特別支給の老齢厚生年金はいつから?
受け取りが始まる月のきまり
特別支給の老齢厚生年金は、65歳より前に受け取れる老齢厚生年金です。厚生年金保険に1年以上加入し、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)がある人が、生年月日に応じた開始年齢に達したときから受け取れます(日本年金機構・老齢年金ガイド)。
- 年齢に達する日は誕生日の前日: 年齢は誕生日の前日の終了で満ちます(年齢計算ニ関スル法律・民法第143条)。2月29日生まれで応当日がない年は、2月の末日です。
- その月の翌月分から支給: 年金の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始まります(厚生年金保険法第36条第1項)。事由が生じるのは開始年齢に達したときなので、達した日の属する月の翌月分からです。
- 支払いは偶数月: 年金は2月・4月・6月・8月・10月・12月に、それぞれ前月分までが支払われます(同法第36条第3項)。初回の支払月は、支給が始まる月より後の最初の偶数月です。
1日生まれは、達する日が前月の末日になるため、誕生月の分から受け取れます。次は男性・昭和33年(1958年)生まれ(63歳)の例です。
| 生年月日 | 63歳に達する日 | 支給が始まる月 |
|---|---|---|
| 1958年5月31日 | 2021年5月30日 | 2021年6月分 |
| 1958年6月1日 | 2021年5月31日 | 2021年6月分 |
| 1958年6月2日 | 2021年6月1日 | 2021年7月分 |
生年月日別の受け取り開始年齢(全表)
報酬比例部分は、厚生年金の加入中の給料や賞与と加入期間で決まる部分です。定額部分は、加入期間で決まる部分で、昭和24年(女性は昭和29年)4月2日以降に生まれた人には出ません。表の定額部分がある行の人は、いまは70代以上です(男性は77歳以上、女性は72歳以上)。
| 男性、共済(第2〜4号)の期間の女性の生年月日 | 会社員など(第1号)の期間の女性の生年月日 | 報酬比例部分 | 定額部分 |
|---|---|---|---|
| 昭和16年4月1日以前1941年4月1日以前 | 昭和21年4月1日以前1946年4月1日以前 | 60歳 | 60歳 |
| 昭和16年4月2日〜昭和18年4月1日1941年4月2日〜1943年4月1日 | 昭和21年4月2日〜昭和23年4月1日1946年4月2日〜1948年4月1日 | 60歳 | 61歳 |
| 昭和18年4月2日〜昭和20年4月1日1943年4月2日〜1945年4月1日 | 昭和23年4月2日〜昭和25年4月1日1948年4月2日〜1950年4月1日 | 60歳 | 62歳 |
| 昭和20年4月2日〜昭和22年4月1日1945年4月2日〜1947年4月1日 | 昭和25年4月2日〜昭和27年4月1日1950年4月2日〜1952年4月1日 | 60歳 | 63歳 |
| 昭和22年4月2日〜昭和24年4月1日1947年4月2日〜1949年4月1日 | 昭和27年4月2日〜昭和29年4月1日1952年4月2日〜1954年4月1日 | 60歳 | 64歳 |
| 昭和24年4月2日〜昭和28年4月1日1949年4月2日〜1953年4月1日 | 昭和29年4月2日〜昭和33年4月1日1954年4月2日〜1958年4月1日 | 60歳 | なし |
| 昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日1953年4月2日〜1955年4月1日 | 昭和33年4月2日〜昭和35年4月1日1958年4月2日〜1960年4月1日 | 61歳 | なし |
| 昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日1955年4月2日〜1957年4月1日 | 昭和35年4月2日〜昭和37年4月1日1960年4月2日〜1962年4月1日 | 62歳 | なし |
| 昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日1957年4月2日〜1959年4月1日 | 昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日1962年4月2日〜1964年4月1日 | 63歳 | なし |
| 昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日1959年4月2日〜1961年4月1日 | 昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日1964年4月2日〜1966年4月1日 | 64歳 | なし |
| 昭和36年4月2日以降1961年4月2日以降 | 昭和41年4月2日以降1966年4月2日以降 | なし(65歳から老齢厚生年金) | なし |
出典: 日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」の表と、厚生年金保険法 附則第8条の2で確認(2026年10月4日)。
知っておくこと
- 障害者特例・長期加入者特例: 厚生年金の加入が44年以上の人(退職しているとき)や障害の状態にある人は、申し出た月の翌月分から、報酬比例部分に定額部分を合わせて受け取れます(日本年金機構)。
- 繰上げ・在職中: 65歳前に老齢基礎年金を繰上げ請求すると減額されます。働きながら受け取るときは、賃金と年金の合計が基準額を超えると年金の一部または全部が止まります。くわしくは在職中の老齢厚生年金はいくら止まる?で計算できます。
- この面が出さないもの: 年金の額、在職中の停止額、請求の手続きの期限は出しません。受け取れるかどうかと開始の月は、日本年金機構の記録で決まります。
特別支給の老齢厚生年金のよくある質問
特別支給の老齢厚生年金は何歳から、いつから受け取れる?
生年月日と性別で決まります。男性は昭和16年(1941年)4月2日生まれから昭和36年(1961年)4月1日生まれまで、会社員などの女性(第1号厚生年金)は昭和21年(1946年)4月2日生まれから昭和41年(1966年)4月1日生まれまでが対象で、報酬比例部分の開始年齢は60歳から64歳まで段階的に上がります。受け取りは、その年齢に達した日の属する月の翌月分からです(日本年金機構・厚生年金保険法 附則第8条の2・第36条第1項)。
1日生まれは、誕生月から受け取れるの?
はい。年齢は誕生日の前日の終了で満ちるため(年齢計算ニ関スル法律・民法第143条)、1日生まれは年齢に達する日が前の月の末日になり、その翌月=誕生月の分から支給されます。2日以降に生まれた人は誕生月に達するので、誕生月の翌月分からです。
女性でも公務員・私学共済の期間があると、開始年齢は変わる?
変わります。日本年金機構の老齢年金ガイドは、共済組合等から支給される老齢厚生年金の受給開始年齢は男性と同じとしています。公務員・私学教職員の共済組合などの厚生年金(第2〜4号厚生年金)の期間だけの女性は、男性と同じ表です。会社員などの第1号厚生年金の期間だけの女性は、男性より5年遅い表です。両方の期間がある女性は、共済の期間の分は男性の表、第1号の期間の分は女性の表で、それぞれ別の月から始まります(このページは2本並べて出します)。
厚生年金の加入が1年に満たないと、どうなる?
特別支給の老齢厚生年金は出ません。受け取るには、厚生年金保険(共済を含む)の加入が1年以上あり、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たす必要があります(日本年金機構)。1年未満でも厚生年金の加入期間があれば、65歳から老齢厚生年金を受け取れます。
特別支給の老齢厚生年金は、何歳まで受け取れる?
65歳になるまでです。65歳からは老齢厚生年金(と老齢基礎年金)に切り替わります。65歳からの分も、年齢に達した日の属する月の翌月分から支給されます。
2026年10月6日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月4日)。出典: 日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金 / 日本年金機構 老齢年金ガイド(令和8年度版) / e-Gov 法令検索 厚生年金保険法(第36条・附則第8条・附則第8条の2) / e-Gov 法令検索 年齢計算ニ関スル法律 / e-Gov 法令検索 民法(第143条 暦による期間の計算)