小規模企業共済の掛金で税金はいくら減る?
小規模企業共済の掛金と税金の関係
小規模企業共済は、個人事業主や会社の役員のための退職金の積み立て制度です。掛金は月1,000円から70,000円まで、500円単位で決められ、払った掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として課税所得から引かれます(中小機構・国税庁 No.1135)。
- 所得税+復興特別所得税: 掛金の年額(月額×12)を課税所得から引く前と後で所得税を計算し、その差が減る額です。税率は課税所得の段で決まります(No.2260)。復興特別所得税(2.1%)も同じ割合で減ります。
- 住民税: 所得割の税率は10%(道府県4%・市町村6%)。引いた分の10%だけ軽くなります。
- 対象の掛金: 控除できるのは、その年に支払った掛金です。年末調整または確定申告のときに、共済から届く掛金の証明書(令和8年分以後は一定事項を記載した明細書でも可)を添えます。
月の掛金ごとに減る税金(早見表)
| 月の掛金 | 年の掛金 | 所得税+復興 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 5,000円 | 60,000円 | 6,100円 | 6,000円 | 12,100円 |
| 10,000円 | 120,000円 | 12,200円 | 12,000円 | 24,200円 |
| 20,000円 | 240,000円 | 24,500円 | 24,000円 | 48,500円 |
| 30,000円 | 360,000円 | 36,800円 | 36,000円 | 72,800円 |
| 50,000円 | 600,000円 | 61,300円 | 60,000円 | 121,300円 |
| 70,000円 | 840,000円 | 85,800円 | 84,000円 | 169,800円 |
課税所得300万円(掛金を引く前)の人の令和8年分の目安。課税所得が高い人ほど、同じ掛金で減る額が大きくなります。
共済金の受け取り方と税金
掛金で税金を減らした分は、受け取るときの課税で調整されます。共済金を一括で受け取ると退職所得、分割で受け取ると公的年金等の雑所得として扱われ、一括と分割を併用すると、一括分が退職所得・分割分が雑所得になります(中小機構 共済金等請求と税務)。分割で受け取るには、共済金が300万円以上であることなどの要件があります。受け取り時の税額は、受け取る額・年齢・ほかの所得で変わるため、このページでは計算しません。退職所得の税金は退職金の税金の面で確かめられます。
解約すると元本割れになる条件
任意解約などで受け取る解約手当金は、納付した掛金に支給率をかけた額です。掛金の納付月数が240か月(20年)未満で解約すると、受け取る額が払った掛金の合計を下回り(元本割れ)、12か月未満では解約手当金が出ず掛け捨てになります(中小機構 解約手当金の額の算定方法)。
| 掛金納付月数 | 支給率 |
|---|---|
| 1〜11か月 | 0%(掛け捨て) |
| 12〜83か月 | 80% |
| 120〜125か月 | 85%〜 |
| 180〜185か月 | 92.5%〜 |
| 240〜245か月(20年) | 100%〜(ここから元本以上) |
| 480か月以上 | 110%〜120% |
平成16年4月以降の掛金の場合。間の月数は6か月ごとに段階的に上がります。個人事業の廃業・65歳以上で180か月以上納付などで受け取る共済金は、この解約手当金とは別の扱いです。
加入資格
個人事業主とその共同経営者(1人の事業主につき2人まで)、または会社などの役員(役員登記のある人)で、常時使用する従業員が建設業・製造業・運輸業・不動産業・農業などは20人以下、商業(卸売・小売)とサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下の人です。給与所得者は加入できません。中小企業退職金共済(中退共)などの被共済者も加入できません(中小機構 加入資格)。
この計算に入れていないもの
- 共済金を受け取るときの税額: 退職所得控除・公的年金等控除を引いた税額は出しません。
- iDeCo・企業型DCなど: 確定拠出年金の掛金も同じ小規模企業共済等掛金控除の対象です(国税庁 No.1135)。ほかの掛金と合わせた合計は、このページの掛金に足して計算してください。
- 住民税の細かい差: 調整控除と均等割は入れていません。
- 令和9年分以後: 令和9年1月1日以後に生ずる所得は、復興特別所得税が1.1%に下がり、防衛特別所得税が加わります(国税庁 No.2260)。このページは令和8年分で計算しています。
小規模企業共済のよくある質問
小規模企業共済の掛金はいくらから払える?
月額1,000円から70,000円までの範囲で、500円単位で自由に決められます(中小機構)。途中で月1回に限り増やしたり減らしたりできます。
掛金は全額が控除される?
全額が小規模企業共済等掛金控除として課税所得から引かれます(中小機構・国税庁 No.1135)。月7万円なら年84万円が控除の額です。控除できるのはその年に支払った掛金で、確定申告または年末調整のときに、共済から届く掛金の証明書(令和8年分以後は一定事項を記載した明細書でも可)を添えます。
税金は結局いくら減る?
減る額は、課税所得(税率の段)で決まります。掛金の年額を課税所得から引いた前と後の所得税+復興特別所得税の差と、住民税の所得割10%の差の合計です。課税所得が高いほど税率が高いので、同じ掛金でも減る額が大きくなります。このページは目安で、最終的な額は確定申告と市区町村が決めます。
共済金はどう受け取る?税金はかかる?
共済金は一括で受け取ると退職所得、分割で受け取ると公的年金等の雑所得として扱われます。一括と分割の併用もでき、一括分は退職所得、分割分は雑所得です(中小機構)。掛金で減らした税金は、受け取るときに退職所得控除や公的年金等控除を引いたうえで課税される形で戻ります。受け取る額・年齢・他の所得で税額が変わるので、このページでは受け取り時の税額は計算しません。
元本割れすることはある?
あります。任意解約などで受け取る解約手当金は、掛金の納付月数が12か月未満だと0円(掛け捨て)、12〜83か月は納付額の80%、240か月(20年)以上になって初めて100%以上です(中小機構。平成16年4月以降の掛金)。ただし、個人事業の廃業・65歳以上で180か月以上納付した場合などに受け取る共済金は、この支給率とは別です。
誰でも加入できる?
個人事業主と会社などの役員(役員登記のある人)で、常時使用する従業員が建設業・製造業・運輸業・不動産業・農業などは20人以下、商業(卸売・小売)とサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下の人です。給与所得者(サラリーマン)は入れません(中小機構)。
2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月4日)。出典: 中小機構 小規模企業共済 掛金について / 国税庁 No.1135 小規模企業共済等掛金控除 / 中小機構 小規模企業共済 共済金等請求と税務の取扱い / 中小機構 解約手当金の額の算定方法 / 中小機構 小規模企業共済 加入資格 / 国税庁 No.2260 所得税の税率