国民年金の死亡一時金はいくら?埋葬料は?
死亡一時金の額は納付月数で決まる
死亡一時金は、第1号被保険者(自営業・フリーランス・学生など)として国民年金の保険料を納めた月数が36月以上ある人が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなったとき、生計を同じくしていた遺族に1回だけ支給されます(国民年金法第52条の2・第52条の3、日本年金機構)。
- 月数を換算する: 全額納付の月は1月、4分の1免除は3/4月、半額免除は1/2月、4分の3免除は1/4月で数えて合計します
- 段の額を引く: 合計の月数が下の表のどの段かで額が決まります(第52条の4第1項)
- 付加保険料を足す: 付加保険料を納めた期間が3年以上なら8,500円を加算します(同条第2項)
受け取れる遺族は、死亡した人の配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹のうち、死亡当時にその人と生計を同じくしていた人で、この順に順位の高い人です(第52条の3)。同順位が2人以上いるときも、請求は全員のためのものとみなされます。
納付月数ごとの死亡一時金(早見表)
| 換算した月数 | 死亡一時金 | 付加を3年以上なら |
|---|---|---|
| 36月以上180月未満 | 120,000円 | 128,500円 |
| 180月以上240月未満 | 145,000円 | 153,500円 |
| 240月以上300月未満 | 170,000円 | 178,500円 |
| 300月以上360月未満 | 220,000円 | 228,500円 |
| 360月以上420月未満 | 270,000円 | 278,500円 |
| 420月以上 | 320,000円 | 328,500円 |
36月未満は支給されません。20歳から60歳まで40年(480月)全額納付なら420月以上の段です。免除の月は換算してから段を見ます(例: 全額納付30月と半額免除12月は30+6=36月)。
受け取れないとき・ほかの給付との関係
- 遺族基礎年金を受けられる人がいるとき: 死亡日にその人の死亡で遺族基礎年金を受けられる人がいると、死亡一時金は支給されません(第52条の2第2項)。額は遺族年金はいくらもらえる?で計算できます。
- 寡婦年金と同時には受けられない: 同じ夫の死亡で寡婦年金も受けられるときは、どちらか一方を選びます(第52条の6)。寡婦年金は、納めた期間と免除の期間が10年以上ある夫と10年以上婚姻関係にあった妻に、60歳から65歳になるまで支給されます(日本年金機構)。
- 老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがある人: その人が亡くなったときは、死亡一時金は支給されません(第52条の2第1項ただし書)。老齢基礎年金の額は別の面で計算できます。
- 請求は2年以内: 死亡一時金を受ける権利は、死亡日の翌日から2年で時効になります(第102条第4項、日本年金機構)。
- 遺族基礎年金の受給権が死亡した月に消滅したとき: 死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、死亡一時金は支給されます(第52条の2第2項第1号ただし書)。このページの「受けられる」では判定しません。
- 子に遺族基礎年金が出る場合の例外: 子だけが遺族基礎年金を受け、子と生計を同じくする父または母がいるため子の年金が停止されるときは、死亡した人の配偶者(死亡当時に生計を同じくしていた人)は死亡一時金を受けられます(第52条の2第3項・第52条の3第1項ただし書)。このページの「受けられる」では、この例外は判定しません。
- 令和7年の法改正: 令和10年4月1日以後は、生計を同じくする父または母がいても、子は遺族基礎年金を受けられるようになります。令和8年4月1日から令和10年3月31日までに権利が発生した死亡一時金を父または母が受け取ると、生計を同じくする子の遺族基礎年金は引き続き支給停止です(日本年金機構)。
- 付加年金: 付加保険料の加算の元になる制度は付加年金でいくら増える?で計算できます。
寡婦年金との違い(死亡一時金とどちらをもらう?)
寡婦年金は、第1号被保険者として保険料を納めた期間と免除の期間(学生納付特例・納付猶予を含む)が10年以上ある夫が亡くなったとき、10年以上継続して婚姻関係にあり、死亡当時に夫に生計を維持されていた妻に、60歳から65歳になるまで支給されます。年金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3です。
夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがあるときや、妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けているときは支給されません。死亡一時金と寡婦年金の両方を受けられるときは、どちらか一方を選びます。このページは死亡一時金の額だけを計算しています。寡婦年金の額と手続きは、日本年金機構で確かめてください。
埋葬料・葬祭費(健康保険から出るお金)
死亡一時金とは別に、亡くなった人が入っていた健康保険から、葬儀などの費用の給付が出ます。どれが出るかは、亡くなった人が入っていた保険で決まります。
- 協会けんぽ・健保組合の被保険者: 生計を維持されていた人が申請すると、埋葬料50,000円が支給されます。該当する人がいなければ、埋葬を行った人に50,000円の範囲で実際にかかった費用が支給されます。被保険者の資格を失った後3か月以内に亡くなったときも対象になることがあります(健康保険法第100条・第105条、協会けんぽ)。被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料50,000円が支給されます。健保組合は規約で上乗せがあることがあるので、加入先に確認してください。
- 国民健康保険の加入者: 葬祭を行った人(喪主)に葬祭費が支給されます。額は市区町村の条例で決まり(国民健康保険法第58条)、確かめた横浜市・春日部市・明石市・吹田市は5万円です。ほかの市区町村は額が違うことがあります。
- 後期高齢者医療の被保険者: 葬祭費は広域連合の条例で決まります(高齢者の医療の確保に関する法律第86条)。
申請の期限は加入先で確認してください。死亡一時金の請求は年金事務所か市区町村の国民年金の窓口で、埋葬料・葬祭費の申請は加入していた保険の窓口です。
この計算に入れていないもの
- 遺族の範囲・順位: 生計同一の判定や、だれが受け取る順位かは入れていません。額は遺族が受け取れるとしたときの額です。
- 国保・後期高齢者医療の葬祭費の額: 自治体・広域連合で違うので、額は出していません。
- 国民年金の月数の数え方の例外: 死亡した月は数えません。海外在住期間・合算対象期間など第1号被保険者の月数に当たらない期間は入れていません。
死亡一時金のよくある質問
死亡一時金はどんな人がもらえる?
第1号被保険者として保険料を納めた月数(免除は換算)が36月以上ある人が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなったとき、その人と生計を同じくしていた遺族に支給されます。受け取れる遺族は、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順で、順位の高い人です(国民年金法第52条の2・第52条の3、日本年金機構)。
免除の月はどう数える?
保険料を全額納めた月は1月、4分の1免除の月は3/4月、半額免除の月は1/2月、4分の3免除の月は1/4月として数えます(第52条の2第1項)。条文が数えるのはこの4つだけで、全額免除・納付猶予・学生納付特例の月は数えません。死亡した月は数えず、前の月までで数えます。
遺族年金(遺族基礎年金)をもらえるときは?
死亡日に、その人の死亡で遺族基礎年金を受けられる人がいるときは、死亡一時金は支給されません(第52条の2第2項)。遺族基礎年金は、18歳になった年度の3月31日までの子(障害等級1級・2級なら20歳未満)のいる配偶者か、その子が受けます。遺族基礎年金の額は「遺族年金はいくらもらえる?」の面で計算できます。
寡婦年金とはどちらをもらう?
同じ夫の死亡で寡婦年金も受けられるときは、どちらか一方を選びます(第52条の6)。寡婦年金は、第1号被保険者として納めた期間と免除の期間が10年以上ある夫と10年以上婚姻関係にあった妻に、60歳から65歳になるまで支給され、年金額は夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3です(日本年金機構)。どちらが多いかは、年金事務所で確かめてください。
請求はいつまで?
死亡一時金を受ける権利は、死亡日の翌日から2年で時効になります(国民年金法第102条第4項、日本年金機構)。請求先は、亡くなった人の住所地の市区町村役場の国民年金の窓口か年金事務所です。
埋葬料と葬祭費は?
協会けんぽ・健保組合の被保険者が亡くなると、生計を維持されていた人が申請して埋葬料50,000円が支給されます(健康保険法第100条、協会けんぽ)。国民健康保険の葬祭費は市区町村の条例で決まる額が、葬祭を行った人(喪主)に支給されます(国民健康保険法第58条。確かめた横浜市・春日部市・明石市・吹田市は5万円)。後期高齢者医療の葬祭費は広域連合の条例で決まります。加入していた保険が違えば別の給付で、死亡一時金とは別に申請します。
2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月4日)。出典: 日本年金機構 死亡一時金(更新 2026-04-01) / 日本年金機構 寡婦年金 / e-Gov 法令検索 国民年金法(第52条の2〜第52条の6・第102条) / 協会けんぽ 埋葬料・埋葬費 / e-Gov 法令検索 健康保険法(第100条・第105条) / e-Gov 法令検索 国民健康保険法(第58条) / e-Gov 法令検索 高齢者の医療の確保に関する法律(第86条) / 横浜市 葬祭費の支給(5万円) / 春日部市 葬祭費の支給(5万円) / 明石市 葬祭費(5万円) / 吹田市 葬祭費(5万円)