12月12日まで『怪談 牡丹燈籠』シネマ歌舞伎上映、三遊亭わん丈の魅力的なトークも

シネマ歌舞伎上映会

開催期間:12月7日〜12月26日

シネマ歌舞伎上映会
シネマ歌舞伎ってどんなもの?
シネマ歌舞伎は、歌舞伎の舞台を映画館で楽しむ新しい形態の演劇体験です。映画館で臨場感を味わえます。
三遊亭わん丈ってどんな人?
三遊亭わん丈は、古典落語や自作落語で活躍する若手落語家で、真打昇進を果たし、数々の受賞歴を持っています。

シネマ歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』の上映会と三遊亭わん丈氏のトークセッション

松竹株式会社が主催するシネマ歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』の上映が、全国33館で行われています。この上映は、2024年12月12日(木)まで続き、特に東劇では12月26日(木)までの長期上映が予定されています。シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の舞台を映画館で楽しむ新しい形態の演劇体験です。

この度、特別なトーク付き上映会が開催され、落語家の三遊亭わん丈氏が登壇しました。彼は年間1500席の高座に上がり、古典落語や自作落語で数々の受賞歴を持つ若手落語家です。今年の春には、落語協会にて12年ぶりに真打昇進を果たし、円朝の「牡丹燈籠」に意欲的に取り組んでいます。

『怪談 牡丹燈籠』の魅力と物語の構成

上映会では、三遊亭わん丈氏が「牡丹燈籠」の全22章にわたる物語について解説しました。この作品は、奇数章では武士のかたき討ちが物語の中心となり、偶数章では伴蔵とお峰という貧乏夫婦が成り上がる様子が描かれています。

わん丈氏によると、落語ではこの偶数章の部分が特に演じられることが多いとのことです。彼は「庶民の安っぽい欲望を叶えるおかしみを描くのが落語の特徴であり、伴蔵夫婦の物語が一番落語にしやすい」と述べています。逆に、奇数章を演じるには色気が必要であり、「色気を持っている人は落語家にはなれない」とユーモアを交えて語りました。

三遊亭円朝とシネマ歌舞伎の魅力

シネマ歌舞伎での坂東三津五郎演じる三遊亭円朝についても言及されました。わん丈氏は、「あんなにかっこいい落語家はいない」と称賛し、三津五郎氏の美しい所作について「高座に出て、湯呑にお湯を注いで飲んでから話し出す姿は特別で、普通は楽屋でやってこいと言われるところだが、彼の所作だからこそ見ていられる」と述べました。

さらに、円朝の不遇なエピソードを交えつつ、「人間関係に揉まれに揉まれた人だった。だから、幽霊より生きている人間の方が怖いと言いたかったのではないか」と語り、作品の深いテーマに触れました。

落語、歌舞伎、そしてシネマ歌舞伎の楽しみ方

最後に、わん丈氏は「ぜひ原作、落語、歌舞伎の3つそれぞれを見比べて楽しんでほしい」と観客に呼びかけました。彼の言葉からは、各ジャンルの違いや魅力を理解し、楽しむことの重要性が伝わってきます。

シネマ歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』は、ただの映像作品ではなく、観客が古典の魅力を感じ取り、落語や歌舞伎の深い世界に触れる機会を提供しています。このようなイベントを通じて、伝統文化の魅力が次世代に受け継がれていくことが期待されます。

イベント名 開催日 登壇者 上映館 上映期間
シネマ歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』トーク付き上映会 2024年12月12日まで 三遊亭わん丈 全国33館 東劇は12月26日まで

以上の内容から、シネマ歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』は、落語と歌舞伎の融合を楽しむことができる貴重な体験であることがわかります。伝統的な芸能が現代の舞台でどのように表現されているのかを知る良い機会となるでしょう。

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