6月の家庭菜園:梅雨時期に最適な野菜の選び方と育て方
ベストカレンダー編集部
2024年06月3日 20時09分

家庭菜園 6月植え付け
6月は家庭菜園にとって非常に重要な月です。梅雨の影響で多湿な環境が続くため、野菜の選定や植え付けの方法には特に注意が必要です。ここでは、6月に植え付けることができる野菜を中心に、その特徴や栽培方法について詳しく説明します。
6月に植え付けることができる野菜は、実野菜、葉野菜、根野菜に分けられます。それぞれの野菜には特有の育て方や注意点がありますので、以下で詳しく見ていきましょう。
実野菜
- 枝豆
- オクラ
- ニガウリ
- マクワウリ
- トウモロコシ
- キュウリ
例えば、枝豆は6月上旬までに種をまき、病害虫に強い品種を選ぶことがポイントです。収穫まで約3か月かかります。また、オクラも6月に植え付けが可能で、栽培期間が短く、栄養価も高い野菜です。
葉野菜
- チンゲンサイ
- タアサイ
- セロリ
- ミツバ
- ルッコラ
- コマツナ
- メキャベツ
- フダンソウ
- 葉ネギ
- モロヘイヤ
- アイスプランツ
- セリフォン
- オカノリ
- ベビーリーフ
- エンサイ
- カイラン
- クレソン
- ニラ
- シソ
- キンジソウ
- キンサイ
- ヒユナ
- セリ
例えば、チンゲンサイは6月に種まきと植え付けができます。ベランダ栽培では小型のミニチンゲンサイが育てやすいです。また、セロリは6月が種まきと苗の植え付け時期で、栄養価の高い野菜です。
根野菜
- ラッカセイ
- サツマイモ
- サトイモ
例えば、サツマイモは6月中旬まで植え付けが可能です。プランターでの栽培も可能で、初心者向けの野菜です。
サツマイモの栽培方法
サツマイモは痩せ地を好んで育ち、手間もあまりかからないため家庭菜園にオススメの野菜です。ただ寒さには弱いので、十分に暖かくなってから植え付けましょう。
適地 | 水はけの良い砂質の土壌 |
---|---|
苗の植え付け時期 | 5月中旬〜6月中旬ごろ |
収穫時期 | 10〜11月中旬ごろ |
栽培難易度 | 1 ★☆☆ |
サツマイモの生育適温は20〜30度と言われており、寒さには弱いので、十分に暖かくなってから植え付けましょう。サツマイモの苗はツルの部分が切られた状態で売られています。苗を買ったらバケツなどに入れた水につけておき、吸水させます。植え付けは株間30センチでツルを斜め45度にして、地面に苗の3〜4節ほどを埋めていきます。
サツマイモのツルは横にどんどん伸びて広がっていきます。この時に周囲に草が生えていると、ツルと絡まって、草刈りがとても大変になります。サツマイモの苗の周囲はビニールフィルムまたは稲わら、イネ科雑草などで土を覆っておきます。ツルが伸びると、その先でまた根を張ろうとしますが、これを放っておくとその根からも芋をつけようとして、栄養が分散してしまうので、ツルを上に持ち上げて土に根付かないようにする「ツル返し」という作業を行います。ツルが1メートル以上伸びたら、その先は切ってしまっても構いません。
10月以降に試し掘りをしてみて、十分に太っていれば収穫していきます。あまり長期間畑に置いておくと鳥獣害にあいやすくなるので注意します。晴れた日の午前中に収穫し、半日ほど日に当てて乾燥させます。収穫後はすぐ食べてもおいしくないので注意が必要です。2〜4週間ほどは新聞紙で包み、ダンボールに入れて冷暗所で保存しておくとデンプンが糖に変化しておいしくなります。10度以下だと低温障害を起こすので冷蔵庫での保存はやめましょう。
青ジソの栽培方法
青ジソは料理の時に少しあるととても重宝しますよね。栽培も簡単で、こぼれ種で毎年発芽もしやすい野菜ですのでぜひ植えてみましょう。
適地 | 水はけの良い土壌 |
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種まき時期 | 5月ごろ |
