薬師縁日 (記念日 毎月8日)
- 梵語名
- バイシャジヤ・グル(Bhaiṣajya-guru)
- 別称
- 大医王・医王善逝
- 正式名称
- 薬師瑠璃光如来
- 持ち物
- 左手に薬壷(やっこ)
- 縁日
- 毎月8日(1月8日は「初薬師」)
- 本尊とする寺
- 全国の国分寺・奈良薬師寺など
如来の中で、手に物を持つのは薬師如来だけです。左手に薬壷(やっこ)を持ち、右手の薬指を前に差し出す独特の姿は、仏像を見慣れた人でもひと目でそれと分かる特徴です。毎月8日はその薬師如来の縁日にあたり、全国の薬師如来を祀るお堂や寺院では祭祀・供養が営まれます。
縁日とは「有縁の日」「結縁の日」の略で、神仏がこの世に縁を持つ特定の日を指します。この日に参詣すると、ふだんよりも大きな御利益が得られると信じられてきました。薬師如来の縁日が8日とされた由来は、薬師如来の徳を讃え教えを学ぶ法会「薬師講」に求められると考えられています。
薬師如来の正式名称は薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)といいます。大乗仏教における如来の一尊であり、大医王・医王善逝(いおうぜんぜい)とも呼ばれます。サンスクリット語ではバイシャジヤ・グル(Bhaiṣajya-guru)といい、「バイシャジヤ」は医薬・医療、「グル」は導師・指導者を意味します。その名が示す通り、病気を治し苦しみから救う仏として広く信仰を集めてきました。薬師如来はもともと菩薩であった修行時代に、衆生の病患を除き悟りへと導くために12の本願を立てたとされます。この12の誓願こそが、薬師信仰の根幹をなすものです。現在、全国に置かれた国分寺のほとんどが薬師如来を本尊としており、奈良の薬師寺をはじめ各地の霊場でも篤い信仰が続いています。
1月8日の縁日は一年で最初にあたることから「初薬師」と呼ばれ、特別な意味を持ちます。新年の健康と無病息災を祈る人々が多く訪れ、通常の月よりにぎやかな法要が行われる寺院も少なくありません。毎月続く縁日の中でも、初薬師は年のはじまりを薬師如来とともに迎える節目として、古くから大切にされてきました。