メナードが11月7日に発表!幹細胞から再現する人工全顔皮膚モデル
ベストカレンダー編集部
2024年11月7日 17:18
人工全顔皮膚モデル発表
開催日:11月7日
本人の“幹細胞”から再現した人工全顔皮膚モデルの開発
日本メナード化粧品株式会社は、皮膚幹細胞の培養技術を活用し、独自の人工皮膚モデルを作製することで化粧品開発に役立ててきました。2024年11月7日、同社は幹細胞の3次元培養技術を改良し、本人の“細胞”から本人の“顔”を再現した人工全顔皮膚モデルの作製に成功したことを発表しました。
皮膚は再生能力に優れた組織であり、その再生を担うのが幹細胞です。近年、幹細胞を応用したティッシュ・エンジニアリングの研究が進み、体外で皮膚組織を再構築した人工皮膚は再生医療分野で早くも実用化されています。メナードでは、安定した人工皮膚モデルの作製やその応用性について研究を進めてきましたが、従来の人工皮膚モデルは平坦なシート状であり、実際のヒト皮膚の外観や質感、顔の形を再現するのが困難でした。
人工全顔皮膚モデルの特徴と技術
メナードは、よりリアルな皮膚を再現するために、幹細胞から全顔を再現する技術の開発に取り組みました。今回の研究では、幹細胞の3次元培養に適した足場材料を選定し、侵襲性の低い抜去毛包の幹細胞を用いて、顔形状の人工皮膚モデルを作製することに成功しました。
この技術により、個人の顔形状と皮膚性状を反映した人工皮膚モデルを作製できるため、以下のような応用が期待されます:
- 個人の感受性に対応した皮膚の刺激因子(紫外線など)の評価
- 有効性の評価
- 個人の顔の老化予測
- パーソナルな美容サービスや化粧品の開発
- 創薬などの広範な応用
また、従来の摘出皮膚からの細胞採取を必要とせず、侵襲性の低い抜去毛包から任意の形状を有した人工皮膚モデルを簡便に作製できます。これにより、患部の形状に合わせた新しい皮膚の移植医療への応用も期待されています。
研究成果の発表と今後の展望
本研究成果は、2024年11月2日から3日に盛岡で開催された第29回日本顔学会大会にて発表されました。研究の進展により、個人の細胞を用いた新たな人工全顔皮膚モデルの実用化が見込まれています。
以下は、今回の研究で確立されたヒト顔形状を再現した人工全顔皮膚モデルの作製技術の概要です:
- 培養に適した足場材料の選定
細胞培養により「顔」のような複雑な立体構造を再現するために、細胞培養の足場として使用する素材が重要です。高い成型性と培地の含水性を兼ね備えた素材として、アルギン酸ハイドロゲルを選定しました。 - 人工全顔皮膚モデルの作製
真皮幹細胞を含むコラーゲンゲルの表面に表皮幹細胞を播種し、顔形状を再現したアルギン酸ハイドロゲルの培養足場に被覆させることで、皮膚組織を再生しました。
これにより、立体的に顔の皮膚を再現できていることが確認され、病理学的評価からも表皮と真皮が形成されていることが確認されました。
個人の幹細胞からの人工全顔皮膚モデルの意義
顔の形や肌の性質は個人で異なり、紫外線や有効成分に対する感受性にも個人差があります。メナードでは、侵襲性の低い抜去毛包から採取した幹細胞を用いて、個人の皮膚を再現した人工全顔皮膚モデルの作製に取り組んでいます。
この方法で作製された人工全顔皮膚モデルは、その人の細胞からその人の顔の形の皮膚を再現しており、以下のようなパーソナルな研究が可能になります:
- 皮膚の刺激因子(紫外線など)の評価
- 有効性の評価
- 個人の顔の老化予測
- パーソナルな美容サービスや化粧品の開発
- 創薬や医療への応用
この新たな技術により、個人に最適化された美容製品や治療法の開発が期待されます。
項目 | 内容 |
---|---|
技術名 | 人工全顔皮膚モデルの作製 |
開発企業 | 日本メナード化粧品株式会社 |
発表日 | 2024年11月7日 |
発表場所 | 第29回日本顔学会大会(盛岡) |
主な特徴 | 本人の幹細胞から顔を再現した人工皮膚モデルの開発 |
応用分野 | 美容サービス、化粧品開発、創薬、医療 |
以上のように、今回の研究成果は個人の皮膚に特化した新しい人工皮膚モデルの開発に寄与し、化粧品や医療の分野でのさらなる発展が期待されます。