。たとえば治療期間90日・通院30日なら、30×2=60日のほうが少ないので60日×4,300円=258,000円です。告示の本文は「勘案して」と書くだけで、2倍にするのは自賠責の一般的な運用です。実際の対象日数は保険会社の審査で決まります。

任意保険の基準や弁護士基準とは違う?

違います。慰謝料には、自賠責の基準・任意保険会社の基準・弁護士(裁判)基準の3つの考え方があり、額が違います。一般に自賠責の基準は最低限の補償で、弁護士(裁判)基準はそれより高い水準です。このページは自賠責の基準だけを計算します。ほかの基準の額は出していません。

120万円の限度額とは?

自賠責の傷害の支払限度額は、被害者1人につき120万円です。治療費・通院交通費・休業損害・慰謝料などの合計がこの額までで、慰謝料だけの上限ではありません。治療費が多いと、慰謝料に回る分が少なくなります(国土交通省)。

自分にも過失があると減らされる?

自賠責は、被害者の過失が7割未満なら減額されません。7割以上の重大な過失があるときは、傷害は2割減額されます(国土交通省の支払基準 第6の1)。損害額が20万円未満ならその額、減額して20万円以下になるときは20万円とする定めもあります。なお、自賠責は人身の損害だけが対象で、物損は対象外です。

休業損害はこの計算に入っている?

入っていません。休業損害は原則1日6,100円で、収入の減少を立証すれば19,000円まで認められます(国土交通省)。この面は慰謝料だけを計算します。

弁護士に相談するには?

額や過失割合で迷うときは、日本弁護士連合会の法律相談や、法テラス(日本司法支援センター)に相談できます。このページの計算は目安で、法的な助言ではありません。

2026年10月18日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月14日)。出典: 国土交通省 自賠責保険の支払基準(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号・令和2年4月1日改正) / 国土交通省 自賠責の支払基準の原告示(平成13年告示第1号・平成14年4月1日施行・慰謝料1日4,200円) / 国土交通省 自賠責保険・共済の限度額と補償内容 / 日本弁護士連合会(法律相談の案内) / 法テラス(日本司法支援センター)