苗の植え付け時期 | 4〜6月ごろ |
収穫時期 | 6〜9月ごろ |
栽培難易度 | 1 ★☆☆ |
青ジソは比較的痩せた土でも育ちます。初めは少なめの堆肥(たいひ)で育て、生育が悪ければ追肥する形で良いと思います。日当たりの良い場所を好む植物ではありますが、日当たりが強すぎると葉が厚く硬くなってしまうのと、やや湿った土壌を好むので半日陰くらいの場所がオススメです。
青ジソの栽培で最も難しいのは発芽です。特に重要なポイントは3つあります。まずは発芽温度で、20度以上必要ですので、十分に気温が上がってから種まきしましょう。2つ目は水分で、シソの種は殻が硬く発芽までに水分が十分に維持できないと発芽しません。そのため一晩水につけてからまくと発芽しやすくなります。3つ目は光で、シソは好光性種子といって発芽に光を必要とする性質があります。覆土が厚すぎると発芽しないことがありますので、うっすらと種が隠れる程度にしておき、しっかりと手で土を押さえましょう。プランターや苗箱、畑の一部に1〜2センチ間隔でバラまきして、ある程度大きくなってから広い場所に移し替えると管理が楽でオススメです。
ちなみに苗からの栽培ももちろん可能で、こちらの方が簡単ですので、少数でよい場合は苗から育ててみましょう。
葉が重ならない程度に適宜間引きながら育て、30センチほどの大きさになったら、先端を10センチほど摘んでおきましょう。こうすると脇芽が成長し、収穫の総量も増えます。
大豆(エダマメ)の栽培方法
大豆は比較的痩せた土地を好むので、土づくりがまだ出来上がっていない畑でも作りやすい野菜です。実がなるために多くの水分を必要とするので、特に元田んぼだったような場所や粘土質な畑では栽培しやすいです。
適地 | 水もちの良い土壌 |
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種まき時期 | 6〜7月上旬ごろ |
収穫時期 | 10〜12月ごろ(エダマメとしては9月ごろ) |
栽培難易度 | 2 ★★☆ |
大豆などのマメ科は根に共生している根粒菌の働きで、空気中からも窒素を取り込むため、痩せた土地でもよく育ちます。逆に土の中の窒素分が多すぎると、過剰に吸収して、茎葉は大きくなるものの実がならないといった木ボケの症状が出やすくなります。まずは無肥料で栽培してみましょう。
ちょうど良い種まきのタイミングに関しては品種や地域によって少しずつ異なるため、できれば地元の農家さんや園芸店の人に聞いてみるのをオススメします。3粒ずつ20センチ間隔で、深さ2センチほどを目安にまいていきます。豆類は種まき直後に鳥などにタネを食べられてしまうことがあるので、テグスや不織布などで対策しましょう。発芽してきたら生育の良い2本を残し、2本立ちで育てていきます。
大豆は花が咲いて実が太る時期にたくさんの水分を必要とします。そのため昔の人は田んぼの畦(あぜ)など常に水分が摂取できる場所での栽培を行っていました。この開花期以降に10日ほど雨が降らない場合は夕方ごろにたっぷりと水やりをしましょう。
大豆とエダマメは同じ植物ですので、大豆として栽培した一部を9月ごろに収穫すれば、エダマメとしても食べられます。多めに植えてどちらも楽しめるようにしておくとよいです。
大豆の収穫は完全に枯れて、振るとカラカラと音がするようになったら収穫します。1〜2週間ほど風通しの良い日陰で干して、しっかりと乾燥させてから中のマメを取り出します。
大豆はプランターでも栽培しやすいですが、実際に料理などで使用するときはまとまった量が必要となることが多いと思いますし、収穫まで長期間場所をとるので、エダマメとして栽培する方が個人的にはオススメです。
これらの情報をもとに、6月の家庭菜園を楽しんでみてください。正しい知識と適切な管理で、美味しい野菜をたくさん収穫できることでしょう。
参考記事: 6月に植える野菜の種類は?