廃プラスチックを再利用した演台・司会者台が万博で活躍!3月23日から
ベストカレンダー編集部
2025年4月14日 11:42
万博演台製作
開催日:3月23日

万博会期中に使用される演台・司会者台の製作
2025年4月14日、株式会社鴻池組と有限会社スワニーは、大阪・夢洲で開催される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の小催事場建設工事において、3Dプリンターを用いて製作した演台・司会者台を納品しました。この取り組みは、環境への配慮と資源循環をテーマにしたものであり、特に廃プラスチックを原料として使用しています。
演台と司会者台は、従来の製造方法に代わり、3Dプリンターを利用して製作されました。原料には、建設現場から回収したPPバンドが使用されています。このように、廃材を再利用することで、新たな製品を生み出すことに成功しました。

背景と経緯
建設現場では、工期中に多様な産業廃棄物が発生します。特に廃プラスチックは、資材の梱包材や養生材などから大量に生じており、そのリサイクルは難しいとされています。多くの場合、廃プラスチックはサーマルリサイクル(焼却して熱エネルギーを利用する方法)されてしまいます。
この課題に対して、鴻池組は以前からマテリアルリサイクルに取り組んできました。3Dプリンターを用いたプランター製作のノウハウを活かし、博覧会会場で使用する演台・司会者台の製作に挑戦しました。これにより、建設現場で発生した廃プラスチックを原料に、実用的な製品を生み出すことができました。

製作プロセスと成果
演台と司会者台の製作には、株式会社TBMが行ったPPバンドのリペレット化が利用されました。スワニーが保有する大型のペレット押出式3Dプリンター「EXT TITAN Pellet」を用いて、リサイクルPPペレットを50%以上使用しました。残りの材料は、強度を向上させるフィラー材を含むコンポジット材料です。
さらに、演台と司会者台のデザインには、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」にインスパイアされた意匠が取り入れられています。この部分には、旭化成株式会社が製作した環境配慮型材料であるセルロースナノファイバーフィラメント材が使用され、全体的に環境に配慮した製品となっています。
製作された演台と司会者台は、2025年3月23日の大阪ヘルスケアパビリオン開館式や、3月27日の警察と消防の専門部隊発足式で使用される予定です。また、万博開催期間中も様々な式典やイベントで活用されることが期待されています。

担当者のコメントと企業の取り組み
鴻池組の3Dプリンター技術担当者は、今回の取り組みを通じて建設現場におけるマテリアルリサイクルの新たな一歩を踏み出したと述べています。3Dプリンターを使用することで、一品生産にも対応できる柔軟性が生まれ、今後も案件に応じたリサイクル活動を積極的に行う意向を示しました。
また、工事現場事務所の勤務者は、廃プラスチックを原料とした演台の製作こそがこの取り組みの根幹であり、多様な形の製品を廃プラスチックから作れる可能性を示すことが重要であると強調しています。万博の場でサーキュラーエコノミーのモデルケースを示すことに感謝の意を表しています。

有限会社スワニーの企業紹介
有限会社スワニーは1970年に設立され、当初は弱電・電子機器の製造業としてスタートしました。2010年に製品設計会社として事業転換し、最新の3Dプリンターと3Dモデリング技術を駆使して製品の設計、試作、量産化を一貫してサポートしています。
近年、スワニーはSpyra社とのパートナーシップを締結し、同社製品の日本総代理店としても活動を行っています。また、地域の行政と連携し、地産の製造業ご当地お土産プロジェクトや商店街の空きスペースを活用した内職ワークスペースのプロジェクトなども推進しています。3Dプリント樹脂型デジタルモールドなどの新技術を展開し、迅速にアイデアを形にすることを目指しています。
まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | 演台・司会者台 |
製作日 | 2025年3月 |
使用材料 | PPバンド、セルロースナノファイバー |
製作方法 | 3Dプリンター |
使用予定イベント | 大阪ヘルスケアパビリオン開館式、警察と消防の専門部隊発足式など |
企業名 | 株式会社鴻池組、有限会社スワニー |
このように、鴻池組とスワニーの取り組みは、廃プラスチックのリサイクルを通じて環境に配慮した製品の製作を実現しています。今後もこのような活動が広がり、持続可能な社会の実現に寄与することが期待されます。
参考リンク: