新紙幣の発行はいつから?2024年の新紙幣発行日とその背景を解説
ベストカレンダー編集部
2024年06月6日 14時32分
新紙幣の発行はいつから?
新紙幣の発行は2024年7月3日に開始される予定です。これは財務省と日本銀行が発表したもので、新しい一万円札、五千円札、千円札の3種類が同時に発行されます。新紙幣の発行は約20年ぶりであり、前回の改刷は2004年に行われました。
新紙幣に選ばれた人物
新紙幣の肖像に選ばれた人物は以下の通りです:
- 一万円札: 渋沢栄一
- 五千円札: 津田梅子
- 千円札: 北里柴三郎
これらの人物はそれぞれの分野で日本の発展に大きく貢献した歴史的な人物です。
渋沢栄一
渋沢栄一は「近代日本経済の父」とも称され、第一国立銀行や東京証券取引所など多くの企業や公共事業の設立に関わりました。彼の功績は日本の近代化に大きく寄与しています。
渋沢栄一について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
津田梅子
津田梅子は「女子英学塾(現・津田塾大学)」の創設者であり、女性教育の先駆者として知られています。彼女は日本初の女子留学生として渡米し、その後も女性の地位向上に尽力しました。
北里柴三郎
北里柴三郎は「近代日本医学の父」と称され、破傷風菌の培養や抗毒素の発見、血清療法の確立など、多くの医学的功績を残しました。また、伝染病研究所や慶應義塾大学医学部の創設にも関わりました。
新紙幣のデザインと偽造防止技術
新紙幣には最新の偽造防止技術が多数取り入れられています。例えば、3Dホログラム技術や高精細すき入れ模様、潜像模様、マイクロ文字、特殊発光インキなどが採用されています。これにより、偽造が非常に困難になります。
具体的な偽造防止技術
- 見る角度によって券面の肖像が回転する3Dホログラム技術
- 肖像の周囲に施される高精細なすき入れ模様
- 紙幣を傾けると数字や「NIPPON」の文字が浮かび上がる潜像模様
- カラーコピーでは再現できないほど細かいマイクロ文字
- 紫外線を当てたときに券面の一部が発光する特殊発光インキ
旧紙幣の取り扱い
新紙幣が発行されても、旧紙幣は引き続き使用可能です。ATMや店頭での利用も問題なく、交換の必要はありません。ただし、「旧紙幣が使えなくなる」といった詐欺には十分注意が必要です。
現在も使用可能な紙幣一覧
分類 | 券種 | 表面の人物 | 裏面の図柄 | 発行開始日 |
---|---|---|---|---|
昭和59年発行(D券) | 一万円券 | 福沢諭吉 | きじ | 1984年11月1日 |
昭和59年発行(D券) | 五千円券 | 新渡戸稲造 | 富士山 | 1984年11月1日 |
昭和59年発行(D券) | 千円券 | 夏目漱石 | 鶴 | 1984年11月1日 |
昭和32年~44年発行(C券) | 一万円券 | 聖徳太子 | 彩紋 | 1958年12月1日 |
昭和32年~44年発行(C券) | 五千円券 | 聖徳太子 | 日本銀行 | 1957年10月1日 |
昭和32年~44年発行(C券) | 千円券 | 伊藤博文 | 日本銀行 | 1963年11月1日 |
昭和32年~44年発行(C券) | 五百円券 | 岩倉具視 | 富士山 | 1969年11月1日 |
昭和25年~28年発行(B券) | 千円券 | 聖徳太子 | 法隆寺夢殿 | 1950年1月7日 |
昭和25年~28年発行(B券) | 五百円券 | 岩倉具視 | 富士山 | 1951年4月2日 |
昭和25年~28年発行(B券) | 百円券 | 板垣退助 | 国会議事堂 | 1953年12月1日 |
昭和25年~28年発行(B券) | 五十円券 | 高橋是清 | 日本銀行 | 1951年12月1日 |
昭和21年発行(A券) | 百円券 | 聖徳太子 | – | 1946年2月25日 |
昭和21年発行(A券) | 十円券 | 国会議事堂(人物なし) | – | 1946年2月25日 |
昭和21年発行(A券) | 五円券 | 彩紋模様(人物なし) | – | 1946年3月5日 |
昭和21年発行(A券) | 一円券 | 二宮尊徳 | – | 1946年3月19日 |
昭和18年以前発行 | 一円券 | 武内宿禰 | – | 1943年12月15日 |
昭和18年以前発行 | 改造一円券 | 武内宿禰 | – | 記番号が漢字:1889年5月1日 記番号が英数字:1916年8月15日 |
昭和18年以前発行 | 旧一円券 | 大黒天 | – | 1885年9月8日 |
新札発行の社会的・経済的影響
新札の発行は、偽造防止だけでなく、経済活動や文化にも影響を与えます。例えば、新札の発行に伴い、ATMや自動販売機の改修が必要となり、これに関連する産業が活性化する可能性があります。また、新しいデザインの紙幣は観光客にも新鮮な印象を与え、日本文化の紹介にも一役買います。
一方で、新札発行に伴うコストや旧紙幣の回収に関するコストも無視できません。これらのコストは最終的に国民に負担がかかるため、政府や金融機関は慎重な計画と実行が求められます。
まとめ
新紙幣の発行は2024年7月3日に開始されます。新紙幣の一万円札には渋沢栄一、五千円札には津田梅子、千円札には北里柴三郎が選ばれました。新札が発行されても古い紙幣は今まで通り使えるため、「現在の紙幣が使えなくなる」と偽った詐欺行為には注意しましょう。
旧紙幣を現金で家に置いているタンス預金にはいくつかのリスクがあります。昨今の物価上昇を考えると、タンス預金には現金の価値が目減りするリスクがあるため、紙幣変更の機会に投資信託など物価上昇に負けない可能性がある商品への投資を考えるのもリスク回避につながります。