大阪・関西万博で4月13日から公開!環境配慮型の「森になる建築」

森になる建築公開

開催期間:4月13日〜10月13日

森になる建築公開
森になる建築ってどんな建物なの?
森になる建築は、環境に優しい素材を使い、3Dプリンターと手作り技術を融合した未来型建築です。
大阪・関西万博ではこの建築はどう使われるの?
大阪・関西万博では、森になる建築が来場者の休憩施設として2025年4月13日から10月13日まで利用されます。

「森になる建築」の完成とその概要

2025年4月8日、株式会社竹中工務店は、大阪・関西万博の会場内「大地の広場」において、「森になる建築」の完成を発表しました。この建築物は、2024年8月より3Dプリンターを用いて建築が進められ、2025年4月13日から10月13日までの万博開催期間中には来場者の休憩施設として利用される予定です。

「森になる建築」は、環境に配慮した新しい建築の形を提案するものであり、最先端の3Dプリント技術と手づくりの技を融合させています。具体的には、直径4.65メートル、高さ2.95メートルの建築物が2棟構成されており、持続可能な素材を使用することにより、使用後に廃棄物となるのではなく、自然に還る建築を目指しています。

大阪・関西万博会場内に提供する「森になる建築」が完成 画像 2

建築物の特徴と使用素材

本建築物の構造体には生分解性樹脂が採用されており、外装には一般市民が参加したワークショップで作られた「シーズペーパー」を使用しています。この「シーズペーパー」は植物の種をすきこんだ和紙であり、自然環境との調和を重視した設計がなされています。また、伝統工芸の職人や福祉施設の方々によって作られた和紙も取り入れ、多様な人々の参加によって完成したことが特筆されます。

以下は「森になる建築」の使用素材と構造に関する詳細です:

  • 構造体:生分解性樹脂
  • 外装:シーズペーパー(植物の種をすきこんだ和紙)
  • 内装:酢酸セルロース表し
  • 床:三和土

プロジェクトの背景と技術開発

このプロジェクトは、2020年から2021年にかけて実施された社内コンペで最優秀賞を受賞した「Seeds Paper Pavilion」のアイデアを基に発展したものです。技術開発から強度試験を含む実証実験を経て、2024年7月に建設が着工されました。

特に注目すべきは、3Dプリンターを用いて「酢酸セルロース造」の構造体を現地で出力した点です。2023年2月には「検査済証」が交付され、日本初の「酢酸セルロース造」による未来型建築が実現したことが報告されています。

このような革新的な技術が採用されている背景には、竹中工務店が環境との調和と社会との共創を目指している姿勢があります。今後も、同社は新たな建築技術の開発に取り組んでいく意向を示しています。

協賛企業と技術開発体制

「森になる建築」の実現には、多くの協賛企業や団体の協力があったことも重要なポイントです。以下に、主要な協賛企業とその役割を示します:

企業名 役割
株式会社ダイセル 素材開発・提供
エス.ラボ株式会社 3Dプリント機材提供
株式会社ニフコ 部品開発・提供
阪神園芸株式会社 植栽技術開発・技術提供
大和板紙株式会社 再生パルプ提供
兵庫県立人と自然の博物館 仕上材開発・植栽指導

これらの企業は、それぞれの専門分野において技術開発を進め、プロジェクトの成功に寄与しています。また、協力企業は35社に及び、特設HPにて詳細が公開されています。

まとめ

「森になる建築」は、環境に優しい素材を使用し、多様な人々の参加によって実現された未来型建築です。その設計と施工は株式会社竹中工務店が担当し、万博会場内において重要な役割を果たすことが期待されています。以下に、本プロジェクトの要点を整理します:

項目 詳細
建築地 万博会場敷地内 大地の広場
設計施工 竹中工務店
工事期間 2024年8月~2025年3月
サイズ 直径4.65m、高さ2.95m
棟数 2棟
構造 酢酸セルロース造
主要仕上材 外装:紙、植物の種子・苗
内装:酢酸セルロース表し
床:三和土

このように、竹中工務店の「森になる建築」は、環境への配慮と技術革新を融合させた一つのモデルケースとして、今後の建築業界における新たな可能性を示すものとなっています。

参考リンク: